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GeForce GTX 400
  • NVIDIA
  • 発表日:2010/03/26
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OCでコア1GHzを実現可能!? MSIのGTX 460カード「N460GTX Hawk」に“活入れ”してみる
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印刷2010/09/11 00:00

レビュー

オーバークロックを志向した「Hawk」仕様のGTX 460を試す

MSI N460GTX Hawk

Text by 宮崎真一


N460GTX Hawk
メーカー:MSI
問い合わせ先:エムエスアイコンピュータージャパン Tel 03-5817-3389
実勢価格:2万7000〜2万8000円程度(※2010年9月11日現在)
GeForce GTX 400
 優れた静音性と高いコストパフォーマンスを誇る「ATI Radeon HD 5770」搭載グラフィックスカード「R5770 Hawk」が国内市場で好調なMSIから,同じHawkの名を冠した「GeForce GTX 460」(以下,GTX 460)搭載製品「N460GTX Hawk」が登場してきた。
 GPUコアとメモリチップ,そしてPLL(Phase-Locked Loop,周波数の同期に用いる回路)の昇圧設定が可能なことから「Triple Over Voltage」仕様と謳われ,冷却能力に定評あるオリジナルクーラー「Twin Frozr II」も搭載と,なかなか見所の多い本製品。今回はその実態を,いくつかのテストから明らかにしてみたい。

Twin Frozr IIクーラーがカード全体をほぼ覆うN460GTX Hawk。SLIブリッジコネクタが1系統,6ピンの補助電源コネクタが2系統というのはGTX 460リファレンスカードと同じだ
GeForce GTX 400 GeForce GTX 400


Twin Frozr II搭載だが決して静かではない

静音性ではなく冷却能力に特化


 N460GTX Hawkの動作クロックはコア780MHz,シェーダ1560MHz。GTX 460のリファレンスだと同675MHz,1350MHzなので,いずれも15.6%ほど,メーカーレベルでのクロックアップが施されている計算だ。なおメモリクロックは3.6GHz相当(実クロック900MHz)で,リファレンスから変わっていない。

8mm径と6mm径のヒートパイプを2本ずつ搭載する,N460GTX HawkのTwin Frozr II
GeForce GTX 400
 搭載するTwin Frozr IIクーラーは,同じ名前でいくつかバリエーションがあるのだが,N460GTX Hawkが採用するのは,6mm径のヒートパイプ2本に加え,MSIが「SuperPipe」と呼ぶ8mm径のもの2本も搭載する強化タイプ。これら4本のヒートパイプで,大型の放熱フィン部に熱を送り,80mm角相当のファン2基で冷却する仕様となっている。2基のファンを採用する点など,ぱっと見の印象だけならR5770 Hawkが搭載するTwinFrozr IIとよく似ているのだが,このあたりは,高い動作クロックと,Triple Over Voltageを踏まえた仕様になっているのだろう。

N460GTX Cyclone 1GD5/OC
メーカー:MSI
問い合わせ先:エムエスアイコンピュータージャパン Tel 03-5817-3389
実勢価格:2万3000〜2万5000円程度(※2010年9月11日現在)
GeForce GTX 400
 気になる動作音だが,実際に聞いた筆者の主観であることを断ったうえで述べると,MSIのGTX 460搭載モデルである「N460GTX Cyclone 1GD5/OC」(以下,N460GTX Cyclone)よりうるさかった。

 TechPowerUp製の「GPU-Z」(Version 0.4.6)でチェックするとN460GTX Hawkはアイドル時で45%,2100rpmなのに対し,N460GTX Cycloneは同45%,1350rpm。さらに,「3DMark06」(Build 1.2.0)を30分間連続実行し,GPUに負荷をかけた状態だと,N460GTX Hawkが同66%,3600rpmに対してN460GTX Cycloneは68%,2400rpmだったので,N460GTX Hawkの回転数はかなり高い。そんな高回転のファンを2基搭載しているのだから,うるさいのは当然の結果と言えるわけだ。

