ソニーは2020年5月19日,経営方針説明会をオンラインで開催した。この説明会では,同社 社長 兼 CEO
吉田憲一郎氏 より,2021年4月1日にグループ本社機能に特化した会社
「ソニーグループ」 を発足することなどが発表された。本稿では,主にゲーム&ネットワークサービス分野に関する経営方針の説明について取り上げる。
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2020/05/19 19:33
ゲーム&ネットワークサービス分野の説明では,まず世界的にPlayStationユーザーが増えていることに言及がなされた。具体的には2019年度第4四半期の3か月間でPS Plusの会員が270万人増加し,2020年3月末時点で4150万人に達したとのこと。この要因は,新型コロナウイルス感染拡大の影響により人々の外出自粛が続く中,ゲームを始めとするデジタルエンターテイメント需要が世界的に増加していることにある。
2020年の年末商戦期に発売予定の
PlayStation 5 の特徴もあらためて紹介された。最初に取り上げられたのは
「スピード」 で,PS5は超高速SSDとカスタム設計により,PS4の約100倍のゲームデータ読み込み速度を実現しており,切れ目のない没入感のあるゲーム体験を提供する。
PS5のワイヤレスコントローラ
「DualSense」 は,プレイヤーの五感に訴えかけるゲーム体験を実現する。具体的にはハプティック技術の採用により,車が泥道を走るときの重いずっしりとした感触が味わえたり,同じくアダプティブトリガーの搭載により,弓を引き絞るときのような緊張感のある動作を実感できたりする。
さらにPS5では
サウンド面 も進化。3Dオーディオ処理専用のユニットを搭載することで,多様かつ複雑な3Dサウンド表現が可能となり,前後左右上下と音がプレイヤーの周囲を動き回る感覚を体験できる。
またこれらのスピード,触感,音を活かした没入感のあるゲーム体験を提供するPS5向けゲームタイトルも,ファーストパーティ,サードパーティともに準備を進めており,そのラインナップは近々発表予定とのことだ。
PlayStationは,今後もコンシューマ機での没入感のあるゲーム体験とクラウドを介した
「いつでもどこでも」 というシームレスなゲーム体験の双方を提供していくという。
関連して2014年にサービスを開始したPS Nowは,2020年4月末時点で有料会員数が220万人を超えたこと,またPS Nowの技術を活用したリモートプレイがスマートフォンへの対応によってユーザー数を約2.5倍に伸ばしたことも紹介された。
そのほかイメージング&センシングソリューション分野では,AIリサーチャー・エンジニア集団からなる子会社を設立したことが紹介され,ゲームなどソニーならではの領域でAIの技術を進化させていくとの言及がなされた。