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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第701回「今年のTGSに期待すること」
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印刷2022/09/15 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第701回「今年のTGSに期待すること」

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著者近影
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 年を取れば取るほど,「いつの間にか」が多くなる。現に,いつの間にか2022年も残り3か月ちょいを残すのみだし,いつの間にか私が保護犬を迎え入れていたし,いつの間にかこの連載も700回を超えていた。連載が始まった当初は,まさか700回の記念すべき回でゲイムの情報以上に犬について語るなんて思ってなかったよ。
 そして,ここ数年毎年感じる「いつの間にか東京ゲイムショウ(以下,TGS)の週になっていた」が今年も発動。今年のTGSは3年ぶりに会場に一般のお客さんを入れる形での開催。私としては,4Gamerの配信に出演するので幕張には行かないけれど。何かが試されるTGSになるのかな,とは感じております。

 3年って何かが変わるには十分な時間。そして,はからずも「お客さんを入れる」ということが,どういうことなのかを考えさせられることになるんじゃないかな? と私個人としては思っております。
 今まではね,そこにあったのですよ。学校生活に文化祭や体育祭,修学旅行があるように。TGSもいつの間にか秋が来ればそこにあるものとして行われていた。毎年,「過去最高の来場者数を更新」していた。でも,TGSがオンライン開催をしている間に,世の中の在り方が変わった。いつの間にか,何かのイベントに足を運ぶことが普通のことではなくなった。
 私の本業はプロレスで,基本的には人を集めてお金をいただく仕事。だから,人が集まることが「普通ではないこと」に変貌したここ2年半,イベント業界の厳しさを目の当たりにしてきた。それでも私は,人を集める仕事を辞めていないんだけどね。結局のところ,人が集まることによって生まれる力を信じているから。
 世の中はだいぶ個人を尊重するような時代になってきた。しかし一方で,モラルに反することは大勢が叩き,正される時代にもなった。モラルの線引きを決めているのは誰なのか分からないまま。
 一応は人前に出ている立場の私はたまに思う。誰の目を気にして表現しなきゃいけないんだろうか? と。来てくれる人? 来るか来ないか分からない人? 絶対来ないであろう人?

 例えば2年前,新型コロナウイルスについて分かることが今よりも少なかったとき,「こんな時期に人を集めてイベントするなんて」と言ってきた人が多くいた。気持ちは分かる。言っていることは間違いじゃない。一方で,イベントを開催する側の気持ちも分かる。そちらも間違いではない。私の立場では,どうしても開催側の気持ちに寄ってしまうけれども。これは,どちらも正しくて,間違っていないと私は思っている。
 ただ,あれから時間が経って思うのは,あの時期,イベント開催に対し何かを言っていた人は,今も言い続けているのだろうか,ということだ。状況が変わった,あのときは情報が圧倒的に足りなかった……など,いろいろと背景はあるでしょう。だけど,あの時期の姿勢を,今も一貫しているのだろうか? ひょっとしたら,その時の感情で文句を言っていただけなのでは?
 こう書くと誤解を生みそうだから述べておくけれども,正解なんて分からないと私は思っているし,誰が悪いなんて言うつもりもない。今の常識が,後に間違いだったと判明することはざらにあるしね。トレーニングでも,筋トレ後30分以内にプロテインを飲むと効果的と言われてきたのが,実はそうでもないってことに現時点ではなっていたりしてる。
 私の考えとしては,正解が分からない中で感情に任せて批判するのは怖いって話。批判自体はどのタイミングでもしていいと思っている。でも,批判ってある程度の根拠が必要なわけで。ここが今,逆転してる気がする。一般論的根拠さえあれば,いくら批判してもいいっていう。
 コロナの場合,「感染が広がったら責任とれるのか」的な。それさえ言えば,相手の状況や意見がどうかなんて関係なく筋は通っちゃうからね。けど,何もしないわけにはいかない状況の人だって確実にいる。このところ,そういう分断が多くなってるかなあという印象。正解なんて分からん。正解があるかどうかも分からん。世の中は分からんことだらけだ。今後,プロテインは筋肉に悪いって説が出てくるかもしれんしな。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第701回「今年のTGSに期待すること」

 うん,話が逸れすぎたな。TGSの話ですよ。どうなるんだろう。単純に,興味津々。コロナ禍において,各種の新情報を各社が独自でネットなどを通じて発信する姿勢が,従来よりも目立つようになった気がする。幕張に行けば何かがある,の「何か」が情報ではなくなった。となると,その何かとは何か? 人が集まる理由は何? そうした疑問に対する何らかの答えを,TGSはお客さんを入れる今年,提示する必要があるんじゃなかろうか。
 お祭りって出展する側も,遊びに行く側も双方Win-Winで初めて成立するものだと私は考えるから。出展する側にメリットがなければ今後出展しなくなるだろうし,遊びに行く側が楽しいと思えなければ今後足を運ばなくなる。今年は,その一歩目だ。
 いつの間にか変わってしまった世の中で,今後の立ち位置を試されるのが,観客を入れる今年のTGS。TGSが日本のゲイム業界最大のお祭りでいられるのかそうでないのか。ゲイムの歴史の分岐点なんじゃないかなあ,と私は勝手に注目しておる次第です。私,幕張行かないけど。
 「いつの間にか」,より良い,時代や世の中の状況に合ったイベントになればいいなあ。この原稿が掲載されるときにはもう今年のTGSは始まってるんだろうけど,心からそう思っております。今年は会場に行けないからこそ,「来年は会場に行きたい!」と思える4日間になるといいな。では,4Gamerの配信でお会いしましょう。

4Gamerの東京ゲームショウ2022特設サイト


今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「地球防衛軍6
Nintendo Switch:「グリムグリモア OnceMore
iOS:「ロードモバイル
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,9月18日(日)11:30より東京・後楽園ホール大会「STERNNESS 30th anniversary〜秋山準デビュー30周年記念大会〜」を開催します。ディーノ選手は飯野“セクシー”雄貴選手&今成“ファンタスティック”夢人選手&竹田“シャイニングボール”光珠選手とのフェロモンズとして,高木三四郎選手&大鷲 透選手&アントーニオ本多選手&平田一喜選手と対戦します。ディーノ選手は「一秒でも早く帰って犬に会いたいから,興行の時間を短くするためにも秒殺するしかない」と語っていました。
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