Twin Frozr IIを取り外したところ。6+1+1フェーズのようにも見えるが,公式には7+1とされる
GeForce GTX 400
 さて,そんなTwin Frozr IIクーラーを外すとカード全体を見渡せるようになるが,基板はMSIの独自設計で,とくに電源部は,リファレンスの3+1から7+1フェーズPWM仕様へと,大幅に変更&強化されている。これによって安定性の向上を期待できるが,その強化のため,カード長は実測223mm(※突起部含まず)と,リファレンスデザインの同208mm(※突起部含まず)より長くなってしまった。ちなみに,GPUクーラーのカバーは基板を覆うように取り付けられていて,その端が基板からはみ出ているため,それを含めると全長は同238mmにもなる。

取り外したクーラーとカードそれぞれ単体(左,中央)。カードは電源部の充実が目を引く。リファレンスデザインを採用したN460GTX Cycloneと比べると全長は長くなっている(右)
GeForce GTX 400 GeForce GTX 400 GeForce GTX 400

 冒頭で紹介したTriple Over Voltageだが,これを利用するためにはMSI製のオーバークロックツール「Afterburner」のバージョン2.0.0以降が必須。MSIによると,「メモリクロックをより高くするためにはメモリ電圧を,PCI Expressバスのクロックをより高くするにはPLLの電圧をそれぞれ上げればいい」とのことだ。一方,GPUコアのオーバークロックのみを行うのであれば,これら2か所を昇圧する必要はないという。

GPUコアとメモリ,PLLの電圧をリアルタイムでチェックしたいというニーズに応えるべく,テスターを接続するための端子とアダプタケーブルが用意されている。まあ,これはゲーマー向けというより,オーバークロッカー向けの配慮だろう
GeForce GTX 400 GeForce GTX 400


”空冷でコア1GHz”を謳うが,安定動作は実現せず

コア940MHz/シェーダ1880MHzまでは可能だった


製品ボックスには,電圧設定を一番上まで引き上げたとき,コア1GHzを実現できるかのような文言がある
GeForce GTX 400
 さて,N460GTX Hawkの製品ボックスには,コアクロック1GHz動作が可能とも受け取れる記述がいくつか見て取れる。オリジナルデザインの基板と細かな電圧設定,Twin Frozr IIの冷却性能からして,リファレンスより16%弱高い動作クロックをさらに引き上げることは確かに可能なようにも思えるが実際はどうなのか。に示すテスト環境を用意して,常用を前提に,オーバークロック耐性を試してみた。


GTX 460 GPU
GeForce GTX 400
 今回は,4Gamerのベンチマークレギュレーション10.0で採用するテストがすべて問題なく動作したことをもって「安定動作した」と判断することにしたが,結論から先に述べると,Afterburnerから変更できる上限の+100mVにコア電圧を設定しても,コアクロック940MHz,シェーダクロック1880MHzが安定動作の限界。それ以上の動作クロックだと,アプリケーションが強制終了したり,システムがフリーズしたりする事態に見舞われた。また,バージョン2.0.0のAfterburnerでコアクロックとシェーダクロックを非同期で設定できなかったことも,オーバークロックを試みるうえで1つの障害になった印象がある。

Afterburnerからオーバークロック動作を試みたところ
GeForce GTX 400

搭載するメモリチップはSamsung Electronics製のGDDR5「K4G10325FE-HC05」(0.5ns,4Gbps)。チップのスペック上は4GHz相当までの引き上げが可能だが,今回は定格のままテストを行っている
GeForce GTX 400
 とにもかくにも,1GHzには遠く及ばなかったのだが,この点についてMSIでグラフィックス製品の企画を担当するKiner Liu(キナ−・リュウ)氏からは,「電圧を上げて動かなかったのなら,基板の裏面からファンで冷やすといいよ」という,なんとも肩透かしなメールが送られてきた。これではN460GTX Hawkそのもののオーバークロック性能を見るという趣旨から外れてしまうので,今回入手した個体のオーバークロック限界はコア940MHz,シェーダ1880MHzとして扱うことにする。

