ニュース
MSI,Intel 9シリーズ採用のゲーマー向けマザーボード計7製品を発表。サウンド面の強化やM.2スロット装備が特徴
中でも,ゲーマー向けブランド「G Series」に属するマザーボード製品には力が入っているようで,計7製品がラインナップされている。
●ゲーマー向けマザーボード
製品名 | フォームファクタ | チップセット | 想定売価(税別) | 発売時期 |
---|---|---|---|---|
Z97 GAMING 9 AC | ATX | Z97 | 3万4800円前後 | 5月下旬 |
Z97 GAMING 7 | ATX | Z97 | 2万1000円前後 | 5月11日 |
Z97 GAMING 5 | ATX | Z97 | 1万8000円前後 | 5月11日 |
Z97 GAMING 3 | ATX | Z97 | 1万5000円前後 | 5月中旬 |
Z97M GAMING | microATX | Z97 | 1万8000円前後 | 5月中旬 |
Z97I GAMING AC | Mini-ITX | Z97 | 2万2000円前後 | 5月下旬 |
H97 GAMING 3 | ATX | H97 | 1万4000円前後 | 5月中旬 |
●オーバークロック用途向けマザーボード
製品名 | フォームファクタ | チップセット | 想定売価(税別) | 発売時期 |
---|---|---|---|---|
Z97 XPOWER AC | E-ATX | Z97 | 5万円前後 | 5月下旬 |
Z97 MPOWER MAX AC | ATX | Z97 | 3万円前後 | 5月11日 |
Z97 MPOWER | ATX | Z97 | 2万4000円前後 | 5月中旬 |
●一般向けマザーボード
製品名 | フォームファクタ | チップセット | 想定売価(税別) | 発売時期 |
---|---|---|---|---|
Z97S SLI PLUS | ATX | Z97 | 1万6000円前後 | 5月下旬 |
Z97-G55 SLI | ATX | Z97 | 1万5000円前後 | 未定 |
Z97 GUARD-PRO | ATX | Z97 | 1万4000円前後 | 5月下旬 |
Z97 PC Mate | ATX | Z97 | 1万2000円前後 | 未定 |
Z97M-G43 | microATX | Z97 | 1万2500円前後 | 5月下旬 |
Z97I AC | Mini-ITX | Z97 | 1万6000円前後 | 5月末 | H97 GUARD-PRO | ATX | H97 | 1万円前後 | 5月下旬 |
H97 PC Mate | ATX | H97 | 1万円前後 | 未定 |
H97M-G43 | microATX | H97 | 9500円前後 | 5月中旬 |
H97I AC | Mini-ITX | H97 | 1万3000円前後 | 5月末 |
オーバークロック用途向けマザーボードの最上位モデル「Z97 XPOWER AC」 |
Classicシリーズと呼ばれる一般向けマザーボードの最上位モデル「Z97S SLI PLUS」 |
正式発表前であるため,チップセットの仕様詳細や対応CPUに関する情報は公開されなかったのだが,現時点で公表されているゲーマー向けマザーボードの特徴を中心に,レポートしていこう。
ゲーマー向け製品は名称を分かりやすく変更
デザイン重視路線をさらに拡大
発表会ではまず,ゲーマー向けマザーボード新製品全体の傾向が説明された。最初に説明されたのは,名称の変更についてだ。
そのため,Intel 9シリーズチップセットを搭載する第3世代のゲーマー向け製品では,名称のルールが変更された。「チップセット略称+GAMING+数字(+接尾辞)」という構成が基本のようで,数字は製品のグレード(大きいほど上位製品)を示す。
たとえば,「Z97 GAMING 9 AC」であれば,「Z97搭載+ゲーマー向け製品+9+IEEE 802.11a/g/n/ac対応」という意味になるわけだ。たしかに,こちらのほうがシンプルといえばシンプルだが,数字がない製品もあるのはよく分からない。
なお,ゲーマー向けグラフィックスカードの名称も,「R9 270X Twin Frozr 4S OC」といった長い名称から,シンプルな「GPU略称+GAMING+略号」に変更されるとのこと。
さて,第3世代ゲーマー向けマザーボードに共通する特徴として第1に挙げられたのは,見た目のデザイン面での改良だ。第2世代製品では,電源部のヒートシンクが側面から見ると「龍」をかたどった形状だったり,チップセット上のヒートシンクに赤い龍のマークが描かれていたりと,シンボルマークの龍をあしらった独特のデザインが目を惹いた。この路線は好評だったようで,新製品でもデザイン重視路線を継承したというわけだ。
