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  • 発表日:2015/10/30
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[CES 2017]ゲームの会社,そしてAI&自動運転の会社としてのNVIDIA。総帥ジェンスン・フアン氏が新製品や新サービスを次々に披露
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印刷2017/01/05 18:40

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[CES 2017]ゲームの会社,そしてAI&自動運転の会社としてのNVIDIA。総帥ジェンスン・フアン氏が新製品や新サービスを次々に披露

Jen-Hsun Huang氏(President and CEO, NVIDIA)
 米ラスベガスで現地時間2017年1月5日に開幕となるCES 2017。そのオープニングを告げる基調講演に立ったのは,4Gamer読者にもお馴染み,NVIDIAのJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏だ。
 CESの開幕を告げる基調講演には伝統的に,家電や電機業界のキーパーソンが登壇してきた。そこにGPUメーカーであるNVIDIAの総帥が登場するということは,それだけ,GPUと,GPUの並列演算処理性能がもたらすAIやディープラーニング,自動運転といったキーワードが業界で注目を受けているということなのだろう。

 さて,その基調講演,事前には「AIと自動運転の会社としてのNVIDIAをこれでもかと推すものになるのでは」と噂されていたのだが,蓋を開けてみると,ゲームの会社であり,同時にAIの会社であるGPUメーカーというNVIDIAの立ち位置を,大いに反映したものとなっていた。
 Huang氏は,予定の1時間を少し超えるボリュームの基調講演で,さまざまな製品やサービス,ソリューションを次々と発表していったわけだが,今回は「Huang氏が何を発表したのか」を中心に,基調講演をまとめてみたいと思う。


Google Assistantをサポートする新型SHIELD


 まずは,速報でもお伝えした新世代「SHIELD」からだ。
 北米市場では2017年1月中に発売予定で,ストレージ容量16GBのスタンダード版が199.99ドル(税別),ストレージ容量500GBでメディアサーバー機能を持つ「Pro」版が299.99ドル(税別)と,価格面でも意欲的なAndroid TVコンソールである。

新世代SHIELDが発表となった。北米市場では予約受け付け中
GeForce NOW

 Huang氏はこのSHIELDを「4KとHDRをサポートする世界最高のエンターテイメントプラットフォームだ」とアピール。NetflixやAmazonで提供されている4K&HDRのコンテンツをスムーズに楽しむことができるだけではなく,「Google Playには,SHILEDに対応する数千のゲームタイトルが揃っている」とも述べていた。


 ただ,それに留まらないのが新世代SHIELDで,今回の新型は,「Google Assistantに対応する,世界初のAndroid TVデバイス」だと,Huang氏は位置づける。「Google AssistantによってSHIELDを接続したテレビを言葉で制御できるようになる。たとえば,コンテンツの再生や早送り,検索といった操作を自然な言葉で実行させることができる」(同氏)。

GeForce NOW

 さらにこのSHIELDは,AIを家庭にもたらすデバイスでもあるとのことで,テレビとつながったSHIELD上で動作するGoogle Assistantに対して,Uberの配車を依頼したり,コーヒーメーカーにコーヒーを淹れるよう指示したり,ガレージのドアを開けたり,あるいはシンプルに明日の天気を尋ねたりできるようになるそうだ。

Spotを持つHuang氏
GeForce NOW
 また,このような自然の言葉による操作を家中で可能にするために,Huang氏は,マイクを備えたネットワークアプライアンス製品「Spot」も同時に発表している。
 複数のSpotを家庭内に設置すると,それがSHIELDと連係し,家の中のどこにいても,ネットワークにつながったデバイスを(Google Assistant経由で)操作できるようになるという。また,「Spotは指向性マイクを内蔵しているため,誰がどの部屋で語りかけているのか三角測量の原理で認識できる」ともHuang氏は述べていた。

Spotの設置イメージ
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 ちなみに,このSpotとGoogle Assistant,そしてSHIELDの機能は,Samsung Electronicsが提唱しているスマートホームおよびインテリジェントリビングの仕様である「SmartThings」と統合できるとのこと。氏の話の中で出てきたコーヒーメーカーやガレージ(のシャッター)は,SmartThings対応モデルだということなのだろう。

GeForce NOW

 ところで,4Gamerの読者には言うまでもないが,NVIDIAは任天堂と共同で「Switch」と呼ばれる次世代ゲームコンソールを準備している。
 そのため,NVIDIAが自社で展開しているSHIELDを今後どうするのかが気になるところではあったのだが,Huang氏の発言で,「SHIELDの新しい位置づけ」は見えたように思う。つまり,ゲーム機であるSwitchとの競合を避けるべく,「AIを家庭にもたらすデバイス」「Google Assistantを大いに利用するためのデバイス」としての側面を強く押し出している,ということだ。
 なお,念のため付記しておくと,今回の基調講演でHuang氏はSwitchについて言及していない。


SteamからGeForce NOWの利用が可能に!


