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【西川善司】あなたのHDMIが正しく接続されていない可能性
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印刷2009/08/14 10:30

連載

【西川善司】あなたのHDMIが正しく接続されていない可能性

西川善司 / グラフィックス技術と大画面とMAZDA RX-7を愛するジャーナリスト

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


 HDMI。FBIとCIAが何の略だったかあまり知られていないように,HDMIが「High-Definition Multimedia Interface」の略であることも,あまり知られていません。だからときどき,PC専門メディアでも「HDMIインターフェース」なんていう「頭痛が痛い」的な誤記が見受けられますが,今回取り上げる話題は別にそういうことではないんです。

今や,HDMI出力端子が用意されたビデオ出力機器はまったく珍しくなくなった。写真は「Xbox 360 Elite」
【西川善司】あなたのHDMIが正しく接続されていない可能性
 今やHDMIは,ゲーマーにとっても,PCユーザーにとっても無縁ではないキーワードとなってきています。AV機器やディスプレイ機器を購入するときに,HDMIのバージョンやら端子数やらを気にした経験のある人も多いことでしょう。

 普段からHDMIを活用している人も多いと思いますが,あなたのPC,ゲーム機,あるいはAV機器が,もしかすると,正しく接続されていない可能性がある……というのが今回の話題です。

 HDMIってのは,もともとデジタル家電向けの規格として立ち上がったテクノロジーで,あとからPC機器にも波及してきた技術。そのため畑違いのHDMI機器同士でやりとりする信号に“方言”のようなものが存在し,「映像が映るには映るが,正しく表示されていない」という可能性があります。
 HDMIは映像を伝送するとき,デジタル映像信号として,テレビ向けの「色差信号(YPbPr)」()か,PCでお馴染みの「RGB」を選択できますが,それぞれの階調表現範囲にいくつかのバリエーションが存在していて,この不一致が問題を生んでいるのです。

 そう。アオり気味にいうと,PCやゲーム機をテレビやディスプレイモニタにHDMI接続したとき,正しい階調表現で表示されていない可能性があるんです。

※色差信号とは:
 主にビデオやテレビで使用される映像信号表現形式で,ピクセル色をRGBの各出力割合で表現するのではなく,輝度「Y」と,二つの色差信号「Pb」「Pr」で表すもの。Pbは「(B−Y)×定数項」,Prは「(R−Y)×定数項」で表され,数式上はRGB表現方式との相互変換が可能である。
 人間の目は輝度変化には敏感だが,色変化には鈍感という特性があるので,ビデオやテレビでは輝度Yだけをフル解像度で表現し,鈍感な色差Pb,Prの解像度を下げて記録する情報量削減テクニックが常套手段となっている。また,輝度信号は実質的には白黒映像であり,白黒映像とカラー映像の互換が取りやすいというメリットもある。こうした理由から,テレビやビデオの映像信号伝送方式としては,色差信号が便利だとして用いられてきた経緯があるのだ。


テレビ/ビデオ階調とPC階調


【西川善司】あなたのHDMIが正しく接続されていない可能性
 テレビ/ビデオ系の映像信号は,前述したように色差信号(YPbPr)で表現されていて,テレビ信号用の「IRE」(Institute of Radio Engineers)規格では,真っ黒の「IRE 0%」が輝度Y=16,真っ白の「IRE 100%」がY=235に割り当てられています。つまり,通常の色差信号では8bitで表現できる0〜255のうち,16〜235を使って階調が表現されることになります。
 実際,一般的な色差信号で映像をやりとりする(Blu-ray/DVD再生機器などの)AV家電とテレビ間をHDMIケーブルでつなぐと,特殊な設定をしていない限りは,ほぼ間違いなく,出力機器側と入力機器側が,この16〜235の階調レベルを想定したやりとりをします。出力機器(=AV家電)側はY=16〜235で出力しますし,入力機器(≒テレビ)側もY=16〜235で受け取って,適宜,適正な階調で表示するというわけです。

【西川善司】あなたのHDMIが正しく接続されていない可能性
 ここでややこしいのは,「スーパーホワイト」モードという,Y=16〜255まで範囲を広げた色差信号の存在。そうです。PLAYSTATION 3に用意された「ディスプレイ設定」の設定項目で見たことがある人も多いと思いますが,アレですね。
 スーパーホワイトモードでは「IRE 109%」を「Y=255」に割り当てています(※IRE 0%がY=16なのは通常時と同じ)。つまり,色差信号にはY=16〜235とY=16〜255の2モードがあるのです。

 一方,PCユーザーにお馴染みの24bitRGB各8bitだと,RGB信号は一般的に0〜255の範囲を持ちます。これについては知っている人も多いでしょう。


正しい表示の条件とは?


 しかし,前述したような,「Y=16〜235のビデオ階調の映像ソースをRGB信号に変換して出力する機器/システム」の場合,Y=16〜235をRGB=0〜255に割り当てるのか,RGB=16〜235に割り当てるのかは,当該機器の設計,またはユーザーの設定に依存します。

輝度範囲変換の模式図。左からそれぞれ,RGBにおける0〜255の範囲,一般的なYPbPrにおける16〜235の範囲,スーパーホワイトモードにおける16〜255の範囲を示したものになる(※上下の赤部分は白または黒色)。適切に変換されないままだと,正常な階調が再現されない
 また,PCディスプレイ製品ではあまりないと思いますけど,一部のAV用ディスプレイ製品では,入力映像の階調範囲を16〜235しか想定していないものがあります。そういった製品が,(PCから出力された)RGB=0〜255のRGB信号を受けたときにも適切に変換されずに,そのままY=0〜255の色差信号として表示することになり,黒が沈み過ぎに,明部が飛び気味になった表示となってしまうのです。

 逆に,色差信号主体の信号処理機能しか持たないAV機器をRGB信号でHDMI出力させると,Y=16〜235に倣ったような感じで,RGB=16〜235として変換,出力してしまうものがあります。これを,RGB=0〜255での入力しか想定していないPCディスプレイなどで受けて表示させようとすると,今度は黒が浮き気味で,最明部が若干暗めな表示になってしまうんです。

 またこれ以外にも,映像機器(HDMI出力)側と表示機器(HDMI入力)側の階調レベルの不一致により表示に不都合が出る組み合わせがあります。これらを表にまとめたのが下のです。


 まぁ,を見れば単純な話なんですよね。
 要は,出力と入力の階調レベルを合わせてさえやれば正しい表示が得られるんです。しかも,機器にはHDMI階調レベル設定を「オート」(または自動)にできますから,通常はこれを設定しておけば間違いはないはず。しかし,そうした自動設定ではうまくいかないケースも結構あったりするという。

 もし,いまPCディスプレイにゲーム機をつないでいたり,あるいは薄型テレビにPCを接続していたりするケースで,階調表現に違和感があったとしたら,そこには間違いなく,今回取り上げたような次元の問題が発生しているのです。
 次回は,このHDMI階調問題について,具体的な事例や症状の改善方法などを紹介していきたいと思います。

■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。4Gamerの連載「3Dゲームエクスタシー」をはじめ,オンライン/オフラインのさまざまなメディアに寄稿したり,バカゲーを好んでプレイしたり,大画面にときめいたり,観切れないほどBlu-rayビデオを買ったり,オヤジギャグを炸裂させたりして毎日を過ごしている。
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