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バンダイナムコオンラインとセガネットワークスの共同プロジェクト「ザクセスヘブン」が発表。“スマホ初の本格アニメRPG”の制作が明かされた発表会をレポート
「ザクセスヘブン」は,両社が共同制作するオリジナルIPのメディアミックスプロジェクトで,近未来の日本に出現した「再生首都・東京」の5つの学園を舞台に,特殊能力「ザクセス」を持つ若者達がバトルを繰り広げるというストーリーを軸としている。
発表会ではプロジェクトの第1弾として,スマートフォン向けゲーム“初”となるアニメーションRPGの開発を進めていることがアナウンスされた。
本稿では,発表会の模様をレポートしていこう。
なお,本プロジェクトの概要や制作に携わるスタッフ,声優陣などに関しては,先に掲載した「こちら」の記事を参照してほしい。
「ザクセスヘブン」公式サイト
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・バンダイナムコオンラインとセガネットワークス共同開発による新規プロジェクト「ザクセスヘブン」が始動。スマホ向けRPGをはじめ多方面に展開昨今のスマホゲーム市場では競争が激化していることから,ゲームの開発は実績のあるセガネットワークスに依頼し,同社は自身の強みであるキャラクターやアニメに注力することにしたという。
続いて行われたトークセッションには,本プロジェクトの企画プロデューサーである古里尚丈氏,バンダイナムコオンライン プロデューサーの近藤貴浩氏,セガネットワークス プロデューサーの萱沼由晴氏の3名が出演した。
「ザクセスヘブン」は,古里氏の企画・原作をベースにしており,原作を起点にゲームやグッズ,出版など,さまざまなメディアに展開をしていくプロジェクトである。なおタイトルに含まれる「ザクセス」とは,成功や成り上がりを意味する「サクセス」をもじった造語とのこと。
近藤氏は「ザクセスヘブン」の魅力について,ポイントを4つ挙げて紹介した。
一つめの「魅力」は,制作に携わる豪華クリエイター陣だ。アニメ「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」や「ファイ・ブレイン」シリーズを手がけた古里氏が企画プロデューサーを務めるのを筆頭に,本プロジェクトにはアニメーション業界を中心に活躍する有名クリエイターが多数参加している。
会場で発表されたのはキャラクターデザインの担当のみだったが,久行宏和氏(「舞-HiME」),佐々木洋平氏(「ファイ・ブレイン 〜神のパズル」),松井 章氏(「コードギアス 反逆のルルーシュ」作画監督),平井久司氏(「機動戦士ガンダム SEED」)らが起用されている。
古里氏によれば,キャラクターデザイナーを複数起用することを決めたのは,近藤氏から「150人以上のキャラがほしい」というリクエストを受けたからだという。
かつてアニメ製作会社のサンライズでプロデューサーを務めていた古里氏は,旧知のアニメーターに声をかけたとのこと。彼らが150人ものキャラをどのように作り出してくれるのか楽しみにしている,ともコメントしていた。
再生首都・東京に存在する5つの学園には,「翠」「紅」「蒼」「白」「黒」というイメージカラーがあり,それぞれの学園で異なるテーマの物語が展開されていく。それぞれ,独立したアニメにできるくらいの内容を持たせるそうである。
たとえば,「私立翠嶺学園」では,緑豊かな人工島を舞台にリーダーの交代劇を中心とした友情の物語が繰り広げられる。
「紅蓮第一商業高校」では,“地下100階”に落とされた主人公らが,仲間に支えられて地上を目指す物語が,「蒼鋼工業高校」では敵に恋人を奪われた主人公の復讐の物語が描かれるという。「しろつめくさ女学園」では,癒やしを謳いつつも意外な展開が待っているのだとか。