 誤解してほしくないのは,この数字でも十分に高いということ。また,個体差もあるだろうから,なかにはコア1GHzで動作する個体はあるかもしれないし,今回はPCケースに組み込まないバラック状態でテストしているが,エアフローの効率が極めて高いPCに組み込んだ場合にはカード背面を冷却するという条件を満たすことができるかもしれない。
 ただ,製品ボックスで謳われているほど,やすやすとコア1GHz動作を達成できるような雰囲気がないことは指摘しておきたいと思う。

※注意
グラフィックスカードのオーバークロック動作は,GPUやグラフィックスカードメーカーの保証外となる行為です。最悪の場合,カード上に実装される構成部品の“寿命”を著しく縮めたり,壊してしまったりする危険がありますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。本稿を参考にしてオーバークロック動作を試みた結果,何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer 編集部も一切の責任を負いません。

 以上を踏まえ,今回はN460GTX Hawkの定格と,N460GTXの動作クロックを安定動作する上限まで引き上げた状態(以下,N460GTX Hawk[OC])の2条件でテストを行い,これを「GeForce GTX 470」搭載カード(以下,GTX 470)と,定格クロックがコア725MHz,シェーダ1450MHzで動作するN460GTX Cyclone,そしてN460GTX Cycloneの動作クロックをリファレンス相当にまで落とした状態(以下,GTX 460リファレンス)と比較していく。
 テスト方法は,先ほども紹介した4Gamerのレギュレーション10.0準拠。解像度は1680×1050/1920×1200ドットの2つだ。


定格動作でもリファレンス設定より確実に高速

OC設定時はGTX 470を上回る場面も


 まずは3DMark06の結果から見ていこう。結果はグラフ1,2のとおりで,N460GTX HawkはN460GTX Cycloneから2〜4%,GTX 460リファレンスからは5〜9%高いスコアを示し,パフォーマンスは順当に上がっていると分かる。また,コア940MHz&シェーダ1880MHz動作のN460GTX Hawk/OCはGTX 470に迫るスコアを示し,オーバークロックの効果を確認できる。


 続いてグラフ3,4は,「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)において,描画負荷が比較的低い「Day」シークエンスのテスト結果をまとめたものになる。
 ここでN460GTX HawkとN460GTX Cycloneのスコア差は6〜7%。GTX 460リファレンスと比較した場合には11〜14%と,スコアの向上率が大きくなっており,メーカーレベルのクロックアップモデルであることの優位性が大きくなっている。N460GTX Hawk/OCがGTX 470のスコアを上回っているのも特筆すべきだろう。


 STALKER CoPのテスト中,最も描画負荷の高い「SunShafts」のスコアをまとめたグラフ5,6でも,傾向は同様だ。


 グラフ7,8に示した「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2)だと,N460GTX HawkはN460GTX Cyclone比で3〜9%,GTX 460リファレンス比で7〜11%高いスコアを示している。N460GTX Hawk/OCに至っては対GTX 460リファレンスでプラス15〜19%だ。
 ただし,STALKER CoPのような“GTX 470超え”までは実現できていない。


 一方,DirectX 9世代のタイトルである「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)だと,少々異なる結果が見られた(グラフ9,10)。N460GTX HawkがN460GTX Cycloneに対し6%程度,GTX 460リファレンスに対し12〜13%高いスコアを示すというところまではこれまでと同じ傾向なのだが,N460GTX Hawk/OCとGTX 470の力関係は,「標準設定」と「高負荷設定」とで逆転しているのだ。
 Call of Duty 4は,シェーダユニットとテクスチャユニットの性能がスコアを左右するアプリケーションなので,GF104コアでテクスチャユニット周りにメスが入っていることと,シェーダクロックが1880MHzにまで引き上げられていることが,描画負荷の高い高負荷設定でプラスに働いた可能性を指摘できそうである。


 グラフ11,12の「Just Cause 2」だと,3DMark06やBFBC2と同じようなテスト結果に落ち着いている。N460GTX Hawkは,GTX 460リファレンス比で9〜15%高いスコアを示し,N460GTX Hawk/OCはそんなN460GTX Hawkの定格設定よりさらに10〜15%高いスコアを示すが,GTX 470にはあと一歩届かない。


