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BenQ「RL2460HT」レビュー。「格ゲー向けディスプレイ」は格闘ゲーマーならずとも要注目の完成度だ
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印刷2014/08/01 00:00

レビュー

「格ゲー向けディスプレイ」は格闘ゲーマーならずとも要注目の完成度だ

BenQ RL2460HT


RL2460HT
メーカー:BenQ
問い合わせ先:テクニカルサポートセンター TEL 0570-015-533(平日9:30〜18:00)
実勢価格:2万5000〜2万8000円前後(※2014年8月1日現在)
XL,XR,RL
 充実したゲーマー向けディスプレイのラインナップを擁するBenQから,新たに「格闘ゲーム向け」の24インチワイド液晶ディスプレイ「RL2460HT」が登場してきた。
 では実際のところ,RL2460HTは何がどのように格闘ゲーム向けで,本当に格ゲープレイヤーを幸せにしてくれるのか。あるいは,ほかのジャンルを好むゲーマーのニーズにも応えてくれるのか。今回は,格闘ゲームに強いライターであるハメコ。氏の協力も仰ぎつつ,その実力をチェックしていきたい。


従来のRLシリーズと比べて

驚くほど多機能化したRL2460HT


XL,XR,RL
 そもそもの話をしておくと,BenQのゲーマー向け液晶ディスプレイは,垂直リフレッシュレート120Hz超級のパネルを採用するFPS向けシリーズたるXLと,その下位モデルとしてRTSやMOBAがターゲットとなるRLシリーズという棲み分けになっていた。
 RL2460HTは,言うまでもなく後者の新モデルだ。垂直リフレッシュレート60Hzで24インチワイド,解像度1920×1080ドットのTNパネルを採用し,「画像モード」と呼ばれる動作プリセットとしてRTS&MOBA向けのものを持つという点において,従来からあるRLシリーズの仕様を踏襲した製品と述べていい。そのうえで,プロ格闘ゲーマーであるJustin“JWong”Wong(以下,Justin Wong)氏の監修を受けた画像モードを搭載し,表示遅延の問題を気にすることなく対戦プレイ動画を配信するためのHDMIパススルー出力も搭載するというのがポイントとなっている。

RL2460HTは2ピース構成。スタンド部は着脱可能なので正確には3ピースだが,組み立てるうえでは2ピースという理解で問題ない。スタンドを外せば100×100mmのVESAマウンタにも取り付けられる
XL,XR,RL
 ただ,それだけではない。実のところ,使い勝手という点でも,RL2460HTは大きな進歩が見られるモデルになっているのだ。
 従来のRLシリーズにおいて,ディスプレイの調整に利用できるのは−5〜+15度のチルト(上下回転)のみだった。それに対し,XLシリーズと同じく2ピース構成を採用するRL2460HTでは,チルト以外にもスタンドの高さ調整,スイーベル(左右回転),ピボット(旋回)をサポートしている。ゲーマー向けとして下位モデルに位置づけられる液晶ディスプレイとしては相当に豪華な仕様だといえるだろう。

チルトは―5〜+15度に対応
XL,XR,RL XL,XR,RL
高さの調整範囲は公称で110mm。高くした状態からピボットも行える
XL,XR,RL XL,XR,RL XL,XR,RL
スイーベル機構は円形のスタンド部に組み込まれた。可動範囲に関する公式なデータがないため,実測になるが,おおよそ左右60度ずつ,合計120度のようだ。動きは非常にスムーズ。やはりスイーベル機構があると何かと便利である
XL,XR,RL XL,XR,RL

Scale Designと名付けられたスタンド部の目盛り。単なる印刷なのだが,これが意外に便利だ
XL,XR,RL
 面白いのは,RL2460HTで初採用となった,スタンド部の目盛りだ。ピボットで縦画面にしてシューティングなどをプレイした後で,横画面に戻すとき,目盛りの位置を覚えていればすぐに元の高さに設定できる。
 BenQはこれを「Scale Design」(スケールデザイン)と呼んでいるが,単純ながらも,使い勝手に対する意義深い配慮と評価できそうだ。

