連載
インディーズゲームの小部屋:Room#176「NEO AQUARIUM -甲殻王-」
海の一部を切り取ってお茶の間に転送できるという,画期的な新技術が開発された近未来。この技術を用いて作られた“NEO AQUARIUM”と呼ばれる水槽は,たちまち大ブームを巻き起こす。しかし,空間転送に伴う環境の激変によって海洋生物達が急激に進化してしまい,レーザーやらミサイルやらを撃ち合って激しく争い始めるという事態に。そこに目をつけた人々が生み出した新たな娯楽が,複数の水槽を繋げて海洋生物同士を戦わせる“アクアリウムバトル”だ……。
常識的に考えれば,この中で唯一,成体になると自力で動けないフジツボが圧倒的に不利な気もするが,本作のフジツボは繁殖によって移動する能力があるので意外とそうでもない。しかも,増えたフジツボすべてに攻撃能力があるので,かなり手ごわい敵にもなりうるのだ。
各生物はそれぞれ遠距離攻撃と近接攻撃を持っているほか,パワーゲージとスキルゲージを溜めて特殊能力を発動したり,自分の体の一部を切り離して攻撃したりすることもできる。本作では,海老やヤドカリは真っ直ぐ歩けるが,蟹は横歩きしかできないなど,選んだ生物によって移動の仕方や攻撃方法が大きく異なるので,思いどおりに操作するにはかなり慣れが必要だ。まずはマニュアルにもあるとおり,伊勢海老で基本操作を学んでおくのがいいかもしれない。
そんなときはどうすればいいか? そう,脱皮だ。脱皮すれば失った脚もすべて元どおり。さすが甲殻類,脚の7本や8本失ってもどうってことないぜ! とはいえ,脱皮するとパワーゲージをすべて使用してしまうので,しばらくスキルを使えなくなってしまう。当然ながら,敵の攻撃は可能な限り回避するに越したことはない。
また,アクアリウム内には対戦相手のほかにも,イソギンチャクやなまこなどさまざまな生物がおり,これらを自分の周囲に展開できる支配領域に入れることで味方にすることができる。味方になった生物は一緒に戦ってくれるので,真正面から敵にぶつかるだけでなく,いかに自分に有利な環境に相手を誘い込んで戦うかが勝利の分かれ目だ。
操作可能なキャラは「STORY MODE」をクリアすることで増えるほか,STORY MODEのクリア後に遊べる「EX MODE」をクリアすると「人間(ダイバー)」が,さらにSTORY MODEを難易度HARDでクリアすると伊勢海老娘の「海老塚 伊瀬」が使えるようになる。このほかにも,ネットワークを使った対戦機能や,ゲーム中で手に入れたアイテムを使って自由に水槽をカスタマイズできる「AQUA EDIT」モードなども用意されており,なかなかに遊び応えがある。
公式サイトでは,そんな本作の体験版が公開されているので,伊勢海老とズワイガニのどちらが強いのか気になって夜も眠れないという甲殻類マニアは,さっそくダウンロードして遊んでみてほしい。また,製品版は1050円(税込)にて発売中だ。
■「NEO AQUARIUM -甲殻王-」公式サイト
http://www.neoaq.net/- この記事のURL:
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