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ZONE OF THE ENDERS HD EDITION公式サイトへ
  • KONAMI
  • 小島プロダクション(KONAMI)
  • 発売日:2012/10/25
  • 価格:通常版:3980円,ダウンロード版:3480円,限定版:8980円,コナミスタイル限定の特別版:9980円(いずれも税込)
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[TGS 2011]豪華ゲストも登場した「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのトークイベント。「ANUBIS」発売から8年,初めて「はいだらー!」が幕張メッセに響きわたった
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印刷2011/09/18 17:32

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[TGS 2011]豪華ゲストも登場した「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのトークイベント。「ANUBIS」発売から8年,初めて「はいだらー!」が幕張メッセに響きわたった

小島秀夫監督
画像集#004のサムネイル/[TGS 2011]豪華ゲストも登場した「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのトークイベント。「ANUBIS」発売から8年,初めて「はいだらー!」が幕張メッセに響きわたった
 東京ゲームショウ2011の一般公開日初日となる2011年9月17日,KONAMIブースにおける「Kojima Production SPECIAL STAGE」で,「ZONE OF THE ENDERS」シリーズについてのトークイベントが行われた。「ZONE OF THE ENDERS」は8年以上新作の出ていないシリーズだが,ステージには非常に多くのファンが詰めかけ,終始熱気に包まれていた。「Z.O.E」の誕生秘話や,「ANUBIS」の次に開発された幻の作品など,さまざまなエピソードが明らかになった。


画像集#002のサムネイル/[TGS 2011]豪華ゲストも登場した「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのトークイベント。「ANUBIS」発売から8年,初めて「はいだらー!」が幕張メッセに響きわたった

 「ZONE OF THE ENDERS」シリーズは,小島プロダクション(当時はコナミコンピュータエンタテインメントジャパン)が「メタルギアソリッド」シリーズの次に開発したオリジナルタイトル。PS2向けにリリースされた「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E」と「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」の2作のHDリマスター版となる「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」PlayStation 3 / Xbox 360)が,2012年に発売予定だ。

 今回のステージには,小島秀夫監督とともに,シリーズのメカデザインを担当した新川洋司氏と,「ANUBIS」の監督・脚本を手がけた村田周陽氏が登壇。小島監督によると「ANUBIS」は,続編を望む声が非常に多いタイトルらしく,「小島プロダクションに期待する作品は?」といった内容のアンケートを取ると,「ANUBIS続編」の選択肢がトップを獲るそうだ。

左から,小島秀夫監督,村田周陽氏,新川洋司氏
画像集#003のサムネイル/[TGS 2011]豪華ゲストも登場した「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのトークイベント。「ANUBIS」発売から8年,初めて「はいだらー!」が幕張メッセに響きわたった

 そもそも,「Z.O.E」はどうやって生まれたタイトルなのだろうか。その経緯を辿っていくと,小島監督率いるKCEジャパン(当時)が開発していた「ときめきメモリアルドラマシリーズ」にまで話がさかのぼる。このシリーズの第1,2作のディレクターを務めた岡村憲明氏が,「METAL GEAR SOLID」とはまた別ラインのオリジナルタイトルとして企画した「九曜大戦」という作品が,「Z.O.E」の源流となっている。

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 「九曜大戦」は「お坊さんと女の子が旅するRPG」で,TVシリーズ化が可能なほどの量のストーリーや設定が作り込まれていたものの,肝心のゲームシステムについてのアイデアは考えられていなかったらしく,小島監督により企画の見直しが命じられた。そこで小島監督が「九曜大戦」のスタッフに「どういったゲームなら作れるんだ」と訊いたところ,「ロボットアクションなら作れます」と回答。そこでゲームジャンルが大きく変更され,プロジェクト名「アトランティス」の開発がスタートしたのだ。

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 「アトランティス」はドリームキャスト向けに開発されていたらしく,このプロジェクト名は,海外ドラマ「アトランティスから来た男」の主人公の海パンに付いていた渦巻き状の記号がドリームキャストのマークによく似ていたことから,小島監督が仮に命名したものらしい。こういった妙な由来から「アトランティス」と名付けられたわけだが,実は「Z.O.E」に登場する宇宙船の名前にこの名残があるのだ。

