連載
そうだ アニメ,見よう:第132回は円谷プロ×TRIGGERの最新作「SSSS.DYNAZENON」。巨大ロボット“ダイナゼノン”が堂々登場
懐かしの特撮ヒーロー「電光超人グリッドマン」をベースに,登場キャラクターや設定を現代風にアレンジしたオリジナルアニメ「SSSS.GRIDMAN」(関連記事)。2018年に放送された本作は,特撮やグリッドマンへのリスペクトに溢れた独特の世界観が話題を呼び,人気を博した作品だ。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第132回のタイトルは,「SSSS.GRIDMAN」に続いて,円谷プロダクションとTRIGGERがタッグを組んだ新作アニメ「SSSS.DYNAZENON」。制作はTRIGGER,脚本は長谷川圭一氏が担当し,監督は雨宮 哲氏が務めている。
「SSSS.DYNAZENON」
そんな折,蓬はクラスメイトの南 夢芽(CV:若山詩音)とバイトの後に会う約束をするが,約束の時間になっても彼女は現れなかった。ガウマは夢芽を探し出し,問い詰める。「ここで何してんだ?」。そこへ蓬も合流し,事情を聞こうとするが,謎の光と共に突如怪獣が出現。ガウマは巨大ロボット「ダイナゼノン」を呼び出し,蓬と夢芽,たまたま居合わせた山中 暦(CV:梅原裕一郎)と飛鳥川ちせ(CV:安済知佳)を巻き込んで怪獣を撃退するのだった。
その後,ガウマは「ガウマ隊」を結成し,ダイナゼノンの戦闘訓練を始める。現実感の伴わない展開に戸惑う蓬達だったが,そんな彼らの前に怪獣を操る“怪獣優生思想”のメンバー4人が現れる。蓬はその一人・ジュウガ(CV:神谷浩史)から,ガウマがかつて“怪獣優生思想”の仲間だったと知らされるのだった。
グリッドマンから生まれた完全新作
本作は,「SSSS.GRIDMAN」と同様に,1993年に放送された特撮番組「電光超人グリッドマン」をベースにした作品のようだ。「SSSS.GRIDMAN」のスタッフが再結集し,前作から登場人物や設定も一新され,“完全新作”と謳われている。
タイトルとなっているダイナゼノンとは,作中に登場する巨大メカのダイナレックス,ダイナダイバー,ダイナソルジャー,ダイナウイングが合体することで誕生する巨大ロボットのこと。「SSSS.DYNAZENON」では,その各メカにガウマ,蓬,夢芽,暦が搭乗して操作するという形式が採られている。その操縦ユニットが「電光超人グリッドマン」ファンがニヤッとするような形をしているのも見逃せないところだ。
そんな“おっさんホイホイ”とも言える本作だが,そのテイストはかつての勧善懲悪な特撮作品とはまったくの別物。「SSSS.GRIDMAN」では,グリッドマン本人が登場していたこともあり,“世界の危機”がストーリーの主軸として存在していたが,今回はどちらかというと登場キャラクター,それぞれの物語に重点が置かれているようだ。
悩みを抱える「ガウマ隊」のメンバー達
主人公の蓬は,母親の交際相手に思うところがあるようだし,夢芽は早逝した姉の死を乗り越えられずにいる。暦は無職の33歳で,その従妹のちせは不登校の中学生だ。それぞれ悩みを抱え,それゆえ,ダイナゼノンの戦いにもイマイチ本気になれない。ひとり血気にはやるガウマをよそに,4人ともどこか冷めている。
怪獣出現という人類の危機とも言える状況の中で,どこか緩い,本作の独特の空気感は,そんなところから生まれているのかもしれない。蓬達が問題を乗り越え,“ダイナゼンン”の一員として活躍する日が待ち遠しい。
新たな合体シーンは登場するのか?