 ちなみに,ピボットしていない状態で,台座を含む本体の実測サイズは580(W)×220(D)×392〜504(H)mm。重量は公称5.4kg。重量は,グラつかない程度には重く,持って場所を移動しようとすると軽い。

本体背面のインタフェース部。すべて横置き時に下を向くよう配置されている。左から順に電源,サウンドライン入力,ヘッドフォン出力,HDMIパススルー出力,HDMI入力×2,DVI,アナログRGBだ
XL,XR,RL
 ビデオ入力インタフェースはSingle-Link DVI-D×1,HDMI(Type A)×2,アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1の合計4系統。格闘ゲーム用ということで,ゲーム機との接続に使いやすいHDMIが2系統用意されているのが,入力周りでの特徴ということになるだろう。
 RL2460HTは本体にアンプと2W+2Wのスピーカーを内蔵しており,HDMI,もしくは別途用意される3.5mmミニピン端子経由で入力したステレオサウンドを再生することもできる。ただし,スピーカーの品質は正直に述べて相当に酷い。低音のない,すっかすかの音なので,HDMIでサウンドも出力したいと思っている場合は,別途用意される3.5mmミニピンのヘッドフォン出力を使うことを勧めたいところだ。

 なお,背面の写真では,HDMI Type A端子が3つ並んでいるが,このうちの1つがHDMIパススルー出力用だ。HDMIパススルー出力は,DVIおよびアナログRGB入力時には利用できず,あくまでも2系統のHDMI入力用となる。

 ……と,改善点の多いRL2460HTだが,RLシリーズの従来製品「RL2455HM」をレビューしたときに「使い勝手への配慮は感じられるが不便」と評したOSD操作系が,今回,何も変わっていない点は指摘しておく必要があると感じた。最近,XLシリーズや競合製品でゲーマー向けディスプレイの設定しやすさが大きく向上しているだけに,ボタンが本体右側面の下側で一列に並んでいるという仕様は,今となっては「非常に使いづらい」ほうに入る印象である。とにかく誤操作でイライラしやすい。
 XLシリーズ用の「S.Switch」を用意してしまうと高くつく,というのは分かるが,何かしらの工夫はあってもよかったように思う。

XL,XR,RL
電源ボタンとOSD操作用のボタンは本体の右側面に縦一列で並ぶ。誤操作が多くなりがちで,使いやすいとはいえない
XL,XR,RL
OSD側に,操作ボタンのガイドとして三角マークが表示される。のが救だが,それでも間違いやすいものは間違いやすい


注目の格ゲーモードは

輝度を抑えた設定に


液晶パネルを正面から見た場合の発色はかなり良好だ
XL,XR,RL
 前段でも述べたとおり,RL2460HTはTN方式の液晶パネルを採用するディスプレイだ。表面は非光沢(ノングレア)加工されており,映り込みは抑えられている。
 応答速度は標準で5ms,中間調(gray-to-gray)で1msと,TN方式らしく,たいへん高速。「TN方式は色が悪い」と言う人も多いが,正面から見た発色はかなりいい印象で,その理由と思われるものはデスクトップに単色を表示させてみるとすぐに分かった。RL2460HTのLEDバックライトは輝度のムラが非常に少ないのである。

 なお,そのバックライトはフリッカーフリー(=ちらつきなし)が謳われている。バックライトの輝度ムラが少ないこととフリッカーフリーとの間に直接の関係はないと思うが,今回は,画面を白一色とし,最もちらつきの出やすい最低輝度に設定したうえで,カシオ製のハイスピードカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」(以下,EX-FH100)を使って近接から240fpsのハイスピード撮影を行い,その効果を確認することにした。
 下に示したムービーは,前半がRL2460HT,後半が4Gamerのディスプレイレビュー用リファレンス機であるBenQ製ディスプレイ「XL2410T」のものだが,フリッカーフリー仕様であるRL2460HTとそうでないXL2410Tとの違いは明らかだ。


