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“鮮明な空中映像を手で操作する”技術が現実のものに。Intelの最新技術イベントで体験してみた
なお,RealSenseそのものについては,2014年6月のレポート記事に詳しくあるので,そちらを参照してほしい。
インテル フューチャー・ショーケースの会場(左)。右写真は会場に展示されていた未来の自動車向け技術のデモ。ドライバーや同乗者の認識に,IntelのRealSenseを活用している |
筆者が注目したデモは,アスカネットというデジタル写真サービスの企業が持つ技術とRealSenceと組み合わせたものだ。黒い布で覆われた水槽のような箱の天板がガラス板になっていて,縁(ふち)にRealSenseの3Dカメラモジュールが取り付けられている。一見しただけだと,何をするものかまったく分からない。
黒い布で覆われた水槽のようなデモ機(左)。天板はガラス板になっていて,縁にRealSenseの3Dカメラモジュールが取り付けられていた |
だが,水槽のようなデモ機の正面に立つと,それが何をするものかすぐに分かった。デモ機の上の何もない空中に,映像が浮かんで見える「空中結像ディスプレイ」(空中投影ディスプレイとも)だったのだ。
空中に浮かんだ映像に触るような感じで,ボタンを押したり手を左右に動かしたりすると,その動きをRealSenseの3Dカメラが認識。デモ機につながったPCで,手の動きに応じた動作をするという仕組みである。近未来を舞台にしたアニメやゲームで見かける,空中に結像された映像を手で操作するようなシーンが本当に実現できるのだ。
元々写真に写しにくいうえ,筆者の要領が悪くて分かりにくい写真しかなく申し訳ない。アスカネットのよるデモムービーも掲載しておくので,雰囲気はつかんでもらえるだろうか。
デモ機の正面に立つと,空中に映像が浮かんでみえる(左)。写真だとガラスに写っているように見えるが,これが空中にあるように見えているのだ。空中に映像が見えるのはほぼ正面だけなので,横から見ようとすると右写真のように一部しか見えなかったりする |
空中に映像を投影する技術はさまざまなものが開発されているのだが,鮮明な画像を表示するのには適さなかったり,大がかりな設備が必要になったりと,実用性に欠けたものが多い。それに対してこのデモ機は,映像が見える位置こそ狭いものの,非常に鮮明な表示が実現できている。機材のサイズも一辺が60〜70cm程度の箱とPCで済むというシンプルさだ。RealSenseが体験者の手の位置と動きを認識することにより操作できるので,体験する側は特別な眼鏡や道具を使う必要がないのも手軽でいい。
映像が空中にあるように見えるポイントが狭いという制約はあるものの,画質が非常に鮮明なのはゲーム用途にも適するように思える。これを使ったアーケードゲーム機が出てきたりすると,新しい楽しみを体験できるのではないだろうか。今後の発展に期待したい。
4Gamerでも何度か紹介している,スウェーデンのTobii Technologyが開発した視線入力デバイスを使ったデモ機もあった。左写真はヒンジ部にデバイスを組み込んだノートPCタイプで,右写真はゲームセンターでの用途を想定したアップライト筐体型デモ機。画面の下にある白い点が光っている部分に視線認識用のカメラがある |
こちらはスタンドを倒すとテーブル状になる液晶ディスプレイ一体型PCのデモ。同様のコンセプトを持つ製品は,Lenovoが「IdeaCentre Horizon」や「Flex 20」として製品化している |
AI plate 公式Webサイト
Intel 日本語公式Webサイト
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