まず,電源部ヒートシンクは,「龍の爪」を模したという,黒い部品を赤い部品が掴んでいるように見えなくもないデザインに変更された。これが龍の爪に見えるかと問われると,正直首を捻ってしまうが。また,チップセットのヒートシンクには,G Seriesのエンブレムが貼られている。
日本のゲーマーがマザーボードを見た目のデザインで選ぶのかは今ひとつ分からないが,全体的にはなかなか悪くないデザインではないだろうか。
左写真はZ97 GAMING 9 ACの電源部ヒートシンクで,赤い部品が龍の爪というイメージのようだ。写真では見えにくいが,側面には銀色で龍の意匠が描かれている。右写真は同製品のチップセット用ヒートシンク。G Seriesのエンブレムが派手だ |
共通する第2の特徴に挙げられたのは,最近のゲーマー向けマザーボードでは一般的な傾向である,サウンド機能の強化だ。とはいっても,マザーボードの基板内でアナログ回路が載っている部分を分離して,ノイズの干渉を防ぐ構造や,ニチコン製のオーディオ用高品質コンデンサの使用といった特徴自体は,同社の第2世代ゲーマー向けマザーボードでも行われていた。
そこで新要素として挙げられたのは,バーチャルサラウンドを実現する「Creative Sound Blaster Cinema 2」の採用や,USBサウンドデバイスに安定した電源を供給するために,USBポートへの電源供給回路を改良して,安定した5Vの出力を可能にしたことなどだ。また,サウンド回路への電力供給ラインを独立した「ダイレクトオーディオ音源」とすることで,「刺激的でクリアなサウンド」を体感できるとアピールしている。
第3世代マザーボードの特徴に挙げられているのが,サウンド機能の強化だ(左)。USBサウンドデバイスが普及しつつある状況に対応すべく,背面USBポートへの電源供給回路を改良したというのは目新しいかもしれない(右) |
また,ゲーマー向け製品最上位モデルであるZ97 GAMING 9 ACでは,Realtek Semiconductor製のコーデックチップ「ALC1150」に加えて,ヘッドフォン用にC-Media Electronics製のUSBサウンドプロセッサ「CM6631」も採用し,S/N比で120dBのサウンド出力を実現したという。実力のほどは製品で検証してみる必要があるだろうが,期待は持てそうだ。
Z97 GAMING 9 ACが搭載する「CM6631」の説明スライド(左)と,実際のサウンド回路部分の写真(右)。残念ながらカバーは取り外せなかったので,基板上でどういう配置になっているのかは分からなかった |
なお,もう1つの新しいストレージ接続用インタフェース規格である「SATA Express」については,Intel 9シリーズ自体がサポートしない点や,対応製品の登場が2015年になると予想されていることから,今回のゲーマー向けマザーボードではサポートされていない。
そのほかにも,MSI製ゲーマー向けマザーボードでは定番となった,Qualcomm Atheros製のゲーマー向け1000BASE-T LANコントローラ「Killer E2205」を,ゲーマー向けマザーボード新製品のすべてが採用するといった特徴も備えている。
Z97 GAMING 5。真上から見るとZ97 GAMING 7との違いが分かりにくいが,SATAポートやUSBポートの数,DisplayPort出力の有無などが異なる |
Z97 GAMING 3。ATXマザーボードとしては下位モデルで,電源部ヒートシンクがややシンプルな形状になっているといった違いがある |
microATXタイプのZ97M GAMING。拡張スロットはやや少ないが,機能面では同価格帯のZ97 GAMING 5に劣らないものを備える |
ゲーマー向けでは唯一のH97搭載マザーボードであるH97 GAMING 3。オーバークロック関連機能はないが,Z97 GAMING 3と同等の機能を持つ |
こうした特徴を俯瞰してみると,新しいチップセットを採用しつつMSI製ゲーマー向けマザーボードで定番の機能を強化したのが,今回の新製品と評価できるのではないだろうか。まもなく登場するであろう新CPUや,2014年中頃に登場予定のUnlocked版CPU「Devil’s Canyon」(開発コードネーム)を使って新しいゲームPCを組んでみようかと考えている人は,これらの製品をマザーボードの候補に入れておくのもよさそうだ。
MSI GAMING(英語)
MSI 日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
G Series
- この記事のURL:
Copyright(C)2009-2017 MSI Computer Japan Co., Ltd. All rights reserved.