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ハロー!Steam広場 第218回:暗闇で極限の恐怖を味わうホラーアドベンチャーゲーム「Visage」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,マズルブレーキに肉を巻き付けて,朝食用のカリカリベーコンを焼く上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第218回は,ホラーADV「Visage」を紹介しよう。本作では,突然電気が消えたり,ドアがひとりでに開閉したりといった超常現象がランダムで発生するほか,暗闇にいると正気度は下がるわ幽霊に会うわで良いことが1つもない。そのため,明かりを探しながらキーアイテムを見つけていくことになる。
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暗闇で極限の恐怖を味わうホラーアドベンチャーゲーム「Visage」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は海外のインディーズ系デベロッパ,SadSquare Studioが手掛ける一人称視点のホラーゲーム「Visage」を紹介しよう。
本作の舞台となるのは,人気(ひとけ)のない一軒家だ。この家には,かつて4人の家族が暮らしていたが,夫による無理心中によって一家全員が死亡。その怨霊が徘徊するという,文字通りの幽霊屋敷となっている。
そして,不運にもプレイヤーはこの家の一室で目を覚ましてしまう。なぜ自分がここにいるのか,なぜこの家で無理心中が起きたのか,もぬけの殻となった屋内を探索し,その手がかりを探していくのだ。
ゲームの流れは一般的なホラーアドベンチャーと同じで,キーアイテムの探索がメインとなる。ゲーム内のほとんどのオブジェクトが調査対象となっており,キーアイテムを見つけると新しいフラグが立つ。これを繰り返して物語を進めていく形だ。
幾千数多のホラーゲームをプレイしてきたことで,ちょっとやそっとじゃパンツを取り替えなくなった筆者は,POW値(精神力)の成長をしみじみと感じていたわけだが,それは思い過ごしだったようだ。
本作は,小島プロのサバイバルホラー「P.T.」に影響を受けており,屋内の雰囲気などはまさにといった感じの気味悪さなのだが,何よりチビりそうになるのが「Paranormal Events」の存在である。
Paranormalとはすなわち超常現象のこと。ゲーム内では突然電気が消えたり,ドアがひとりでに開閉したりするわけだが,たちの悪いことにこれらは“ランダムで発生する”仕組みになっている。いつ何が起こるかが分からないので,常に身構えておかなければならず,心臓にはあまりよろしくない。
またこのゲームは,光と闇に正気度システムを結びつけることでプレイヤーの情緒を揺さぶってくる。この廃屋にはいまだ電気が通っており,光源のある場所にいれば多少なりとも冷静でいられるが,ひとたび暗闇に足を踏み入れれば,正気度が徐々に削られていき,それに伴ってParanormal Eventsもより危険なものになる。
あるキーアイテムを入手してからは,より正気度に注意を払わされることになる。というのも正気度が低いままでいると,幽霊にとり殺されてしまうからだ。そのため,正気度がなくなるまえに暗闇から抜け出し,明るい場所で落ち着きを取り戻さなければならない。ライターを持っていれば少し余裕が生まれるが,消耗品なので信用しきるのは得策ではない。
そして暗闇を一度経験すると,暗闇への恐怖はさら増していく。最初はParanormal Eventsで電気を消されても,「え,なになに?ちょっとやめてよ〜」くらいで済むが,暗闇で起きる恐怖を経験した後だと,「まじでやめて(迫真)」に変わる。いや,まじでやめて。
Paranormal Eventsに限らず,本作における大部分の要素はランダム化されており,新しいセーブデータでプレイすると,キーアイテムの位置が変わっていたりする。現時点では1章のみのプレイとなるが,最終的には全4章のマルチエンディングになる予定で,繰り返しプレイしていくことで,家に隠された真の秘密が明らかになるようだ。
正式なリリースは4か月後(2019年2月ごろ)を予定しているのとこで,フルバージョンではより多くのParanormal Eventsや,正気度システムの拡張などが実装されるそうだ。現状では英語のみのサポートとなっているが,ほかの言語への対応も検討されているので,そこに日本語が加わることにも期待したい。
英語が分からずとも,お化け屋敷的な楽しみ方をするには必要十分な内容になっているので,自分のPOW値に自信のある人はぜひ遊んでみてほしい。
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