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[TGS 2007#70]究極のクルマゲームがついに登場? 実車を駆り,実在のパーツを組み合わせるオンラインレースゲーム「E-Racing」
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印刷2007/09/26 16:13

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[TGS 2007#70]究極のクルマゲームがついに登場? 実車を駆り,実在のパーツを組み合わせるオンラインレースゲーム「E-Racing」

Eutechnyxビジネス開発担当取締役のダレン・ジョブリング氏。今回話を聞いた限り,(当然といえば当然だが)かなりのクルマ好きだった
 東京ゲームショウ2007には,一般客が入れず,メディアもあまり近づかないエリア「ビジネスミーティングコーナー」がある。その名のとおり,完全にビジネスのためのゾーンだ。
 今年は,カプコン,SNKプレイモア,コーエー,コナミ,テクモ,マイクロソフトといった,そうそうたるラインナップの会社が10社ほどブースを構えていた。ブースといっても外からは中の様子が分からない完全なクローズドブースで,これから開発が始まるゲームに関するデモや権利の売買の交渉など,メディアにも公開できない商談が,ここで行われているのだ。
 そんなブースが並ぶ一画に「英国大使館」と「英国北東・イングランド・ゲームクラスター」のブースが設けられていた。イギリスのコンピュータ関連産業を主力産業の一つにしようという国家プロジェクトの一環で,日本の会社とのコネクション作りや情報提供/収集などを行うための場として設けられていたものだ。つまり,日本のパブリッシャなどに向け,イギリスの開発会社とそこが開発しているゲームなどを紹介するというのが主な目的というわけだ。
 たまたま関係者と接触する機会を得,イギリスの開発会社の一つであるEutechnyxのオンラインゲーム最新作「E-Racing」を取材できることになったので,紹介しよう(e-Racerとは関係ない)。

 イギリスのゲームに詳しくない人はEutechnyxの名前を聞いたことがないだろうから,まずは軽く紹介しておこう。
 Eutechnyxは20年の歴史を持つ英国のゲーム開発会社で,その間,ひたすらレースゲームを作り続けてきた。ゲームそのものだけでなくミドルウェアの開発も行っており,自己完結できる開発会社として名が通っている。「ワイルドスピードX3」「フェラーリチャレンジ」などが有名な作品だが,「爆走コンボイ伝説〜男花道アメリカ浪漫〜」(PS2)など意表をつくようなゲームにも絡んでいたりする。
 そんなEutechnyxは現在,コンシューマ機向けのレースゲームとPC向けのオンラインレースゲームを開発中だ。今回は前者の売り込みがメインで日本に来ていたということだが,無理を言って特別にPC版のオンラインレースゲームを紹介してもらうことができた。ただし,画像の公開は一切認められなかったので,文字ばかりの記事になってしまうことはなにとぞ容赦いただきたい。
 ゲームの詳細も聞くことはできたが,その大半は公開NGという情報だ。そんなわけで,記事にするのをやめておこうかとも思ったのだが,PCのレースゲームファンであれば,その名前を記憶に留めておく価値はあると思い,執筆に至る次第だ。

ややマニアックすぎるほどリアルなオンラインレースゲーム

 コンソール各機種には,その機種を代表するようなレースゲームがあるが,昨今のPCゲーム業界にはそれがない。ならばPCゲームを代表するようなレースゲームを作ろう,というのが,このプロジェクトのスタートラインだ。タイトル名は「E-Racing」という(おそらく仮称)。オンラインゲームで,1コース内で同時に32人がレースに参加できる。すでにアメリカではパブリッシャが決まっており,アイテム課金制のビジネスモデルでサービスが行われる予定だ。プレイヤーは無料でクライアントをダウンロードでき,リアルマネーをゲーム内マネーに交換し,新しい車やパーツを買って,カスタマイズしてレースに挑む。