 Huang氏による,ゲーム関連の発表はもう2つある。1つは,商用のクラウドゲームサービス「GeForce NOW」に関するものだ。
 GeForce NOWは,2015年9月30日から日本でも商用サービスが始まっているが,簡単に言うとこれは,NVIDIAのクラウドサーバーを利用して,PCゲームをストリーミングでプレイできるようにするものだ。ただし従来は,プレイできる対象が,SHIELD端末しかなかった。なので,Android TVデバイスである“無印”SHIELDが流通していない日本では事実上,「SHIELD Tablet」しか利用できず,ここが普及の大きな妨げになっていたのが否めない。

 CES 2017における発表は,そんなGeForce NOWを,PC,具体的にはSteamプラットフォームから利用できるようにするというものである。

GeForce NOWがPCから利用できるようになった
GeForce NOW

 Huang氏は「ゲームをプレイできない統合型グラフィックスをGPUを搭載したPCが,世界には10億台もある。そこに着目しなければならない」と切り出し,その10億台のPCに対する新たなソリューションとして.SteamとGeForce NOWの統合を発表した。十分な3D性能を持たないPCでも,Steamからゲームを起動すれば,そのタイトルをGeForce NOW経由でプレイできるようになるのだ。

2017年1月12日11:00頃追記
 本稿ではGeForce NOWにSteamを統合したとしていますが,その後の取材で,そうではないことが判明しました。本稿は初出時のまま残しておきますが,より正確な情報は1月10日掲載の記事を参照してください。


 壇上でHuang氏は実際に,単体GPUを搭載しないMacbookからSteamを起動し,「Rise of the Tomb Raider」をプレイするというデモを披露した。「ゲームのインストールに1時間かけるような必要もなく,わずか20秒待つだけでTomb Raiderをプレイできる」とのことだ。

GeForce NOW GeForce NOW
GeForce NOW GeForce NOW
MacbookからGeForce NOWを呼び出し,そこからSteamにログインすれば,ストリーミングでゲームをプレイできるようになる
GeForce NOW

 なお,Steamとの統合を果たした新世代GeForce NOWは月額課金制で,ひと月あたり25ドル支払うと20時間までプレイできるそうだ。20時間に達したときに“おかわり”できるのか,いつサービスを開始するのか,そしてそもそも日本でサービスするのかといった部分は明らかにならなかったが,従来版のGeForce NOWが稼働している以上,日本でも期待はできるのではないかと思う。
 ゲーム機の利用が中心で,PCはモバイル用途向けのものしか持っていない,でも最近はPCゲームも気になるという人にとっては,格好のお試しサービスになりそうなだけに,国内発表を待ちたい。

2017年1月12日11:00頃追記
 本稿ではGeForce NOWの料金プランを月額課金制と記載していますが,その後の取材で,完全な従量制であると判明しました。本稿は初出時のまま残しておきますが,より正確な情報は1月10日掲載の記事を参照してください。


GeForce NOW
 さて,ゲーム関連の発表,もう1つは,GeForce ExperienceがFacebookのサービスするライブストリーミングサービス「Facebook Live」をサポートするというものだ。
 GeForceシリーズのユーザーは,GeForce Experienceとドライバをアップデートするだけで,Facebook Liveを通じてゲーム動画の共有が可能になるそうだ。これを発表したとき,Twitchのソーシャルストリームでは「Facebookなんて使わないよ」という声が大量に流れていたりもしたが,Huang氏は「GeForceは,世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookをサポートする初のゲームプラットフォームになる」と,その意義を強調していた。


次世代GPU「Volta」関連の新情報はほぼなし。ただしXavierの消費電力が30Wになることは明らかに


Xavierが載ったDriver PXを披露するHuang氏
GeForce NOW
 NVIDIAは2017年,現行のPascalに続く新GPUアーキテクチャとして「Volta」(ヴォルタ,開発コードネーム)を立ち上げる予定になっている。それだけに,基調講演でも何らかの形でVoltaの新情報が登場することが予想されたわけだが,結論から言うと,それは叶わなかった。
 冒頭,ゲームに関するソリューションを次々と発表したHuang氏は,続いてAIによる自動運転,「AI Transport」(AIトランスポート)と呼ばれる市場の話に話題を展開。そこで,NVIDIAが手がけている次世代の車載用SoC「Xavier」(エグゼイヴィア,開発コードネーム)を披露した。

