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「大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜」開発者インタビュー:Chapter1の疑問点と,今後の方向性について話を聞いてみた
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印刷2007/07/30 22:48

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「大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜」開発者インタビュー:Chapter1の疑問点と,今後の方向性について話を聞いてみた

 7月15日,「大航海時代 Online」の新拡張パック「大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜」(クルス・デル・スール)の発表会が,東京の恵比寿ガーデンルームにて開催された。一般プレイヤーが招待され,オフラインイベントも兼ねたこの発表会の模様については,「こちら」レポート記事でお伝えしたとおりだ。
 4Gamerではこの発表会の終了直後,同作品の運営プロデューサー渥美貴史氏と,同開発ディレクター竹田智一氏のお二人に,Cruz del Surの新システムの詳細や,これからの大航海時代 Onlineが目指すものについて話を聞いた。ついに世界一周が可能となる同作は,今後,どのような方向へ舵をとるのだろうか。

同作品の開発ディレクター 竹田智一氏(左)と,同運営プロデューサー 渥美貴史氏(右)。発表会の直後ということでかなりお疲れだったと思うのだが,極めて熱心に,Cruz del Surやプレイヤー達に対する想いを語ってくれたのが印象的だ


■プレイヤー参加型イベントの開催は,
■サービス開始時からの目標の一つでした

4Gamer:
 イベント終了直後でお疲れのところ,お時間をいただきましてありがとうございます。まずは,イベント全体の感想をお願いします。最初のうちはだいぶ緊張していませんでしたか? 渥美さんも竹田さんも,いつもと様子が違いましたよ。

竹田智一氏(以下,竹田氏):
 多少はさすがに緊張で硬くなりましたけど,それほどでもないですよ。

渥美貴史氏(以下,渥美氏):
 今はもう,抜け殻のようですね……。

4Gamer:
 一般プレイヤーとの距離が近いステージだったので,壇上から皆さんの表情や反応が,はっきりと見えたんじゃないですか?

渥美氏:
 はい。我々の説明に対する皆さんの反応が,手に取るように分かりました。プレイヤーの皆さんの生の反応を確認できたという意味でも,今回の発表会は非常にいい機会でした。

竹田氏:
 発表会が始まる直前までは,いろいろと心配していたこともあったのですが,無事に終了してなによりです。

4Gmaer:
 「大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜」の発表会は,コーエーのオンラインゲームとしては初のプレイヤー参加型イベントでしたが,今回こういった形で,新たな拡張パックをお披露目した理由を教えてください。

渥美氏:
 やはり,今までとは変化をつけてみたかった,ということに尽きます。

竹田氏:
 今まで,やりたかったけれど実際にはできなかったことが,結構ありました。プレイヤー参加型イベントは,そのうちの一つです。
 開発作業の関係で,これまでずっと慌しい期間が続き,このようなイベントの実現は難しかったのですが,以前お話したとおり,2006年10月に運営と開発の部署が完全に分離したおかげで,ようやく実現できたわけです。

渥美氏:
 開発スタッフが修羅場を迎えている時期にイベント企画を立てるのは,ゲームの内外を問わず,大変難しい環境でしたからね……。
 とはいえ,オンラインゲームの主役は,なんといってもプレイヤーの皆さんです。大航海時代 Onlineを楽しんでくれている人達を招いて,我々が自らCruz del Surのプレゼンテーションをするのは,一つの夢でした。

竹田氏:
 そうですね。Cruz del Surの最新情報を一番最初にお伝えしたいのは,誰よりもまずプレイヤーの皆さんですから。

4Gamer:
 招待された一般プレイヤーさんは,どのような基準で選んだのでしょうか。所属サーバーや所属国家が偏らないように,バランスをとって選んだとか?