 前述のように元々コンシューマ版のレースゲームの紹介をするつもりで来ていたために,プレゼンテーションには1年ほど前のバージョンが使用された。とはいえ,その時点ですでにグラフィックスのレベルは高く,見た感じの印象であって見比べたものではないが,すでにGran Turismo 3もしくは4程度のグラフィックスではあったように感じた。コースの周りに生えている草や木は風になびき,太陽光の当たり具合によって,その色彩が微妙に変化する。水の流れも一定ではなく,風があたれば,その方向にあった形でさざ波が立ち,車の影も映り込む。観客も樹木も“立て看板”ではなくすべてがキチンと描写されており,雨の描写なども相当に見事だ。
 起伏による視界の変化なども見事に描かれており,街中を流れる川の描写も相当凝ったものだった。荒んだ裏道を疾走すると,道路に散っていた古新聞などがアクション映画の1シーンのように舞い上がり,ポリバケツにぶつかれば,キチンとした方向に吹き飛んでいく。物理エンジン――とまで言ってよいかどうか分からないが――も,真っ当なものであるように見受けられる。

 見せてもらったデモバージョン(ムービーではなくて本物のクライアントだった)が1年前のバージョンだとするならば,いまでは相当に進化を遂げていることが予想される。最終的に製品サービスで稼働させるときには,当然のことながら必要スペックなどをシュリンクさせる必要はあるだろうが,筆者が見た1年前のバージョンから推測できる範囲でさえ,相当に期待が持てるものであることに間違いはない。

 登場する車はすべて実車で,サービス開始時には200台程度が用意される予定だ。筆者を含めた“クルマファン”としてはどのメーカーの車が登場するのかが気になるところだと思うが,残念ながらリストの公開は現段階ではNGとのこと。とはいえ,Confidentialの資料を見せてもらった限りでは,日本,北米,欧州の名だたる自動車メーカーが並んでおり,そのあたりの心配はまったく必要なさそうだ(筆者のクルマはリストになかったが……)。いくつかは,ゲームの世界でほとんど見かけない名前も確認できたが,それが実際に導入されるかどうかは,未知数だ。
 ところで本作の車は,どこかにぶつかれば,きちんとダメージを受けてそれが走行性能にも響き,さらに視覚的に分かるようになっている。メーカーによっては自社の車がボロボロになるのを嫌い,ゲームにライセンスを与えなかったりすることも多いが,この点は「心配ない。ライセンス取得は順調に進んでいる」とのこと。公言することはNGと言われたが,Eutechnyxの経歴から想像できるように,当然“あのメーカー”もライセンスを与えているようだ。

 デモプレイで使われていたコースは,シカゴがベースになったものだった。ジョブリング氏によると,コースは,象徴的な場所や全体的なイメージを実在のものに合わせ,そこにフィクションを混ぜ込んでいるとのこと。完璧に一つの街を再現しているわけではないとのことだが,そこはさほど大きな問題ではないだろう。実在するサーキットを完全に再現したものも用意するとのことなので,レースシムっぽく楽しむことも十分に可能。リアル派(?)のプレイヤーも安心してほしい。「日本のユーザーって峠とか好きだろ? ああいうのも要望が多ければ入れたいねえ」と語ってもいた。
 ゲーム内に広告を入れる,いわゆる「ゲーム内広告」を見据えた設計になっているようで,すでにデモコースにはいくつかそれっぽいものが見受けられた。個人的には,レースゲームと看板などのゲーム内広告は「まったくもって相性が悪い」と思うのだが,他人のレースを観戦するインスペクトモードを備える予定である本作であれば,あるいは意味があるかもしれない。
 ところでレースシムでみなが気にするのは必要スペックだったりするのだが,1年前のバージョンのクライアントを動かしていたのは,ノートPCだった。むろん,GeForceを積んだノートPCではあったが,それにしてもサクサクと軽快に動いていた点は見逃せない。

異様に細かいカスタマイズはForzaを越えるか?