新川洋司氏
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 この「アトランティス」の時点で「Z.O.E」のゲームシステムの骨子はすでにできていたらしく,小島監督によると「画期的なため,特許も取った」そうだ。だが,一方の世界観については「あまりにも普通」だったらしく,ここで小島監督によるちゃぶ台返しとともに,「かつてないロボットテレビアニメを体験できるゲーム」というコンセプトを提示し,スタッフに新川洋司氏が投入されたのだ。当時,新川氏は「MGS2」の開発の真っ最中だったが,元々ロボットを描くのが好きだったということもあり,「MGS2」の息抜きのような感覚でロボットのデザインを描いていったらしい。また,「ロボットアニメを体験」というコンセプトは,「Z.O.E」のジャンル名「ロボットアニメ・シミュレータ」にも反映されている。

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 このちゃぶ台返しにより,「アトランティス」は「レゾンデトール」というタイトルに改題。ここで,新川氏によって描かれた“メガドライバー”(後のオービタルフレーム)のデザインが公開された。ちなみに,なぜメガドライバーという名称なのかというと,当時はドリームキャスト向けに開発予定だったため,その前の世代のハードであるメガドライブをもじって新川氏が命名したそうだ。

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 そして「レゾンデトール」がさらに企画修正されたことで,実際に世間に発表された「Z.O.E」のかたちとなったのだ。「Z.O.E」は「MGS2」よりも先にPS2向けタイトルとして発売されたが,この裏話として小島監督は「PS2はなかなか難しいハードだったので,『Z.O.E』でいろいろと実験させて,うまくいかなければ『MGS2』ではボツ,成功すれば奪い取る」といった手法をとっていたことを明かし,「(Z.O.Eの)ジェフティが滑走した後,地面にラインが付くでしょ? (MGS2の)ファットマンでいただき」と具体例を挙げた。

 そして,「MGS2」のシステムを用いてZ.O.Eを作り直したのが「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」となる。本作についてはMGSチームとZ.O.Eチームが合流した上で開発しているため,「まったくの別物」といっていいほど,前作から飛躍的な進化を遂げている。

村田周陽氏
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 その一例がトゥーンシェーダの採用で,本作は前作同様PS2向けタイトルではあるが,その開発にあたり小島監督から村田氏へ「次世代機みたいに作れ」と一番最初に指示されたそうだ。ここで村田氏が「ANUBIS」企画書に書いた「自らの攻撃が空を裂き,大地を割る」というコンセプトが紹介されたが,これに対して小島監督が「何一つ実現できていない!」とツッコミを入れ,会場に大きな笑いが起こった。


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 そして,スペシャルゲストとして,「ANUBIS」のメインキャストを務めた井上和彦さん(ディンゴ・イーグリット役),雪野五月さん(ケン・マリネリス役),鈴村健一さん(レオ・ステンバック役)が登場した。

左から,井上和彦さん,雪野五月さん,鈴村健一さん
画像集#022のサムネイル/[TGS 2011]豪華ゲストも登場した「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのトークイベント。「ANUBIS」発売から8年,初めて「はいだらー!」が幕張メッセに響きわたった

 鈴村さんは「Z.O.E」から成長して大人になったレオの声を担当しているのだが,実は,鈴村さん自身「Z.O.E」と深い繋がりがあった。というのも何と,企画名が「アトランティス」だった頃のパイロット版では,鈴村さんがレオの声を担当していたというのだ。しかしその後,鈴村さんは「Z.O.E」の情報を雑誌で目にして「あれ,この設定,何だか見覚えあるぞ……?」と複雑な思いを抱いたのだという。だが,続編の「ANUBIS」ではあらためて鈴村さんがレオ役を演じることになり,しかもレオの搭乗機体が「グラディウス」のビックバイパーということで,ゲーム好きの鈴村さんにとっては「ビックバイパーに乗れる!」と非常に嬉しかったそうだ。

 ここで特別に,HDリマスターされたデモシーンに合わせて,ゲストによる生アフレコも披露された。

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 最初に演じたのはディンゴ(井上さん)とレオ(鈴村さん)が初めて遭遇するシーンだが,「お前が,この機体の持ち主か?」というセリフを井上さんが「お前が,この屋台の持ち主か? みそラーメンくれ」とアドリブで言い換えたため,客席が笑いに包まれた。
 そしてさらに,ケンが「はいだらー!」と叫ぶ,「ANUBIS」の代名詞ともいえるシーンの生アフレコが披露された。雪野さんによる待望の生「はいだらー!」が会場に響きわたり,観客の盛り上がりも最高潮に達する。そこでもう一度,今度は観客全員が声を揃えて一斉に「はいだらー!」と叫んだ。

