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「ハーヴェステラ」は,スクウェア・エニックスらしさを盛り込んだ生活シミュレーションRPG。開発のキーパーソン3名にインタビュー
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印刷2022/10/04 12:00

インタビュー

「ハーヴェステラ」は,スクウェア・エニックスらしさを盛り込んだ生活シミュレーションRPG。開発のキーパーソン3名にインタビュー

 スクウェア・エニックスが2022年11月4日(PC版は11月5日)にリリースする「ハーヴェステラ」は,ファンタジー世界を舞台に作物の栽培や家畜の飼育,人々との交流や釣りなどのスローライフ,そして冒険を楽しめる生活シミュレーションRPGだ。本作の開発経緯や魅力について,プロデューサーを務めるスクウェア・エニックスの高 大輔氏とディレクター&シナリオの古屋海斗氏,開発ディレクションを担当するLive Wireの受田直之氏に聞いた。


より格好よく,より美しく,シビアな世界を舞台にした生活シミュレーションRPG


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。「ハーヴェステラ」のジャンルは生活シミュレーションRPGということですが,企画の経緯やコンセプトはどんなものだったのでしょう。

高 大輔氏(以下,高氏):
 私自身,生活シミュレーション系のジャンルが好きでよく遊ぶのですが,先人たちが作ってくださった素晴らしいタイトルの数々は,可愛いものだったりポップだったりといったものが多いんですよね。
 スクウェア・エニックスが作るこのジャンルのタイトルなら,ファンタジーRPGを強調した世界でもいいのかなと考えました。より格好よく,より美しく,かつシナリオもかなりシリアスな世界の中で生活していくゲームを作ったらどうなるだろうと考えたことが,本作の第1歩でした。

4Gamer:
 実を言うと,本作の発表があったとき,スクウェア・エニックスさんではあまりなかったタイトルが出てきたなという印象でした。

高氏:
 ご存知のとおり,弊社はたくさんのRPGを作っていますので,差別化を図るため,RPGに生活シミュレーション要素を付け加えたゲームとしています。

古屋海斗氏(以下,古屋氏):
 Live Wireさんに開発をお願いしたのも,それがきっかけですよね。

高氏:
 本作の企画を立ち上げようというときに,ちょうどLive Wireの髙田さん(Live Wire 代表取締役 髙田 誠氏)とお会いする機会があり,一緒に何か作れないかという話になったんです。それなら,受田さんを筆頭にLive Wireのスタッフがノウハウを持っているシミュレーション要素を含んだRPGがいいんじゃないかと。

4Gamer:
 とすると,生活シミュレーションを作りたかったというよりは,新作RPGを作ることが前提としてあったという感じですか。

受田直之氏(以下,受田氏):
 いえ,最初に話を聞いたときから,高さんは「冒険と生活両方100%です」と言い切っていましたね。

4Gamer:
 そうなんですね。割とストーリー押しなのかと思っていました。
 体験版をプレイしたのですが,イメージしていたものをいい意味で裏切られた感じでした。プレイ前は,ひたすら農業に励むなど自分で好きなようにスローライフを楽しむゲームで,それがスクウェア・エニックスっぽい世界観のもと描かれていくのだろうとボンヤリ考えていたんですが,遊んでみたらシナリオがかなり凝っていて。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「ハーヴェステラ」は,スクウェア・エニックスらしさを盛り込んだ生活シミュレーションRPG。開発のキーパーソン3名にインタビュー

古屋氏:
 シナリオは,単独できちんと楽しめるようにしています。本作はスクウェア・エニックスらしい,もっと言えばJRPGらしい生活シミュレーションを目指しているので,JRPGらしさをストーリーの軸にしようと考えました。
 具体的には,弊社のタイトルにもいくつかありますが,やはり“星を救う物語”というのが本作の特徴です。単に身近な事件を解決していくだけでなく,それが世界や星全体の危機を解決することへとつながっていくところに重点を置いているので,JRPGらしいシナリオを楽しんでいただけるかと思っています。

4Gamer:
 そうした題材を生活シミュレーションと融合させるのは,なかなか大変では? どうしても自分の畑があって,その周囲で作業して……と,自分の周りで話が完結しがちになります。「星を救う」みたいなシナリオを,システム面とどうやってリンクさせるかという試行錯誤があったかと思うのですが。

古屋氏:
 おっしゃるとおり,そこは難しいところでした。本作のシナリオ作りは,普通のRPGにはない制約を活かすことを心がけています。RPGの基本は旅をして,ゲームの進行に沿ってどんどん拠点を移していきます。また,ゲーム内で何日経過したのかを感じさせないようなシステムになっていますよね。
 本作では,アリアという少女と主人公が生活をともにすることになりますが,自宅を舞台にした2人の関係性はむしろ本作のシステムでしか描けないので,そこを軸に壮大な物語につながっていくという手法をとっています。

4Gamer:
 体験版を触って驚いたのが, SF成分が結構濃いことです。シンプルに「ファンタジー世界でスローライフ」な世界観とはちょっと違うなと。

古屋氏:
 冒険の面白さの1つに,「世界の謎を解き明かす」ことがあると思うんです。そこで,世界の中にたくさんの謎を散りばめたくて,結果的にアリアの存在や魔族といった,SFっぽい要素を取り入れることになりました。そうした「謎がいっぱいあるぞ」という部分は,体験版で遊べる冒頭から体験いただけると思います。

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4Gamer:
 企画の初めからSFでいこうと考えていたのでしょうか。

