お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
[インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のインタビュー

メディアパートナー

印刷2026/08/29 16:04

インタビュー

[インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

 gamescomの出展エリアが完全に埋まったのは,2026年が初めてだ。早期割引期間が終わった時点での出展社登録は前年比15%増,記録の更新は3年連続になった。昨年ようやく会場を拡張したばかりだが,主催者はすでに2027年以降の拡張構想に着手している。

ケルンメッセの北ゲート前。開場を待つ来場者が広場を埋めている
画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

 規模が伸びるときに割を食うのは,たいてい小さいほうだ。大手パブリッシャの巨大ブースが連なる通路で,数人のチームが持ち込んだ試遊台1台は目に入らなくなる。会場に空きがないということは,面積で解決する手も残っていないということでもある。

画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]


 ケルンメッセでgamescomディレクターを務めるティム・エンドレス(Tim Endres)氏と,共同主催者であるドイツゲーム産業連盟の代表理事フェリックス・ファルク(Felix Falk)氏に,会期に先立って質問を送った。

 インディー支援の枠組みから,欧州初開催となるgamescom GDQ,開発者会議gamescom devの統合,コスプレとアジアのポップカルチャー,そして日本市場の位置づけまで,順に見ていこう。

4Gamer:
 gamescom 2026は早期割引期間終了時点で出展社登録が前年比15%増となり,3年連続で記録を更新したとうかがっています。出展社全体が増える一方で,小規模なインディーブースが大手パブリッシャの陰に埋もれてしまう懸念もあると思いますが,インディー向けの優先枠や低価格な出展パッケージなどはありましたか。

エンドレス氏:
 インディーゲームはgamescomにとって欠かせない存在であり,露出の機会は出展スペースと同じくらい重要だと私たちは考えています。だからこそ,専用エリア,インディー向けに調整した参加オプション,そしてインディータイトルに世界的な露出をもたらす「gamescom awesome indies show」といった枠組みを通じて,インディー開発者を支援してきました。

 2026年はこれをさらに拡大します。IGNとの協業により,番組では世界初公開のトレイラーやゲームプレイ映像,開発者インタビュー,独占の先行コンテンツを取り上げます。gamescomに出展するインディーゲームが,ドイツを越えて世界中の視聴者に届くよう後押しするためです。

 それに加えて,gamescom biz,gamescom dev,gamescom steam event,gamescom invest circleといった枠組みも,インディースタジオがファン,メディア,パブリッシャ,投資家といった業界関係者とつながり,さらに露出を得るための貴重な機会になっています。

画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]


4Gamer:
 日本のインディー開発者が「gamescom awesome indies」の編集枠や協賛枠に応募する場合,審査で特に重視されるポイントは何ですか。

ファルク氏:
 インディー開発者の皆さんには,「gamescom awesome indies show」の編集枠に選ばれる可能性を高めるために,できる限り優れた応募内容を用意していただくことをお勧めします。具体的には,ピッチは短くとも中身のあるものであるべきです。トレイラーや画像といった素材が,そのゲームならではの魅力と,なぜコミュニティに愛されると考えるのかを完璧に伝えるものであること。ショーケース本番と同じで,ピッチやゲームの見せかたそのものが,見る人の心をすぐに動かすようなものであるべきです。

4Gamer:
 「gamescom GDQ」は,チャリティスピードラン団体Games Done Quickにとって史上初のヨーロッパ開催であり,gamescom側にとっても初のGDQとの公式パートナーシップだと発表されています。この提携は双方どちらから持ちかけたもので,なぜ今このタイミングで実現に至ったのでしょうか。

エンドレス氏:
 Games Done Quickは,ゲーム界において非常に強力な,コミュニティ主導型のチャリティの形です。スピードランは常に,ゲーム文化にどれほどの情熱と技術と創造性が宿っているかを示してきました。gamescomにとってこれは,まさにケルンに持ち込み,世界中のファンと分かち合いたいと考えているコミュニティのエネルギーそのものです。

 タイミングが合ったのは,2026年のgamescomが,会場とデジタルの両面でgamescomウィーク全体を通じてコミュニティとのつながりを強化し,さらに多くのコミュニティの瞬間を生み出すことをテーマにしているからです。

 gamescom GDQによって,来場者はGames Done Quickを欧州で初めて生で体験でき,世界中のファンはライブ配信を通じてイベントを追うことができます。コミュニティを一つにまとめ,gamescom体験を広げながら,良い目的にも貢献する。そのもう一つの方法なのです。

