イベント
2011年はPCでもモーションセンサーの時代? 「Razer Hydra」などがCES会場を賑わす
そのなかでも,Razer USAの手がける「Razer Hydra」がユニークだったので,本製品を中心にPC用モーションコントローラの動向をレポートしてみたい。
磁気フィールドを使ってコントローラ×2の
位置を検出するRazer Hydra
2本のスティックを空中で動かすと,3Dオブジェクトを動かしたり,つかんだり,引っ張ったりといった操作ができる。もちろん,トリガーやボタンも機能しているようだった。
ソフトウェアがValveで,Razer製品というと,2010 International CESで公開されたモーションコントローラを思い出す人もいると思う。当時のものとは形状がずいぶんと変わっているが,今回もSixense Entertainmentと共同開発とされているので,1年を経てブラッシュアップしてきたという理解でいいと思われる。
で,そんなRazer Hydraが位置を検出する方法はなかなか面白い。いわく「ボールが作る磁気フィールドを使ってスティックの位置を検出している」。ボールが黒いので分かりにくいが,中にうっすらと直交するコイルが巻いてあること,そして「ボールが磁気フィールドを作る」という説明からすると,コイルで直交する磁界を作って,それをスティック側で検出することで位置を判断しているのかもしれない。
いずれにしても,いま出ている他社のモーションセンサーには見られないユニークな手法が使われているといってよさそうだ。
1年経って完成度も上がっている印象で,操作もスムーズだったRazer Hydra。いよいよ発売か……と期待が高まるが,話はそう甘くないかもしれない。というのも,このRazer Hydra,ビジターには報道関係者も含めて一切触らせておらず,トリガーを撮影すべく置いてある角度を変えようとしただけで,伸ばした手を払いのけられれるほどだった。操作させてほしいと言っても,「ダメ」とつれないお返事。
そんなわけなので,もしかしたらなにか致命的な問題があるのかなあ,という気もするが,さらなる展開を期待したいところだ。ちなみに現在は,SDKが用意され,開発者を募っているところだそうで,その点では去年からあまり変わっていない。
Intelブースでもモーションセンサー
ちなみに,Intelはブース内を小さく区切って,コンシューマ向けのソリューションを紹介していた。CPUやチップセットなど技術志向の展示はなかったので,CESの趣旨に合わせた展示を行っているようである。
Intelブースでは,Razer USAの製品であることを出しつつ,かなり力を入れてデモを行っており,多くの来場者が足を止めていた。モーションセンサー系にはIntelも注目しているのだろう。
実際,Intelは,もう1つ,別のタイプのモーションセンサーもデモ展示を行っていた。
ブースで行われていたデモは一種のゲーム仕立てで,エクササイズ系といった感じ。担当者は3Dのセンサーであることを強調していたが,筆者が見た限り,デモでは,左右方向の動きだけを使っており,奥行き方向の情報が使われていないように思える。
ただし,モーションセンサーには2個以上のカメラが埋めこまれているので,原理的には奥行きが計算できるということなのではなかろうか。
TCLのデモにも奥行きの情報は使われていないように見えた。奥行きを計算するのは,テレビが内蔵するようなCPUだとややつらい,ということかもしれない。
2011 CESのメイン会場で筆者が見つけたモーションセンサーは以上だが,Razer USAやIntelといったPC関連メーカーがこの市場に注目しているのは確かなようだ。今後,PCでどのように広がっていくのか,または広がらないのか,未知数なところはあるが,Razer Hydraのデモはなかなか刺激的で面白く,こういう操作が可能なPCゲームが出るとゲームにも新たな展開があるのかなあという気もする。今後の展開に注目したい。
- 関連タイトル:
Razer
- この記事のURL:
Copyright (C) 2023 Razer Inc. All rights reserved
- Razer DeathAdder Elite エルゴノミック ゲーミングマウス【正規保証品】RZ01-02010100-R3A1
- エレクトロニクス
- 発売日:2016/12/23
- 価格:¥14,800円(Amazon)