X570搭載マザーボードは,いずれもチップセットにも小型の空冷ファンを備えるのが基本だ。写真はASUSの「ROG Crosshair VII Hero(WI-FI)」
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2019年7月7日,ASUSTeK
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AM4プラットフォーム対応の新型チップセット「
AMD X570」(以下,
X570)搭載マザーボードの発売が解禁になったことを受けて,同チップセット搭載製品を一斉に発表した。
本稿では,リリースの到着順に各社のゲーマー向け製品をまとめて紹介しよう。
ASUS:Wi-Fi 6対応マザーボードを複数ラインナップ
ASUSは,ゲーマー向け製品ブランド「
Republic of Gamers」から4製品,エントリー市場向けブランドの「
TUF Gaming」から2製品という計6製品のX570搭載ゲーマー向けマザーボードを発表した。6製品中5製品は発売中で,「
TUF Gaming X570-Plus」のみ,7月12日発売となっている。
ラインナップとメーカー想定売価は
表1のとおり。
表1 ASUS製X570搭載ゲーマー向けマザーボードのラインナップ
製品名 |
フォームファクタ |
メーカー想定売価 |
ROG Crosshair VIII Formula |
ATX |
税込6万5000円前後 |
ROG Crosshair VIII Hero(WI-FI) |
ATX |
税込5万3000円前後 |
ROG Strix X570-E Gaming |
ATX |
税込4万2000円前後 |
ROG Strix X570-F Gaming |
ATX |
税込3万5500円前後 |
TUF Gaming X570-Plus(Wi-Fi) |
ATX |
税込2万8000円前後 |
TUF Gaming X570-Plus |
ATX |
税込2万4000円前後 |
ROG Crosshair VIII Formula。液冷および空冷対応のヒートシンクを備えた最上位モデル。Aquantia製の5Gbps対応LANコントローラを採用する有線LANポートや,Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応無線LAN機能を備える
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ROG Crosshair VIII Hero (WI-FI)。上位モデルから液冷対応を省略したようなハイエンドマザーボード。2つある有線LANポートの1つがRealtek製2.5Gbps対応だ。Wi-Fi 6にも対応する
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ROG Strix X570-E Gaming(左)とROG Strix X570-F Gaming(右)。スペック的にはほぼ同等だが,前者は2.5Gbps有線LANとWi-Fi 6に対応するのが大きな違いだ
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TUF Gaming X570-Plus(Wi-Fi)(左)とTUF Gaming X570-Plus(右)。高耐久性を謳う部品を採用しつつ,エントリー市場向けに価格を抑えたTUF GamingのX570マザーボードの新製品で,前者はIEEE 802.11ac対応無線LANモジュールを搭載,後者は有線LANのみというのが違いである
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GIGABYTE:Mini-ITXマザーやE-ATXマザーもラインナップ
GIGABYTEの日本法人である日本ギガバイトは,ゲーマー向け製品ブランド「
AORUS」から,X570搭載マザーボード5製品が発表となった。5製品中4製品は発売済みで,「
X570 AORUS XTREME」のみ,7月12日発売となっている。
ラインナップは
表2のとおり。
表2 GIGABYTE製X570搭載ゲーマー向けマザーボードのラインナップ
製品名 |
フォームファクタ |
メーカー想定売価 |
X570 AORUS MASTER |
ATX |
税込5万円前後 |
X570 AORUS PRO |
ATX |
税込3万円前後 |
X570 AORUS ELITE |
ATX |
税込2万4000円前後 |
X570 I AORUS PRO WIFI |
Mini-ITX |
税込3万2000円前後 |
X570 AORUS XTREME |
E-ATX |
税込9万5000円前後 |
X570 AORUS MASTER。14フェーズ電源回路を採用しRealtek製2.5Gbps有線LAN機能と,Intel製のWi-Fi 6対応モジュールを搭載するハイエンドモデル
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X570 AORUS PRO(左)とX570 AORUS ELITE(右)。どちらも12+2フェーズの電源回路を搭載するATXマザーボードであるが,上位モデルであるX570 AORUS PROはDDR4-4400まで,X570 AORUS ELITEはDDR4-4000までといった具合に,メモリのオーバークロック対応が異なる。また,X570 AORUS PROはPCIe x16スロットを2基備えるが,X570 AORUS ELITEは1基という点も目を惹く違いだ
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X570 I AORUS PRO WIFI。ラインナップで唯一のMini-ITX対応モデル。Wi-Fi 6対応無線LANモジュールも付属している