Xavierの簡単なブロック図
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 Xavierの存在自体は2016年9月に発表済みで,16nm FinFETプロセス技術を用いて70億トランジスタを統合することや,8基のCPUコアと,512基のCUDA Coreを統合するということは明らかになっていたが,今回Huang氏は,Xavierの性能について「1秒あたり30兆回の演算を,30Wの消費電力で実行ができる」とアピールしていた。
 この「30兆回の演算」は以前に発表済みの。ディープラーニングにおける演算速度を示す「OPS DL」という謎の単位での速度だ。2016年9月の時点では20 OPS DLで20Wと発表されていたので,今回,いずれも1.5倍となったことになる。

CES 2017の基調講演で明らかになったXavierのスペック。Huang氏は「大型ゲームPCの性能が,この小さなSoCに集約されている」と,Xavierの性能をアピールしていた
GeForce NOW

 もちろん,Xavierに統合されているVoltaアーキテクチャのGPUは,2017年から2018年にかけて,TeslaやGeForceなどでも展開となるはずだが,そのあたりについては5月に開催予定の「GPU Technology Conference 2017」などを待つことになるのではなかろうか。


Audiと共同で2020年までに「レベル4」の自動運転搭載車を開発


 Drive PXを軸として開発が進む自動運転関連でもいくつかの発表があった。


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 Huang氏は,自動運転を実現するためにはハードウェアだけでなくソフトウェアもカギになると述べたうえで,「我々には自動運転のためのOS『DriveWorks』がある」と語る。そして,DriveWorksの中で大きな課題になっているのが地図と車のマッピングを行うAPI「MapWorks」であることも明らかにした。
 いわく「MapWorksは車載センサーを使って測量を行った結果を,クラウドサーバーとの間でデータ交換して地図上にマッピングするという重要なAPIで,自動運転には欠かせない」とのこと。そのためには極めて精密な地図データが必要で,各国の企業と共同で開発を進めていると語っている。

 そこで明らかになったのが,世界各国における地図データのパートナーだ。Huang氏によれば,中国ではBaiduと,また欧州ではTomTomと協力し,そして日本ではゼンリンと協業しているという。「日本の道は非常に複雑で混み合っているが,ゼンリンは素晴らしいデータを整えている」とは氏の弁だ。

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 また,「AI Co-Pilot」(AI副操縦士)という新しい機能もHuang氏は発表している。NVIDIAのAI Co-Pilotは,運転者や乗客の状況をAIによって把握し,運転者に適切なアドバイスを与えるという,自動運転の一歩手前となる機能だそうだ。
 AI Co-Pilotは,車内のセンサーを使って,運転者がどこを見ているのかや,何をしゃべっているのかを把握しつつ,車外のセンサーで道路状況を監視。そのうえで,たとえば「14m先に自転車がいるので注意してください」などといったアドバイスを,音声や映像で運転者に伝えるという。

AI Co-Pilotのカメラははドライバーの顔を認識し,顔と目の動きを追跡し,騒音が大きくて声が聞き取れないときのために唇の動きも読む
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 以上,DriveWorksやAI Co-Pilotといった技術を積極的に開発しているNVIDIAだが,もちろんNVIDIAが自動車を作っているわけではないので,自動車業界との協業は不可欠だ。その点でも,今回の基調講演では3つの大きな発表があった。

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 1つめは,自動車向け部品大手であるZF Electronics――4Gamer読者には「Cherry MX」キースイッチのメーカーとしてよく知られているだろう――が,Drive PXベースのAIシステムを採用するということだ。Huang氏によると,2017年にはNVIDIAからZF Electronicsへ実際の製品出荷が始まる見込みだという。

 もう1つも,自動車部品の大手であるBoschとの協業である。「BoschはDrive PXを採用する予定だ。3月にはBoschとの協業について,より詳しい情報を明らかにすることができるだろう」とHuang氏は予告している。

 そしてもう1つは,長年のパートナーであるAudiとの協力強化である。Huang氏によれば,NVIDIAはAudiと共同で,2020年までに,「レベル4」と呼ばれる完全自動運転技術を実装した自動車を開発するとのことだ。「2020年まで3年しかない。あと3年でレベル4を実現するのは極めて大きなチャンレンジとなるだろう」(Huang氏)。

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 以上,Huang氏が基調講演で発表した主な内容を駆け足でまとめてみた。
 冒頭でも述べたとおり,CES 2017で,AIと自動運転の話題だけに集中するのかと思われたHuang氏が,ゲームの話をきっちりと入れたあたりは,ゲーマー的に嬉しい誤算だったと言えるだろう。穿った見方をすれば,稼ぎ頭をむげにはできないということなのかもしれないが,ともあれ,ゲーム市場にせよAI市場にせよ自動運転市場にせよ,2017年もNVIDIAにとっては忙しい年になりそうである。

発表のまとめ
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NVIDIA日本語公式Webサイト

NVIDIA公式blog(英語)

NVIDIAのYouTubeチャネル(英語)


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    Volta(開発コードネーム)

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