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[TGS 2017]デジタル配信がもたらしたゲーム市場への影響とは。セッション「グローバル・ゲーム・ビジネス・サミット 2017」聴講レポート
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印刷2017/09/22 11:30

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[TGS 2017]デジタル配信がもたらしたゲーム市場への影響とは。セッション「グローバル・ゲーム・ビジネス・サミット 2017」聴講レポート

 東京ゲームショウ2017の初日となる2017年9月21日,TGSフォーラムの一環として「ゲームのデジタル流通」をテーマとしたセッション「グローバル・ゲーム・ビジネス・サミット 2017」が開催された(関連記事)。
 セッションでは,デジタル配信,流通によってコンテンツの販売量が増え,大きな流れとして捉えられるようになってきたコンシューマゲームと,デジタル配信しかないスマートフォンゲーム,そして,一足先に変革が始まっていたPCゲームの現状を踏まえつつ,デジタル流通ならではの問題点や可能性などについて,6名の登壇者がパネルディスカッション形式で意見を交わした。

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「東京ゲームショウ2017」公式サイト


■登壇者
Matthew Benson氏(Team 17 Business Development Manager)
河﨑高之氏(EPIC GAMES JAPAN 代表)
Victor Kislyi氏(Wargaming CEO)
Mikko Kodisoja氏(Supercell ファウンダー)
辻本春弘氏(カプコン 代表取締役社長 COO)
前田栄二氏(SMBC日興証券 株式調査部 エンタテインメント・メディアチーム シニアアナリスト)

■モデレータ
降旗淳平氏(日経デジタルマーケティング 副編集長)

 Team 17のBenson氏,EPIC GAMESの河﨑氏,WargamingのKislyi氏,SupercellのKodisoja氏らは,口々にデジタル配信のメリットを力説した。それによると,パッケージの在庫や欠品のリスクが解消されて利幅が増えたりといった経済面に加えて,ユーザーと直接コミュニケーションが取れるという面が大きいという。

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セッションの冒頭では,SMBC日興証券の前田氏により,日本におけるゲームコンテンツのデジタル流通の現状が示された
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 また,デジタル配信で流通させたタイトルは運営型のビジネスモデルと非常に相性がよく,バランス調整や不具合修正が迅速に行えるうえに,新たなゲームモードを追加しやすかったり,あるいはアップデートに対するフィードバックも得やすかったりといったメリットがある。河﨑氏やKodisoja氏は,「デジタル配信がなければ,私達のビジネスは成立しない」とまで述べた。

 その一方で,デジタル配信には流通や小売店を巻き込んだ発売日の“お祭り感”がなく,露出機会が限定されること,ネット情報は基本的に関心のある人しか見ないため,認知の拡大が難しいこと,PCゲームの場合は今のところ,スマホゲームほど詳細なユーザー情報が得られないといったデメリットがあるという。

カプコン 代表取締役社長 COO 辻本春弘氏
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 「ストリートファイター」「バイオハザード」「モンスターハンター」など,歴史の長いIPを持つIカプコンの辻本氏は,少し異なる角度からデジタル配信のメリットを指摘した。

 カプコンのデジタル配信比率は2012年3月期以来,伸び続けているが,明確なターニングポイントは2015年3月期とのことだ。このときはPlayStation 4とXbox Oneが発売されており,辻本氏は「ネットに常時接続するコンシューマ機が日本でも本格的に普及したことにより,デジタル配信の比率が大きく伸びた」と説明した。

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 また「バイオハザード」および「バイオハザード0」のHDリマスター版では,企画段階で「日本以外の国や地域では,リマスター版は小売店が扱ってくれない」という意見が非常に強かったという。
 そのため日本以外では「デジタル配信のみ」という形式を取らざるを得なかったのだが,このことがかえって功を奏し,両タイトルとも早い段階で100万本を超える大ヒットとなった。この結果を受けてカプコンでは,過去作のHDリマスター版をデジタル配信で展開していくことが決まった。
 さらにデジタル配信には,アジア,欧米,中近東などに存在する小売店の未整備地域における販売機会創出というメリットもあるという。

2017年1月リリースの「バイオハザード7」におけるデジタル配信戦略も紹介された。辻本氏は「マルチプラットフォーム展開ではPCは必須」だと考えているそうだ
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 ディスカッションでは,今後デジタル配信を拡大していくための意見が交換された。

