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Google,FPS「Quake II」をHTML5に移植。ブラウザ上での高速動作を実証?
そんな中,インターネット界の巨人Googleが,FPSゲームの「Quake II」をHTML5に移植して,ブラウザ上で高速に動作させる実験に成功したと発表した。
この試みは,「勤務時間のうち,20%は自分が興味のあることに費やしてもかまわない」という,有名なGoogleの20%ルールの中から生み出されたものだ。移植のベースとなったのは,「Quake II」をJavaで動作させられるようにした「Jake 2」で,Googleのエンジニア数名がGoogle Web Toolkit(GWT)を使ってJavaScriptにクロスコンパイルしたという。
HTML5は,次世代のHTMLとして,ウェブ・ハイパーテキスト・アプリケーション・テクノロジー・ワーキング・グループ(WHATWG)やW3Cが策定を進めているHTMLの仕様で,マルチメディアへの対応が強化されているのが特徴の一つとして挙げられる。いまだ正式には発表されていないが,すでにInternet Explorer 9をはじめ,FirefoxやSafari,Google Chrome,Operaといったブラウザでの対応が進んでいる。
同時にWebブラウザ上のJavaScriptから,3Dハードウェアを利用できるライブラリ「WebGL」を使うと,非常に高度な3D画像をWebブラウザ内で実現できるようになる。こちらのほうは,Microsoftを除くWebブラウザ開発各社が急ピッチでサポートを進めているところである。
今回開発されたWebGL版の「Quake II」は,「GWT Quake」と名づけられ,ゲームプレイシーンがYouTubeで公開されている。使用しているマシンはノートブック型のPCであることしか分からないが,30fps以上のフレームレートを出しているということだ。なお,最大で60fpsまで出たという。現状では,WebGLのサポートされているWebKitのナイトリービルドかGoogleのChromium最新開発版でのみ利用できる。製品レベルのWebブラウザでは,まだ動かないので注意してほしい(FireFoxのナイトリービルドでもWebGLをサポートしているのではないかという説もあるが,FAQを見る限り動かないらしい?)。
ムービーを見ると,ときおり引っかかるように,一瞬止まってしまう場面が見かけられ,重いサーバーで遊んでいるマルチプレイといった印象だが,それでもオンラインマルチプレイが見事に再現されていることが良く分かる映像だ。
今回の試みは,あくまでも実験の一つとしてのことではあるが,HTML5とWebGLに正式対応したWebブラウザが発表されれば,本格的なブラウザゲームの登場が期待できるのは間違いないだろう。
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