 さて,冒頭でも紹介した画像モードは,XLシリーズやRLシリーズでこれまで採用されてきたさまざまな設定を組み合わせたもので,端的に言えばパネルの動作設定プリセットだ。なかでもBenQ製のゲーマー向けディスプレイでは,下記の3機能がキモとなる。

  • Black eQualizer:一般的なガンマ補正に代わって,暗部を浮き上がらせ,暗めのシーンでもFPSなどで敵を見やすくする機能。設定値は0〜20の範囲で1刻み
  • インスタントモード:内部の映像処理回路の処理を一部バイパスして遅延を低減する機能。他社のディスプレイで「パススルーモード」「ゲームモード」などと言われる機能と同じものだ。選択肢は「オン」「オフ」の2つ
  • AMA(Advanced Motion Accelerator):いわゆるオーバードライブ機能のこと。選択肢は「オフ」「高」「プレミアム」という3段階となる

画像モードの選択肢は12も用意されており,1ページでは収まりきらない。ゲーマー1〜3が,カスタマイズして使えるプリセット的な扱いとなる(※標準で用意される画像モードを直接カスタマイズすることも可能)
XL,XR,RL
XL,XR,RL
 RL2460HTの画像モードでは,これらに加えて輝度やコントラスト,シャープネス,色温度などの設定が,画像モードで定義される用途に向けてBenQが最適と考える値にカスタマイズされている。具体的には「標準」「動画」「写真」「sRGB」「エコ」という一般的なものと,ゲーム用の「BF3」「RTS2」「格闘」「FPS」,およびフルカスタマイズが可能な「ゲーマー1」「ゲーマー2」「ゲーマー3」の計12モード。「Battlefield 3」用と思われる「BF3」が「FPS」とは別に用意されていたり,RL2455HMにあった「RTS1」がなくなって「RTS2」だけになったりしているあたりは謎だが,ともあれ,Justing Wong氏の監修を受けている「格闘」モードも,画像モードの選択肢の1つである。

 ちなみに,ゲーム用とされる各画像モードにはベースとなる設定があって,それがフルカスタマイズ用の基本設定として用意されており,ほかの選択肢はベース設定を少しずつ弄ったようなものになっている。具体的にはのとおりだ。

表 ゲーム用画像モードの主な違い
ベース設定 BF3 RTS2 格闘 FPS
Black eQualizer 0 20 15 0 5
インスタントモード オン オン オン オン オン
AMA
輝度 100 100 100 40 100
コントラスト 50 50 50 50 50
シャープネス 5 5 5 10 5
色温度 R100,G100,B100 R100,G100,B100 R86,G95,B98 R100,G100,B100 R100,G100,B100

 これにより,見栄えはどう変わるのか。PlayStation 3(以下,PS3)用の格闘ゲームタイトル「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」(以下,MvC3)と,PC用FPS「Battlefield 4」(以下,BF4)の画面をそれぞれニコン製デジタルカメラ「D80」で撮影し,「標準」モードと比較してみよう。

 まずはMvC3からだが,並べてみると,Black eQualizerが0で,輝度も落ちている「格闘」において,全体的に沈んだ感じになっているのが分かる。

画像モードによる見栄えの違い@MvC3
TM &(C)2011 Marvel Entertainment, LLC and its subsidiaries.
Licensed by Marvel Characters B.V. www.marvel.com. All rights reserved.
(C)CAPCOM CO., LTD. 2011, (C)CAPCOM U.S.A., INC. 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
XL,XR,RL XL,XR,RL XL,XR,RL
XL,XR,RL XL,XR,RL

 BF4ではあえて暗いシーンを選んでいるが,ここでは「標準」だと完全に沈んでしまうキャラクターが,Black eQualizerの設定値に応じて浮き上がることを確認できる。Black eQualizerの持つ効果は今回も健在といったところだ。

