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仕事を干された俳優が,5か月の外出禁止で壊れていく。ブラジル発の心理ホラー「LOCKDOWN」[BGS2026]
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印刷2026/10/11 17:10

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仕事を干された俳優が,5か月の外出禁止で壊れていく。ブラジル発の心理ホラー「LOCKDOWN」[BGS2026]

 2026年10月9日,ブラジル・サンパウロで開幕した「Brasil Game Show 2026」の商談エリアで,インディースタジオM1G GAMES STUDIOSのCEO兼創業者,Otávio Correa Silva氏に,開発中の心理ホラー「LOCKDOWN」の話を聞いた。

 「LOCKDOWN」の舞台は,新型コロナウイルス感染症が広がり始めた2020年のサンパウロ。主人公のROCK SILVAは,風変わりで孤独な俳優だ。
 ブラジルで使われるポルトガル語では,仕事を干された状態を「冷蔵庫に入っている」と表現するそうで,Silva氏は彼をまさにそういう人物だと説明した。出演契約が途切れたまま,彼は自宅のアパートで5か月におよぶロックダウンを過ごすことになる。

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 アパートに閉じこもった主人公は,食料が尽きて空腹に苦しみ,シャワーも使えなくなり,やがておかしくなっていく。アパートは最初は避難所であり,次に監禁場所となり,最後には心の牢獄になっていくという。

 恐怖の源として想定されているのは,怪物や派手な演出ではない。
 孤立や妄想,物資の欠乏,病気,隣人とのいさかい,不穏なニュース報道,正体の分からない物音,そして崩れていく生活リズム。そういったものが少しずつ主人公を追い詰めていく。
 プレイヤーは,本当は何が起きたのかを探り,主人公の認識をどこまで信じてよいのかを疑いながらゲームを進めることになりそうだ。

壁には「SOCO NA CARA 2」などの映画ポスターが並ぶ。中央のポスターには「ROCK SILVA」の名前がある
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 部屋の壁に貼られたポスターは,主人公の過去の出演作という設定だ。Silva氏によれば,その1本はカポエイラを題材にしたアクションで,主人公はトム・クルーズのように敵をなぎ倒して美女を手に入れる役どころだったらしい。
 昔の作品のように見えるポスターだが,1980年代のブラジルではこういう映画が実際に作られており,残念ながら今はもう作られていない,とSilva氏は語った。劇中のポスターも,いつか本物の映画にしたいという。

 ゲームは一人称視点で進む。自室と,建物内の限られた範囲を移動しながら,物を調べたり家事をこなしたりして主人公の日常を追っていく。

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 プレイヤーは,窓やテレビ,ドアののぞき穴を通して周囲の変化を観察し,聞こえてくる音と,聞こえてこないはずの音を手がかりに出来事を探る。物資は少しずつ減っていき,その管理も求められるという。
 主人公の精神状態は,数値ゲージに頼るのではなく,プレイヤーの体験そのものを通して表現するそうだ。

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 サウンドトラックはすでにSpotifyで公開されており,ポルトガル語のロックナンバーだとSilva氏は話した。そのうちの1つは「Oxygen」というタイトルで,ウイルスのせいで息をすることもままならない人を歌った曲だという。

 音声はポルトガル語で収録されているが,英語の吹き替えと翻訳を用意する予定とのこと。
 日本語訳についても,信頼できる翻訳者に心当たりがあるので対応できるとSilva氏は請け合った。現時点でSteamのストアページに載っている対応言語は英語だけで,発売時期は「近日登場」となっている。

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 Silva氏が掲げたのは,ブラジル人がポルトガル語を話して主役となるIPを作り,世界に届けるという目標だった。アメリカの物語でも,日本人キャラクターでもなく,ブラジル人が物語の中心にいるゲームを作りたいのだという。
 たとえとして挙げられたのは,任天堂の「ゼルダの伝説 時のオカリナ」だ。1本のゲームでプレイヤーをつかみ,そこから続編やグッズ,映像化へと広げていく。

 「LOCKDOWN」のほかにも,M1G GAMES STUDIOSはいくつもの企画を抱えている。
 ブラジルの民間伝承に登場する魔女マチンタをモチーフにしたファウンド・フッテージ形式のホラー,ゾンビであふれたサンパウロ近郊を生き延びる三姉妹の物語,家族を強盗に殺された化学教師が自宅のガレージで小型の原子爆弾を作り始める警察捜査ものなど,内容は多岐にわたる。三姉妹のゲームは大型タイトルとして構想しており,「The Last of Us」と肩を並べるものを目指すという。これらの企画のIPは,すべて自社で保有しているそうだ。

 Silva氏がいま探しているのは投資家やパートナーで,出資に限らず,開発者やデザイナーといった人材の提供による協業でもかまわないという。そのうえで,小規模な「LOCKDOWN」を最初の1本として作り,うまくいけば次へ進むという段取りを考えている。

M1G GAMES STUDIOSのCEO兼創業者,Otávio Correa Silva氏
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