 CPU負荷の高い「バイオハザード5」だと,また違った結果が得られている。グラフ13,14で,GTX 470とN460GTX Hawk/OCが同等のスコアで落ち着いているのだ。GTX 460搭載カード間でスコアを比較するに,クロックを引き上げることの効果自体ははっきりと見て取れるので,CPUボトルネックによる影響を受けている印象である。


 パフォーマンス検証の最後は「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)だが,結果をまとめたグラフ15,16ではN460GTX Hawk/OCが頭1つ抜け出している。GTX 470に対して9〜12%高いスコアというのは,なかなか衝撃的だ。N460GTX Hawkの定格動作に対しても12〜13%高いスコアになっていることからして,Call of Duty 4の高負荷設定時と同様,オーバークロック設定によるテクスチャユニットの高速化が“効いている”のではなかろうか。



N460GTX Cycloneよりコア電圧設定が高いHawk

Twin Frozr IIの冷却能力はさすが


 7+1フェーズ仕様の電源部を搭載するN460GTX Hawkの消費電力をチェックしてみよう。テストにあたっては,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用い,OSの起動後30分間放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,各タイトルの実行時としている。

 その結果をまとめたものがグラフ17だ。アプリケーション実行時の消費電力で比較すると,N460GTX HawkはN460GTX Cycloneと比べて7〜29W高い。
 この理由はもちろん,前者の動作クロックが高いということもあるのだが,Afterburnerから確認したGPUコア電圧が1.125V対1.025Vと,0.1V高いことも要因の1つとして指摘できそうだ。

 その状態からさらにコア電圧を0.1V,そして動作クロックも大幅に引き上げたN460GTX Hawk/OCになると,N460GTX Cycloneから60〜75Wも増大する。それでも問題なくついてくる電源周りは大したものだが,徹底的なオーバークロックを行う場合,電源ユニットの容量には注意を払うべきだろう。
 ……それでもまだGTX 470より消費電力が低いというのは,なかなか趣深いが。


 さて,前述したとおり,N460GTX Hawkが搭載するTwin Frozr IIクーラーは,動作音が少々耳につくのだが,冷却能力は実際のところ,どれだけのものを持っているのか。3DMark06の30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,室温23℃の環境においたバラック状態でGPU-ZからGPU温度の取得を試み,まとめた結果がグラフ18となる。
 GTX 460リファレンスはN460GTX Cycloneの動作クロックをリファレンス相当に下げたものであることから,ここでGTX 460リファレンスのスコアはGTX 460レビュー時に用いたリファレンスカードのものを参考として流用することをお断りしておくが,ともあれ,N460GTX HawkのGPU温度は,高負荷時でもN460GTX Cycloneより7℃低く,なかなかに優秀。とくに,N460GTX Hawk/OCでは消費電力が膨れあがっているにもかかわらず,高負荷時の温度を60℃台前半に留めている点は大いに評価できよう。GTX 470の突き抜けたGPU温度と比べると,Twin Frozr IIの優秀性が光る。



「静音性重視のCycloneに

OC前提のHawk」という理解が正解


製品ボックス
GeForce GTX 400
 以上のテスト結果から,GTX 460のクロックアップモデルとしては同じN460GTX CycloneとN460GTX Hawkだが,前者は静音性などバランスを追求したモデルで,今回の主役たる後者はパフォーマンスに注力したモデルということができそうだ。
 日本市場において,2万円台のグラフィックスカードには,性能だけでなく静音性,そしてコストパフォーマンスが求められる傾向にあることを踏まえるに,より日本市場に向くのは,N460GTX Cycloneのほうであるように思う。

 ただ,自己責任でコアクロック900MHz,シェーダクロック1800MHz超級の設定を行えば,GTX 470とほぼ互角に立ち回らせることのできる可能性を持つカードとして,N460GTX Hawkには十分な存在意義が認められる。オーバークロック設定を行っての常用を前提とした使い方が,N460GTX Hawkには適していそうだ。
  • 関連タイトル:

    GeForce GTX 400

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