Supercell ファウンダー Mikko Kodisoja氏
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 まずデジタル配信の普及に伴い,大量のタイトルの中からいかに自社タイトルを潜在ユーザーに認知させるかについて。Kodisoja氏はスマホ向けタイトル1本あたりのインストールコストが6年前の10倍になっているのに対し,ユーザーのLTV(ライフタイムバリュー)が同じ比率で伸びているわけではないことを指摘した。そのためSupercellでは,SNSで積極的にユーザーとコミュニケーションを図り,自分達のブランドの認知度を高めることに務めている。結果として,ユーザーが家族や知人に口コミでゲームを広めてくれるようになったそうだ。

 河﨑氏は,現在が過渡期であり,誰もが効果的なプロモーションや流通の手法を模索している段階にあるとし,Kodisoja氏のいうSNSやバイラルコミュニケーションでユーザーに拡散してもらうことは効果的だと続けた。さらに,今後は一見するとまったく異なるが,実は共通点があるという何かしらの導線からのアプローチも増えていくのではないかと話した。

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EPIC GAMES JAPAN 代表 河﨑高之氏
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Team 17 Business Development Manager Matthew Benson氏

 続いては,開発側のモチベーションについて。上記のように,デジタル配信ゲームはユーザーとのコミュニケーションが取りやすいが,開発チームのモチベーションは,パッケージゲームを作るときと異なるのかという話だ。
 これについてBenson氏は,「自分達のゲームが,どういう形でエンドユーザーの手元に届くかについては,こだわりすぎないようにしている」と答えた。意識しすぎると,例えばリリース初日からパッチを当てなければならないといったように,ゲームとして大事な部分を見落とす可能性がある。とにかく,遊んでくれる人を第一に考えると続けた。

Wargaming CEO Victor Kislyi氏
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 Kislyi氏は,各タイトルの開発チームは別の会社のようなもので,それぞれのチームリーダーはミニCEOだという。そのため,「ヒットしたら利益の何%かを配分する」といったことが大きなモチベーションになると述べた。

 話題は,デジタル配信によって起きるであろう今後のゲームビジネスのトレンドに移った。
 Kislyi氏は,「数字の動きを見れば,今後スマホゲームにシフトしていくことが分かる」と述べた。現在のスマホゲームは,非常に多くの人々に遊ばれるシンプルでカジュアルなゲームだけでなく,コンシューマゲーム並みの高度な内容を持つものまで,さまざまな層のプレイヤーの需要に応えられるまでになっているからだ。

 これに対して辻本氏は,「繰り返しになるが」と前置きしたうえで,コンシューマゲームがデジタル配信によって売上を伸ばしていることをアピールした。
 そして,スマホゲームが今後伸びていくというKislyi氏の見解には同意するものの,スマホで初めてゲームに触れた層の中には,やがてクオリティの高いコンシューマゲームを遊んでみたいと思うようになる人も出てくるのではないかと述べた。
 ビデオやDVDの登場で,家庭で映画が観賞できるようになったとき,「映画館がつぶれる」と言われたこともあったが,今なお映画館の大画面を好む人はたくさんいる。スマホゲームを入り口とした広がりもあるのではないかとした。

モデレータを務めた,日経デジタルマーケティング 副編集長 降旗淳平氏
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 e-Sportsを筆頭にした「プレイを見せる」という流れについては,河﨑氏が「今のe-Sportsは,フィジカルなスポーツというより,囲碁や将棋に近い」とコメントした。
 「サッカーや野球は自分でやらなくとも,(さらに,たとえルールさえ知らなくても)スタジアムに行ってプロの試合が楽しめる。それに対してe-Sportsは,自分でプレイしない人にはなかなか楽しめない」とし,「自分よりうまい人のプレイを見て楽しむという形のビジネスは十分成り立ち得るが,今の日本の『e-Sportsを盛り上げよう』という動きには,スポーツという言葉に惑わされている部分があると感じている」と持論を述べた。

SMBC日興証券 株式調査部 エンタテインメント・メディアチーム シニアアナリスト 前田栄二氏
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 以上のディスカッションを踏まえ前田氏は,「ゲームビジネスは,デジタル化をドライバとしてまだ伸びるのではないか」という展望を述べた。全世界のゲーム市場全体は,10兆円規模で,ここ数年で3倍近くになったが,伸びているのはスマホゲーム,PCゲーム,オンラインゲームなど,デジタル配信が絡む分野に限られるからだ。
 「ユーザーが何を求めているのかをリアルタイムで汲み取り,それをビジネスにフィードバックできるのは,ほかのエンターテイメントにはない部分であり,今後もデジタル配信の強みを活かした領域が伸びていくのではないか」と総括して,ディスカッションを締めくくった。

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