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SELECTED INDIE 80「MASK IT」プレイレポート。写真にモザイクをかけ,フェイクニュースに仕立ててバズらせる,ブラックユーモアたっぷりのADV[TGS2026]
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印刷2026/09/19 20:07

プレイレポート

SELECTED INDIE 80「MASK IT」プレイレポート。写真にモザイクをかけ,フェイクニュースに仕立ててバズらせる,ブラックユーモアたっぷりのADV[TGS2026]

 東京ゲームショウ2026の企画展示「SELECTED INDIE 80」のコーナーに,LudenArtsが開発中のアドベンチャーゲーム「MASK IT」が出展されている。

 2026年1月に行われたGlobal Game Jam 2026で企画・開発されたタイトルで,写真のモザイク加工を意味する「MASK」をタイトルに冠した,強烈なブラックユーモアが込められた作品だ。

SELECTED INDIE 80「MASK IT」展示コーナー
画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / SELECTED INDIE 80「MASK IT」プレイレポート。写真にモザイクをかけ,フェイクニュースに仕立ててバズらせる,ブラックユーモアたっぷりのADV[TGS2026]

 プレイヤーはネットニュースの新人編集者となり,元記事の写真をよりセンセーショナルに見えるよう改ざんして,フェイクニュースでアクセス数を稼いでいく。

ゲーム冒頭,「不同意」の“不”の部分を塗りつぶして「同意」へと改ざんする規約の演出も皮肉が利いている
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 記事をバズらせるポイントとなるのは,タイトルにもある「マスク=モザイク加工」だ。画面には,ありきたりな記事とそれに添えられた写真が表示される。この写真の特定箇所に規定数のマスクをかけてプレビューを表示すると,元記事とはかけ離れたセンセーショナルな内容の記事が完成する。

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チュートリアルで提示される,荷物運びに汗を流す作業員の写真。怪しげなところに手袋があるのが気になる
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マウスでマスクをかけたい範囲を選択。手袋だけを残して荷物を隠すことで,何か別のものを運んでいるような写真となる
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その結果,このような,事実とはまったく違うニュースになる。本作の世界にモラルやコンプライアンスなどはなく,結果がすべてなのだ

 たとえば「有名人がピースサインを出している写真」の両手部分をマスクすることで「こちらに中指を立てる下品なポーズをした」という内容になる。展示会で画家とキュレーターが名刺交換をしている写真の手元を隠せば,「画家が自分の作品を展示してもらうために賄賂を渡した」となる。強烈すぎるフェイクニュースが,主人公の活躍によって世に送り出されていくのだ。

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ネタバレになるので詳しくは書かないが,画家が美術館の出展作品に絵を描き足している様子の一部を隠して改ざんする
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写真によってマスクできる場所が複数あったり,改ざんの結果に複数の可能性が用意されていたりすることもあるそうだ

 ゲームは主人公の姿を追うサイドビュー形式で進行する。ニュースの公開後に家に帰ると,その内容が衝撃的なニュースとしてTV番組で紹介される演出が展開される。
 こうして描かれる主人公は,性格に難がありそうなクセの強いキャラクターではなく,感情の起伏が少なく,ニュース作りも仕事として淡々とこなしているだけという設定にも妙な現実感がある。

ゲーム内の何日分かをプレイしてみたところ,主人公の毎日はほぼ変わりなく,ゲームとしてはちょっと退屈なのだが,彼の人柄を表す演出のようにも思えた
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  筆者自身が立場上,こうした,現実でバズらせることを目的としたニュースを見たり書いたりすることが苦手なせいか,なかなか“正解”の改ざんに至らず,アテンドをしてくれた開発者にアドバイスをもらうこともあった。
 改ざんのヒントを表示してくれるボタンもあるが,バズらせるためにどう改ざんするかは多少なりともセンスが必要なのかもしれない。

マスクする箇所は画面右の枠に表示されていて,正解すると演出が発生する。マスク部分が今のモザイク処理とは違う,ちょっとレトロな表現なのも面白いところ
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 とはいえ,本作のフィクションならではのブラックユーモアは刺激的で,痛快ささえ感じられた。普段やれないことを疑似体験できるのも,ゲームならではだ。

 改ざんやねつ造をしたり,大げさな見出しを付けたりしてアクセス数を稼ぐ行為が少なくない昨今のメディア事情を痛烈に皮肉っている印象もあり,筆者自身はそういった立ち位置で仕事をしていないからこそ,面白いと感じられたのかもしれない。

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 主題となる記事作り以外の要素,つまり主人公の行動に関連する部分が少し荒削りなところもある。発売までの調整でもう少しブラッシュアップされれば,全体的な遊びやすさもさらに高まりそうだ。

 インディーだからこそ切り込めるテーマを題材としたこの「MASK IT」。発売時期は未定のようだが,すでにSteamストアページは公開されているので,気になる人はウィッシュリストに登録して続報を待とう。


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