画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

4Gamer:
 gamescom GDQの収益は,Bertelsmann StiftungとStiftung Digitale Spielekulturが共同で立ち上げた新しい構想「Gaming for Democracy」に寄付されると発表されています。GDQはこれまでMedecins Sans Frontieres(国境なき医師団)やPrevent Cancer Foundationなど実績ある団体と組んできましたが,今回あえて新設の,かつ民主主義や市民参加をテーマにした構想を寄付先に選んだ理由を教えてください。

エンドレス氏:
 gamescom GDQでは,Games Done Quickの精神と,グローバルなゲームコミュニティのためのプラットフォームというgamescomの役割の両方にふさわしいチャリティ要素を加えたいと考えました。「Gaming for Democracy」は,ゲーム文化を通じて社会参加と民主的価値観を促進するものです。今回の初開催のテーマとして,非常に高い親和性があります。

 私たちにとって重要なメッセージは,ゲーム文化とは人々が力を合わせて成し遂げられることでもある,ということです。gamescomは世界中のコミュニティを一堂に集める場ですから,gamescom GDQを通じて,ゲーマーが変化を生み出せることを示すためにこのプラットフォームを使いたい。その変化はゲームコミュニティの内側から直接生まれ得るものなのです。

4Gamer:
 通常のGDQイベント(Awesome Games Done Quickなど)は1週間ほど24時間ぶっ通しで配信し続ける耐久マラソン形式が特徴ですが,gamescom GDQは8月28日から30日までの3日間,毎日CEST 10:00から20:00という昼間だけの区切った形式で実施されると発表されています。この形式の違いの狙いは何でしょうか。

エンドレス氏:
 gamescom GDQは,gamescom全体の体験に完全に組み込まれています。そしてほかのすべてのイベントと同様に,開場と閉場の時間が定められています。これがSGDQやAGDQとは異なることは私たちも理解していますが,gamescom GDQの初開催にあたっては,この形式を私たちの観客,欧州のコミュニティ,そして世界中の視聴者と共に試すうえで,最も良い方法だと考えています。

 会場からは合計およそ30時間分のコンテンツが世界中のコミュニティに向けて配信される予定です。2人がかりで1つのコントローラを操作する「Hades II」のランや,目隠しでのラン2本,さらには昨年のイベントで発売日が発表された「Hollow Knight: Silksong」といったインディー系スピードランのハイライトも含まれます。多くの読者の皆さんに,イベント期間中にリアルタイムでご覧いただくか,後日アーカイブ映像で楽しんでいただければと思います。

4Gamer:
 日本にはRTA in Japanのような国内のスピードランコミュニティ・イベントがありますが,こうしたコミュニティとの将来的な連携や,日本のランナーの招待を検討する可能性はありますか。

ファルク氏:
 私たちは常に,有望なプロジェクトとの連携に対してオープンな姿勢を持っています。とはいえ,gamescom GDQへの応募は,すでに世界中のランナーに開かれていました。今後,日本のランナーの皆さんにもgamescomに参加していただけることを心から願っていますし,もし第2回が開催されることになれば,日本のスピードランナーの皆さんにはぜひ応募を検討していただきたいと強く思っています。gamescom GDQに関するフィードバックも,今後の体験をより良いものにするために大変ありがたく思っています。

4Gamer:
 これまで「devcom」として独立開催されてきた開発者向けカンファレンスが,2026年から「gamescom dev」として名称変更され,gamescom本体に統合されます。devcomは2025年に登録来場者5400人という過去最高を記録しましたが,この統合によってこの勢いをどのような形(来場者数の目標,セッション内容の変化など)で2026年に引き継ぐ計画ですか。

ファルク氏:
 gamescom devは,これまでも常にgamescomウィークの一部でした。昨年記録した過去最高の来場者数は,この枠組みがすでにいかに強力で意義のあるものであるかを示しています。2026年に向けては,gamescomとのつながりをこれまで以上に見えやすくし,来場者にとって体験しやすいものにすることで,この勢いを引き継いでいきたいと考えています。

 gamescom devはgamescom bizアプリに完全に統合されており,ステージも共有します。記者の皆さんが両方のイベントに参加しやすいよう,共通のプレス登録の手続きも用意しました。内容の面では,このカンファレンスを成功に導いてきた要素――質の高い講演,パネルディスカッション,ワークショップ,開発者コミュニティ向けの引き合わせと人脈づくり――をさらに発展させていきたいと考えています。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