画像モードによる見栄えの違い@BF4
(C)2013 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owner. All rights reserved
XL,XR,RL XL,XR,RL XL,XR,RL
XL,XR,RL XL,XR,RL

 続く段落では,ハメコ。氏にバトンを渡して,いま紹介したテスト結果を基に,格闘ゲーマーの目線から「格闘」モードを評価してもらうこととする。


「格闘」モードは何を意図した設定なのか

格闘ゲーマー ハメコ。による寸評


今回はこんな感じで,筆者私物のEIZO製ディスプレイ「FlexScan HD2452W-BK」と比較することにした
スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012
(C)CAPCOM U.S.A., INC.2010, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
XL,XR,RL
 米田氏からバトンを受け取ったこの段落では,筆者ハメコ。による,「格闘」モードの寸評をお届けしたい。「格闘」モードは「シャープネスは最大で,輝度は抑えめ」なわけだが,ここにJustin Wong氏によるどのような意図が反映されているのかを探ってみようというわけだ。

 まず,シャープネスが最大となっているのは,キャラクターの輪郭をはっきりさせるためだと言い切ってしまっていいだろう。輪郭を強調すれば,相手キャラクターの動き出しを視認しやすくなり,また,お互いのキャラクターの距離も把握しやすくなる。とくに彼我のキャラクターの距離感は,格闘ゲームにおける最も重要な視覚情報と言えるので,この設定には筆者としても強く頷けるものがある。

MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds
TM &(C)2011 Marvel Entertainment, LLC and its subsidiaries.
Licensed by Marvel Characters B.V. www.marvel.com. All rights reserved.
(C)CAPCOM CO., LTD. 2011, (C)CAPCOM U.S.A., INC. 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
XL,XR,RL
 続いて,輝度が抑えられている点についてだが,これはコアな格闘ゲーマーのプレイシーンに配慮したものと考えられる。というのも,格闘ゲーマーがオフラインでトレーニングを行うときは,「特定のパートナーと1〜2時間にわたってひたすら対戦し続けたのち,経過や結果について感想戦を行う」というスタイルが主流だからだ。
 昨今の対戦格闘ゲームのオフライン対戦モードには,たいてい,対戦終了後,同じ組み合わせですぐさま戦える機能が用意されているので,試合と試合の間に休憩を取る時間はない。しかし,真剣に対戦し続けるため,集中力が必要なこともあり,目にもかなりの負荷がかかる。そういう場合に,「格闘」モードなら輝度が低く,しかもフリッカーフリーなので,目が疲れにくいというわけである。

 さらに言えば,格闘ゲームにおける視覚情報はせいぜいキャラクターと各種ゲージ程度なので,低輝度によるデメリットは,シャープネスを上げることである程度吸収してしまえるということなのだろう。

UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late
(C)FRENCH-BREAD / ARC SYSTEM WORKS
XL,XR,RL
 これらの効果を確認するために,実際にいくつかの対戦格闘ゲームを試してみたのだが,そのどれでも「キャラクターは見やすく目は疲れにくい」という,期待どおりのプレイ感を得ることができた。とくに,技やヒット時のエフェクトが派手なMvC3(※「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」が手元になかったため旧作で試すことになったが,グラフィックスはほぼ共通)は,「格闘」モードの恩恵を強く実感できた。このあたりは,Justin Wong選手のメインタイトルがULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3であることとも無関係ではなさそうだ。
 もちろん,「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012」や「BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA」,「UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late」なども快適に遊べる印象を受けた。というか,筆者にはかなりドンピシャなモードだといえる。

鉄拳タッグトーナメント2
(C)2012 NBGI
XL,XR,RL
 ただ,「鉄拳タッグトーナメント2」や「ソウルキャリバーV」で暗めのステージを選んだときは,画面が暗すぎるせいでプレイしにくさを感じた。ステージの光源次第でキャラクターの見た目が大きく変化する3D格闘ゲームをプレイするときは,輝度をもう少し,具体的には60〜70あたりまで上げたほうがプレイしやすいかもしれない。


