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Intel,ノートPC向け第13世代Coreプロセッサを発表。TDP 65W版のデスクトップPC向けも投入
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印刷2023/01/03 23:00

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Intel,ノートPC向け第13世代Coreプロセッサを発表。TDP 65W版のデスクトップPC向けも投入

画像集 No.002のサムネイル画像 / Intel,ノートPC向け第13世代Coreプロセッサを発表。TDP 65W版のデスクトップPC向けも投入
 北米時間2023年1月3日,Intelは,ノートPC向けおよびデスクトップPC向けの第13世代Coreプロセッサを発表した。

 開発コードネーム「Raptor Lake」と呼ばれる第13世代Coreプロセッサは,2022年10月に,CPUコアの倍率ロックを解除した「K型番」モデルが先行して登場していた。今回発表となったのは,より幅広い製品に向けたモデルであり,いよいよ第13世代Coreプロセッサの展開が本番を迎えたわけだ。

 改めて第13世代Coreの特徴を説明しておくと,前世代に当たる第12世代Coreプロセッサで導入された「ハイブリッドアーキテクチャ」を発展させたものである。ハイブリッドアーキテクチャは,高性能だが高消費電力なCPUコア「P-core」と,最大性能ではP-coreに劣るが,省電力で高効率なCPUコア「E-core」という2種類のCPUコアを組み合わせた非対称マルチコア構成が特徴である。
 第13世代Coreプロセッサでは,E-coreとL2キャッシュメモリ容量を増量したのに加えて,動作クロックも第12世代Coreプロセッサより高めたことにより,処理性能が全般的に向上したのが見どころだ。製造プロセス技術は,第12世代Coreプロセッサの製造に用いた「Intel 7」の改良版であるという。

 本稿執筆時点では,ラインナップのすべてが明らかになっているわけではないが,概要を紹介しよう。


ノートPC向け第13世代Coreプロセッサ


 ノートPC向けの第13世代Coreプロセッサは,定格消費電力で区分けされた以下の4シリーズがラインナップされている。

  • HX:定格消費電力55WのExtreme Performance(高性能ノートPC)向け,9製品
  • H:定格消費電力45WのThin Enthusiast(高性能薄型ノートPC)向け
  • P:定格消費電力28WのPerformance Thin&Light(高性能な薄型軽量ノートPC)向け
  • U:定格消費電力15WのModern Thin&Light(薄型軽量ノートPC)向け

ノートPC向け第13世代Coreプロセッサは,定格消費電力の異なる4シリーズに分かれている
画像集 No.003のサムネイル画像 / Intel,ノートPC向け第13世代Coreプロセッサを発表。TDP 65W版のデスクトップPC向けも投入

 ゲーマー向けノートPCのハイエンドモデルで使われる「HX」シリーズは,P-coreを最大8基(16スレッド),E-coreを最大16基(16スレッド)の最大24コア搭載するCPUだ,最大動作クロックは5.6GHzに達するという。
 Core HXシリーズのラインナップは以下のとおり。最上位のCore i9だけでなく,Core i7/i5にもHXシリーズが登場したのがポイントだ。

  • Core i9-13980HX:24コア(8+16)32スレッド,P-core定格クロック2.2GHz,最大クロック5.6GHz,L3キャッシュ容量36MB,Max Turbo Power 157W
  • Core i9-13950HX:24コア(8+16)32スレッド,P-core定格クロック2.2GHz,最大クロック5.5GHz,L3キャッシュ容量36MB,Max Turbo Power 157W,vPro Enterprise対応
  • Core i9-13900HX:24コア(8+16)32スレッド,P-core定格クロック2.2GHz,最大クロック5.4GHz,L3キャッシュ容量36MB,Max Turbo Power 157W
  • Core i7-13850HX:20コア(8+12)28スレッド,P-core定格クロック2.1GHz,最大クロック5.3GHz,L3キャッシュ容量30MB,Max Turbo Power 157W,vPro Enterprise対応
  • Core i7-13700HX:16コア(8+8)24スレッド,P-core定格クロック2.1GHz,最大クロック5GHz,L3キャッシュ容量30MB,Max Turbo Power 157W
  • Core i7-13650HX:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック4.9GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 157W
  • Core i5-13600HX:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック4.8GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 157W
  • Core i5-13600HX:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック4.8GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 157W,vPro Enterprise対応
  • Core i5-13500HX:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.5GHz,最大クロック4.7GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 157W
  • Core i5-13450HX:10コア(6+4)16スレッド,P-core定格クロック2.4GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量20MB,Max Turbo Power 157W

 また,Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)やBluetooth LE Audio,Thunderbolt 4といった最新の技術に対応しているのもポイントだ。GPU接続用のPCI Express(以下,PCIe)インタフェースが,最新のPCIe 5.0 x16対応であるのも,ゲーム用途では見どころかもしれない。

第13世代Core HXシリーズのブロック図。演算ユニット数32基(32EU)の統合型グラフィックス機能(以下,統合型GPU)を内蔵し,メインメモリはDDR5-5600にも対応する
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 「Core i9-13950HX」のゲームにおける性能を,前世代に当たる「Core i9-12900HX」や,AMDの「Ryzen 9 6900HX」と比較したスライドを見ると,前世代より最大で12%高速であるとIntelは主張している。ハイエンド市場向けゲームノートPCの性能を,もう一段階上へと引き上げてくれそうだ。

