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Google,「Android 9 Pie」を正式発表。新世代OSは機械学習を活用した動作の最適化や新しいハードウェアへの対応がポイントに
Android 9というOSの特徴は,2018年5月に行われたGoogleの開発者向けイベントレポートで紹介済みだが,本稿ではあらためて,Blogの内容を基にAndroid 9の概要を紹介してみたいと思う。
バッテリー駆動時間の延長やユーザーの操作予測を機械学習で実現
Googleが公開した画像には,設定アプリにあるAdaptive Batteryの項目に,「Use Adaptive Battery」というスイッチがあり,これで機能の有効,無効を切り替えられるようだ |
App Actionsの例。ライドシェアサービスの「Lyft」を検索するだけで,自宅や職場への送迎にかかる時間と料金を明示して,ワンタッチで車を呼べる |
その分かりやすい例として挙げられているのが,「Adaptive Battery」と呼ばれるバッテリー駆動時間の最適化機能である。アプリの使用状況を機械学習で分析することで,バッテリーの無駄な消費を減らせるという。
また,「App Actions」という新機能では,ユーザーによるアプリの利用パターンを学習して,次にユーザーが行いそうな行動(アクション)を画面上で示すことが可能になるそうだ。
Googleが示したサンプルでは,誰かにメッセージを送ったり,音楽や映画を再生したりといったアクションを示す様子が窺える。ただ,これがどの程度実用的な機能となるかは,実際にAndroid 9が自分の端末で使えるようになり,ある程度使い込んで学習データが溜まってからでないと判断できない。
AI関連の機能ではないが,細かな使い勝手を改善する機能も多数導入されるようだ。
「Slices」という新機能では,Google純正検索アプリの検索結果から,結果に関連するアプリの機能を直接呼び出すことが可能になるという。たとえば,ライドシェアサービスを検索したときに,そのサービスのアプリがインストールされていれば,その場から自宅や職場までの送迎プランを示し,ワンタッチで車を呼べるといった具合である。
新しいハードウェアや技術に向けてOSレベルでの対応が進んだのも,Android 9のトピックとなる。
たとえば,ディスプレイの一部を切り欠いたいわゆる「ノッチ」に対応して,アプリを適切に表示する機能をOS標準で搭載した。また,アウトカメラやインカメラそれぞれに複数のカメラレンズを搭載する端末が増えたことを受け,それらを簡単に利用するための「Multi-camera API」を実装したり,iOSが率先して対応した新しい画像ファイル形式「HEIF」(High
セキュリティ関連の改良点も多く,Googleによれば,今までのAndroidよりも安全で,プライバシーの保護も堅牢になっているとのことだ。
Google開発者向けBlogの当該ポスト(英語)
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