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インディーズゲームの小部屋:Room#82「Dyson」
Independent Games Summitの初日の模様は,奥谷氏がお伝えしたとおりだが,「インディーズゲームの小部屋」の第82回では,2009年(つまり今回)のIGFのファイナリストにノミネートされている「Dyson」を紹介しよう。小惑星の上に,星に覆いかぶさるほど大きな木(Dyson Tree)を育て,種を飛ばして勢力を広げ,小惑星帯を征服するという摩訶不思議なRTSだ。数あるノミネート作の中でも数少ない,無料でフルバージョン遊べるゲームという点も,懐具合にいささかの不安を抱える筆者にとって好都合である。
プレイヤーは,この飛び回っている種を一定量消費して,小惑星の上にDyson TreeとDefensive Treeという2種類の木を植えられる。Dyson Treeは成長すると種を放出し,Defensive Treeは普段は何もしないが,ひとたび敵から攻撃を受けると自動的に強力なカミカゼアタック(?)をぶちかます,反撃用の種を放出する。一つの星に植えられる木の数は決められているので,これらをバランスよく育てて,まずは最初の星で力を蓄えよう。
木がある程度成長し,飛び回る種の数が増えたら,よその小惑星を征服しにいこう。マウスの左クリックでドラッグすると,すべての種をほかの小惑星に飛ばすことができ,右クリックでドラッグすると種を一つずつ飛ばせられる。右クリックでドラッグする前に右クリックを数回押すと,押した数だけ飛ばす種を追加できるので覚えておこう。飛んでいった先に敵の木が生えており,敵の種が飛び回っていると戦闘になるので,最初は少数で偵察に行くのがいいかもしれない。
プレイムービーを用意したので,実際のプレイの様子をそちらで確認してみよう。少々地味なムービーだが,ゲームの雰囲気をつかんでいただければ幸いだ。
ゲームは全体的にスローペースで,複雑な操作も必要としないため,RTSがそれほど得意でない人でも楽しめるのが嬉しいところ。とはいえ,高難度のステージでは,のんびりしていると思わぬ敵の大軍に攻め込まれたりするので,油断は禁物だ。そして何より,抽象的なグラフィックスと,効果的なBGMによって生み出される不思議な雰囲気が本作の魅力であり,興味を持った人にはぜひ一度プレイしてほしい作品だ。なお,IGFの授賞式は,3月25日に行われる予定。今回はどの作品が受賞するのかにも注目しておきたい。
■「Dyson」公式サイト
http://www.dyson-game.com/- この記事のURL:
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