渥美氏:
 ご覧になったとおり,イベント後半には国家対抗のクイズ大会を用意していたので,極端に偏るようだったら,大きく調整を入れる必要が出てくるのではと考えていました。しかし実際には,無作為に選んだにもかかわらず,うまくバランスがとれていたみたいです。

悪天候にもかかわらず,Cruz del Surの発表会には多くの参加者が詰めかけた


■初心者〜上級者にメリットのある
■「航海者養成学校」の実装

4Gamer:
 発表内容によれば,Cruz del Surのコンセプトは「初心者サポート」「多彩な生き方を実現する新機能」「世界一周航路」の3本柱ということでした。各新要素の内容にもう少し踏み込んだ質問をさせてください。
 まずは初心者サポートの「航海者養成学校」についてですが,これはNPCが新規キャラクターを指導して,基本的な操作方法やシステムを教えてくれて,すべて授業を終えたら卒業という,いわゆるチュートリアル的な機能なのですか?

渥美氏:
 「航海者養成学校」は,新規加入者だけでなく,既存のプレイヤーも参加できます。例えば,ずっと軍人プレイ一筋でやってきたけれど,商人や生産のスキルを伸ばしたいと思っている人がいたら,航海者養成学校を利用することで,不慣れなシステムを一から学べるというわけです。

竹田氏:
 一通りのことを学ぶと,それなりの経験値と,卒業者だけがもらえるアイテムが入手できます。中〜上級プレイヤーでも,知っているつもりで実は知らなかったことなどがあるかもしれませんし,ぜひ入学してみてください。

4Gamer:
 先ほどの発表会で「航海者養成学校」と聞いたとき,はじめに頭に浮かんだのは「Ultima Online」のコンパニオンシステムでした。知識も経験も豊富な一般プレイヤーが,運営公認ボランティアとして初心者プレイヤーをサポートするスタイルなのかな,と。

竹田氏:
 それと同じシステムではありませんが,ベテランプレイヤーによる自発的な初心者サポートというのも,この航海者養成学校を利用すれば,よりスムースに行えるのではないでしょうか。
 新規プレイヤーを自分の「商会」に誘いたいと思っても,新人と知り合うきっかけはなかなか掴みにくいですよね。そこで航海者養成学校に入り,「クラス名簿」「スクールチャット」機能を使うことで,ベテランと初心者が簡単にコミュニケーションをとれるわけです。逆に初心者も,一緒の学校に在籍する仲間ならば,ベテランプレイヤーに話しかけやすくなるのではと思っています。

4Gamer:
 なるほど,確かにそういう活用法もアリですね。
 ところで,航海者養成学校に入学するともらえるアパルタメントですが,これは一時的なもので,卒業すると追い出されてしまうのですか?

竹田氏:
 航海者養成学校でもらえるアパルタメントは,従来のものよりも収納数が少ない部屋で,いわば学校付属の寄宿舎みたいなイメージです。具体的には,初級クラスを修了すると手に入り,学校を卒業したあとも利用可能です。
 もっと収納能力の高い部屋が欲しくなったら,自分でアパルタメントを購入すればいいわけです。



■新要素「沈没船の引き上げ」について
4Gamer:
 では新要素「沈没船の引き上げ」についても教えてください。これは大航海時代というゲーム背景を生かした,とても魅力的な内容だと思いました。発表会のスライドでは,集めた地図の断片が見えましたが,一つの地図を完成させるために必要な断片の数は,一定なんですか?

