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「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進
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印刷2022/02/28 13:19

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「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進

 主に企業向けのデータ活用をテーマとしたオンラインイベント「NetApp INSIGHT Japan 2022 Digital」が,2022年2月24日〜25日に開催された。計150以上のセッションが行われたイベントのなかから,Nianticの野村達雄氏による講演を本稿でレポートしよう。

画像集#001のサムネイル/「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進


「Pokémon GO」の元ディレクターがNiantic Tokyo Studioを設立


 Nianticは,「Pokémon GO」iOS / Android)や「Ingress」iOS / Android),そして最新作の「Pikmin Bloom」iOS / Android)などで,4Gamer読者にとってもお馴染みのゲームメーカーだろう。今回のセッションでは,同社の歴史やポリシーなどが,野村氏によってあらためて紹介された。

Niantic Tokyo Studio代表の野村達雄氏
画像集#002のサムネイル/「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進

 Nianticは,もともとGoogle社内のスタートアップであるNiantic Labsとして,2010年に設立されたチームだ。同チームは,2013年に位置情報ゲームの走りとなる「Ingress」をリリースし,これの成功を受けて2015年にGoogleから独立。そして翌2016年に「Pokémon GO」をリリースすると,これが瞬く間に世界的なヒットとなった。

 野村氏は,このNianticがGoogle社内のスタートアップだった頃からの古参スタッフである。それ以前はソフトウェアエンジニアだったそうだが,NianticのGoogleからの独立を機にプロダクトマネージャーにスイッチ。そして「Pokémon GO」のディレクターとして関わったのち,2018年に設立された開発スタジオ「Niantic Tokyo Studio」の代表として就任した。
 Niantic Tokyo Studioの設立後は,任天堂とともに「Pikmin Bloom」の開発を行っていたそうで,本作は2021年11月に正式サービスを迎えている。

画像集#003のサムネイル/「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進

 ちなみに,Niantic代表のジョン・ハンケ氏について補足すると,Googleに入社する前は,衛星写真を地図データとリンクさせるベンチャー企業のKeyholeなどで活動していた。Keyholeは後にGoogleに買収されることになるが,その主力製品が名前を変えて登場したのが「Google Map」だ。ハンケ氏はGoogle Mapに10年近く関わったあと,上述のNiantic Labsを設立したという流れだ。


世界中の人達に屋外での冒険を楽しんでもらいたい“現実世界のメタバース”を推進


 Nianticが手掛けるゲームタイトルは,いずれもスマートフォンの位置データを活用している。いったいなぜ,ここまで“位置情報ゲーム”にこだわるのか。それは,同社が「Inspire people to explore the world, together」(人々が世界に冒険するための手助けをする)というミッションを掲げているからだと野村氏は述べる。

画像集#004のサムネイル/「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進

 野村氏によると,Nianticが活動する目的は,エンターテインメントを提供することだけではないという。プレイヤーに家の外に出てもらいたいと考えており,ゲームはそのためのきっかけに過ぎないのだそうだ。そして,世界中の人達がそのように考え,実際に行動するようになれば,世界がより良くなると真剣に考えているのだ。
 同社のタイトルは世界的にヒットしているにもかかわらず,ガチャのような射幸心を煽るビジネスモデルが導入されていない。企業活動を続けるために収益は必要だが,Nianticにとって一番の目的はそこではないのである。

コロナ禍を迎える前のNianticは,世界中でオフラインイベントを頻繁に行っていた。これも同社のミッションを踏まえているとのこと
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画像集#006のサムネイル/「Pikmin Bloom」「ポケモンGO」などを手掛けるNianticが掲げるミッションとは。世界中の人々を外に連れ出し“現実世界のメタバース”を推進

 一方で,昨年頃から各方面で話題に挙がる「メタバース」対して,Nianticは否定的な考えを持っている。というのも,現在メタバースが取り上げられるときは,VRゴーグルを装着して仮想世界に閉じこもるようなイメージが強く,それは上記のNianticのミッションと相反するからだそうだ。
 もっとも,現在のメタバースはさまざまな解釈・曲解がなされており,また進化の過程でもある。Nianticとしても,その可能性をすべて否定しているわけではなく,VRではなくARを軸とするなどの“現実世界のメタバース”を推進しているそうだ。この部分に関しては,同社の公式blog内で詳しく語られているので,興味を持った人は目を通すとよいだろう。

「メタバースはディストピアの悪夢です。より良い現実の構築に焦点を当てましょう。」(NIantic公式blog内)



最新作「Pikmin Bloom」が現在好評配信中


 Nianticはゲームアプリ以外にも,開発者向けプラットフォーム「Lightship」を昨年にローンチしている(関連記事)。Nianticが手掛ける位置情報ゲームは,以下の要件を満たすことが求められているとのことで,Lightshipではそのために必要な開発環境全般などが一通り揃っているそうだ。実際「Pikmin Bloom」を開発するときも,同様の環境・プロセスで作業が行われてきたとのこと。

・iOSとAndroidの両OSに対応
・ひとつのサーバーで数百万人がプレイ可能
・膨大なプレイヤーによるリアルタイムの読み書きに対応
・ゲームデータの分析をオフラインで行える
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「Lightship」公式サイト


 「Pikmin Bloom」は任天堂のIP「ピクミン」を用いた位置情報ゲームだ。プレイヤーが歩くことでピクミンを苗から育てて,たくさんのピクミンと一緒に冒険できる。また,マップ上に花を咲かせて,その情報を他プレイヤーと共有したり,珍しい見た目のピクミンを集めたりと,他の位置情報ゲームとは違った醍醐味も数多くある。興味を持ったらぜひプレイしてほしいと述べ,野村氏はセッションを締めくくった。

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「Pikmin Bloom」ダウンロードページ

「Pokémon GO」ダウンロードページ


 なお,最後に少し余談になるが,現在のLightship公式サイト内には,Nianticが開発中の「TRANSFORMERS: Heavy Metal」のリンクが貼られている(※ページ最下部のアイコン)。本作の日本におけるサービスは不明だが,リンク先のページは日本語に対応しており,またLightshipのポリシーを踏まえるに,iOS/Androidへの対応が期待できるだろう。メーリングリストの登録が行えるので,位置情報ゲームやトランスフォーマーに興味を持つ人は,詳細を確認してみよう。

「TRANSFORMERS: Heavy Metal」公式Twitter

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