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インディーズゲームの小部屋:Room#597「DARQ」
お盆休みが明け,都内の人の多さに早くも辟易している筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第597回は,Unfold Gamesの「DARQ」を紹介する。本作は,クリーチャーがうろつく悪夢の世界を探索しつつ,生還する方法を探すというパズルアドベンチャーだ。東京オリンピックが開幕したら,一体どうなっちゃうの……。
本作の主人公は,夢の中に捕らわれたロイドという少年。目を覚まそうとしても起きることができず,夢はどんどん悪夢と化していく。ゲームの目的は,そんなロイドとなり,この悪夢の中で生き延びる方法を見つけ出すことだ。
本作でまず目を引くのが,不気味な雰囲気が漂うモノトーン調のグラフィックス。いかにも悪夢の世界らしく,暗闇に包まれた廃墟やシアター,地下鉄構内や列車の内部など,脈絡なくつながったさまざまなシチュエーションを探索していく……のだが,一番不気味なのはロイド本人じゃないかという気がしないでもない。
基本的なゲームの進め方は,あちこちで手に入れたアイテムを正しく使い,パズルを解いていくというものだが,特徴的なのは物理法則を無視して,壁や天井を歩いて行けるという点。床に設置されたレバーを操作し,部屋や通路を丸ごとぐるりと回転させることで,一見すると行き止まりに見えるところも通行できるのが,ややこしくも面白い。
パズルは比較的簡単だが,床が天井になったりするこの仕掛けのおかげで適度な複雑さが保たれており,ちょっとした頭の体操にぴったり。また,ステージには奇妙なクリーチャーが徘徊している場所があり,いいアクセントになっている。ロイドは戦う術を持たないので,身を潜めてやり過ごしたり,こっそり忍び足で通り抜けたりして突破しよう。
どことなくホラーっぽい印象を受けるゲームだが,実際にはそれほど怖いシーンはないので,ホラーが苦手な人でも最後までプレイできるはず。果たして,ロイドは悪夢の世界から抜け出せるのか。不気味な世界観に引かれた人は,ぜひ遊んでみてほしい。そんな本作はSteamにて,2050円で発売中だ。
■「DARQ」公式サイト
http://darqgame.com/- この記事のURL:
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