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[GDC 2024]ローンチから10年を経た「War Robots PvP マルチプレイ」のエクゼクティブプロデューサーが語る,マネタイゼーションに関する5つの秘訣
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印刷2024/03/19 20:04

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[GDC 2024]ローンチから10年を経た「War Robots PvP マルチプレイ」のエクゼクティブプロデューサーが語る,マネタイゼーションに関する5つの秘訣

MY.GAMESで「War Robots PvP マルチプレイ」を担当するエクゼクティブ・プロデューサーのボリス・ブラングロフ氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / [GDC 2024]ローンチから10年を経た「War Robots PvP マルチプレイ」のエクゼクティブプロデューサーが語る,マネタイゼーションに関する5つの秘訣

 GDC 2024のFree-to-Playサミットにおいて,モバイル専用PvPアクション「War Robots PvP マルチプレイ」iOS / Android)の運営を行うMY.GAMESのエクゼクティブプロデューサー,ボリス・ブラングロフ(Boris Burangulov)氏が,「5 Things about Game Magnetization That Could’ve Saved Millions of Dollars (If I Had Known Them)」(ゲームのマネタイゼーションについて,先に知っていたら数億円は儲けることができたはずの5つの事)という,キャッチーなタイトルの講義を行った。

 2014年4月のローンチからちょうど10年を迎える「War Robots PvP マルチプレイ」は,最大で6対6のリアルタイムバトルを楽しめるサードパーソンシューターだ。さまざまな能力を持つ戦闘ロボットや武器を組み合わせるなど多様なカスタマイズが楽しめることもあり,現在までに2億5000万の登録者数を記録しており,日本も北米とEU圏に続いて第3位の市場を堅持している。この10年間で得たライフタイム収益は,7億5000万ドル(約1127億円)にも達しているという。

内部スタジオのPixonicが開発した「War Robots」は,今年からいよいよ最大市場の中国でも展開が開始しているなど,まだまだ活発なライブサービスだ
画像集 No.002のサムネイル画像 / [GDC 2024]ローンチから10年を経た「War Robots PvP マルチプレイ」のエクゼクティブプロデューサーが語る,マネタイゼーションに関する5つの秘訣

 ブラングロフ氏は,3年前からエクゼクティブ・プロデューサーの任に就いているが,元々はデータ分析のスペシャリストとして「War Robots PvP マルチプレイ」に関わっており,今回のセッションではその経験から得た5つの知識を披露した。「これらは5年ほど前に得た知識だけど,それより数年早く誰から教えてもらっていたら,何億円も儲けることができていたはず。その秘密を,皆さんが損をしないようにお教えいたします」と会場を沸かせていた。
 ちなみに,今回のブラングロフ氏のレポートは,「War Robots PvP マルチプレイ」で行われている「A/Bテスト」と呼ばれる実地試験のデータに基づいている。これは,異なるパターンのデジタルアイテムを異なる時期にリリースし,その成果を分析・比較して,最終的に効果の高いほうを選ぶというメソッドのことだ。


● (ほぼパーフェクトな)スターターパック


 ブラングロフ氏は,スターターパックの収益を向上させるためのレシピを「水を足し引きするだけ」と話す。例えば,スタンダードな5ドルのスターターパックをさらに売りたい場合,これまでに課金しているユーザーに対しては,より豪華なアイテムで値段を上げて販売提案し,まだ課金していないユーザーに対しては値下げを繰り返して,最終的には1ドルで食いついてくるかどうかをテストするといった具合だ。パックの中身を大きく変えようが変えまいが,メトリクスには大きな影響を与えないとのことで,別のゲームの開発者が独自にアレンジできる要素が多いという。

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● 醜いアイテムの販売


 スマートフォンでは判別し難い小さく醜いロボットでも,それを改良したアートワークでも,既存のユーザーへの販売ではメトリクスに大きな違いがない。これは,おそらくベテランユーザーはアートワークよりもロボットの性能やゴールドの量などのデータで判断しているからだという。一方で,新規ユーザーへの販売では27%の向上が見られたそうだ。
 美しいアイテムは,その購買はともかく,プレイヤーの興味を惹き付けるという効果は認められたが,「費用対効果を考えたなら,開発リソースのプライオリティは別に回したほうが良い」とブラングロフ氏は話していた。

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● イベントは目立つように


 「War Robots PvP マルチプレイ」では定期的にイベントが開催される。イベント向けのゲームモードやテーマに添ったスキンを用意したり,ハンガー(ロボットの格納庫)にミラーボールを登場させたりといったサービスを行うが,専用コンテンツの制作や販売にまでは手を回さないという。
 10年も運営され,固定ファンが定着しているゲームならではとも言えるかも知れないが,イベントはプレイヤーのアクティビティを活発化させ,興味を持続させるためのものであって,そこで収益を上げようとするのは,プレイヤーにとってはあざといビジネスと感じられてしまうようだ。

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● もっとパックを販売しろ


 「War Robots PvP マルチプレイ」は,多い時には一人あたりで50種ほどのパックのオファーがユーザーのもとに送られるという。ポップアップを消していくだけでも時間のかかる作業だが,ブラングロフ氏は「食いつきの良いモノを中心に30%ほど減らしてみると,収益は5%下がった」と語る。
 また,オファーはそのままにしてポップアップの数を減らしてみたが,こちらも2%の減益になったという。「新しく開発チームに加わったメンバーにゲームをプレイさせると,皆がパックの多さを指摘するが,マトリクスにはまったく変化がない。テストの結果だけを信じるべきだ」とブラングロフ氏は語っていた。

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● コンテンツを食い散らかす“クジラ”とは?


 欧米で“ホエール”(クジラ)というのは,1つのゲームに数百万円を費やすような,ゲーム開発者から見れば“特上の顧客”だ。ゲーム業界関係者の中でも,“クジラ”たちを「資産に余裕があり,支出に無頓着な人」と考えている人も多いが,ブラングロフ氏の実地テストに基づく彼らの様子は少し違う。
 長らく運営している「War Robots PvP マルチプレイ」にもインフレーションが襲い,ゲーム内通貨の1つであるシルバーを当初の19.99ドルという価格のまま,3億8000万から3億6000万シルバーに減量させたところ,クジラたちが一切手を出さなくなった。
 また,別のケースでは補助ロボットとなる「ドローン」のカスタマイズオプションを増やしたところ,クジラたちの購入が止まったという。つまり,クジラたちは,「1ドルあたり,どれほどゲームを楽しめるか」という費用対効果を考えているのであり,その“楽しさ”を基軸にしたデータの分析については,「ゲーム開発者自身よりも,よく理解している」と語った。

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 ブラングロフ氏自身,「ゲームに課金することは嫌いではない。それは,マネタイゼーションのプロである以前に,どれだけお金をかけて楽しくプレイできるかを考えるから」と話していたが,今回の氏のトークセッションは,課金に対するステレオタイプによって,多くのゲーム開発者が損をしているかも知れないと気付かされる内容だった。
 もちろん,今回,ブラングロフ氏が話した内容がすべてのタイトルで通用するわけではなく,トークセッションの本質もそこではない。実際,ブラングロフ氏は「私の言葉さえも信じないほうが良い。実際にテストしてみて,そのデータを信じるようにしてほしい。そうすれば,私たちが見過ごしてしまった収益を逃すことはないでしょう」と締めくくっており,主観や思い込みではなく,データから得られる事実をもとに分析していくことの大切さを説いていた。

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「War Robots PvP マルチプレイ」公式サイト

「War Robots PvP マルチプレイ」ダウンロードページ

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