現在第10回まで放送され,物語もクライマックスに近づいてきた。2代目と呼ばれる謎の女性(CV:高橋花林)や,どこかで見たことあるような青年・ナイト(CV:鈴村健一)が蓬達の前に現れたことで,物語は一層混迷の度合いを増している。
“怪獣優生思想”とはなんなのか,そもそも怪獣達はどこから現れているのか。そして,蓬,夢芽,暦,チセの問題は解決されるのかどうかも気になるところ。個人的には,第9話で登場した「カイゼルグリッドナイト」のような,新たな合体シーンを大いに期待したい。
“巨大ロボ×怪獣”でありながらも,青春群像劇のような“爽やかさ”を感じさせてくれる本作。ダイナゼノンと怪獣の大迫力のバトルシーンに胸を躍らせるもいいし,蓬や夢芽達の甘酸っぱいやりとりにやきもきするのも楽しい。ラストまでもうわずかだが,さまざまなテイストを楽しめる本作を最後まで見守りたい。
「SSSS.DYNAZENON」公式サイト
「SSSS.DYNAZENON」公式Twitter
放映データ |
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2021年4月〜 |
キャスト | |
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ガウマ:濱野大輝 | |
麻中 蓬:榎木淳弥 | |
南 夢芽:若山詩音 | |
山中 暦:梅原裕一郎 | |
飛鳥川ちせ:安済知佳 | |
ジュウガ:神谷浩史 | |
オニジャ:内田雄馬 | |
ムジナ:諏訪彩花 | |
シズム:内山昂輝 | |
稲本さん:伊瀬茉莉也 | |
鳴衣:田所あずさ | |
淡木:小笠原仁 | |
なずみ:梶原岳人 | |
らんか:土屋李央 | |
金石:遠野ひかる | |
ナイト:鈴村健一 | |
2代目:高橋花林 |
スタッフ |
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原作:グリッドマン |
監督:雨宮 哲 |
脚本:長谷川圭一 |
キャラクターデザイン:坂本 勝 |
サブキャラクターデザイン:中村真由美 |
ダイナゼノンデザイン:野中 剛 |
怪獣デザイン:西川伸司、酉澤安施、丸山 浩、田口清隆、岡本英郎、板野一郎、後藤正行 |
ヒロイック作画チーフ:牟田口裕基 |
メカニックシークエンスディレクター:浅野元 |
助監督:宮島善博 |
3DCG制作:グラフィニカ |
3DCGチーフディレクター:宮風慎一(グラフィニカ) |
3DCGディレクター:市川孝次(グラフィニカ) |
美術監督:権瓶岳斗 |
色彩設計:武田仁基 |
撮影監督:志良堂勝規(グラフィニカ) |
編集:吉武将人 |
音楽:鷺巣詩郎 |
音楽制作:ポニーキャニオン |
音響監督:郷文裕貴 |
音響効果:森川永子(ちゅらサウンド) |
OP:「インパーフェクト」オーイシマサヨシ |
ED:「ストロボメモリー」内田真礼 |
ラインプロデューサー:志太駿介 |
アニメーションプロデューサー:宇佐義大 |
アニメーション制作:TRIGGER |
(C)円谷プロ (C)2020 TRIGGER・雨宮哲/「DYNAZENON」製作委員会 |
■Blu-ray & DVD情報
SSSS.DYNAZENON 1
2021.6.16 RELEASE
Blu-ray
PCXP-50861 / 8,800円(税込)
Blu-ray きゃにめ特装版
SCXP-00101 / 9,900円(税込)
DVD
PCBP-54491 / 8,800円(税込)
第1回〜第3回収録
きゃにめ特装版特典
スタッフセレクト各話原画クリアファイル3種セット
ステッカー
特典
・ダイナゼノンデザイン野中剛描き下ろしジャケット
・キャスト/スタッフオーディオコメンタリー
・キャスト:第1回/スタッフ:第2回、第3回
・180P豪華ブックレット
・キャスト座談会/第1話絵コンテ/各話解説/作監修正集/ダイナゼノン特写(宇宙船編集部協力・撮影)
・雨宮監督描き下ろしボイスドラマCD(パッケージ限定エピソード付き)
デジパック+三方背ケース
SPEC
Blu-ray
片面2層 / 映像:MPEG-4 AVC / 16:9ワイドスクリーン / 1080p
オリジナル2ch(リニアPCM) / イベント上映5.1ch(DTS-HD MasterAudio) / DTS Headphone:X / キャスト&スタッフオーディオコメンタリー(DTS-HD MasterAudio)
DVD
片面2層 / MPEG-2 / NTSC / 16:9 LB
オリジナル2ch(ドルビーデジタル) / イベント上映5.1ch(ドルビーデジタル) / DTS Headphone:X / キャスト&スタッフオーディオコメンタリー(ドルビーデジタル)
発売・販売元:ポニーキャニオン
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