ゲームにおける性能を,前世代や競合製品と比較したスライド。とくにRyzen 9 6900HXに対しては,大きな差を付けるようだ
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コンテンツ制作用途における優位性をアピールするスライド。「Unreal Engine 5」と「MetaHuman」などを使った場合,前世代よりも10%高速であるという
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第13世代Core Pシリーズのイメージ。CPUに加えて,チップセット(PCH)部分もパッケージ上にある
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 一方,ノートPC向けのH/P/Uシリーズの場合,最大コア数は6+8コア構成であるが,内蔵する統合型GPUは演算ユニット数96基と,やや強力になっている。HXシリーズは単体GPUと組み合わせて使うことが多いため,統合型GPUの性能を重視しなくて済むのに対して,H/P/Uシリーズは,単体GPUを備えない構成も多いためだろう。

第13世代Core H/P/Uシリーズのブロック図。統合型GPUの強化以外にも,単体GPUとの接続に使うPCIe 5.0が8レーン減っているといった違いがある
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 Core Hシリーズのラインナップは以下のとおりで,全11製品が登場する。

●第13世代Core Hシリーズのラインナップ
  • Core i9-13900HK:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック5.4GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W,vPro Essentials対応
  • Core i9-13905H:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック5.4GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W
  • Core i9-13900H:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック5.4GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W,vPro Enterprise対応
  • Core i7-13800H:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.5GHz,最大クロック5.2GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W,vPro Enterprise対応
  • Core i7-13705H:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.4GHz,最大クロック5GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W
  • Core i7-13700H:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.4GHz,最大クロック5GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W,vPro Enterprise対応
  • Core i7-13620H:10コア(6+4)16スレッド,P-core定格クロック2.4GHz,最大クロック4.9GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 115W
  • Core i5-13600H:12コア(4+8)16スレッド,P-core定格クロック2.8GHz,最大クロック4.8GHz,L3キャッシュ容量18MB,Max Turbo Power 95W,vPro Enterprise対応
  • Core i5-13505H:12コア(4+8)16スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック4.7GHz,L3キャッシュ容量18MB,Max Turbo Power 95W
  • Core i5-13500H:12コア(4+8)16スレッド,P-core定格クロック2.6GHz,最大クロック4.7GHz,L3キャッシュ容量18MB,Max Turbo Power 95W,vPro Essentials対応
  • Core i5-13420H:8コア(4+4)12スレッド,P-core定格クロック2.1GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 95W

 Core Pシリーズは少なめで,Core i7/i5合わせて4製品が発表となった。

●第13世代Core Pシリーズのラインナップ
  • Core i7-1370P:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック1.9GHz,最大クロック5.2GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 64W,vPro Enterprise対応
  • Core i7-1360P:12コア(4+8)20スレッド,P-core定格クロック2.2GHz,最大クロック5GHz,L3キャッシュ容量18MB,Max Turbo Power 64W,vPro Essentials対応
  • Core i5-1350P:12コア(4+8)20スレッド,P-core定格クロック1.9GHz,最大クロック4.7GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 64W,vPro Enterprise対応
  • Core i5-1340P:12コア(4+8)20スレッド,P-core定格クロック1.9GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 64W,vPro Essentials対応

 薄型ノートPC向けのCore Uシリーズは,以下の7製品となる。P-coreは1〜2基と少ないが,E-coreはi7/i5モデルで8基搭載しているので,低消費電力ながらも高い性能を目指していることがうかがえよう。
 また,Uシリーズにはエントリー市場向けのCore i3や「Intel Processor」がラインナップされているのもポイントだ。ただ,性能面でゲーマーが積極的に選ぶものではない。

●第13世代Core Uシリーズのラインナップ
  • Core i7-1365U:10コア(2+8)12スレッド,P-core定格クロック1.8GHz,最大クロック5.2GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 55W,vPro Enterprise対応
  • Core i7-1355U:10コア(2+8)12スレッド,P-core定格クロック1.7GHz,最大クロック5GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 55W,vPro Essentials対応
  • Core i5-1345U:10コア(2+8)12スレッド,P-core定格クロック1.6GHz,最大クロック4.7GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 55W,vPro Enterprise対応
  • Core i5-1335U:10コア(2+8)12スレッド,P-core定格クロック1.3GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 55W,vPro Essentials対応
  • Core i5-1334U:10コア(2+8)12スレッド,P-core定格クロック1.3GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 55W,vPro Essentials対応
  • Core i3-1315U:6コア(2+4)8スレッド,P-core定格クロック1.2GHz,最大クロック4.5GHz,L3キャッシュ容量10MB,Max Turbo Power 55W
  • Core i3-1305U:5コア(1+4)6スレッド,P-core定格クロック1.6GHz,最大クロック4.5GHz,L3キャッシュ容量10MB,Max Turbo Power 55W
  • Intel Processor U300:5コア(1+4)6スレッド,P-core定格クロック1.2GHz,最大クロック4.4GHz,L3キャッシュ容量8MB,Max Turbo Power 55W

