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[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは
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印刷2019/03/22 00:00

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[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは

画像(002)[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは
 GDC 2019の3日めとなる北米時間2019年3月20日,Facebookは,2019年春に発売予定のスタンドアロン型VR HMD「Oculus Quest」(以下,Quest)をテーマにした開発者向けセッション「Down the Rabbit Hole with Oculus Quest」(Oculus Questでウサギの穴を下りる:不思議の国のアリスのように,不思議な世界に行くという意か)を開催した。
 セッション開始の前に,PC向けの新型VR HMD「Oculus Rift S」(以下,Rift S)が発表となったこともあって,セッションタイトルには赤字で「And Rift S!」と書き加えてあり,QuestだけでなくRift Sについての言及もあったので,合わせてレポートしたい。

Questと付属のモーションコントローラ「Oculus Touch」(以下,Touch)
画像(004)[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは


Oculus Quest向けVRコンテンツ開発で注意すべきこと


Chris Pruett氏(Director of Ecosystem, Oculus)
画像(003)[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは
 FacebookのOculus部門に所属するChris Pruett氏によるセッションは,ちょっとコミカルな手書きイラストをスライドで示しながら,Questの仕様を確認しつつ,VRコンテンツ開発にどう生かすかや,何に注意すべきかを説明するという流れで進んだ。Questの仕様そのものは過去記事と重複する部分もあるため,それらは端折りながら説明していく。

 Pruett氏は初めに,Questと,2018年に発売となったスタンドアロン型VR HMD「Oculus Go」(以下,Go)の違いを簡単に説明した。どちらもOculusのVRプラットフォームに対応し,スタンドアロン型VR HMDという点に違いはない。しかしPruett氏によると,GoはVRビデオを体験するのにベストなプラットフォームであり,QuestはVRゲームを楽しむために作ったHMDだという点で明確に異なるという。

 とくにQuestを特徴付けているのは,インサイドアウト方式のセンサー4基を使って,付属するモーションコントローラTouchの位置および動きを認識し,奥行きを含めた周囲の環境情報をトラッキングできるというところだ。

Questは,ゴーグル部分前面に4基のセンサーを組み込んでいる(左)。右の手書きスライドは,Questのセンサー配置を示したものだ
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 Questでは,外部にセンサーユニットを設置する必要がなく,ゲームに耐えうる程度には高精度の位置や動き検出をVR HMD単体で行えるという手軽さが大きな利点である。

Questはユーザー自身の動きと周囲の環境を内蔵センサーで把握できる。写真のデモは,CGモデルで再現した家の中を歩き回ったうえで(左),階段に座り込んでいたキャラクターを見つけて話しかけるという内容だった
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Questのディスプレイは,1600×1440ドットのパネルを2枚使っている。ただ,実際にレンダリングする範囲の解像度は,1216×1344ドットであるそうだ
画像(010)[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは
 Pruett氏はスペックに関する説明も行った。Questは,片眼あたり1600×1440ドットのパネルを2枚使ったディスプレイを備えており,フレームレートは72fpsで(=垂直リフレッシュレート72Hz)あるという。既存のPC用VR HMDである「Oculus Rift」(以下,Rift)が1080×1200ドットで90fps(90Hz)のパネルを採用するのに比べると,Questのほうが解像度は高く,フレームレートは低いことが分かる。

 スタンドアロン型のVR HMDなので,Questはゴーグル内部にVRコンテンツを動かすためのコンピュータ部分も内蔵している。プロセッサには,Qualcomm製のハイエンドSoC(System-on-a-Chip)「Snapdragon 835 Mobile Platform」(以下,Snapdragon 835)を採用しており,内蔵ストレージ容量は64GBからとなっている。基本的には,2018年前半のハイエンドスマートフォン並みのスペックと言えるが,メインメモリ容量はなぜか公表されていない。