HDMIパススルー端子の利用には

やや注意が必要


写真左,「HDMI OUT」と書かれたポートがHDMIパススルー出力となる
XL,XR,RL
 ハメコ。氏による短評を読んでもらったところで,ここからはRL2460HTが持つもう1つの重要な機能であるHDMIパススルー出力をチェックしてみたい。格闘ゲームにおいては,配信機能を使ってアップロードし,後ほど感想戦に使うというのが定番だが,そのときに,HDMIパススルー出力の先にキャプチャデバイスを用意すれば,ビデオキャプチャに伴う処理遅延を一切気にすることなくプレイできるわけで,これに注目している人も多いだろう。
 今回は実際に,HDMIパススルー出力の先にマイコンソフト製キャプチャデバイス「XCAPTURE-1」を接続し,実際にゲームプレイの模様をキャプチャすることとした。

HDMIパススルー出力の先にXCAPTURE-1を置いたところ,PS4用タイトル「KILLZONE SHADOW FALL」を,何の問題もなくキャプチャできた
XL,XR,RL
 なお,RL2460HTのHDMIパススルー出力については,当初,HDCPが有効な入力からHDCPを取り去る仕様があるとBenQから説明があり,その後,訂正された経緯があるが(関連記事),最終製品でキャプチャできるのはHDCPが無効の入力のみだ。
 というわけでPlayStation 4(以下,PS4)からHDCPを無効化したうえで映像を出力してみたが,HDMI出力にあたってRL2460HT側で何か手を加えている様子もなく,当たり前のようにXCAPTURE-1で1080p/60fpsのキャプチャが可能だった。

PS4側でHDCPを有効に切り替えるとXCAPTURE-1側は信号なしとなり,RL2460HT側の画面表示も不安定になってしまった
XL,XR,RL
 ただ,HDCPが有効の信号を使用したときにはやや問題が生じた。たとえばPS4でHDCPを有効にすると,XCAPTURE-1側は信号なし(NO SIGNAL)になる。通常,XCAPTURE-1にHDCP有効の信号を与えると,HDCPが有効であることを示すマークがキャプチャウインドウに表示されるのだが,それがないので,信号が途切れてしまうようだ。
 付け加えると,RL2460HT本体側でも,画面の表示が消えたり現れたりを繰り返すという不安定な動作に陥ってしまった。

 試しに,HDMIパススルー出力の先にHDCP有効対応のテレビを接続したところ,PS4側でHDCPを有効にしても,RL2460HT,テレビとも正常に表示されたので,HDMIパススルー出力の先にHDCP非対応の機器を接続した状態でHDCP有効の信号を与えると,RL2460HT本体を巻き込んで挙動がおかしくなるようである。

 なので,HDMIパススルー出力は,使わないならその先に何も接続しないことと,使うなら事前に動作の安定性を十分にチェックすることが必要ということになる。ゲーム中に画面が消えたりすると目も当てられないので,ご利用は計画的に。


遅延周りの性能はまったく文句なし

非常に高速な挙動を見せるRL2460HT


 最後に速度関連のテストも行っておきたい。まずはAMAからだ。
 先に説明したとおり,RL2460HTのAMAは「オフ」「高」「プレミアム」の3段階ながら,ゲーム用の画像モードでは一貫して「高」のみが選択されている。より強力なオーバドライブ設定は使われていないわけで,その理由は探っておく必要があろう。