 第13世代Coreプロセッサを搭載したゲーマー向けノートPCは,各社から続々と登場する予定であり,ゲーマー向けノートPCの購入を検討している人は,これら新CPU搭載モデルの動向を見ながら,製品を選ぶことをお勧めしよう。


デスクトップPC向け第13世代Coreプロセッサ


 デスクトップPC向け第12世代Coreプロセッサの追加ラインナップは,「Raptor Lake-S」という開発コードネームで呼ばれるもので,定格消費電力(Processor Base Power)が65Wと,すでに発売中の末尾「K」型番(TDP 125W,Max TDP 253W)に比べると,常識的な消費電力に収まっているのがポイントだ。

 ラインナップは以下に示す計16製品である。ちなみに,すべての製品が倍率ロックフリー仕様で,Intelによる動作保証外とはなるが,オーバークロック対応となっているのは興味深いところだ。

  • Core i9-13900:24コア(8+16)32スレッド,P-core定格クロック2GHz,最大クロック5.6GHz,L3キャッシュ容量36MB,Max Turbo Power 219W
  • Core i9-13900F:24コア(8+16)32スレッド,P-core定格クロック2GHz,最大クロック5.6GHz,L3キャッシュ容量36MB,Max Turbo Power 219W,統合型GPUなし
  • Core i9-13900T:24コア(8+16)32スレッド,P-core定格クロック1.1GHz,最大クロック5.3GHz,L3キャッシュ容量36MB,Max Turbo Power 106W
  • Core i7-13700:16コア(8+8)24スレッド,P-core定格クロック2.1GHz,最大クロック5.2GHz,L3キャッシュ容量30MB,Max Turbo Power 219W
  • Core i7-13700F:16コア(8+8)24スレッド,P-core定格クロック2.1GHz,最大クロック5.2GHz,L3キャッシュ容量30MB,Max Turbo Power 219W,統合型GPUなし
  • Core i7-13700T:16コア(8+8)24スレッド,P-core定格クロック1.4GHz,最大クロック4.9GHz,L3キャッシュ容量30MB,Max Turbo Power 106W
  • Core i5-13600:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.7GHz,最大クロック5GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 154W
  • Core i5-13600T:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック1.8GHz,最大クロック4.8GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 92W
  • Core i5-13500:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック2.5GHz,最大クロック4.8GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 154W
  • Core i5-13600T:14コア(6+8)20スレッド,P-core定格クロック1.6GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量24MB,Max Turbo Power 92W
  • Core i5-13400:10コア(6+4)16スレッド,P-core定格クロック2.5GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量20MB,Max Turbo Power 148W
  • Core i5-13400T:10コア(6+4)16スレッド,P-core定格クロック1.3GHz,最大クロック4.4GHz,L3キャッシュ容量20MB,Max Turbo Power 82W
  • Core i5-13400F:10コア(6+4)16スレッド,P-core定格クロック2.5GHz,最大クロック4.6GHz,L3キャッシュ容量20MB,Max Turbo Power 148W,統合型GPUなし
  • Core i3-13100:4コア(4+0)8スレッド,P-core定格クロック3.4GHz,最大クロック4.5GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 89W
  • Core i3-13100F:4コア(4+0)8スレッド,P-core定格クロック3.4GHz,最大クロック4.5GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 89W,統合型GPUなし
  • Core i3-13100T:4コア(4+0)8スレッド,P-core定格クロック2.5GHz,最大クロック4.2GHz,L3キャッシュ容量12MB,Max Turbo Power 69W

 第12世代からの大きな強化点として,P-coreの動作クロック向上,E-coreの倍増,L2キャッシュメモリ容量の増加が挙げられる点は,K型番モデルと同様だ。
 最上位モデルの「Core i9-13900」の場合,P-coreの最大動作クロックは5.6GHz,E-coreの数は16基となっており,8基のP-coreと合わせてCPUコアの総数は24基,32スレッド(16+16スレッド)対応となる。これは,ちょうど1年前に発表となった第12世代CoreプロセッサのTDP 65Wモデルで最上位モデルだった「Core i9-12900」が,CPUコア数16基(8+8基),最大動作クロック5.1GHzであることに比べると大幅な強化だ。Intelは,この強化によってシングルスレッド性能は最大11%,マルチスレッド性能で最大34%の性能向上を実現するとアピールしている。

前世代に対して,シングルスレッド性能で最大11%,マルチスレッド性能で最大34%の性能向上を得られるという
画像集 No.009のサムネイル画像 / Intel,ノートPC向け第13世代Coreプロセッサを発表。TDP 65W版のデスクトップPC向けも投入

 ゲーム性能においても,Core i9-12900と比べてゲームのフレームレートが6〜19%向上するとのこと。ゲームPC用のCPUとして期待できそうだ。

スライド左側のグラフがゲームにおける性能向上を示したもので,「League of Legends」で約19%,4Gamerベンチマークレギュレーション26でも採用した「F1 22」では,約15%の性能向上を得られるという
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