はいだらー!
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 ある意味「ANUBIS」以上に有名な「はいだらー!」という名(迷)台詞だが,一体どういう意味の言葉なのだろうか。しかし,「ANUBIS」の脚本を手がけ,「はいだらー!」の生みの親でもある村田氏も,はっきりとした意味を語ろうとはしない。また,雪野さんもこの台詞をアフレコで演じた際には非常に戸惑ったらしく,「はいだらー!」は何度も何度も録り直したそうだ。小島監督も「ANUBIS」の脚本チェックの際に「はいだらー!」のフレーズを「意味がわからないから」と毎回カットしていたそうだが,「何度消しても復活した」らしく,どうやら村田氏は最初から「はいだらー!」に妙なこだわりを持っていたとみえる。

 さて,先に述べたように続編を望む声が非常に多く,しかも今回のステージにも大勢のファンが詰めかけるほどの人気がある「ANUBIS」だが,新たな続編が作られることはないのだろうか?
 ここで,「ANUBIS」の直後に作られていた幻のタイトル「GUY SAVAGE」が紹介された。これは,「『ANUBIS』の評判が海外で今ひとつなのは,ロボットアニメ風だからなのでは?」という発想により,ホラーテイストで作られた“ハイスピードスプラッタアクション”企画である。

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 この「GUY SAVAGE」はテスト版として実際に動くゲームが作成されているのだが,あまりにも残酷な描写が続くため,今回,プレイムービー上映の許可が下りなかったそうだ。そのため,ここではステージ上の出演者だけがムービーを観て,その反応によって観客にイメージを伝える……という,前代未聞の形式がとられた。上映している間,出演者はみんな引きつった表情をしており,モニターから聞こえてくるサウンドも非常に生々しく,画面が見えずとも,観客にはスプラッタな内容が容易にイメージできたはずだ。
 どうしてこの企画がお蔵入りになったかというと,このテスト版を持ってKONAMIのアメリカ支社へ持っていったところ,非常に不評だったためらしい。アメリカといえばスプラッタ描写に寛容なイメージもあるが,本作はあまりにも「やりすぎていた」ようだ。
 なお,MGSシリーズのコアなファンであれば,「GUY SAVAGE」というタイトルに聞き覚えのある人もいるだろう。実は,「MGS3」ではこの「GUY SAVAGE」が隠しミニゲームとして収録されているのだ。ただし,「MGS3」収録版はグラフィックがセピア調になっているが,本来の「GUY SAVAGE」はもっともっと生々しい色で描写されているらしい。ロボットが一切登場しない内容のため,純粋な「ANUBIS」続編とは言えないが,何にせよ,こうしたタイトルがお蔵入りしていたというのは残念な限りだ。

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 しかし,以前「コジブロ」で述べられたことがある通り,「ANUBIS」続編についてはしっかりとした構想があるらしく,今回のステージでも小島監督は「いずれは作る」と明言。ラインの都合からすぐには開発に取りかかれないらしいが,新川氏も「ロボットならいくらでもネタを用意している」と自信満々で,小島プロダクション内では他にも「ANUBIS」続編に乗り気なスタッフが多いそうだ。まだまだ気長に待たなくてはいけないようだが,それまでは「HD EDITION」を遊び倒すのが良さそうだ。

 なお,「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」については,「HD EDITION」のため,サンライズによって新たなオープニングアニメーションが制作されることが決定済みだ。また,10年前にサンライズが制作したアニメ版「Z.O.E」のBlu-ray-BOXの発売も2012年夏に予定されているのだが,ここで小島監督の口から「おそらくこの(2012年夏)近辺,『Z.O.E』『ANUBIS』が熱い」と,「HD EDITION」の発売時期を匂わすような,意味深な発言も飛び出した。正式な発売日の公表はまだまだ先となるだろうが,今から「はいだらー!」貯金をしておいたほうが良さそうだ。

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