竹田氏:
 最初のうちは,3,4枚の断片を集めたら地図が完成します。その場合,小さな沈没船が比較的近い場所――ヨーロッパの近辺――で発見できるでしょう。
 しかし,歴史上有名な船だったり,ヨーロッパから離れた海域で沈み,情報が入手しにくい沈没船については,地図も細かな断片に分かれてしまっており,地図を完成させるには多くの断片が必要になります。

4Gamer:
 なるほど。当然,完成させるのが難しい地図ほど,眠っている財宝の質/量が高いわけですよね。

竹田氏:
 はい,そのとおりです。

4Gamer:
 ちなみに,沈没船を無事引き上げたあと,その地図は収集品や記念品として保管できますか? 有名な船の場合は,コレクターズアイテムとしてとっておきたくなりそうですが。

竹田氏:
 地図としては残りませんが,名のある船を引き上げた場合,それは発見物扱いになり,「○○号」という発見物カードとしても手元に残ります。
 名もなき小さな沈没船とその地図は,ランダム生成されるため,何度でも引き上げ可能ですし,歴史上有名な沈没船の場合でも,発見物カードを消費してしまえば,同じ船の再引き上げも可能です。

渥美氏:
 沈没船は,地図の収集と完成,そして引き上げに加えて,曳航して寄港しなければなりません。その途中では,当然海賊に襲われる可能性もあるわけでして……。

4Gamer:
 うわ,そう言われてみると,曳航中は危険そうですね。襲った側の海賊は,曳航していた沈没船を横取りできてしまうのですか?

渥美氏:
 いえ,横取りできるのではなく,沈没船はその地点に沈んでしまいます。曳航中に引き上げた沈没船を沈められると,その場でもう一度引き上げ作業を行う必要があります。

4Gamer:
 うーむ,それはドキドキしますね。発表会では,サルベージスキルさえあればソロでの引き上げも可能という話でしたが,曳航中海賊に襲われる可能性を考えると,仲間と協力したほうがいいかもしれませんね。

渥美氏:
 そうですね。これまで冒険者のプレイヤーは,ソロプレイを好む傾向が強かったのです。そこで冒険者に,何らかの形で協力し合えるコンテンツを作りたくて,沈没船の引き上げという新要素を考えました。

4Gamer:
 沈没船の中の財宝としては,どんなものが用意されているのですか? 有名な沈没船ともなると,その積み荷の価値は計り知れないでしょうね。
 また,沈没船内の探索では,罠や戦闘といった障害が用意されているとのことですが,罠や戦闘の攻略難度は,どの程度なのでしょうか。

竹田氏:
 財宝の内容については,現在詳しいことは説明できないのです。引き上げてからのお楽しみということで,ご容赦ください。
 沈没船内の攻略難度は,沈没船の規模にもよります。引き上げたのが名もない小さなバルシャであれば,小さな部屋で宝箱に罠もありませんが,大型船ならば大きな船室と,それなりの危険が待ち構えています。

渥美氏:
 船の中では,皆さんが想像するような,「何かに襲われる」可能性があるので,陸戦経験を積んだ冒険者や軍人と一緒に行動することを,おすすめします。



■誰もが所有できる自分だけの生産拠点
■「プライベートファーム」

4Gamer:
 次に「プライベートファーム」についてお聞きします。これは本当に,プレイヤー全員が一つずつ,必ず所有できるのですか?

渥美氏:
 プライベートの名前どおり,自分だけの島を誰でも持てるようになります。

4Gamer:
 以前,個人の持ち家システム「アパルタメント」のお話を伺った際,「アパルタメントで植物が育てられたり,庭で家畜を飼えたりしたらもっと楽しいですよね」などという妄想を,渥美さんとお話しました。プライベートファームは,その第一歩と考えていいのでしょうか。

竹田氏:
 いえいえ,まだそこまでは(笑)。プライベートファームもまだ,基本的な枠組みを開発しただけなので,そこまでできるようになるかは,まだ我々にも分かりません。

4Gamer:
 鉱山があったり牧畜に適していたりと,見つけた島によって得られる資源が異なるそうですね。最初に発見した島よりも,さらに自分に適した島を見つけてしまったら,移住はできるんですか?