4Gamer:
 2026年から新たに,業界来場者(トレードビジター)向けに,月曜と火曜に開催されるgamescom devへのアクセスを含む「ビジネス5日券」が導入されました。これにより,これまで別々にチケットを買う必要があった開発者会議と展示会本体の商談機会や動線は,実際どう変わりますか。

エンドレス氏:
 この新しいチケットにより,ビジネスウィーク全体のつながりがより強固になります。業界関係者の皆さんは,開発者会議と展示会本体を別々の体験として扱うのではなく,月曜と火曜のgamescom devと,水曜から金曜までのgamescomを,一つの一貫したチケット体系で組み合わせて利用できるようになります。

 これにより人脈づくりの流れも良くなります。gamescom devで始まった会話を,展示会本体の期間中も続けることができるのです。gamescomのビジネスエリアや会場フロア,あるいはgamescomイベントに完全統合された公式B2Bプラットフォームであるgamescom bizを通じて,というように。商談の計画や人脈のフォローアップ,そしてgamescomウィーク全体をより戦略的に活用することが,容易になります。

 例えば日本を挙げてみましょう。昨年,日本は業界来場者数の伸びが最も大きかった国の一つでした。この新しいつながりと新しいチケットにより,日本からの来場者にとって,より多くの学びやビジネスの人脈をこれまで以上に得やすくなると考えており,訪問の価値を一層高められると私たちは強く信じています。

 つまり私たちが目指しているのは,イベントに単に新しい名前を与えることではなく,私たちのエコシステムに完全に統合することです。それは共通の基盤を分け合うことでもあります。例えば,gamescom devがパネルディスカッションに使うメインステージは,gamescomの展示会期間中の企画にも使われます。すべての来場者にとって実感できるレベルでの統合を目指しています。

4Gamer:
 日本のデベロッパやパブリッシャがgamescom devにセッション(講演,パネル,ワークショップ)を提案する場合,歓迎されやすいテーマや形式はありますか。

ファルク氏:
 重要なのは,その提案が国際的な開発者コミュニティにとって,関連性のある実践的な価値をもたらすかどうかです。gamescom devは,知識の共有,開発者同士の人脈づくり,そしてゲーム開発における最新の潮流,技術,ベストプラクティスを軸に構成されています。この趣旨に合う形式としては,トーク,パネルディスカッション,ラウンドテーブル,基調講演,ワークショップなどが挙げられます。

 最も強い提案は,通常,明確に持ち帰れるものがあるものです。具体的な制作上の知見,開発・技術・デザインの過程から得られた学び,あるいは業界がどこへ向かっているのかをほかの開発者が理解する助けとなる視点などですね。日本のデベロッパの皆さんにとっては,例えば自国市場やユーザー行動に関する知見なども当てはまるでしょう。付加価値を生み出すものであれば何でも,gamescom devにふさわしいと言えます。

4Gamer:
 gamescomの年次コスプレコンテストは2025年,過去最大となる5000人が観戦する規模になったとうかがっています。この結果を受けて,2026年のコスプレ関連プログラム(会場規模,招待コスプレイヤー,企画内容など)はどう拡張しましたか。

エンドレス氏:
 コスプレは2009年の開催以来,ずっとgamescomの一部であり続けていることを誇りに思います。それ以来,私たちはコスプレコンテストやコスプレヴィレッジの導入など,コミュニティ向けの内容を継続的に充実させてきました。今年は,海外の実力派クリエイターも含め,コスプレイヤーの皆さんが自身の作品を披露する機会をさらに増やしたいと考えています。

 その一例が「gamescomコスプレアンバサダープログラム」です。世界各地から選ばれたコスプレクリエイターをケルンに招き,来場者と情熱を分かち合い,それぞれのコミュニティがgamescomの興奮を彼らの目を通して体験できるようにするものです。今年Essenceの協賛を得て開催される「gamescomコスプレコンテスト」も,再び大きなハイライトの一つとなるでしょう。昨年の素晴らしい反響を受けて,コンテストは今年もイベントアリーナの大ステージで開催され,質の高い審査員団と,各コスプレ部門での優勝を目指す多くの有望な応募者が集まる予定です。

