「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON5 STAGE3 決勝トーナメント」レポート。プロ選手16名が揃う激戦を制したのはdelta選手！

　セガは2022年11月5日，「ぷよぷよ」シリーズの公式プロ大会「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON5 STAGE3 決勝トーナメント」を，東京港区のRED°TOKYO TOWERにて開催した。2022年度シーズンSTAGE3の決勝大会は，前回に引き続き有観客にて行われ，初戦から熱い盛り上がりを見せた。本稿ではその模様をレポートする。

会場となったeスポーツのテーマパーク「RED°TOKYO TOWER」内のeスポーツアリーナ「ULTIMATE ZONE」

同施設内にはパブリックビューイングの会場と試遊台が設けられた

「ぷよぷよeスポーツ」公式サイト

　決勝トーナメントは，前大会ベスト4（ともくん選手，せたなぎ選手，リッキー選手，live選手）をシードとし，事前の予選を勝ち抜いた12名を加えた全16名で行われた。
　前大会STAGE2の優勝に続き，全国都道府県対抗eスポーツ選手権優勝（しかも2連覇）の偉業を成し遂げたともくん選手を筆頭に，大会の常連といっていい顔ぶれが揃い，1回戦からまるでファイナルズを思わせるようなカードとなった。

決勝トーナメントの組み合わせはこちら。そうそうたるメンバーだ

　注目のともくん選手は1回戦1試合目に出場したが，対戦相手のタイタン選手による2セット連取で，なんと1回戦敗退。そのタイタン選手も，1回戦でmeta選手をストレートで下したdelta選手に準々決勝で敗れ，前回準優勝のせたなぎ選手も1回戦でselva選手に破れるなど，まさに波乱の展開を見せた。
　一方，最年少の有望株リッキー選手はshiyota選手，MGR選手を下して今回も準決勝に進出。delta選手，ぴぽにあ選手，selva選手も勝ち進み，ベスト4が出揃った。

第1試合でタイタン選手（左）に1ポイントしか取れずに敗れたともくん選手（右）

　準決勝1戦目はリッキー選手対delta選手の対戦。“巨人の火力”の本線を組みつつ，中盤戦の巧さを見せるdelta選手に対して，リッキー選手もポイント1-4から3連勝するなど，魅せるプレイで食い下がっていく。まずはdelta選手が1セットを取るが，調子の上がったリッキー選手も互角の勝負で観客を沸かせる。

リッキー選手（左）とdelta選手（右）

　2セット目，ポイント3-3でdelta選手の盤面におじゃまぷよ3段を降らせ，圧倒的有利となったリッキー選手だったが，delta選手がそのおじゃまぷよをすべて処理しつつ10連鎖を決める大逆転を決める。そのまま次のポイントも取り，2セット連取となったdelta選手が決勝へと進出した。

ポイント3-3の対局については，momoken氏が配信のアーカイブ（4:32:55頃から）でじっくりと解説しているので，そちらも見てほしい

　準決勝2戦目は，ぴぽにあ選手対selva選手。初戦はselva選手が全消しを絡めて完璧な勝利をおさめるが，ここでペースを乱すぴぽにあ選手ではない。お互い一歩も譲らず，中盤の激しい打ち合いは客席の誰もが息を呑む展開となったが，2人はそれぞれの手応えに時折笑顔を見せ，勝負を楽しんでいる様子だった。

ぴぽにあ選手（左）とselva選手（右）。ぴぽにあ選手は腰を痛めており終始立ってのプレイだったが，その強さは健在だ

　しかし，勢いはぴぽにあ選手にあり，2-1からの3連勝で1セットを先取。2セット目も中盤での打ち合いが続く中，ぴぽにあ選手が3-0でリードを取る展開に。ここで，selva選手が11連鎖の本線で仕掛けていく。それに対しぴぽにあ選手は盤面がすべて埋まった状態で発火した本線13連鎖で対抗。そこへセカンド10連鎖で完璧な対応をしたselva選手だったが，ぴぽにあ選手はさらに7連鎖を合わせていく。selva選手はサード5連鎖を打つも及ばず，4-0のマッチポイントに。その後，selva選手が2連勝し追い上げが期待されたが，おじゃまぷよ3段を送られてからの素晴らしいリカバリーで，ぴぽにあ選手が勝利。決勝進出はぴぽにあ選手となった。

最後の1マスで連鎖尾もしっかり繋げる13連鎖を発火させたぴぽにあ選手

　いよいよ始まった決勝戦は，ファンの誰もがワクワクするような，delta選手対ぴぽにあ選手というカード。delta選手本人も「ぴぽにあ選手と戦えることにワクワクしている」とコメント。一方のぴぽにあ選手は「delta君とはライバルみたいな関係で，昔は僕より遙かに強かったけど，今は追いつけ追い越せの関係なので，ここでしっかり勝って追い抜いていきたい」と語った。

決勝進出のdelta選手とぴぽにあ選手

　1戦目，delta選手の盤面を読んで先制攻撃を仕掛けていったぴぽにあ選手が，4連鎖ダブル＋本線6連鎖の素早い攻撃でポイント先取すると，そのまま覚醒したような強さを見せてなんと4連勝。これにはmomoken氏も「内容がよすぎる」と評する。しかし，delta選手がここで折れてしまう相手ではないことは，ぴぽにあ選手含め，誰もが分かっていた。

決勝戦のdelta選手をポイント0-4まで圧倒したぴぽにあ選手

　0-4で迎えた5戦目，delta選手が先に放った本線12連鎖にぴぽにあ選手はそれを上回る13連鎖を決めるが，delta選手がセカンド9連鎖で差し返す。ここから調子を上げて3連勝するdelta選手だったが，さすがに5連勝は成らず，ぴぽにあ選手が1セットを先取していく。しかし，2セット目はdelta選手が“巨人の火力”の15連鎖を決めて勝利するなど，ペースを掴んでいく。ぴぽにあ選手も焦らず一進一退の攻防を続けていたが，delta選手が5-3で2セット目を取り，イーブンの状況に。

delta選手の火力に対抗する本線を組んでいたぴぽにあ選手だったが，間に合わず

　そして3セット目，勝利の勢いのままdelta選手が先行し，ぴぽにあ選手に勝ちを許さない姿勢を見せていく。最後は14連鎖全消しという魅せる勝利で，なんと5-0で3セット目を勝ち取り，今季2度目の優勝を果たした。

優勝を祝うクラッカーが飛び交う中，笑顔を見せたdelta選手

　優勝したdelta選手は，2週間ほど前に自分のプレイスタイルである大連鎖本線で戦うということを決め，強かったときの自分の戦い方を動画などで見ながら，大会に向けた練習を続けてきたそうだ。決勝戦前はかなり緊張していたことを明かしつつ「ぴぽにあ君と戦って勝てたのが本当に嬉しい」と，率直な感想を述べていた。

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