竹田氏:
 もちろん可能です。所有した島を一度手放せば,また違う島をプライベートファームにできます。まさに大航海時代の夢といいますか,最初にそこにたどり着いて旗を立てたら,「自分の物」宣言が成立するわけです(笑)。

渥美氏:
 少しプライベートファームについて補足させてください。発表会では,Cruz del Surで公開される新海域だけに,プライベートファームとなる群島があるように聞こえてしまったかもしれませんが,実際には,各国の本拠地からそれほど遠くない海域にもあります。まだそんなに遠くへ行けないというプレイヤーの皆さんも,ご安心ください。

4Gamer:
 スキルさえあれば一人でも可能な沈没船の引き上げ,生産スキルを一つも習得してなくても,中間素材や特殊レシピを利用可能なプライベートファーム。どちらも一人でコツコツと楽しめる,今までの大航海時代 Onlineにはなかった遊び方を提供してくれるコンテンツですね。やはり,Cruz del Surの実装によって,大航海時代 Onlineは一つの転換期を迎えると考えてよいのでしょうか。

渥美氏:
 ソロプレイでも楽しめるのは,大航海時代 Onlineの大きな特徴であり,実際にそういった楽しみ方をしているプレイヤーさんも多いことでしょう。そのような皆さんに対して,新たなソロプレイの楽しみを提供するとともに,オンラインゲームならではのコミュニケーション,例えばプレイヤー同士が助け合ったり,共に協力して何かを成し遂げたりといった要素について,「Cruz del Sur」ではご提案しようと考えているのは確かです。

竹田氏:
 一般的なMMORPGでは,プレイヤー同士が一緒に,同じ目的へ向かって行動しますよね。ですから種族や職業といったキャラクターごとの役割分担/特徴を,きっちり分ける必要性があります。
 ところが大航海時代 Onlineでは,冒険者,軍人,商人のそれぞれで,ゲーム内で目指すものがまったく異なります。職業の分化を進めてしまったら,それこそみんな,ゲーム内でバラバラになってしまうでしょう。

4Gamer:
 確かにそれはありますね。

竹田氏:
 職業制限の壁を作って,該当スキルがないと参加できないというコンテンツを増やすのではなく,逆に職業が異なっても自分の得意な分野で誰かのために貢献できる。職業の枠をこえて,プレイヤー同士がもっと積極的に関わりあうために,沈没船引き上げやプライベートファームに代表される生産/交易要素の充実を図ることにしたのです。

渥美氏:
 軍人一筋のプレイヤーが,商会メンバーの生産に必要な中間素材を作ることで協力できたり,たくさんの素材が生産できたりしたら,今まではあまりやらなかったバザール(露店)も楽しめて,多様なゲーム性が体験できるのではないでしょうか。



■海戦をより熱くする「バトルキャンペーン」
4Gamer:
 次は,大規模対人戦が楽しめる「バトルキャンペーン」について話を聞かせてください。これはPK行為をしている,いわゆる海賊プレイヤーでも普通に参加できますか。

竹田氏:
 はい,レッドネームのままであろうと,どなたでも参加できます。

渥美氏:
 大航海時代 Onlineのプレイヤーには,模擬戦を楽しんでいる方がとても多くいらっしゃいます。模擬戦とは違う新たな戦いの場を用意したい,というコンセプトのもとに生まれたのが,このバトルキャンペーンです。
 戦いの場はインスタンスゾーンになっています。勝利国には,該当エリアの街の影響度がアップするメリットを用意しました。従来の対人戦イベント「大海戦」は,特定の港町への影響度に大きく関係しましたが,バトルキャンペーンはもう少し,広く浅く影響度に変化を与えると考えてください。

竹田氏:
 7日のキャンペーン期間中なら,24時間いつでも対戦可能というのも,広く浅く,誰でも参加できるようにする配慮です。これだったら,なかなか時間が取れないプレイヤーでも,1回ぐらいは参加してみようかな,という気持ちになってもらえるのではないかと期待しています。

