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「Steam」の一部作品で日本からの購入ブロックが解除。きっかけはスクウェア・エニックス和田社長とユーザーとのTwitter上でのやりとり
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これまでデジタル配信システムSteamでは,日本のゲームメーカーが日本国内におけるパブリッシング権限を持っているタイトルは,日本からの購入ができないようにブロックされていることが多かった。そして,このことを嘆くPCゲーマーの数もまた多かった。英語圏でインターネットを使ったデジタル販売が始まったばかりの頃はどんなタイトルでも大抵買えていたのだが,時間が経つにつれてリージョンによる規制のようなものがキツくなって,最近では「デジタル配信されたところで,どうせ日本では買えないんでしょ……」と,初めから半ばあきらめムードになってしまうPCゲームファンも少なくないと思われるほどに。事実,筆者はそうであるし,4Gamerの週刊連載「海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜」を手がけている編集部のおじさん松本隆一が,紹介したい海外ゲームがスムーズに用意できなかったりして,なんだか困っている様子をよく見かける。
しかし,この状況に変化が起こった。現在,Steamでは,スクウェア・エニックスがパブリッシング権限を持っている作品が,日本からでも購入できるようになっているのだ。編集部で確認したところ,「Just Cause 2」「Supreme Commander 2」「Batman: Arkham Asylum」といったEidos作品が,日本からでも検索にヒットするようになっている。
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購入ブロックに関するユーザーからのツイートを受けた和田氏は,すぐに調査をすると返信。そして数日経った本日30日の10時前後に,和田氏はこのようなツイートを発信している。
和田氏のツイートによれば,「先方担当と当方担当、当方担当者間、各々のコミュニケーションギャップが複雑骨折になっていた」ことが,日本からSteamでスクウェア・エニックスがパブリッシング権限を持つ作品を購入できなかった原因であったらしい。この状況はもう改善されたようで,今後はこういった作品もSteamでスムーズに購入することができそうだ。
このことを歓迎するPCゲームファンは多いはずだ。買いたいものを自由に買えるようになったことも重要だが,メディア環境の発達によって,ユーザーの意見が企業のトップに直接届くようになり,それがこのようなスピードでの状況の変化につながったこともまた非常に重要なことだ。
当然,和田氏の対応が的確なことが問題解決につながっているわけだが,この一件でスクウェア・エニックスという会社に対する印象が,良い方向に大きく動いたというゲームファンは多いに違いない。
スクウェア・エニックスがパブリッシング権限を持つ作品は購入可能になったが,まだSteam上でブロックのために買えないようになっている作品は少なくない。今後は国内のほかのゲームメーカーの動きにも注目したい。
デジタル配信システム「Steam」
※6月30日21:15ごろ追記:今回Steamで日本から購入可能になったのは“スクウェア・エニックスが単独で国内のパブリッシング権限を持つ作品”である。権利関係の詳細は分からないが,例えば「Call of Duty: Modern Warfare 2」などは,今のところ購入可能にはなっていないようなので注意しよう。
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