
連載
「そうだ アニメ,見よう」第68回は特撮作品をベースにした「SSSS.GRIDMAN」。ミステリアスな物語が話題の巨大ヒーローアニメ
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1993年4月から1994年1月まで放送された,円谷プロダクション制作の特撮番組「電光超人グリッドマン」。当時あまり普及していなかったネットワークを扱った作品として,話題となった巨大ヒーローアクションだ。世代的に,4Gamer読者の中にも夢中になった人が多いはず。
あまり知られてないことだが,日本での放送終了後,タイトルを「スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド(SSSS)」に変更した再編集版が,アメリカで全53話の構成で放送されている。
「そうだ アニメ,見よう」第68回のタイトルは,グリッドマンをベースにアニメ化した「SSSS.GRIDMAN」。アニメーション制作はTRIGGER,脚本は長谷川圭一氏。監督は「宇宙パトロールルル子」や「キルラキル -KILL la KILL-」などに参加した雨宮 哲氏が務めている。
「SSSS.GRIDMAN」
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そんな折,街に謎の怪獣が現れる。グリッドマンに導かれた裕太は,彼と合体して怪獣を撃破。こうして裕太は,六花と友人の内海 将(CV:斉藤壮馬)と「グリッドマン同盟」を結成し,怪獣の脅威に立ち向かうことになるのだった。
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その翌日,怪獣の出現はニュースになっておらず,裕太達以外はまるでリセットされたような状況になっていた。放課後,謎を探るため再びグリッドマンの元へ訪れた裕太は,彼の助言を得て昨日の出来事で何が変わったのかを調べ始めた。
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「電光超人グリッドマン」の物語を覚えている人は,アニメ版の設定の違いに戸惑ったのではないだろうか。本作では,主人公が少年達のグループという部分は踏襲しつつ,裕太や六花といった,まったく新しいキャラクターが登場している。彼らのキャラクターデザインはアニメファンに受け入れられるよう,アニメ誌に載っても不自然じゃないビジュアルが採用され,特撮を知らないアニメファンが,特撮を知る窓口となるように制作されているのだとか。
![]() 3人のグループという構成は変わらないが,中学生から高校生へと微妙に年齢が上がっている |
物語は,記憶喪失になった裕太が学園生活を送りながら,自分の記憶を探すという形式がとられている。このおかげで視聴者は裕太と同じ目線で,怪獣の出現やリセットされてしまう不思議な現象の真相を追うことになるわけだ。
爽快なグリッドマンのアクションと,謎めいた物語,そして現代風にアレンジされたキャラクター達。このあたりが,本作を今期注目度ナンバーワンに押し上げた原動力といえそうだ。
![]() 一連の事件の鍵を握る少女・新条アカネ(CV:上田麗奈) |
“勇者パース”を使用した大胆なアクションシーン
アニメ版で最もリファインされたのは,グリッドマンのデザインだろう。かつてのシンプルな巨大ヒーローから,鎧をまとったような今風の姿になり,ディテールも複雑なものに生まれ変わっている。
本作の最大の見どころともいえるグリッドマンと怪獣の戦闘シーンは,グラフィニカが担当。巨大なものが動く際の重量感や破壊される街の瓦礫など,細部にまでこだわった迫力のあるバトルに仕上げられている。
![]() かつてのデザインを踏襲しつつ,よりマッシブな姿に変化したグリッドマン |
また,グリッドマンのアクションシーンの要所(アシストウェポンのグリッドマンキャリバーを構えるシーンなど)は,大胆なパースを使った手法が使われている。「このシーンはどこかで……?」と思ったところ,これはかつて“勇者パース”と呼ばれる構図を得意としていた大張正己氏の手法なんだとか。
今後も,通常のCGアニメにはない,ケレン味あふれる戦闘シーンにぜひ注目してほしい。
![]() “勇者シリーズ”などでお馴染みの表現。ヒーローものには欠かせない |
新たな姿を得たアシストウェポン達
特撮版のグリッドマンと同様に,今回も彼をサポートするアシストウェポンが登場するのだが,アニメ版では,戦闘時以外は人間の姿で登場する。サムライ・キャリバー(CV:高橋良輔)やマックス(CV:小西克幸)達は,グリッドマンのピンチに,剣やトレーラー型メカへと変身するが,それ以外は六花の店にたむろっていたり,店番をしていたりとわりと自由。
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見るからに怪しい4人組なのだが,いざというとき頼りになる彼らに,視聴者の注目が集まっている。今では裕太達の少年チームとは別に,彼らの登場を待ちわびている視聴者も多いのではないだろうか。ちなみに筆者は美少女(?)のボラー(CV:悠木 碧)派である。
今後,特撮版にあったアシストウェポンの合体シーンが用意されているのかも気になるところだ。
