![]() |
本作はネズミの錬金術師が主人公となる,タロットカードの要素を取り入れたローグライク・ターン制ストラテジーだ。プレイヤーはグリッド状のフィールド上でキャラクターを操作し,カード化された魔法や錬金術のレシピ,召喚要素などを駆使して敵と戦っていく。
最大の特徴は,単なる能力値の殴り合いではなく「ガチの錬金術」が組み込まれている点だ。フィールド上の素材から「醸造」「蒸留」「発酵」といった本格的なプロセスを経て成分を抽出し,強力な薬品やカード効果を生み出していく,知的でパズル的なリソース管理がゲームプレイの核となっている。
![]() |
ガチの錬金術の調合システムが特徴的なローグライクカードゲーム「AlcheMice」をチェック[gamescom latam 2026]
ブラジルのサンパウロで開催されたgamescom latam 2026にて,スペイン・マドリードのデベロッパ,Red Mountain Gamesが開発する「AlcheMice」をチェックしてきた。ネズミの錬金術師を主人公に,カードバトルと本格的な調合システムを組み合わせたローグライク・アクションアドベンチャーで,すでに高く評価されているようだ。
Red Mountain Gamesは,シミュレーションゲームの開発などで20年以上のキャリアを持つベテランクリエイター2人によるインディーデベロッパだ。これまで5年間にわたって委託作業を行うなど制作活動を共にしてきた2人にとって,初のオリジナル作品となる「AlcheMice」は,2025年2月から本格的な開発が始まった。
開発チームは現在,少人数体制ゆえの苦労やパブリッシャ探しの課題を抱えつつも,2027年の展開に向けて制作が進められている。モンテロ氏も「今の業界全体の環境は厳しいが,自分たちのゲームにはそれだけの価値があると信じているからこそ,すべてを賭けている」と開発にかける情熱をのぞかせる。
![]() |
これまでプレイテストを何度か重ねてきたモンテロ氏によれば,本作がメインターゲットとして見据えているのは30代から50代のゲームファンだという。
「何時間も働いて上司や仕事に疲れて帰宅した大人のなかには,日中からずっとゲームスキルの向上に励んでいる10代のプレイヤーと反射神経を競うシューターをプレイしたいわけではない,という人も多いんじゃないでしょうかね?」とモンテロ氏が語るとおり,「AlcheMice」はお気に入りのドリンクを手に,落ち着いて思考や戦略を楽しめる「大人のための上質な娯楽」として設計されている。
手持ちのリソースやカード,そして独自の錬金術システムを吟味しながら戦術を組み立てていく,知的で落ち着いたゲームプレイが軸となっているのだ。
自作のプレイテストプラットフォームを利用した検証では,すでに1000件を超えるレビューと高い平均評価(8.6点前後)を獲得しており,特に北米やヨーロッパのプレイヤー層から肯定的なフィードバックを得ている。
![]() |
ゲーム自体の難度は決して低くなく,無計画なプレイに対してはシビアな結果が突きつけられるものの,モンテロ氏は「ゲームプレイは容赦ないハードコアなものですが,自分の戦略を成立させるためのツールはすべてプレイヤーに与えられています」と説明する。
状況を把握して適切な判断を下せば確実に成果が出るよう,理不尽さを排除したバランス調整が行われているのが特徴だ。
プレイスタイルの自由度も意識されており,耐久力を重視して敵の攻撃を受け止める安定志向のビルドや,特定のリソースを犠牲にして強力なカード効果を狙うピーキーな戦術など,プレイスタイルに応じたアプローチを選択できる。
![]() |
また,開発陣はゲーム内にとどまらない取り組みとして,現実の伝承や歴史に基づくレシピ集「アルケミーブック」をプレイヤーコミュニティ向けに提供する計画も進めている。ヘルスを回復する「アクア・ヴィタエ」をはじめとする調合の概念をカード効果や世界観と連動させ,ゲーム外でも錬金術の魅力を深掘りできる試みが用意されているのだ。
![]() |
「アクア・ヴィタエ」の生産なら,必要な工程はわずか2つなので比較的ラクだ。複雑なものになると,薬草や鉱石をすり下ろしたり砕いたり,さらには煮詰めたり蒸留したり,15を超えるプロセスを踏まなければならない。
モンテロ氏によると,偶然,強力な薬品や自傷効果を持つものが調合される可能性もあるとのことだったので,おそらくブックがなければ多くのプレイヤーが自分でメモ書きすることになるだろう。同時に,そうした錬金術の複雑さを楽しむことこそが「AlcheMice」の面白さになるはずだと,モンテロ氏は話していた。
![]() |
これまでにゲーム開発者会議で高く評価され,世界各地のインディーコンペティションでの選出実績も持つ「AlcheMice」だが,今後は2027年第1四半期に予定されているパブリックプレイテストに向けて,ユーザーインタフェースの改良やコントローラ操作(スナップターゲット機能)のブラッシュアップを重ねていく予定だ。
PC(Steam Deckを含む)での快適な動作に加えてコンソール展開も視野に入れており,すでにゲームコントローラでもプレイしやすい状態になっているという。
![]() |
日本からも600を超えるウィッシュリスト登録があると意気込むモンテロ氏だったが,中世中東風のアートが印象的な本作が,どこまで“中年ゲーマー”にアピールできるのかは,パブリックプレイテストの結果でより鮮明になるはずだ。
![]() |




