渥美氏:
 バトルキャンペーンの実施は,今のところ毎月1回を予定していますが,毎回,対象となる海域も変化します。地域によっては,浅瀬や岩場が多かったり,両陣営の間に海峡が横たわる,障害物が何もないマップだったりするでしょう。
 マップには,中央にある中立海域と,それを挟む形で敵国側,自国側が存在し,三つのゾーンに分かれています。自国側よりは中立海域,中立海域よりは敵国側のゾーンで相手を倒したほうが,より高いポイントが手に入る仕組みです。

4Gmaer:
 プレイヤーはマップに合わせて,参加する船を取り替えたり,戦術を練ったりする必要が出てくるわけですね。軍人や海賊にとっては腕の見せどころになるでしょうし,模擬戦が好きなプレイヤーには大いに受けそうですね。

竹田氏:
 インスタンスマップのバリエーションも,随時増やしていく予定です。ぜひ期待していてください。



■Cruz del Surでは,「もう一つの遊び方」
■という寄り道を作っていきたい

4Gamer:
 ところでCruz del Surでは,新職業の追加は行われないのですか?

渥美氏:
 先ほどのクイズ大会で,ボツになった新職業案は? という問題がありましたよね。

4Gamer:
 答えが「メイド」だったのは覚えていますが……。

渥美氏:
 では正解ではなかった,残りの三つの職業はどうなるの? ということです(笑)。

4Gamer:
 なんと,そういうことでしたか(笑)。ええと確か「ソムリエ」「家畜商」「サルベージャ」の三つですよね。それらが追加実装される新職業というわけですか。
 サルベージャは沈没船引き上げに関わるスキルが優遇されますよね。家畜商は,その職業名からどんなスキルが優遇されるのか,だいたい想像できます。ソムリエの優遇スキルは……。

竹田氏:
 当然,お酒に関するスキルが得意な職です。お酒の取引や,料理に長けたイメージです。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに,ボツになってしまったメイドは,何らかの形で採用されませんか。例えば副官専用の職業として,どうでしょう。

竹田氏:
 なるほど(笑),まあ……考えておきます。

4Gamer:
 発表会では分かりにくかった,新要素の細かな部分についていろいろと教えてもらいましたが,大航海時代 Online全体についてのお話も聞かせてください。
 Cruz del Surの導入により,新たな海域がさらに広がるわけですが,単に海域が広がり,新しい港とそれに付随する特産品やアイテムが追加実装されるだけでは,プレイそのものはこれまでの延長,繰り返しになります。Cruz del Surには,プレイヤーが初めて大航海時代 Onlineの新米航海士として出航したときのようなドキドキ感を,再び味わえるような工夫は盛り込まれているのでしょうか?

竹田氏:
 そうですね,繰り返しになってしまいますが,Cruz del Surに盛り込まれた新コンテンツは,新たな海域の拡張に加えて「もう一つの遊び方」という寄り道を作るのが目的でした。ベテランプレイヤーの方々というのは,「今度インドに行くからこれを準備しておこう」といった具合に,「前もって準備しておく」プレイが多くなりがちです。それではおっしゃるとおり,プレイそのものが単純作業となってしまいますが,Cruz del Surの実装により,同じ航路を巡っていても選択肢の幅が増えるわけです。
 バトルキャンペーンにしても,制海権をめぐる真剣勝負だけではなく,レベルや船の制限をかけることで,例えば商人限定や中型船限定といった戦闘も開催できます。プレイヤー自身が,それぞれの楽しみ方を見つけられると,開発者としては嬉しい限りです。

渥美氏:
 ただ,選択肢をいくら用意したといっても,実際にプレイヤーの皆さんがそれを遊んで,楽しんでもらえなければ意味がありません。コンテンツという土台を用意したら,あとはプレイヤー任せというわけではなく,自然と自分だけのプレイスタイルを見つけられるような環境を提供していくのが,運営側の大切な仕事だと考えています。

4Gamer:
 Cruz del Surのコンセプトの一つ「世界一周航路」についても,一度依頼を受けて世界一周を経験してしまったら終わり,というわけではなく,別の楽しみ方が用意されているのですか?

