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とらのあながアクアプラスと資本業務提携した背景にあるものとは?――とらのあな吉田氏とアクアプラス下川氏に,昨今のオタクコンテンツの動向や同人業界について聞いてみた
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印刷2013/12/21 10:00

インタビュー

とらのあながアクアプラスと資本業務提携した背景にあるものとは?――とらのあな吉田氏とアクアプラス下川氏に,昨今のオタクコンテンツの動向や同人業界について聞いてみた

 2013年10月1日,同人ショップ「とらのあな」の運営元として知られる虎の穴がユメノソラホールディングスを設立し,ホールディングス体制へ移行すると発表。同時に,「ToHeart」や「うたわれるもの」の開発元として知られるアクアプラスの全株式を取得して,資本業務提携することを発表した。

 「とらのあな」といえば,年間7万5000タイトルもの同人誌を販売し,北は北海道から南は福岡まで,全国各地に26店舗を構える日本有数の総合同人ショップグループ。同人誌の委託販売業者としても,日本最大級の規模を誇る組織だ。
 そんな「とらのあな」が,なぜアクアプラスとの資本業務提携に踏み切ったのか。同人ショップとゲーム会社,一見すると接点がありそうでないように見える両社が,同じグループとして合流するメリットはどこにあるのだろうか。

 4Gamerでは,ユメノソラホールディングス代表取締役CEO・吉田博高氏とアクアプラスの代表取締役社長・下川直哉氏にインタビューを行い,買収の背景と,両社が目指すものについて,詳しく話を聞いてみた。同人業界やアニメ業界,そしてゲーム業界まで,あらゆる方向に話題が飛んだインタビューとなったので,興味がある人はぜひご一読を。

アクアプラス公式サイトはこちら

とらのあな公式サイトはこちら



資本業務提携は“前向きな理由”で行われた


4Gamer:
 ではまず,単刀直入にお聞きしますが,今回,ユメノソラホールディングス(とらのあな)がアクアプラスとの業務提携に至った理由というのは,アクアプラスの経営難に起因するものなのか,そうじゃないのかというところです。

下川直哉(しもかわ なおや):アクアプラス代表取締役社長。1994年に有限会社ユーオフィス(後の株式会社アクアプラス)を設立。Leafおよびアクアプラスのプロデューサーとして活動しながら,それらの作品の音楽も担当した。現在も社長業&プロデューサー業に専念しながら,作曲活動を続けている
下川氏:
 ああ,そうですね。では,そこからご説明させて頂きますと,今回の業務提携の背景にあるのは,決して僕らが資金繰りに困って「とらのあな」さんに……ということではありません。今後の弊社の成長,あるいは今後のオタク業界の展望を考えていった時に,僕ら自身ですべてをやろうとするのではなくて,もっと大きなチームの一員になったうえで取り組むべきだ,というのが最大の理由なんです。

4Gamer:
 ただ,そうはいっても,やっぱり多くの人は,買収する側とされる側,される側は経営難で,みたいな捉え方をしてしますよね。

下川氏:
 そうなんです。先日のニュースがアナウンスされた時,うちの従業員にも,親から電話がかかった子とか,友達から電話かかってきたって子が結構いたりして。「お前の会社ヤバイの?」「給料止まってない?」みたいな。ですから,その誤解を解きたいというのが,今回インタビューを受けた理由の一つでもありまして……。

4Gamer:
 ああ,なるほど。

下川氏:
 おかげさまで弊社は,これまでも堅実にビジネスをしていますしね。仮に今後しばらく何も出さなくても,社員に給料を出せるくらいの蓄えもあります。

4Gamer:
 であれば,改めてお聞きしますが,なぜ今回のような業務提携という話になっていったのですか?