古屋氏:
 もともとは,単純なファンタジーにならないように,ぐらいですね。
 本作はSFのエッセンスを入れることによって,独自の世界観というか,旧スクウェアのRPGらしさを狙っているところがあります。月に行く「FINAL FANTASY IV」とか,タイムトラベルする「クロノ・トリガー」とか。藤子・F・不二雄先生がSFを“すこし・ふしぎ”の略だとおっしゃっていたくらいのイメージです。

4Gamer:
 なるほど。言われてみれば,確かに旧エニックスよりも旧スクウェアのRPGっぽいです。
 本作の世界には,四季を司る4つの「シーズライト」がありますよね。おそらくシーズライトごとに,最低でもゲーム内には4つのエリアがあると予想しているのですが,エリアを移動する場合,拠点となる自宅はどうなるのでしょうか。

古屋氏:
 自宅はずっと自宅のままです。ちょうど大陸の真ん中辺りにあって,4つのシーズライトのバランスが取れている春夏秋冬のある場所になります。
 ほかのシーズライトの街には,ワールドマップを介して探索に行き,その中でシナリオが進んでいきます。

4Gamer:
 いろんな季節の街で畑を作ろう,みたいな仕組みではないんですね。

古屋氏:
 畑もずっと同じ場所ですが,ストーリーを進めていくと自宅周辺の水辺や洞窟でも農作業ができるようになります。

高氏:
 街のショップなどでは種が販売されていて,そこでしか買えないものがあったりするので,それを集めて自宅で農作業をやりつつ,シナリオを進めていくという進行ですね。
 なので,本作では毎日必ず自宅に戻ってこなければいけません。そのため,ペットや乗り物に乗ったりすることで,移動時間の短縮を図るという遊びも入れています。

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さまざまなリソースを活用することで,アクションの腕に関係なく強くなれる


4Gamer:
 本作は,バトルの操作がかなりシンプルなところも特徴的だと思いました。敵の攻撃を回避するアクションがなく,殴り合いになるので,リソース管理に重点を置いている印象を受けましたが,なぜそういった形に落とし込んだのでしょうか。

高氏:
 本作のバトルは,コマンドバトルRPGの文脈でできているんです。ノーダメージで切り抜けるようなアクションゲームではなく,レベルを上げて物理で殴るといったものですね。

受田氏:
 高さんは,最初からコマンドベースのバトルで行くという方針だったので。実際,一時期は本当にコマンドバトルでした。

高氏:
 でもフィールドが綺麗だったので,これを活かしたほうがいいんじゃないかということで,アクションに変えたんです。また,農作業だけアクションで戦闘はコマンドというのが,ちょっと変だったというのもあります。

古屋氏:
 もう1つ,ゲーム中にリアルタイムで時間が経過するというのも,アクションにした理由です。エンカウント方式のコマンドバトルにしてしまうと,連続性が失われてしまいますから。

4Gamer:
 ああ,コマンドバトル中に夜になってましたみたいなことになると,微妙な気持ちになるかもしれません。

受田氏:
 そういった理由から,アクションバトルを採用しつつ,プレイのうまさに関係なく強くなれる仕組みに決めました。

古屋氏:
 弱点属性をいかに突いていくかみたいなところが,かなり重要になっています。本作には8人の仲間キャラクターが登場しますが,それぞれ得意な属性が違うので,パーティメンバーを決める楽しさも味わっていただけると思います。

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4Gamer:
 スキルのクールダウンが長めに設定されているのも,コマンドっぽい戦闘を意識しているからでしょうか。体験版では,スキルを発動して,そのクールタイム中に通常攻撃を繰り返し,クールタイムが終わったらまたスキルを発動して,みたいなサイクルでしたが。

高氏:
 コマンドの文脈で操作が大変にならないようにはしていますが,ゲームが進むともっといろいろできるようにはなります。ジョブが増えていくと,けっこう頻繁に戦闘中のジョブジェンジができるようになるので,例えば自身にステータス強化をかけられるジョブから単体火力が高いジョブに切り替えて,一気に強敵を叩くといったことも可能です。

4Gamer:
 体験版ではファイターとメイジだけだったので実感が薄かったんですが,ジョブが増えるとプレイスタイルも増えそうですね。
 本作を触った個人的な感想としては,先のとおり予想以上にストーリードリブンなゲームだというのが率直なところなのですが,テストプレイの反応はどんな感じだったんでしょう?

古屋氏:
 皆さんの話を聞くと,シナリオを中心に進めていく方もいれば,農作業に専念しているという方もいました。基本的には,ストーリードリブンの中で,自由に生活ができるゲームです。「何年までに目標を達成しなければならない」といったような,いわゆる締切がないので,皆さんの好きなペースで遊んでいただければと思います。

4Gamer:
 最後に皆さんから,本作に注目してる人達に向けてメッセージをお願いします。

高氏:
 本作はかなり意欲的で新しいゲームに仕上がっています。体験版でご意見をいただいたフィールドでの時間経過などについては,発売同日のアップデートで対応できるよう進めておりますが,間に合わない場合は発売後のアップデートで対応をします。
 今後10年,20年と育てていきたいタイトルですので,ぜひ遊んでみてください。

古屋氏:
 本作はメインストーリー以外にも, キャラクターストーリーや街のクエストなど,いろんなコンテンツを用意しています。どれもこだわって作ったので,ぜひ興味の趣くままにいろんな遊び方をしていただればと思います。

受田氏:
 ストーリーも生活も,先の展開が気になる魅力的な世界になったと思います。ご自身のペースでじっくり遊び込んでいただけると嬉しいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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