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「ラグナロクオンライン ユーザーシンポジウム2009winter」開催。ガンホーとユーザーの直接対決から見えてきたラグナロクの未来は?
このユーザーシンポジウムは,ROでこれまで行ってきた施策や今後のアップデートなどについて,質疑応答という形でユーザーと直接的な意見交換を行うイベントだ。事前に登録し,抽選に当選した80人のプレイヤーのみがこのイベントに招待された。
「ラグナロクオンライン Mobile Story」による携帯電話を使った新しいROのプレイスタイルを提案
以前,「こちら」の記事などで,2009年夏にサービスを開始予定とお伝えしていたが,このたびの発表では,ようやく2010年春にサービス開始のメドが立ったとのこと。携帯電話のゲームでありながらPC版のROとほぼ同じシステムを備えており,さらにメール機能やプロフィールなど携帯電話向けの独自機能も備えている。また,「DAYクエスト」という小規模のクエストを毎日配信し,継続してクリアしていくことで特別なアイテムをプレゼントする,などの仕掛けも企画しているという。
ガンホーはこの「ラグナロクオンライン Mobile Story」で,PCの前でプレイするROだけでなく,通勤中や通学中,寝る前に布団の中でちょこっと遊ぶといったような,新しいプレイスタイルを提供,提案していきたいとのことだ。
携帯電話を使った新たなセキュリティ「ワンタイムパスワード」。βテストを経て正式サービス開始を目指す
ツールを使って稼いだゼニーでRMTを行うタイプの不正への取り締まりは,効果を上げられるようになってきたが,それに伴い,今度はユーザーのアカウントが狙われる,いわゆるアカウントハッキングが増加傾向にあるのだという。そういった行為に対する新しいセキュリティとして「ワンタイムパスワード」サービスの導入を決めたとのことだ。
「ワンタイムパスワード」とは, Secure OTP Mobileという携帯電話のアプリケーションを利用した,一度しか使えない「使い捨てパスワード」のことだ。万が一,第三者に知られてしまっても一定時間後には自動でパスワードが変化するため,非常にセキュリティレベルが高い。このサービスはROのみでなく,「エミル・クロニクル・オンライン」や「グランディア オンライン」などガンホーゲームズからログインする,すべてのゲームで利用可能にするとのこと。
現在,βテスト版としてNTTドコモの携帯電話から実際に使用することが可能となっている。今後,サイトの改修などを経て正式サービスに移る予定だという。auやSoftBankモバイルは対応準備中,iPhoneとスマートフォンの対応時期は未定だが,随時対応していきたいとのことだった。
ユーザーの生の意見が飛び交う質疑応答タイム。厳しい意見も飛び出すが……
Q:ゼロスティール(※)は仕様として認めているのか? そして使用者に対する処罰などを考えているのでしょうか?
※ゼロスティール……スティール(モンスターからアイテムを盗むスキル)の成功率をスティール可能限界値になるようステータスを調整すると,モンスターのドロップリストにある,カードを除いたアイテムすべてを等確率で盗めるようになる。
Q:異世界アッシュ・バキューム実装で追加された新モンスターが強すぎて触りに行くことすらできないのですが,アッシュ・バキュームを含めて今後実装されるエピソードの難易度調整は検討されているのでしょうか?
しかし,現状ではそれがうまく回っていないところもあり,検討の余地はあると思っています。すぐに数値を下げるなどといったことは難しいのですが,戦闘がしやすくなるような調整を検討していきたいと思っています。
Q:BOTについてはかなり駆逐されてきましたが,ゲーム外部,たとえばGoogleなどでRMT業者への広告が掲載されている場合もあります。これらに対して,ガンホーから広告業者に取り下げてもらうなどできないのでしょうか?