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25年を経て,新作として生まれ変わった「グリッドマン」。特撮ファンはもちろん,グリッドマンを知らないという世代でも十分楽しめるアニメ作品に仕上がっている。
現在第7話まで放送され,物語はいよいよツツジ台の全貌が明らかにされているといったところ。ネタバレになるので多くは語れないが,キーパーソンともいえる裕太の同級生・新条アカネ(CV:上田麗奈)と,第6話で街の真相を知らされた裕太が,今後どのような行動をとるのか見逃せない。
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「SSSS.GRIDMAN」公式サイト
「SSSS.GRIDMAN」公式Twitter
放映データ |
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2018年10月〜12月まで |
全12話 |
キャスト | |
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響 裕太:広瀬裕也 | |
グリッドマン:緑川 光 | |
内海 将:斉藤壮馬 | |
宝多六花:宮本侑芽 | |
新条アカネ:上田麗奈 | |
サムライ・キャリバー:高橋良輔 | |
マックス:小西克幸 | |
ボラー:悠木 碧 | |
ヴィット:松風雅也 | |
謎の少年:鈴村健一 | |
アレクシス・ケリヴ:稲田 徹 | |
六花ママ:新谷真弓 | |
なみこ:三森すずこ | |
はっす:鬼頭明里 |
スタッフ |
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原作:グリッドマン |
監督:雨宮 哲 |
脚本:長谷川圭一 |
キャラクターデザイン:坂本 勝 |
グリッドマンデザイン:後藤正行(円谷プロ) |
アシストウェポンデザイン:野中 剛 |
アレクシスデザイン:コヤマシゲト |
怪獣デザイン:西川伸司 /丸山 浩 / 板野一郎 / 山口 修 / 前田真宏 |
アシストウェポンデザイン:野中 剛 |
ジャンクデザイン:三宮昌太 |
ヒロイック作画チーフ:牟田口裕基 |
3DCG監督:宮風慎一 |
3DCG制作:グラフィニカ |
美術監督:渡辺幸浩(アトリエPlatz) |
色彩設計:武田仁基 |
撮影監督:山本弥芳(グラフィニカ) |
編集:吉武将人(グラフィニカ) |
音楽:鷺巣詩郎 |
音楽制作:ポニーキャニオン |
音響監督:亀山俊樹 |
音響効果:森川永子 |
ラインプロデューサー:竹内雅人 |
アニメーションプロデューサー:舛本和也 |
アニメーション制作:TRIGGER |
■Blu-ray&DVD情報
【発売日・収録話】
SSSS.GRIDMAN 1
発売日 2018年12月19日発売
収録エピソード:第1話〜第3話
Blu-ray:PCXP.50621 8,000円+税/POS:4988013269316
DVD:PCBP.53731 8,000円+税/POS:4988013269118
きゃにめ特装版(Blu-rayのみ)
SCXP.00081 9,000円+税/POS:4988013269217
<共通仕様>
(1)160P豪華ブックレット(第1話絵コンテ/雨宮監督&竹内プロデューサー各話エピソード解説/坂本勝作監集ほか)
(2)イベント応募券 ※第1巻のみ イベント開催:2019年2月3日都内某所
(3)キャストコメンタリー(第1話)/スタッフオーディオコメンタリー(第2話、第3話)
(4)雨宮監督描き下ろしボイスドラマCD (4話収録/期間限定配信エピソード第1.1回?第3.3回&パッケージ限定エピソード第2.9回)
(5)グリッドマンデザイン後藤正行描きおろしジャケット
(6)デジパック&三方背ケース
<きゃにめ特装版>
共通特典に加えて
・原画クリアファイル2種類
・ステッカー
収録
SSSS.GRIDMAN 2
発売日 2019年1月16日
収録エピソード:第4話〜第6話
Blu-ray:PCXP.50622 8,000円+税/POS:4988013270411
DVD:PCBP.53732 8,000円+税/POS:4988013270619
きゃにめ特装版(Blu-rayのみ)
SCXP.00082 9,000円+税/POS:4988013270510
【発売・販売元】ポニーキャニオン
■SSSS.GRIDMAN CD情報
タイトル:TV SSSS.GRIDMAN キャラクターソング1 響裕太・内海将(CV.広瀬裕也・斉藤壮馬) (仮)
発売日:12月12日
品番:PCCG-70440
金額:1250円+税
タイトルTV SSSS.GRIDMAN キャラクターソング2 宝多六花・新条アカネ(CV.宮本侑芽・上田麗奈) (仮)
発売日:12月12日
品番:PCCG-70441
金額:1250円+税
タイトル:TV SSSS.GRIDMAN オリジナルサウンドトラック(仮)
発売日:12月19日
品番:PCCG-1740
金額:3,000円+税
きゃにめ特設サイト:https://special.canime.jp/gridman/
(C)円谷プロ (C)2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
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