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HD 4890に正式対応した「ATI Catalyst 9.4」公開。ATI Radeon X1000以前のGPUがサポート対象から外れる
ただし,理由は分からないのだが,2009年4月2日12:30時点で,Catalyst 9.4仕様と思われるバージョン「2009.0317.2131.36802」版の「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)は,英語版のDisplay DriverやCCCをひとまとめにしたフルバージョンでしか提供されていない。日本語版CCCは「ATI Catalyst 9.3」仕様となる「2009.0225.1546.28221」版のままなのだ。そのため,今回は,英語フルバージョンへのリンクも示しておくので,どうしても最新版CCCを使いたい(※CCCのバージョンは,必ずしもDisplay Driverと合わせる必要はない)場合は,そちらからどうぞ。
→4Gamer最新ドライバリンクページ
→Windows XP用英語版Catalyst 9.4(40MB)
→32bit版Windows Vista用英語版Catalyst 9.4(47.1MB)
→64bit版Windows Vista用英語版Catalyst 9.4(63.6MB)
→32bit版Windows 7用英語版Catalyst 9.4(47.1MB)
→64bit版Windows 7用英語版Catalyst 9.4(63.6MB)
※2009年4月9日20:30追記
日本語版CCCがCatalyst 9.4仕様(2009.0317.2131.36802)に差し変わっているのを確認できたので,最新ドライバリンクページを更新しました。
2009年4月版ATI Catalystが持つ最大のトピックは,日本時間2009年4月2日に発表された最新GPU,「ATI Radeon HD 4890」をサポートする一方,ATI Radeon X1000以前のGPU,そしてATI Radeon 2000以前のグラフィックス機能統合型チップセットがサポート対象から外されている点にある。言い換えると,対応製品はATI Radeon HD 2000シリーズ以降のGPUと,ATI Radeon 3000以降のチップセットということになるわけだ。
なお,グラフィックス機能を統合していないチップセットのサポート範囲は,リリースノートに記載がないため不明。現在,AMDに問い合わせているので,分かり次第お知らせしたいと思う(※ATI Radeon 3000以降に対応する以上,AMD 7シリーズには少なくとも対応するはずだが……)。
※2009年4月10日19:30追記
チップセットのサポートについては,「AMD 780シリーズチップセットとそれ以降の新しいチップセットは今後も定期的に更新されるCatalystでサポートされます。AMD 690G、AMD 740G、そしてそれより古いチップセットはCatalyst 9.3で継続してサポートします。」(※AMDからの回答を日本AMD広報担当者が和訳した原文ママ)と,公式回答がありました。「AMD 740G」は「AMD 690G」のリネームなので,Catalyst 9.4以降は,基本的にAMD 7シリーズ対応ということになるようです。
ちなみにこのウインドウ,表示された状態で放置すると,Auto-Tuneが自動でリスタートし,再度オーバークロックテストを始めるのが確認できた。AMDはとくに説明していないので,あくまで想像ではあるが,「Auto-Tuneの実行中に何か問題が生じた場合,ただテストを終了させるのではなく,設定を変えるなどして自動的に再テストを行うようにすることで,動作安定性の向上を図った」ような印象を受ける。
このほか,恒例のバグフィックスは下記のとおり。全体的にそれほど数が多くないので,全項目の和訳を試みた。
●Catalyst 9.4で解決した問題(Windows XP)
- Stream Processorの抽象化に用いるCAL(Compute Abstraction Layer)ドライバが正常に動作しない問題
- 3Dスクリーンセーバーを有効にすると,オーバーレイシアターモードで画面表示がおかしくなる問題
- コンポーネントビデオ出力時にOS側のディスプレイ設定項目が正常に表示されない問題
●Catalyst 9.4で解決した問題(Windows Vista)
- CrossFireX構成時に「World of Warcraft」あるいは「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」を実行し,影の設定を「medium」「high」に指定すると,画面がちらつく問題
- 「Google Sketchup」を実行すると,画面に何も表示されない問題(※ということだと思われる。原文は「Google Sketchup no longer displays blank screen」)
- 特定のディスプレイとHDMI接続したとき,1024×768ドット以上のフルスクリーン表示が正常になされない問題
- DirectX 10モードの「Age of Conan: Hyborian Adventures」で,アーティファクトが見えてしまう問題(※アーティファクト,をどういう意味で使っているのか不明。字義から推測するに,何らかのデータ,あるいは文字列のようなものではないかと思われるが……)
- VC-1フォーマットのプログレッシブビデオを再生するとブロックノイズが表示される問題
●Catalyst 9.4で解決した問題(Windows 7)
- 「City of Villains」で,グラフィックス設定を変更すると,画面が正しく再描画されなくなる問題
- コンポーネントビデオ出力時に,CCCから1080i@30Hzと1080i@25Hz設定を適用できない問題
- CCCの「List All Modes」から,カスタムフォーマット設定を正常に行えない問題(※設定項目を全部表示させた状態で,カスタム解像度設定を行えない問題のことだと思われる。原文は「Custom formats modes can now be applied properly and will be available under “List All Modes”」)
- マルチディスプレイ接続時に,スリープ状態でディスプレイを入れ替えると,ディスプレイプロファイルが正常に入れ替わらない問題
- 「WinDVD 9」でHDビデオを再生すると,デスクトップにジッタが表示されたり,デスクトップがちらついたりする問題
- Express Driver Uninstallを行うと,デバイスマネージャにディスプレイのエラーが表示される問題
というわけで,全体としては,ディスプレイ接続周りの問題など,日常のPC用途で問題となりかねない部分を重点的に修正しつつ,“枯れてきた”GPUのサポートを思い切って打ち切ることにより,次世代を見据え始めた,といったところだろうか。もっとも,4月9日昼の時点ではCCC周りに不可解な部分もあったりするので,対応GPUを使っている人達に向けて強く勧めたりはできないが。
- 関連タイトル:
AMD Software
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