 以上のスペックでPruett氏が,とくに賞賛していたのがSnapdragon 835の高性能ぶりである。Snapdragonシリーズは,動作状況に応じてCPUコアやGPUコアの動作クロックが変動するのだが,Questの場合,フレームレートを一定水準に維持する用途として動作クロック変動機能を活用しているそうだ。
 また,GPUコアである「Adreno 540」が持つタイルベースレンダリングで,映像を細かいタイルに分割したうえで同時並行で複数のタイルを描画できることや,アンチエイリアシング処理の「4x MSAA」を1.25〜1.54msでかけられる点も,高性能の一因であるという。

タイルベースレンダリング(左)や高速な4x MSAA処理(右)も,Snapdragon 835の高性能を支えているという
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 そのほかにPruett氏は,視野の中心は高解像度でレンダリングを行い,視野から離れたところは低解像度でレンダリングする「フォビエイテッドレンダリング」を利用することも推奨していた。これはOculus Goの開発でも推奨されているものだが,モバイルプラットフォームの性能を上げるには重要な手法となるようだ。

Questでもフォビエイテッドレンダリングを利用することで,演算負荷を軽減しながら見た目は高品質なVR映像を作れる
画像(016)[GDC 2019]「Oculus Quest」と「Rift S」で,開発者が注意すべきポイントとは

 演算負荷を軽減するグラフィックスのテクニックとして,Pruett氏は可能な限りドローコールを減らすべきであると強調した。漫然とステートチェンジを繰り返す描画は,同じシェーダでできる処理を可能な限りまとめた描画と比較して,倍以上の処理時間を要することもあるのだそうだ。
 同じシェーダで処理可能なものをまとめるテクニックとして,Pruett氏は,個別のテクスチャを1枚のテクスチャにまとめてから処理するといった手法を提案していた。

ドローコールを減らした描画と,減らしていない描画での処理時間を比較したグラフ(左)。2倍以上の差がついている。バラバラのテクスチャを逐一処理するのも時間を無駄にするので,1枚にまとめて一気に処理する手法もあるそうだ(右)
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 高性能なGPUとCPUを使えるRiftの場合よりも,処理の最適化に気を配れというのが,Pruett氏の主張であるようだ。

Riftではドローコールを1300回も繰り返していたシーンを,最適化することでQuest上では33回で済むようにできたというスライド
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Rift Sの液晶パネルはRiftよりも高解像度


 Rift Sについては簡単な説明があっただけだが,注意点を紹介しておこう
 後発の製品だけに,Rift SはRiftやQuestよりも部分的に高いスペックを有する。片眼あたりの解像度がその1つで,Rift Sは1280×1440ドットに解像度が上がっているそうだ。一方で,「解像度が向上した分だけ,Rift Sでは描画負荷も高くなるので,80fpsのフレームレートを維持できるように配慮せよ」とPruett氏は注意していた。

※90Hz動作のRiftに必要な描画ピクセル数は116.6Mピクセル/sだが,80Hz動作のRift Sでは147.5Mピクセル/sとなり,26%ほど負荷が上がっている

左がRift S,右がRiftの解像度を示したスライド。Rift Sのほうがひと回り広い
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 また,付属のモーションコントローラのTouchは,Questと同じものだが,VR HMD側のインサイドアウト方式センサーのトラッキング範囲が広がったので,Questよりも広い範囲で手の動きを認識できるようになったと,Pruett氏は述べていた。

Rift Sにおけるモーションコントローラのトラッキング範囲をイメージしたスライド。ユーザーの前面はもちろんのこと(左),後ろ側までかなり広い範囲でトラッキングできるという(右)
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 Pruett氏は,Rift Sを「PC向けVRをさらに前進させるものである」と述べて,開発者による対応が広がることに期待を示していた。2019年春に4万9800円で登場するということなので,新たにVR HMDを導入してみようと考えていた人に,Rift Sは魅力的な選択肢となるのではないだろうか。

Rift S向けVRコンテンツのサンプル映像。高品質なPC用VRが,より手軽に扱えるようになるのがRift Sの魅力だ
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Oculus公式Webサイト

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