竹田氏:
 それについては,次のアップデートで用意する予定です。今回のChapter1では,西回り航路による世界一周がついに可能になるわけです。なので,まずは皆さん,一度は世界一周を体験しようという目標を立てるでしょう。
 その次の目標としては,では誰が一番早く世界一周航路を回れるのか……,つまりレースイベントの開催なども考えられます。

4Gamer:
 最短タイムを競うレースを中型船限定,混合などの階級別にやっても面白そうですね。小型船での世界一周は,ちょっと大変なことになると思いますけれど。

渥美氏:
 小型船は厳しそうですね(笑)。ともあれ世界一周レースなどは,世界一周航路が実現するからこそ,企画できるイベントです。Cruz del Surの導入によって,今後もさまざまなイベントが実現可能になるでしょう。

4Gamer:
 ちなみに,企画は出たけれども実現できなかったものは,結構あるんですか?

渥美氏:
 大航海時代 Onlineは,非常に広大な世界を題材にしているので,まだまだやり残していることは山のようにあります。

竹田氏:
 世界にはいろんなお祭りがありますが,それを全部ゲーム内で再現することは,物理的に不可能です。本当は定期的に実施したいイベントでも,去年やったから今年は別のイベントを優先しなければ……と,取捨選択が難しいのが悩みの種です。

渥美氏:
 大航海時代 Onlineで行われるイベントには,世界のお祭りを題材にした季節イベントや,歴史スペクタクルイベント,コラボレーションもののイベントなどがありますが,今後はそこへ,さらに新しいタイプのイベントを追加したいと考えています。
 世界一周という新しい要素が入ってきたこともあり,先ほど話題に上ったレースイベントなど,何か面白いものを提供していきたいです。

「まぼろしの職業クイズ」の問題と答え。確かに船長とメイドの両立は,いろいろな意味で難しそうである


■世界観を盛り上げる各種クエストは
■専門の「クエスト班」が手がける

4Gamer:
 そういえば,発表会ではオスマントルコのプレイヤー国籍化の話が出てきましたが,プレイヤーの皆さんからの質問も多かったのでしょうか?

渥美氏:
 最も多かった質問は,日本実装に関するものでしたが,オスマントルコについても非常に多くの質問が寄せられました。

4Gamer:
 オスマントルコ帝国とは,また渋い選択ですね。歴史好きなプレイヤーにとって,思い入れのありそうな国家ではありますが。でも,ヨーロッパの歴史と大航海時代という背景を考えると,なかなか触れづらいところですね。もしもオスマントルコ帝国という新国家を実装するとなると,宗教/民族問題をまったく無視するわけにはいかないと思うのですが。

竹田氏:
 それについては,我々にとっても悩みどころです。もしオスマントルコという国家を実装するとなった場合,一方的な歴史観でこの国を語ると,異端のような扱いになってしまいかねません。
 現在の大航海時代 Onlineでは,勅命や依頼に関する会話の中で,国家同士が対立しているということは示しますが,その原因までは深く触れないようにしています。歴史上の事実として宗教問題が絡んでいたとしても,クエストの中に,例えば「異教徒を排除せよ」などといった目的を持たせることは,したくありません。オスマントルコ帝国が新たな国家として導入されたとしても,この姿勢を変える予定はありません。

4Gamer:
 なるほど。仮に今後,オスマントルコが実装されても,無用な問題は発生しなさそうですね。安心しました。
 ところでCruz del Surに限らず,新海域が開放されるとシナリオイベントも同時に追加されますよね。ああいったシナリオは,誰がどのように作成しているんですか?

竹田氏:
 これは内部的な話になりますけれど,史実とゲーム世界をリンクさせるようなクエストを作る,クエスト班というものがあります。

4Gamer:
 クエスト班に所属しているメンバーは,元々歴史好きだったスタッフを選んでいるんですか?