画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

4Gamer:
 2025年は業界来場者の伸びが北米とアジアで最も大きかったと発表されています。このアジア圏来場者の増加傾向を,コスプレやポップカルチャーエリアの企画内容・言語対応にどう反映していますか。

エンドレス氏:
 アジアのポップカルチャーは,ゲーム業界に大きな影響を与えています。かつては「NARUTO」や「ONE PIECE」のようなアニメ作品がゲーム化されるのが一般的で,それらはシリーズのファンを喜ばせるために作られていました。しかし今日では,状況が異なります。今度はゲームのほうが,著名なアーティストやスタジオによってアニメ化・漫画化されるようになっているのです。しかもそれらは,これまで以上に幅広い層に向けて作られています。「サイバーパンク2077」や「デビル メイ クライ」,そして昨年のgamescom Opening Night Liveでアニメ化が発表された「SEKIRO」などが,その例です。

 もちろん,このようなIPの使いかたの変化は,gamescom自体にも直接的な影響を与えています。昨年のgamescom Opening Night Liveでアニメが取り上げられたことに加えて,今年のイベントでは,アジアのポップカルチャーに着想を得た企画が数多く登場します。京都の桜祭りを思わせるアジアンガーデン・フードコートから,ソーシャルステージでのアニメ上映,アニメ関連のクイズを含む専用のプログラムまで,内容は多岐にわたります。

 さらに,特にアジアのポップカルチャーに関心のある方には,gamescom.globalの案内システムで,アジアのポップカルチャー関連の内容――デモやゲームプレイなど――を提供するブースをフィルタで絞り込んで表示できる機能も用意しています。これらはあくまで,ファンが期待できる内容と,地域ごとのメディアがgamescomに今後どれほど大きな影響を与えていくかの,ほんの一例に過ぎません。

画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

4Gamer:
 Koelnmesseは10月末に「gamescom asia x Thailand Game Show」をバンコクで開催予定です。こうしたアジア圏の姉妹イベントと,ケルン本体のコンテンツやコスプレイヤー,アーティストとの間で,相互交流やコラボレーションは計画していますか。

ファルク氏:
 相互交流やコラボレーションは,一見しただけでは分かりにくいことが多くあります。gamescom asia x Thailand Game Showの同僚の多くが,私たちのイベントに参加するためにケルンを訪れます。彼らは私たちが企画した内容を直接見る時間を取るだけでなく,スケジュールを数多くのビジネスミーティングで埋め尽くしていて,それがアジア版gamescomにとって実り多い協力関係につながることを期待しています。それに加えて,私たちは受賞歴のある日本のコスプレイヤーの方々にも,ケルンを訪れて日本のコスプレ精神をgamescomコスプレコンテストにもたらしていただけないか,話を進めています。

4Gamer:
 Koelnmesseはケルン本体に加え,ラテンアメリカやアジア(タイ・ゲームショウとの提携を含む)など地域拠点イベントの展開を進めています。ケルン本体開催とこうしたリージョナルイベント群は,それぞれどんな役割分担を意図していますか。来場者や出展社の奪い合いは起きませんか。

ファルク氏:
 gamescom latamやgamescom asia x Thailand Game Showといった地域版イベントを通じて,私たちは急成長中のほかの市場にもgamescom体験を届けています。これらのイベントは,企業が現地の観客と出会うための架け橋を築く助けとなると同時に,gamescomブランドを世界中でより広く知っていただくことにもつながっています。

 同じ来場者や出展社を奪い合うリスクがあるか,というご質問については,そのようなことはないと考えています。ドイツ・ケルンでのメインイベントには,そこならではの独自のメリットが確実に存在します。むしろ実際に見えているのは,それぞれのイベントが互いに良い影響を与え合い,より多くのファン,出展社,ビジネス関係者を惹きつけながら成長しているという状況です。

画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / [インタビュー]日本からの出展社は25%増。出展エリアが初めて完全に埋まったgamescom 2026の狙い[gamescom]

4Gamer:
 出展社登録が3年連続で早期割引後の記録を更新するなか,日本からの出展社,業界来場者数の推移をどう評価していますか。今後さらに誘致を強化したい市場として,日本をどう位置づけていますか。

