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キーワードは“リアルタイム”と“オープンプラットフォーム”。10周年を迎えたNHN Japanが記者発表会「Hangame ex 2010」を開催。加藤夏希さんも応援に
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![]() NHN Japan 代表取締役社長 森川 亮氏 |
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続いて,NHN Japanのミッションとビジョンが紹介された。森川氏は,同社の成長の核となったのは,NHN Japanが培ってきたソーシャルコミュニティであると述べ,さらにグループ内の連携を強化することにより,日本のインターネット環境にイノベーションを起こしていきたいと意気込みを語った。
またイノベーションを支えるのは“ものづくり力”の高さであると指摘し,同社が日本最大規模のクリエイター集団(デザイナー108名/エンジニア210名/企画職235名)を擁していることを紹介。クリエイター達は,ユーザーの意見を聞き,悩み,考え,企画,提案,そして運営まで手がけるというプロセスを通じて,イノベーションを起こしていくという。そうした企業努力を通じて,大きな成長を遂げたいと,森川氏は述べた。
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さらに森川氏は,日本のインターネット環境の変遷に触れ,近年のキーワードが“リアルタイム”であることに言及。その潮流は,NHN Japanのサービスにも取り入れられており,例えばNAVERには,Twitterのつぶやきやブログで話題のテーマを抽出する「リアルタイム」の項目が用意されている。またライブドアでは,「ブログメディア」で個々のブログを雑誌のように編集し,話題のトピックをニュースとして配信することで,リアルタイム性を実現しているとのこと。加えて,スマートフォンを対象にした位置情報サービス「ロケタッチ」も,その一環である。
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ユーザーを取り巻く環境をゲームと連動させ,楽しさを提供する「リアゲー」
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しかしその一方で,モバイルコンテンツでリアルタイムの楽しさをどう提供すればいいのか悩んできたと,森川氏は続けた。
その回答の一つが“リアルタイムゲーム”,略して「リアゲー」だ。リアゲーの概念は,すべてのユーザーの“今”を楽しさに変えていくというもの。具体的には,時間や位置情報からユーザーを取り巻くその時々の環境をリアルタイムに分析し,その場の状況をゲームの演出などに反映させる。つまり,ユーザーが夜にゲームを起動すればゲーム内も夜に,雨の降っている地域にいればゲーム内の天気も雨になるという。
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これだけだと「ふーん」といった感じだが,リアゲーではこうした演出をきちんとゲームに結びつけるそうだ。すでにサービス中のゲームにリアゲーの機能を組み込むことも可能で,会場では,育成ゲーム「ねんどん」(PC/モバイル)を例に説明がなされた。
不思議な生物ねんどんは,天気のいい日はすました顔をしているが,雨が降ると大はしゃぎして成長していく。ここにリアゲーの機能が連動すると,ユーザーは毎日の天気をチェックするようになるというわけだ。森川氏は,ねんどんを成長させるために,わざわざ雨の降っている地域へと移動する人も出てくるかもしれないと,指摘した。
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リアゲーのもう1つの例として紹介されたのが,2010年内サービス開始予定のRPG「トライフルストーリー」(PC/モバイル)だ。モバイルユーザーは「魔王軍」,PCユーザーは「勇者軍」となり,ゲーム内で互いに対立する。このゲームでも,現実の時間や地域に応じて,ゲーム内にさまざまな変化が訪れるとのこと。例えば,昼間は勇者軍がパワーアップするが,逆に夜は魔王軍が有利になったり,あるいはリアルの地域ごとに出現するモンスターが異なったりといった感じだ。
このほか会場では,2010年内サービス予定タイトルとして「ワールドトラベラーズ」「マメの木」「モーションゴルフ」「おいしい農園」といったタイトル名が発表された。
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併せて,リアゲー内で提示される数々のミッションをクリアすることで,各種のコレクションカードを入手できる「イマコレ」も紹介された。コレクションカードは,ユーザーの収集欲を刺激するのはもちろんのこと,特定のカードを集めることで限定アバターがもらえたり,提携したリアルのショップで割引クーポンとして利用できたりといった使い方もできる。森川氏は,こうした新しいビジネスモデルにも積極的に取り組んでいきたいと語っていた。
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また森川氏は,これまで数多くのオンラインゲームを手がけてきたハンゲームが,急成長しているソーシャルゲームに本格参入することを宣言。しかし,単なるソーシャルゲームや位置情報と連動したモバイルゲームに留まることはないという。ハンゲームでは,それらを包括し,さらに“今”を楽しむためのゲームとして,リアゲーを提供していく。
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プラットフォーム戦略は,スマートフォン版ハンゲームとオープン化の二本立て
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1つはスマートフォン版ハンゲームで,PC版同様にゲームやアバターなどを楽しめ,また発表されたばかりのイマコレの機能も組み込まれている。今後は,続々と新たなゲームタイトルが追加されていく予定だ。なおAndroid版がこの発表会に合わせてオープンし,iPhone版は現在申請中で近日オープン予定となっている。
発表会で明かされたもう1つのサプライズは,ハンゲームのオープンプラットフォーム化である。森川氏は,先行してオープン化したmixi,GREE,モバゲーと比較して,3つのメリットを提示した。
1つ目は,PC/モバイル(携帯電話)/スマートフォンの三つの環境でアカウントを共有できる──すなわち,決済方法も共通化できる点だ。これは実は,世界でも初めての試みとのことで。森川氏は「最も大きな強み」と自信をのぞかせた。
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2つ目は,集客力。当初はハンゲームのみだが,2010年内にはライブドアでも同様の連携サービスをスタートする。そのため,ほかのオープンプラットフォームに引けを取らない集客力を発揮できるという。
3つ目はデベロッパへの支援だ。具体的には,ライブドアと提携した低価格なインフラの提供,リアゲーを含めハンゲームが蓄積してきた技術/運営ノウハウ/開発ツールの公開,そして独占タイトルへの高い利益配分が挙げられた。こうすることで,デベロッパとの共存共栄を図り,「単に頭数を揃えるのではなく,本当に面白いゲームをユーザーに届ける」プラットフォームを目指せるというわけだ。
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会場では,こうしたハンゲームの動きに賛同するゲーム関連企業70社の社名も公開された。その代表として登壇したのが,スクウェア・エニックスのエグゼクティブ・プロデューサー 三宅 有氏,およびプロデューサー 渡辺範明氏だ。三宅氏は,30名前後いるスクウェア・エニックスのプロデューサーのうち,もはやパッケージタイトルのみに携わっている人材はおらず,何らかの形でオンラインに関わっていることを明らかにし,同社がオンラインゲームに積極的に取り組んでいることをアピールした。
また渡辺氏は,その取り組みの一つであるブラウザゲーム「地球オークション」を紹介。リアルのネットオークションのように,宝の地図を競り落とす過程の面白さをフィーチャーし,荒削りながらシンプルで新しいゲーム性を持ったタイトルであると説明した。
![]() スクウェア・エニックス エグゼクティブ・プロデューサー 三宅 有氏 |
![]() スクウェア・エニックス プロデューサー 渡辺範明氏 |
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発表会の最後,森川氏は,再びインターネットサービスの潮流について述べ,今まさに注目されるリアルタイムを取り入れたリアゲーを,世界的に展開したいと強い意気込みを見せた。
「ハンゲーム」公式サイト
- 関連タイトル:
ハンゲ
- この記事のURL:
(C)NHN hangame Corp.