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X570 AORUS XTREME。E-ATX対応のハイエンド市場向けマザーボード。基板の下半分を覆う放熱パネルが見どころの1つ。16フェーズ電源回路の採用や,Aquantia製10Gbps有線LANポートの対応,Wi-Fi 6対応無線LANモジュール搭載なども特徴である
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ASRock:価格対スペック比の高い2製品を用意
ASRockのゲーマー向け製品ブランド「Phantom Gaming」からは,ハイエンド市場向けモデルの「
X570 Phantom Gaming X」と,税込のメーカー想定売価が2万1000円前後と安価なエントリー市場向けモデル「
X570 Phantom Gaming 4」の2製品が発売となった。
X570 Phantom Gaming X
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ATX仕様のX570 Phantom Gaming Xは,14フェーズの電源回路を採用する製品だ。基板下側を覆う大きな放熱パネルは,3基あるM.2スロット用のヒートシンクも兼ねている。Wi-Fi 6対応無線LANモジュールを採用するのも特徴と言えよう。
メーカー想定売価は
4万4800円(税込4万8384円)前後となっている。
赤い斜線が入った放熱パネルは,その下にあるM.2スロット用のヒートシンクも兼ねるものだ(左)。I/Oパネルの保護カバーやチップセット用ヒートシンクの下側,マザーボード右側面には,カラーLEDイルミネーションを装備する。右はI/Oパネルを拡大したところ。2つある有線LANポートの赤い側は,Realtek製の2.5Gbps対応有線LANコントローラを使用するものだ
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一方のX570 Phantom Gaming 4は,比較的シンプルなATXマザーボードだ。チップセットに小型のクーラーが付いているのはX570搭載マザーボードの定番であるが,チップセットと電源回路周辺以外には,放熱パネルやヒートシンクは備えていない。Ryzen 3000シリーズを使って新しいPCを組みたいが,なるべくコストは抑えたいというときに候補となる製品だろう。
X570 Phantom Gaming 4
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MSI:9万円超えのハイエンドから2万円前後の安価な製品まで幅広く展開
MSIは,X570搭載のゲーマー向けマザーボードとして5製品を発売した。豪華な仕様で付属品も充実したE-ATX仕様のマザーボード「
MEG X570 GODLIKE」から,税込の予想実売価格で2万1600円前後と比較的安価な「
MPG X570 GAMING PLUS」まで,幅広い製品を揃えている。
ラインナップは
表3にまとめたとおりだ。
表3 MSI製X570搭載ゲーマー向けマザーボードのラインナップ
製品名 |
フォームファクタ |
メーカー想定売価 |
MEG X570 GODLIKE |
E-ATX |
8万7800円 (税込9万4824円前後) |
MEG X570 ACE |
ATX |
4万5800円 (税込4万9464円前後) |
MPG X570 GAMING PRO CARBON WIFI |
ATX |
3万2300円 (税込3万4884円前後) |
MPG X570 GAMING EDGE WIFI |
ATX |
2万5300円 (税込2万7324円前後) |
MPG X570 GAMING PLUS |
ATX |
1万9980円 (税込2万1578円前後) |
MEG X570 GODLIKE。MSI製マザーボードの最上位となるGODLIKEの名を冠する製品。ヒートシンクを備えたM.2スロットをマザーボード上に3基搭載するのに加えて,3枚のM.2 SSDを装着可能な空冷ファン付き拡張カードも付属するのが特徴だ。Wi-Fi 6対応無線LANモジュールも備える
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MEG X570 ACE。MSI製マザーボードの中でも,上位に位置するMEGシリーズのATXマザーボード。派手なカラーLEDイルミネーションの付いた電源部ヒートシンクや,チップセットから電源部まで,CPUソケットを囲むように伸びたヒートパイプが目を惹く。無線LANモジュールはIEEE 802.11ac対応だ
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MPG X570 GAMING PRO CARBON WIFI。ミドルクラス市場向けMPGシリーズの上位モデル。M.2スロット用のヒートシンクは2基あり,大型のチップセットヒートシンクと合体するデザインだ。無線LAN機能はWi-Fi 6対応のIntel製なので,比較的安価にWi-Fi 6環境を構築できる
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MPG X570 GAMING EDGE WIFI。Intel製のIEEE 802.11ac対応無線LANモジュールが付属する比較的シンプルなATXマザーボード。M.2スロット用のヒートシンクは1基だが,こちらもチップセット用ヒートシンクと合体する
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MPG X570 GAMING PLUS。Socket AM4対応のゲーマー向けATXマザーボードでは安価なのが見どころの製品
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