エンドレス氏:
 日本は,私たちのイベントにとって今も昔も変わらず重要な国です。「ダークソウル」「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ゼルダの伝説」といった,最も愛されているビデオゲームシリーズの数々を生み出してきた国でもあります。日本企業がgamescomに参加し,新作や発売予定タイトルを披露し,ファンとの長期的な関係を築いてきた歴史は長く続いています。

 今年は,日本からの出展社数が25%増加しています。私たちはこの数字を,私たちのイベントに対する大きな信頼の表れであり,長年かけて築いてきた品質の証明であると捉えています。これらの日本のスタジオから生まれる素晴らしいゲームの数々を,心から楽しみにしています。

4Gamer:
 2025年は業界来場者の伸びがアジアで最も大きかったとのことですが,この結果を受けて,プレス対応(通訳体制,プレスラウンジ,アポイントメントシステムなど)に変更はありましたか。

エンドレス氏:
 昨年,私たちは3万4000人を超える業界来場者を迎えることができ,その中でも日本や中国といったアジア諸国での伸びが特に大きなものの一つでした。これほど多くの業界関係者の皆さんが,私たちと共にゲーム業界を祝うために,そして数多くのビジネスミーティングの機会を活用するために,ドイツ・ケルンまで足を運んでくださったことを,大変嬉しく思っています。この業界来場者数の伸びは,ビジネスプラットフォームとしてのgamescomの重要性を裏付けるものです。

 ジャーナリストの皆さんに対しては,取材活動を支援するためのさまざまなサポートを用意しています。ビザ取得のサポートから,多くの作業スペースと高速インターネット接続を備えた2つのプレスセンターの開設,そしてイベント期間中の飲食料金の割引まで,多岐にわたります。ジャーナリストの皆さんは,私たちのgamescom bizアプリを通じて,業界関係者に直接インタビューやアポイントメントを依頼することもできます。ジャーナリストの皆さんが,記事にしたいストーリーについて最良の切り口を得られるよう,イベントのあらゆるレベルへのアクセスを確保すること,そして取材がスムーズかつ円滑に行えるようなメリットを提供することを,私たちは大切にしています。



 質問への回答を並べてみると,2026年のgamescomが何を増やそうとしているのかは見えやすい。増やせるのは出展面積ではなく,露出の機会と,会場に滞在する理由のほうだ。インディー向けのショーはIGNと組んで国際的な配信の枠を広げ,GDQは会場に専用ステージを持ち,開発者会議は名前ごと本体に取り込まれて1枚のチケットで通せるようになった。会場が埋まりきった以上,伸ばせる方向はそちらしかない。

 gamescomを実際に取材して感じるのはその巨大さだ。正直,会期中に網羅することは不可能ではないかという規模になっているが,だからといって会期をむやみに延ばすわけにもいかない。世界各国のゲームやサービスが1か所に集まるという利点もあるが,その1か所が広すぎれば,来場者は結局,来る前から名前を知っていたものの列にしか並ばない。回答が露出の機会にばかり寄っていたのは,主催者もそこを分かっているからだろう。専用エリアも,IGNと組んだ配信も,ブースまでたどり着かなかった作品を拾い上げるための仕掛けである。

 では,この先はどうなるのか。ケルンの会場が物理的な上限に達した以上,gamescomの成長はもう面積の話ではない。主催者はすでに2027年以降の拡張構想に入っているというが,そこで増えるのが床なのか,開催地なのか,配信の枠なのかは,まだ分からない。ただ,サンパウロとバンコクの地域版が育ち,開発者会議が本体に吸収され,ショーが世界配信へ広がっていく今年の並びを見るかぎり,伸びしろの多くはケルンの外に置かれている。

 もう一つ効いてくるのが,IPの向きの逆転だろう。かつてはアニメがゲームになったが,いまはゲームのほうがアニメや漫画になっていく,とエンドレス氏は言う。今年の会場にアジアのポップカルチャーを意識した企画が並んだのも,その延長線上だ。新作の発表だけが人を集める理由ではなくなりつつあり,会場が埋まりきったという記録も,その途中で出た数字にすぎない。

 大規模なゲームショウは各メーカーの費用負担が大きく,業界の景気に左右されやすい。明るくない話題が続くこの数年で,それでも出展エリアが初めて埋まりきった。ケルンに出す金には見合うものがあると,これだけの数の企業が判断したということだろう。

  • 関連タイトル:

    展示会/見本市

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:08月28日〜08月29日