 ここでは,EIZOが配布している「Motion Blur Checker」(β)を使い,4Gamerのロゴ壁紙を1フレーム単位でスクロールさせ,それをEX-FH100から240fpsの高速映像撮影を行い,3つある選択肢の違いを確認することにした。その結果が下のムービーで,AMAが「オフ」だと,60fpsの横スクロールでも常に残像が見えているのに対し,「高」だと,残像はかなり低減されるのが分かる。一方,「プレミアム」だと,4Gamerロゴに強めのゴーストを確認できよう。
 オーバードライブを強く適用させると副作用が出るのは,BenQの従来製品や他社製品にも見られる挙動なので,AMAが「プレミアム」を画像モードで採用していないのは納得といったところである。画像のシャープさを考えれば,AMAは「高」がベストだ。


 続いては遅延だが,先にインスタントモードの挙動を見ておく必要がある。そこでまずはGefen製のDVIスプリッタ「1:2 DVI DL Splitter」(型番:EXT-DVI-142DL)を使ってPCからのディスプレイ出力を2系統に分け,RL2460HTとXL2410Tとに分岐させて,その状態からCCで「LCD Delay Checker」(Version 1.4)を実行し,EX-FH100で240fpsのハイスピード撮影を行い,違いを調べることとした。
 RL2460HT側の設定は画像モード「格闘」をベースとして,インスタントモードのみを「オン」「オフ」切り替えする。XL2410T側は「FPS」モード,インスタントモード「オン」,AMA「オン」という,最も遅延が小さくなる設定だ。

 その結果が下のムービーで,RL2460HTではインスタントモードをオンにしてもオフにしてもXL2410Tとの間にフレームの差を確認できない。RL2460HTではインスタントモードに意味があるのかなと疑問に思えるほど,「オフ」でも高速である。


 ところで,ここまであえて触れなかったが,RL2460HTは,従来のXL&RLシリーズと同様に,「画面モード」を使い,さまざまなディスプレイパネルサイズのエミュレーションが可能だ。要は画面のスケール変換を行うモードとなるわけだが,これを使うとどうなるか。
 下に示したムービーは,23インチワイドから17インチスクエアまで用意された6段階の画面モードで,XL2410Tとの表示遅延比較を行った結果だ。いずれの画面サイズでも,RL2460HTでほんのわずかな遅延が見られた。細かくチェックしないと分からない程度なので,実用上の問題にはならないと思うが,画面サイズをスケール変換する影響が皆無でないことは見て取れる。


 以上,速度周りは極めて優秀とまとめてしまっていいだろう。かつては画面モードのようなスケール変換を利用すると明らかな遅延が見られたものだが,それがごくわずかにしか生じないほどにまで内部回路が高速化している点に感心させられる。


ゲーム機のユーザーにこそ勧めたい

多機能ディスプレイとなったRL2460HT


XL,XR,RL
 以上,RL2460HTを細かくチェックしてきたが,何というか,欠点の少ない製品というのが,テストを終えての正直な印象である。TNパネルが持つ最大の弱点である色周りがかなり良好なうえに,パネル性能は高速で,最大で2台のHDMI接続型ゲーム機を接続でき,PS3以外の主要なゲーム機でHDMIパススルー出力からのリアルタイム動画配信(など)が行えるのだから,120Hz超級のパネルが不要という人にとっては,非常に有力な製品が登場してきたと述べていいのではないかと思う。
 Justin Wong氏監修の「格闘」モードでなされているのは事実上,色味の調整だけだが,手元のディスプレイで設定をねちねちと追い込むくらいなら,プリセットでさっさと選択して,その分の時間を練習に宛てたいというゲーマーは多いはずで,その意味での価値はあるとも言える。

 気になる実勢価格は2万5000〜2万8000円前後(※2014年8月1日現在)。RL2455HMは発売当初の時点で1万9000〜2万4000円だったので,確実に値は上がったといえるが,実現されているものを踏まえれば,妥当な価格差と述べていいのではなかろうか。
 まとめると,なるべく安価に高機能のゲーマー向けディスプレイを手に入れたいという人,とくに複数台のゲーム機を使っている人にとって,RL2460HTは検討する価値のある製品だといえる。簡潔に言い換えれば「お勧め」だ。

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ベンキュージャパンのRL2460HT製品情報ページ

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