下川氏:
 一つは先ほどの話ですが,弊社の成長戦略を考えたときに,ウチは作品を作るという部分には自信があるんですが,それらを売る/広めていくという部分のノウハウに欠けているなという思いがありました。先のことを考えると,作るところから売るところまでを一貫して行えるチームを作らないと,これからの市場では戦っていけないのではないかと。
 実を言うと,アクアプラスの業務提携うんぬんについては,もうここ4〜5年ずっと考えていて,その相手を常に探していました。実際,10社くらいとやりとりをして,いろいろな条件や目指す方向性の確認といったことを進めてはいたんです。

4Gamer:
 なるほど。かなり以前からのアクションだったんですね。

下川氏:
 それこそ,今回のようなグループに加わる形だけじゃなくて,合弁会社を作るとか,いろいろな可能性を検討していて。いろいろな会社さんとお話をさせて頂いていたんですけれど,なかなかフィーリングが合う会社がなくて。それぞれの会社と交渉を続けているうちに,あっという間に4〜5年という時間が過ぎてしまったんです。

4Gamer:
 そうしたなかで,なぜ「とらのあな」さんとの資本業務提携を受け入れたのですか?

下川氏:
 まず一つには,やっぱりフィーリングがあったことがありますね。僕がいろいろと動き回っているときに,「とらのあな」さんから「今度こういうホールディングス会社を作って,もっと上を目指していく」みたいなお話を聞いて。いろいろな構想や夢を聞いているうちに,「それは面白い!」と。そうした事業にゼロからご一緒できるなら,そこに僕らも参加したいと思ったんです。

吉田博高(よしだひろたか):ユメノソラホールディングス代表取締役CEO。1994年に同人ショップ「「とらのあな」」をオープン,それが大ブレイク。後に株式会社化して,漫画,同人誌,キャラクターグッズなどの販売・流通事業を築き上げた。ショップを経営する虎の穴は,2012年時点で売上高203億円,従業員は1000名を数える
吉田氏:
 そうですね。私たちは元々,クリエイター様とお客様を店舗や通販なんかでつないで,そこでビジネスをさせて頂いているんですけども,数ある作品の人気のサイクルがどんどん短くなっているのではないかという懸念があったんです。だから弊社としても,そこをもっと盛り上げていく,作品を作る方向にも事業として舵を切っていくべきなのではないかという思いがあったんですね。そうした中で,アクアプラスさんのお話を聞いて。「ぜひ一緒にやりましょう!」と意気投合しました。

4Gamer:
 今回の買収で一つ気になるのは,アクアプラスさんの作品が,「とらのあな」さんの系列のお店で優遇されるだとか,場合によってはそこでしか売られなくなるとか,そういう独占的な展開を想定されているのだろうか?という点です。

下川氏:
 いや,そこに関してはきっぱりと否定します(笑)。それはやってもあんまり双方にメリットがないというか,今回の座組は,別にそういうことがやりたくて進めたものではありませんので。「お互い変に贔屓することは止めましょう」というのは,一番最初に話し合ったことでもあります。

4Gamer:
 じゃあ,「とらのあな」の販売網(プラットフォーム)を広げるコンテンツとして,アクアプラスの作品を活用する――というような取り組みではないということですか。

下川氏:
 そうですね。僕らがやりたいのは,今後さらに発展していくであろうオタク産業の中で,いろいろなチャレンジをしてみたい。それができるポジションにいたいってことなんです。

吉田氏:
 もちろん,当社の販売網はぜひ活用して頂きたいですし,そのためのご協力はこれまで以上にできると思います。店舗を使ったイベントを始めとして,いろいろな施策は考えられると思いますけどね。それ以外は,他のショップさんと横並びで競争していけばいいんじゃないかと思っています。


個人作家と距離が近いゲームメーカーを目指して


4Gamer:
 いろいろなチャレンジをというお話がありましたが,現状で具体的に動いているプロジェクトはあるんですか?

下川氏:
 もちろん,いろいろなお話はしているんですけれど,現状は,言ってしまえば新婚ホヤホヤみたいな状態なので,まだ手探りな部分もたくさんある感じです。

吉田氏:
 「将来の夢」みたいな部分はお互い話し合っているんですが,それを現時点で公の場でお話ししても,机上の空論にしかなりませんしねぇ。

4Gamer:
 とても気になるので,それでもお聞きしてもたいところですが。

下川氏:
 アクアプラス的に「やってみたい」「目指したい」ってお話でいうと,いわゆる個人制作をされているような作家さん達と,もっとも距離が近いゲームメーカーになりたいなって気持ちはあります。

4Gamer:
 個人クリエイターとの距離が近い?

