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ファン回転数制御機能を搭載した「ATI Catalyst 8.10」公開
対応OSはWindows XPおよび32/64bit版Windows Vista。リリースノートにある対応GPUはATI Radeon 9500〜9800とATI Radeon X/X1000/HD 2000/HD 3000/HD 4000で,「ATI Radeon HD 4600」がドライバスイートで正式にサポートされるのは今回が初めてとなる。なお,対応チップセットはATI Radeon XpressおよびAMD 4/5/6/7シリーズだ。
すぐに入手したい人は,下に示したリンクからどうぞ。日本語版「ATI Catalst Control Center」(以下,CCC)のダウンロード方法も説明してあるので,必要な人は併せてチェックしてほしい。
→4Gamer最新ドライバページ
「Display Driver」のバージョンは8.541と,「ATI Catalyst 8.9」のそれと比べて0.011のアップデートとなったが,そんな2008年10月版ATI Catalystにおける最大のポイントは,CCCからGPUクーラーのファン回転数制御が可能になったことだ。
リファレンスデザインを採用する最近のATI Radeon搭載グラフィックスカードは,ファン回転数が静音性重視に振られすぎており,ゲームを長時間プレイするような場合には,GPU温度がかなり高くなるケースがあった。実際,4Gamerでも,何度か手作業でファン回転数の変更を試みたりしている(関連記事)が,これがCCCの機能として提供されるようになったのは,ATI Radeon派のゲーマーにとって大きなニュースといえるだろう。
ちなみに新要素としてはもう一つ,コンポーネントビデオ出力時の各種設定を変更できる機能がCCCに追加されている。
このほか,月例のバグフィックスは下記のとおり。その数が少ないこともあり,(日本語でも英語でもない言語における問題を除いて)すべて和訳を試みたので,興味のある人はチェックしてほしい。
●Catalyst 8.10で解決した問題(Windows XP)
- Windows Media Player,あるいはCyberlink PowerDVDでDVD-Videoを再生するとき,CCCのAVIVO Gamma Controlが機能しない問題
- CyberlinkでHD/SDビデオを再生中(※原文は「while playing back a HD/SD title with Cyberlink」。DVD-Video再生に対応したCyberlink製ソフトウェア全般か?)にCCCを開くと,ディスプレイに何も表示されなくなる問題
●Catalyst 8.10で解決した問題(Windows Vista)
- 2560×1600ドット解像度で,CCCからSuperAAを有効化させつつ「City of Villains」をプレイすると,ゲーム画面がまたたくように光る問題
- 特定のBlu-rayコンテンツを再生すると,画面表示がおかしくなることのある問題
- DVD-Video再生中にHDMIディスプレイとの接続を切ると,OSが応答しなくなることのある問題
- 2台のディスプレイといずれもデュアルリンクDVI接続すると,プライマリディスプレイで画面がちらつくことのある問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズを搭載するグラフィックスカードがインストールされたいくつかの環境で,「Express Uninstall」を行うと,断続的に画面表示が途切れる問題
以上,バグフィックスのほとんどはビデオ再生やディスプレイとの互換性周りについてのもので,ゲーム用途を考えたとき,Catalyst 8.10が持つ価値は,一にも二にも,ファン回転数制御機能の新規追加といったところになるだろう。ドライバのアップデートは自己責任となるが,ATI Radeonを使っているゲーマーにとっては,間違いなく,試してみる価値のあるバージョンだ。
なおまったくの余談だが,ドライバのバグレポートページ「ATI Catalyst Crew Feedback」から送っておいた問題の一つである,デュアルディスプレイ接続時の問題が解決を見た(※修正されたのを,手元のATI Radeon HD 4670カードで確認済み)のは,個人的にけっこう嬉しかったりする。2008年9月6日の記事でAMDのTerry Makedon氏も繰り返し強調していたが,ATI RadeonやAMD製チップセットを使っていて問題に直面したら,AMDへ積極的にレポートすることをオススメしたい。
- 関連タイトル:
AMD Software
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