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ポケモン日本一の栄冠は誰の頭上に? 将棋界の“竜王”も参戦した「ポケモン竜王戦 決勝大会」をレポート
ポケモン竜王戦は,小学生以下のポケモンプレイヤーによる大会だ。今回の決勝大会のために,東京,大阪,福岡,名古屋,札幌,仙台の6都市で予選大会が行われ,ゲーム部門は16名,カードゲーム部門は16名のプレイヤーが選出。計32名が東京に集結し,激戦を繰り広げた。
また,今回のイベントは竜王戦と題されているように,会場には,プロの将棋棋士が参戦してエキシビジョンマッチを行い,イベントを盛り上げていた。本稿では,そんな会場の様子をお届けする。
“初代ポケモン竜王”が決定。勝敗のゆくえは?
まずは,ポケットモンスター X・Yの対戦モードを用いたゲーム部門が実施された。ルールは,2体のポケモン同士を戦わせるダブルバトルで,両選手は事前に4体のポケモンを準備し,その中から2体を選んでバトルにくり出す。そして,相手のポケモン4体を倒した選手が勝利となる。
ゲーム部門は,16名の出場選手を4つのグループに分け,総当り形式による予選リーグ戦が実施。各リーグの上位1名が選出され,出揃った4名によりノックアウト形式の決勝トーナメントが行われた。そして,見事にトーナメントを勝ち進み,決勝戦へと駒を進めたのは,オオグシ カズキ選手とテラサワ リン選手だ。
試合を離れれば同じポケモン好き。待ち時間には,いたるところでポケモン談義を楽しむプレイヤー達の姿が見られた |
試合に敗退し,悔し涙を流す選手も |
決勝戦は,オオグシ選手のガブリアスとロトム,テラサワ選手のクチートとロトムの戦いからスタートした。ガブリアスとクチートをアタッカーとして,ロトムがそれをサポートするというのが双方の狙いのようだ。
試合が始まると,双方のロトムによる変化技「おにび」が相手アタッカーにヒット。両者のアタッカーは火傷を負ったことにより,継続的なダメージに加え,攻撃力が半減した。その後も,両選手の変化技を重視した戦術により,試合は長期戦へともつれ込んだ。
先に動いたのはテラサワ選手。手持ちのポケモンから,特性「いかく」を持ったボーマンダを呼び出し,敵の攻撃力を下げる。さらに,特性「てつのトゲ」を備えたナットレイを繰り出し,変化技「のろい」で防御力をアップさせて守りを固めていく。
こうなると,オオグシ選手のポケモンは,なかなか相手に大きなダメージを与えられなくなり,反射ダメージによりじわじわと追い詰められる。そして最後はナットレイの「ジャイロボール」が決まり,テラサワ選手が見事に勝利。ポケモン初代竜王の栄誉を“ゲット”した。
プロ棋士によるエキシビジョンマッチ
決勝戦の直前に行なわれたエキシビションマッチには,将棋界の竜王・名人である森内俊之氏が登場。森内氏は永世名人(将棋の名人位を通算5期獲得すると与えられる資格)で,現在は竜王と名人の2冠を保持している。そんな森内氏の前に立ちはだかったのが,“お笑い界の竜王”として名乗りを上げたオードリー・春日さんだ。
2人は来場客の中から,それぞれ1人のパートナーを募り,即席チームを結成。2人の“竜王”はパートナーのアドバイスを受けながら,エキシビジョンマッチに挑戦することに。
試合は,ポケモン暦3か月の春日さんが早々と倒されてしまうものの,パートナーが奮闘して逆転勝利するという展開となった。春日さんは「ポケモンの強さに年齢は関係ない」と話し,森内氏は「春日さんを倒して勝ったと思った」と試合を振り返っていた。
ゲーム部門とカードゲーム部門の優勝者には,2014年8月にアメリカのワシントンD.C.で開催予定の世界大会「ポケモン ワールドチャンピオンシップ 2014」への出場権が贈られた。
「ポケモン竜王戦 決勝大会」以外にも,上記大会への出場権が得られる大会が用意されており,ゲーム大会「ポケモングローバルリンク ジャパンカップ2014」が5月2日から5日に,カードゲーム大会「ポケモンカードゲーム リザードンメガバトル」が5月某日に開催予定となっている。
最後に,イベント終了後に行なった森内竜王・名人へのミニインタビューの模様を紹介しよう。
森内氏:
正直いって,びっくりしました(笑)こうしたイベントをキッカケに,将棋界の人以外にも,もっと広く竜王の名前が知られるようになると思いますし,とてもありがたい試みだと思います。
――実際にポケモンをプレイしてみて,感想はいかがですか。
森内氏:
想像していた以上に複雑で,相手との駆け引きも沢山あり,瞬時の判断も要求されるなど,将棋と共通する点があると感じました。子供達が成長するうえで,チャレンジする1つの場として良いと思います。
――イベントを通じ,子供達の真剣な戦いっぷりはどうでしたか。
森内氏:
彼等の様子を見ているだけでも,普段からポケモンに熱中していることがすごく伝わってきました。今日に向けて,きっとたくさんのことを考えて,練習を積み重ねてきたんだろうと思います。それだけ,ポケモンが子供達にとって魅力的なんでしょうね。
――試合に敗退して,思わず泣いてしまう選手もいました。
森内氏:
試合に負けて泣いちゃうのは,それだけ気持ちが入っていた証でもあります。一生懸命やることは,それだけでも価値がありますし,次に向けての糧にもなるはずです。
――エキビジジョンマッチでは惜しくも敗れてしまいましたね。
森内氏:
春日さんのポケモンを倒したときは「勝てるかな?」と思ったのですが,春日さんのパートナーがかなりの上級者で,負けてしまったのが悔しいですね。でも,子供がすごく喜んでいて,イベントとして盛り上がったから,これはこれで良かったなと。
――今日,新たに竜王の称号を持った子供が誕生しました。先輩竜王として彼らに対し,アドバイスをお願いします。
森内氏:
竜王という名誉ある称号を得ることは,それと同時に,これから竜王としての責任を伴うことでもあります。竜王になったことに甘んじず,これからも常に挑戦者のつもりで前進してほしいですね。
――最後に,イベントを振り返っての感想をお願いします。
森内氏:
ポケモンは,人と人との触れあいを生み,それは子供達が成長していくうえで大切なことだと思います。また,勝負を通じて対戦相手の次の行動を読むといった戦略的な部分は,将棋にも通じる奥深さがあると思います。ポケモンを通じて,子供達が成長していってくれたら嬉しいですし,その1つのきっかけとして竜王の名前が少しでも役立ってくれたらなら嬉しいですね。
――本日はありがとうございました。
「ポケットモンスター X・Y」公式サイト
- 関連タイトル:
ポケットモンスター X
- 関連タイトル:
ポケットモンスター Y
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(C)2013 Pokémon.(C)1995-2013 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
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