この件は広告の問題ではありますが,そもそもRMTが成り立つからこそ広告が出ている面もあります。我々としてはRMT業者の在庫を減らすということと,RMTをしにくい構造を作るということを考えています。RMTによって利益が出ないようにしていきます。
Q:SNSを含めたエボリューションプロジェクト,およびSakrayJの現状と今後の具体的なスケジュールを聞かせてください。
SakrayJ,3次職を含むリニューアルに関しては,2010年第1四半期を目標に動いています。内容に関しては韓国のバージョンを元に作るのではなく,現状の日本の仕様をベースとして今後の拡張性をもたせていく方向でGravity社に提案しています。現在持っている装備などの資産が無駄になってしまうのではないかと心配しているプレイヤーさんもいると思いますが,チームとしては資産を保証しつつ拡張性を持たせていきたいと思っていますので,安心して頂きたいと思います。
Q:Windows 7の32bit版への正式な対応についてはまだなのでしょうか。
A:Windows 7の問題に関しては非常にお待たせしてしまっていてお詫び申し上げます。32bit版に関しては,間もなく対応できるというところまできています。遅れた原因に関してはゲーム本体の問題としてよりもセキュリティ関連の問題があって,非常に申し上げにくい点になっています。
Q:ホムンクルスの放置狩りが原因でユーザー同士のMPKが発生したりしていますが,そういう状態に対してガンホーとしての認識はどうなっているのでしょうか。
またホムンクルスは,戦闘に向かないアルケミストの戦闘力の補填としてデザインされているシステムでもあります。運営チームとして固定狩りの場所争いが元でトラブルになっている現状というのはあまり良いことだとは思っていません。しかし,それを解決するプランは難しいことですので,今この場で回答を出せないの心苦しいところです。私怨や晒し行為などに発展するような場合も,基本的にはプレイヤーさん同士での解決が望ましいとは考えていますが,プレイヤーさんで対処が取れなくなった場合には,何らかの対策を考えねばならないと思います。
Q:ホムンクルスの放置狩りについては,ガンホーが公式見解を出していないからユーザー同士の争いが起きている部分もあると思います。なにかしらの公式見解を出してほしいのですが……。
Q:ここ数年で実装された,非常に高いATKを持つMVPボスモンスターに対し,ソウルリンカーのエスクや,クルセイダー系のリフレクトシールドを組み合わせて楽に倒す,いわゆる反射狩りが主流になっています。今後,MVPボスには反射ダメージが効かないようにするなどといったバランス調整は考えられていますか?
A:反射狩りに関しては認識しており,対処に向けて施策を練っているところです。具体的に反射狩りができなくなるかどうかといったことに関してはお答えできないのですが,反射狩りで容易にMVPボスモンスターが狩れてしまっている部分に対して,何らかのアプローチをかけていきたいと考えています。
シンポジウム全体を通してみると,プレイヤーは意外と大人しいな,という印象を受けた。これは,一人一問という制約や,質問慣れしていないこと,またかつてのROと違いBOTなどといった明確な「攻撃対象」が激減したことなどがあるからではないだろうか。
しかし「二言目にはGravityに提案しますという返答ばかりで,せっかくのイベントなのにプレイヤーに対するサービスになっていないのではないか」「ホムンクルスの固定狩りについては,2年前のシンポジウムに問題提起したのに未だ何も対策が取られていない」などの厳しい意見もあった。
ゼロスティールやホムンクルス固定狩りなど,仕様範囲内ではあるがマナーにかかっている部分に対し,運営サイドから何かしら声明を発表してほしいという意見もあったが,詳細なガイドラインを発表することでプレイヤーをあまり縛りたくないという運営サイドとのズレも感じられる。結局「やったもの勝ち」なのか,と感じたプレイヤーもいたかもしれない。
しかし,現在ユーザーが肌で感じている問題を直接運営サイドに提示し,意見交換ができたことは,ユーザーサイドから運営サイドに十分にプレッシャーを与えられたという意味で,有意義であったのではないだろうか。
2010年第1四半期にはROのリニューアル,ブラジリスアップデートなど,さまざまなアップデートが予定されている。まずはこれらがどうなるかを見守っていきたい。
なお,今シンポジウムで行われた質疑応答や,参加したユーザーがアンケート用紙に記した追加質問に関しては,後日公式サイトで発表,返答が掲載される予定とのことだ。多くのユーザーが問題を共有することで,よりよいプレイ環境の構築に繋がることに期待したい。
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ラグナロクオンライン
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ラグナロクオンライン Mobile Story
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