 さて,クルマ好きな筆者としては,本作にもっとも期待しているのはカスタマイズの部分。ここも詳細をレポートできなくて大変もどかしいのだが,おそらく,かつてないほどの細かいカスタマイズ手法が用意されている。しかも,パーツはすべて走行性能に直結し,外装はすべてグラフィックスに反映される。これに期待せず,一体何に期待するのか。

 フロント/リアのスポイラーやスカート,ボンネット,ウィング,タイヤ,サスペンション/ショック,ホイール,マフラーなどは,“レースシム”を名乗るならば比較的当たり前に備えているが,本作はちょっと違う。一瞬見せてもらった資料を記憶でたぐると,先のデフォルト要素に加え,ブレーキパッド,NOSシステム,スパークプラグ,エキマニ,フロントパイプ,エンジンマネージメントシステム,ウィンドウカラー,ペイントなどに至るまで設定ができる。
 しかも驚くべきは,それらパーツはすべて,リアルメーカーのパーツそのものなのだ。「コニのショック入れて,ブレンボのブレーキパッド入れて,グッドリッチのタイヤ履かせて,ボッシュのエンジンシステム入れて……」というカスタマイズを,ワクワクしながら日夜考えられるわけだ。クルマ好きにとって,これほど楽しい“シム”があるだろうか。
 24時間絶え間なく開催したいと語っていたオンライン上のトーナメントは,ベースとなるクルマの馬力によってクラス分けされる。そのクラスの中で好きなパーツを使ってカスタマイズして,コースに合ったセッティングをして,勝利を目指すというわけだ。クルマは複数台所有できるようなので,コース別/レース別にガレージに並べることもできる。
 また,すべてのクルマには「履歴」が残るようになっている。いつ誰が作ったクルマなのか。走行距離は? 戦績は? 改造箇所は? などのすべてが書かれた,一種の整備記録簿のようなものだ。「カスタマイズが妙に上手い人も出てくるだろうから,将来的には自分でクルマとパーツを買ってカスタマイズして,そのクルマをバーチャルに売りに出せるようにもしたいね」とも語っていた。

 今のところそれらパーツは――クルマ本体も含め――すべて「アイテム課金」になるようだ。クルマ本体が3ドル,パーツそれぞれが0.25ドルで,ガリガリとカスタイマイズすると全部で6ドルくらい,という感じだろうか。
 「要するに,金をかければある程度までは簡単に速くなるということですか?」と質問してみたところ,返ってきた答えは「もちろんそのとおり。なんら問題はない」とのこと。まぁ確かに問題は何もないが,感情的にためらってしまったことは否めない。うまい人がリアルマネーをふんだんに使ったら絶対に勝てなくなってしまうのでは,という心配がぬぐえないが,サービスインまでになんらかの手法で解決がなされることに期待したい。

発売はまだまだ先ながらも,大きく期待が持てる作品

 本作の,現時点でのサービス開始予定は2009年Q1。つまり,まだまだ開発に時間をかけていくつもりなわけで,細かい仕様に関しては未定の部分が多い。またワールドワイドの大会を開催するという構想もあるものの,サービス地域によって細かい仕様は合わせていくという。アメリカのほかヨーロッパ,アジアでのサービスを考えているのだが,オンラインカジノが認められている国では,実際のお金を賭けてレースできるようにしたいとも語っていた。そもそもお膝元である英国でさえ「ギャンブル規制法」が存在する昨今(Gambling Act 2005),レースを見ながらリアルマネーをビッドするのは,なかなか厳しそうではある。

 散々文字だけで説明しておいて言うのもなんだが,ここで書いた内容は,あくまでも「2007年9月」の時点での話だ。仮に予定どおり開発が進むとしても,表舞台に上がるまで1年半あるし,おそらくは仕様も内容も変貌を遂げていくことだろう。今回紹介した内容はあくまでも予定であり,大きく変更される可能性が十分に高いということを,改めて認識しておいてほしい。
 初登場時に凄まじいフィーチャーを誇って期待させる作品は,サービスインにこぎ着けたときには,得てして「期待外れ」になりがちだ。おそらくは理想と現実の狭間でうまい落としどころを探しているうちに,ユーザーの理想から大きく外れる作品になってしまうのだろう。そして正直なところ,サービスまで少なくともあと1年半あるのであれば,この作品がそうならないという保証はどこにもない。

 とはいえ,それを考慮したとしても,クルマ好き(「車好き」ではない)にとっては激しく期待したいタイトルであることは間違いない。そして誰がどう読んでも気付くように――そしておそらくはEutechnyx自らが目指しているように――明らかに“Forza”と“GTHD”の対抗馬となる作品だ。今後公開される情報を見逃さないためにも,Eutechnyxという開発会社の名前は,ぜひしっかりと覚えておいてほしい。
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