最後の「クロノス・ノワール・ハイスクール」は,上記4つの学園の共通の敵として描かれる。ちなみに,そのボスにあたる「ラグエル」は平井久司氏によってデザインされている。
近藤氏と古里氏によれば,5つのストーリーを一つにまとめる過程は非常に大変で,スタッフは常に喧々諤々を繰り返しているという。結果として,設定も膨大になってしまったそうだが,それらは今後公式サイトなどを通じて公開されていくとのこと。
古里氏によれば,ストーリーには,「水滸伝」のように150人以上の学生達が集い,敵の打倒を目指して戦うような流れもあるという。
3つめの「魅力」として挙げられたのは,キャラクターに魂を吹き込む声優陣だ。
「ザクセスヘブン」では,古里氏ら関係者の尽力により,以下声優陣の起用が発表されている。
■主要キャスト(敬称略)
【緑の学園】
前野智昭 志田友美(夢みるアドレセンス) 宮野真守 福山潤 遠藤綾
【紅の学園】
阿部敦 鳥部万里子 吉野裕行 緑川光 富樫かずみ
【蒼の学園】
古島清孝 原優子 諏訪部順一 杉田智和 沢城みゆき 沢城千春
【黒の学園】
國立幸
【白の学園】
芹澤優 茜屋日海夏 久保田未夢 若井友希 澁谷梓希 山北早紀(from i☆Ris)
萱沼氏は,プロジェクト第1弾となる「ザクセスヘブン」のスマートフォンゲームについて「セガネットワークスが培ってきたノウハウを凝縮し,高クオリティのゲームを目指す」と意気込みを語った。「スマートフォン初の本格アニメーションRPG」ということで,今までのゲームにはなかったような演出にこだわっているそうである。
なお,ゲームの詳細やサービスインなどのスケジュールは,これから順次公開されるとのことで,残念ながら会場では明らかにされなかった。
会場では,本プロジェクトに参加する声優陣の中から,前野智昭さん,志田友美さん,阿部 敦さん,古島清孝さん,國立 幸さん,アイドルユニットi☆Risによるトークセッションも行われた。
前野さんは「ザクセスヘブン」について,キャラクターの数は多いが,一人一人のバックボーンが緻密に作られていて,今後が非常に楽しみだと話す。また自身の演じる「凜翔あすか」が登場する私立翠嶺学園では,物語全体の核心に迫るストーリーが展開され,ユーザーの期待をいい意味で裏切るような内容になっているとコメントしていた。
志田さんの演じる「紡流こころ」は,凜翔あすかと幼なじみとのこと。志田さんによれば「こころにとって,あすかは手の掛かる子どもみたいな存在」だそうで,どんな関係が描かれるのかも気になるところである。
凜翔あすか |
紡流こころ |
阿部さんが演じるのは,紅蓮第一商業高校に所属している「紅 神夢偉」。紅蓮第一商業高校ではサクセスストーリーが展開されるのだが,阿部さんによればコミカルな要素も多く,肩の力を抜いて楽しめるのだとか。なお,神夢偉が背負っているギターケースは彼の父親の形見で,物語のキーになるとのこと。
古島さんが演じる「大空ショウ」は,蒼鋼工業高校の応援団員。物語は復讐劇という形を取りつつも,その背景では人と人とのつながりも描かれるという。
しろつめくさ女学園のキャラクター達を演じるi☆Risのメンバーは,今後,どんなストーリーが描かれるのか楽しみで,よりよい内容にできるよう精一杯演じたいと意気込みを語った。
國立さんは,自身が演じる「ラグエル・ノワール」が所属するクロノス・ノワール・ハイスクールを「絶対敵学園」と表現したが,ラグエル自身は必ずしも冷酷ではないとのこと。むしろ,脚本を読んでいて「すごく哀しくて情熱的,繊細な存在」と感じ,演じていて泣きそうになったという。
最後に,登壇者を代表して前野さんが,「ザクセスヘブン」で表現されるバトルアクションや奥深いストーリー,そして各キャラクターが織りなす人間関係に期待してほしいと述べて,発表会を締めくくった。
「ザクセスヘブン」公式サイト
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