下川氏:
 やっぱり,「とらのあな」さんの強みって,膨大な数のクリエイター様と接点があって,さらに出口となる店舗も持ってて――みたいな部分だと思うんです。商業で活動する前の,いわゆるスタートラインに立つ手前の人達を支えるビジネスですよね。

4Gamer:
 なるほど。

下川氏:
 うちは「こみっくパーティー」のようなゲームを作った会社でもありますし,「とらのあな」さんとは非常に親和性が高いといいますか,いろいろな意味で“同人誌の文化に支えられてきたゲームメーカー”だとも思います。ですから,その立ち位置を活かして,スタートラインの手前に立つ人達を支える,彼らの活動の場を広げていく取り組みをしていきたいなと。

4Gamer:
 アクアプラス自身は,自社社員の二次創作活動について制限を設けられていたと思ったのですが,その辺はどうなるんですか?

下川氏:
 制限は撤廃しようと思っています。ご指摘の通り,元々アクアプラスでは,二次創作活動については,いわゆる“即売会”に限定するガイドラインを制定していました。要するに,即売会で売るのはOKだけど,「とらのあな」さんをはじめとするショップで売ってはいけませんというルールです。

4Gamer:
 なるほど。ただそれも,時代に合わなくなってきたということなんですね。

下川氏:
 ええ。なので,そこも方向転換を考えていて。同人誌を描いてくれる人,曲をアレンジしてくれる人,あるいはコスプレイヤーさんなどを,今後は何かしらの形で支援していきたいなと思っています。面白い同人誌や楽曲は,正式に二次使用の許諾(※)を与えて出版したりだとか,いろいろな展開を考えています。

※2013年11月7日付で「二次創作物に関する新ガイドラインのお知らせ」を公開している

アクアプラスが11月28日に発売した最新作「WHITE ALBUM2 幸せの向こう側」
WHITE ALBUM2 幸せの向こう側


コンテンツの消費スパンが短くなった


4Gamer:
 ふーむ。しかし,今回の業務提携の背景といいますか,そもそも昨今のオタク市場の動向――例えば吉田さんから見て,売れる作品なり商品が減ってきたみたいな印象ってあるんですか?

吉田氏:
 そうですねぇ。我々が言うのはちょっとおこがましいんですけれど,タイトル一つ一つのパワーというか,そういうものがこじんまりとしてきたのかなという印象はあります。作品の数はとても多いのですが,それが目まぐるしく移り変わってしまうというか。

4Gamer:
 大作が減って中堅が増えた――みたいなイメージですか。

吉田氏:
 大作というかロングセラーですね。昔はもうちょっと,作品のサイクルって長かったと思うんです。例えば,アクアプラスさんの「ToHeart」にしても,10年くらいのスパンで人気を誇った作品じゃないですか。だけど,最近はそのスパンが,人気作品でも5年持たずに終わってしまうというか。そういう感じなんですよね。

4Gamer:
 それっていつ頃ぐらいからの傾向なんでしょうか。

吉田氏:
 7〜8年くらい前からすでに,そういう空気は感じていたかもしれません。

下川氏:
 ただ一方で,スマートフォンやソーシャルゲームの文化をまだちゃんと捉え切れてない,分析しきれてないところも僕らにはありますから,その辺まで含めると……どうなんですかね。

吉田氏:
 でも「パズル&ドラゴンズ」とかって,あれはアニメでいうところのジブリやディズニーに近い感じじゃないですか。だから,オタク市場って意味でいうと,またちょっと違う文脈なのかなとは思うんですけどね。

4Gamer:
 オタク市場そのものは大きくなっているんですか?

吉田氏:
 全体としては大きくなっているんじゃないでしょうか。ただ,爆発的な「誰もが知っている」コンテンツは,逆に減っているという感覚があります。まぁ,「東方」とか「初音ミク」とかは凄いですけれど。

下川氏:
 同人誌の売れ行きとかって意味であれば,昔は,10人の大手サークル(クリエイター)様でそれぞれ5万部売れていたものが,今は20人のクリエイター様になって,それぞれが2万部ずつ売れている……みたいな変化は起きているような気はします。正確に調べているわけではないので,僕の思い込みかもしれませんけれど,そういう印象はありますよね。

4Gamer:
 アニメにしろ漫画にしろ,コンテンツそのものの量が増えてますし,それだけお客さんが分散している傾向はあるのかもしれませんね。

 
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