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ハロー!Steam広場 第219回:フリーランスのハンターとして悪魔を狩るアクションRPG「HellSign」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ヌカ・コーラの飲み過ぎで尿が光だす上級ワンダラーにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第219回は,オーストラリアのインディーズ系デベロッパ,Ballistic Interactiveが手掛けるアクションRPG「HellSign」を紹介しよう。本作は,悪魔狩りを生業とするフリーランスのハンターとなって,超常現象の絡む仕事をこなしていくゲームだ。
4Gamer公式キュレーター
フリーランスのハンターとして悪魔を狩るアクションRPG「HellSign」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はオーストラリアのインディーズ系デベロッパ,Ballistic Interactiveが手掛ける「HellSign」を紹介しよう。念のために断わっておくが「HELLSING」ではなく「HellSign」なので,その点はご注意を。
本作はフリーランスのハンターとなり,オーストラリアの街でさまざまな依頼をこなしていくアクションRPGだ。ハンターといっても,狩るのは動物ではなく“悪魔”だ。どの依頼にも超常現象が絡んでおり,警察では解決できないため,悪魔狩りを生業とするプレイヤーの元に舞い込んでくるといった感じだ。海外ドラマなら,とりあえず1シーズンは見ちゃうような世界設定である。
このゲームを紹介しようと思った理由は2つある。1つは,週末に「コンスタンティン」と「スーパーナチュラル」を見て,厨二中枢が刺激された筆者に追い打ちをかける,ドンピシャな世界観だったから。もう1つが,Steamストアに掲載されているスクリーンショットを見て惹かれたからだ。
本作は斜め見下ろし型の視点を採用しているのだが,一人称視点でのプレイにも耐えられるのではと思えるほど,グラフィックスのクオリティが高く,1枚のスクリーンショットからでもゲームの雰囲気がバッチリと感じ取れる。
ゲームをスタートしたら,まず自分の職業を決める。「いや,悪魔を専門に狩るんだから職業はハンターじゃね?」と思うかもしれないが,ここでいう職業というのは経歴のことだと思ってもらって構わない。
全部で9種類もあるのでここにすべては書かないが,日本人は実質ニンジャみたいなところもあるので,筆者は「NINJA」をオススメしておく。足袋(たび)による回避性能の高さが魅力的だ。「DRIFTER」という,やたらと名前の響きだけはカッコイイやつもあるが,初期装備が釘打ち機のみ(しかも街でタダでもらえる)なので,ゲームに慣れるまでは手を出さないほうがいいだろう。
プレイヤーは悪魔専門のハンターではあるものの,この業界ではまだペーペーの素人なので,直接悪魔と対峙するような大仕事は,当面受けられない。最初は「Scouting」と呼ばれる悪魔の痕跡調査でお金を稼ぎ,装備を整えていくのだ。
ゲームの流れを簡単に説明しておくと,街のマップ画面で依頼を受けて現場へと向かい,タスクをこなしたら帰還し,受け取った報酬で新しい装備を購入するという感じになる。
Scoutingの目的は,現場に残された悪魔の痕跡を見つけて,その悪魔を特定すること。ただし,痕跡は肉眼では見えないので,そこは道具に頼ることになる。痕跡の電磁波を感じ取る「EMF」,痕跡を可視化する「Blacklight」,残留思念を録音する「Parabolic Microphone」という3つの道具を駆使して,痕跡を見つけ出すのだ。なんだか真面目なゴーストバスターズって感じである。いや,ゴーストバスターズだって真面目なのだが。
これだけだと至極地味な仕事に見えるかもしれないが,現場には「Corporeal Critters」と呼ばれる巨大化したクモやムカデが潜んでおり,これらとの遭遇戦が良い緊張感をもたらしてくれる。
戦闘は,モンスターにカーソルを合わせて撃つだけなのだが,当たり判定はかなりシビア。そのうえ,クモもムカデも動きが早いので,意外と苦戦を強いられる。下手すると,たかが一匹のムカデに殺されることもありうるので油断はできない。そのぶん,うまく弾を命中させて倒せたときの達成感はなかなかのものだ。
プレイヤーに牙を剥くのは虫だけではない。部屋に入った瞬間にドアが勝手に閉じられ,何かがこちらに向かって飛んでくるといったこともある。いわゆるポルターガイストだが,回避に失敗すると大ダメージを受けるので,未踏の部屋に入るときは常に気構えておく必要があるだろう。
突然地面から現われる巨大ムカデに「うげぇ!」と言ったり,上から降ってくるクモの群れに「ひえぇぇ!」と言ったり,ポルターガイストに遭遇して「ひでぶ!」と言ったりで,阿鼻叫喚しながらもタスクをすべて終わらせたら,街に戻り報酬を受け取る。しかし,ビギナー向けの仕事ということもあり,そこまで儲からないのが悲しいところ。
ただ,この手の世界観の作品には,怪しいものを買い取ってくる商人みたいな人物が必ずいるもの。このゲームでは,悪魔の痕跡を買い取ってくれる謎のおっさんが,街のバーに入り浸っている。Scoutingで集めた痕跡は後々クラフトなどで使えるそうだが,序盤ではそんなことを考えても意味はないので,手当たり次第に売ってしまっていいだろう。
ある程度ゲームを進めていくと,今度は下級モンスターの掃討を目的とする「Sweeping」が解禁される。下級とはいえ,巨大ムカデやクモとは比にならないくらい強いモンスターが出てくるので,おそらく解禁されたタイミングでそのまま依頼を受けても,クリアするのはほぼ不可能だ。
ワンランク上の仕事を引き受けるならば,武器ショップに並んでいるそこそこ良い値のする装備で,ガッチリ身を固めてからにしよう。ちなみに,Sweepingの次に解禁される「Hunting」が,直接悪魔と対峙するお仕事になる。報酬金の桁がエグいことになっているが,難度もエグいので,相当な装備と腕が必要になるだろう。
斜め見下ろし視点のアクションゲームというと,爽快感を重視してサクサク進める作品が多いイメージだが,本作はそれとは真逆で何から何まで地味だ。しかし,グラフィックスや環境音によって作り出される底気味の悪い雰囲気が,地味さと妙にマッチしており,プレイ中の臨場感は抜群である。悪魔狩りをテーマとしつつも,派手なアクションに媚びない硬派な作品が好きな人であれば,本作もハマれるはずなので,ぜひ遊んでみてほしい。
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