渥美氏:
 もちろん昔から歴史好き,美術好きといったスタッフも,いないわけではありませんが,クエスト班に所属してから猛勉強を始めた人も,少なくありません。

竹田氏:
 大航海時代 Onlineも長いことサービスを続けていますし,自然と知識が蓄積されていくところもあるでしょう。発見物の生物に関するコンテンツをずっと担当しているスタッフや,美術を担当しているスタッフは,いつの間にかその分野のスペシャリストに育っていました。

渥美氏:
 その分,ほかのMMORPGに比べて手間も時間もかかっているとは思います。もしも何も情報の蓄積もない状況で,大航海時代 Onlineのようなゲームを一から作ろうとしたら,データベース不足で大変な思いをするでしょう。ゲーム制作を通じて得た膨大な情報と経験は,当社の財産といっても過言ではありません。



■Cruz del Surは,大航海時代 Onlineにとっての転換点
4Gamer:
 そろそろ時間のようなので,今後の方向性や,大航海時代 Onlineが目指すところを,可能な範囲で教えてください。

渥美氏:
 発表会で,「Cruz del Surは大航海時代 Onlineの転換点になる」と言いましたが,本当に大きな転換を迎えるのでは,と考えています。
 地中海周辺から始まり,順調に新海域を広げ世界一周が可能になるところまでは,正直多くの人が想像できたと思います。しかしここから,大航海時代 Onlineをどういった方向に導くかについては,本当にさまざまな可能性があります。

4Gamer:
 おっしゃるとおりですね。単に世界一周を可能にするだけだったら,どのタイミングでも可能でしょう。

渥美氏:
 そうですね。これはあくまで例えばのお話ですが,従来のアップデートと同様に何らかの海域を開放して,街や新システムを追加していくもよし,既存の海域についてもっと深く掘り下げていってもよし。あるいは,ヨーロッパ大陸の内部に新たな町を作り,大航海時代の世界すべてを再現するようなゲームにするということも,不可能ではないでしょう。
 そういった可能性のうちどれを選ぶのか。一つではなく複数を組み合わせてプレイヤーの皆さんに提供するのか。その選択によっても,大航海時代 Onlineの方向性は大きく変わるでしょう。

竹田氏:
 今まで,実装したかったけれど取りこぼしてきたものは,たくさんあります。広げるだけ広げた海域の中身を埋めていくようなコンテンツの候補は,山のように存在しています。今回の沈没船引き上げなども,そのうちの一つです。我々も,先のことはいろいろと考えているので,ぜひ期待していてください。

4Gamer:
 では最後に,恒例の読者へのメッセージをいただけますか。

渥美氏:
 Cruz del Surのテーマ「世界一周」は,開発当初から目指してきた目標です。8月22日に皆さんのお手元にお届けできるよう,チームメンバー一同頑張りますので,よろしくお願いいたします。

竹田氏:
 Cruz del Surの実装によって,大航海時代 Onlineのゲーム内世界がついにつながります。これまで以上に,スケールの大きな海洋冒険が楽しめると思うので,ぜひ楽しみにしていてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 大航海時代 Onlineは,これから大きな転換期を迎えると語ってくれた渥美氏。確かに,世界の「広さ」を拡張するためのアップデートには,限界がある。「ゲーム内世界のすべてのマップが公開されてしまったら,そのあとはどうなるんだろう?」と不安に思うプレイヤーもいるだろうが,世界一周が可能になるタイミングを「転換期」としているところを見ると,同作の「深さ」や「厚み」には,まだまだ拡張の余地があるということだろう。渥美氏/竹田氏の舵取りに大いに期待しつつ,今は,Chapter1の実装日である8月22日を楽しみに待ちたい。(Text by 麻生ちはや,photo by 市原達也)

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