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ハロー!Steam広場 第143回:悪魔と殴り合うメレー系アクションRPG「Gone with the Demon」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,「The Elder Scrolls」シリーズで英語を覚えたせいで,英語だともれなく上から目線になってしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第143回では,妻が幽閉されている地下ダンジョンで悪魔たちと泥沼の殴り合いを繰り広げるメレー系アクションRPG「Gone with the Demon」をメインに紹介しよう。このほか,悪魔城ドラキュラにローグライクのエッセンスを取り入れたという「Dead Cells」もあるので,お見逃しなく。
レンチやバールで悪魔と殴り合うメレー系アクションRPG「Gone with the Demon」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は韓国のインディーズ系デベロッパ,BoyAndWitch Studioが手掛ける「Gone with the Demon」を紹介しよう。
本作は,悪魔に妻を誘拐された主人公が,そのあとを追って地下深くのダンジョンに潜り込み,悪魔達との戦いを繰り広げるというアクションゲームだ。
“悪魔と戦うアクションゲーム”と聞くとスタイリッシュなイメージが先行するかもしれないが,このゲームの戦闘には華麗な剣戟もなければ爽快なガンアクションも存在しない。そこにあるのは,素手やレンチで悪魔と殴り合うという,泥臭い絵面だけである。
ゲームの舞台となるダンジョンは,通路と部屋で構成されたシンプルな作りになっており,見た目もビルの地下室といった感じで,わりと現代的である。プレイヤーは,妻が捕らわれていると思われる最下層を目指し,このダンジョンを進んでいくわけだが,道中には悪魔に取り憑かれた人間や,さまざまなトラップなどが配置されており,なかなか一筋縄ではいかない。
とくに手を焼くのが悪魔達との戦闘だ。このゲームはいわゆるメレー系のFPSであり,相手の攻撃をガードしたり回避したりしながら,スキを見て数回殴り,スタミナが切れる前に下がるといった地味な戦闘が繰り広げられる。それゆえ1体との戦闘にかかる時間が長いのだ。
時間がかかるからと言って,ただ殴っていれば良いというものでもない。一発でももらうとハメられてしまうため,相手の予備動作から次に来る攻撃を予測して,ガードを固めるか,回避するか,それともこちらも攻撃を合わせていくかといった感じで,戦術を練る必要があるのだ。初めは難しく感じるかもしれないが,少し慣れて来れば,タイミング良くガードすることで発動するカウンターも積極的に狙っていけるだろう。
結果的に見れば,悪魔と戦うゲームとしては華もなくテンポも悪いのだが,気を抜けないぶん,単調な殴り合いにはならず,雑魚との戦いでも内容が結構充実しており,戦うことそれ自体が面白かったりする。
ただし,階層を進めるに連れて敵も強くなるため,次第に立ち回りだけではどうにもならなくなる部分もある。それもそのはずで,本作はアクションゲームでありつつも,RPGのエッセンスも取り入れているので,キャラクターの育成も重要な要素の1つとなっているのだ。
キャラクターを強くする方法は2通りあり,1つはナイフやバールといった武器で武装することである。これらは敵を倒したときに低確率でドロップするほか,マップ上に落ちているツールボックスや,商人とのやり取りでも入手できる。
もう1つは,各階層ごとにいくつか用意されているベッドルームでステータスを伸ばす方法だ。ステータスを伸ばすには,敵を倒したときに得られる経験値が必要で,一回の獲得量も渋めなのだが,体力やスタミナを上げるだけでも戦闘がだいぶ楽になるので,進むのが難しくなってきたら,意識してステータスを伸ばしてみよう。
現在のバージョンでは,死亡しても失うものがなかったり,ベッドで休むだけで武器の耐久力が全回復したりと,若干緊張感に欠ける部分もあるのだが,GREENLIGHTに登録されたときのトレイラーと見比べると,実装されていない要素もまだ多そうなので,今後のアップデートでどう変化していくのかに期待したいところ。
もちろん,現時点でも遊びごたえは十分にあるので,興味のある人はぜひプレイしてみてほしい。
「Gone with the Demon」Steamストアページ(1480円)
Castlevania+RoguelikeでRogueVania。悪魔城ドラキュラに影響を受けた,ヌルヌル動く2D横スクロールアクション「Dead Cells」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回はフランスのインディーズ系デベロッパ,MOTION TWINが手掛ける「Dead Cells」を紹介しよう。
本作は,多種多彩な武器と魔法を駆使してモンスターを倒しながら進んでいく,2D横スクロールアクションだ。ヌルヌル動くドット絵風のグラフィックスが特徴的で,開発者曰く,一度死亡したら1からやり直しなうえ,チェックポイントも設けていないという鬼のような難度に調整しているとのこと。
そんな本作を開発者達は“RogueVania”と呼んでいる。これは,開発者達が本作を作るうえで影響を受けたという名作「Castlevania」(邦題:悪魔城ドラキュラ)と,ローグライク(Roguelike)をかけ合わせた造語であり,要するに本作はCastlevaniaにローグライクのエッセンスを取り入れたゲームと言うわけである。
GREENLIGHTの紹介文だと,本作は死んで覚えるゲームだと説明されているが,ステージ自体は自動生成されるとのことなので,矛盾しているような気もする。おそらく,ステージの構造を覚えるのではなく,アクションに慣れたり,敵の動きを覚えたりといったことを指しているのだろう。とにかくリプレイアビリティを大切にしているようで,死んでもすぐに再挑戦したくなるような工夫がなされているようだ。
戦闘に関しては,Souls-like combatと表記されている。Souls-likeという言葉は,海外のインディーズゲームの概要などで,最近よく目にするようになったが,このSoulsというのは「Demon's Souls」や「DARK SOULS」のことを指したものだ。もっとも,どの部分を指してSouls-likeなのかは作品によって異なるわけだが,本作においては,パターンを知らないで戦うとまず殺されるボスないし雑魚との戦闘を,Souls-likeとしているようである。
現時点では3分の1ほど開発が進んでおり,スケジュール的には順調とのこと。リリース時期については明記されていないが,ある程度出来上がった段階でアーリーアクセスに移行するとのことで,そこでフィードバックを受けながら完成を目指していくようだ。すでにGREENLIGHTを通過しており,コミュニティの反応も上々なので,興味のある人はフォローボタンを押しておこう。
「Dead Cells」GREENLIGHTページ
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