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18.4インチ液晶搭載のASUS製大画面タブレット「Portable AiO P1801-T」で考える,「みんなでワイワイ」プレイするゲームの可能性
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印刷2014/07/26 10:00

レビュー

大画面タブレットで考える,「みんなでワイワイ」プレイするゲームの可能性

ASUS Portable AiO P1801-T

Text by 徳岡正肇


Portable AiO P1801-T
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:問い合わせページ
実勢価格:5万5000円前後(※2014年7月26日現在)
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 ASUSTeK Computer(以下,ASUS)と聞くと,オールドPCユーザーは真っ先にマザーボードを思い浮かべるだろう。最近の人だと,価格の割に信頼性が高いノートPCやWindows 8.x/Androidのタブレットなどを思い浮かべるケースのほうが多いかもしれない。しかし,それがASUSというメーカーの一面でしかないことも,ガジェット好きであれば知っているはずである。
 物理キーボードとドッキングできるタブレット端末(※いまや一般的だが,ASUSからリリースされた当時は非常に珍しかった)や,スマートフォンと合体できるタブレット端末,内側にも外側にも液晶パネルを搭載するノートPCなど,ASUSは,思わず「は?」と二度見せざるを得ない製品を定期的に市場へ投入してくるメーカーでもあるのだ。

 今回取り上げる「Portable AiO P1801-T」(型番:P1801-T-B99,以下 P1801-T)も,そんな“二度見系”製品の1つだ。今回は,この春発売になったそんな大物新人の紹介を通じ,タブレット端末がゲーム用途で持つ可能性を語ってみたいと考えている。


日本よ,これが18.4インチだ。


「タブレット情報」をキャプチャしたところ
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 P1801-Tは,そのスペックシートの大部分において,今日(こんにち)のエントリー〜ミドルクラスに位置づけられるAndroidタブレットである。
 OSはAndroid 4.2.1(Jelly Bean)で,画面解像度は1920×1080ドット。プロセッサはNVIDIAの「Tegra 3」,メインメモリ容量は1GB,メインストレージはeMMCで容量32GB(※microSDXCスロット搭載),バッテリー駆動時間は公称5時間だ。プロセッサとメインメモリ容量,バッテリー駆動時間を見るとハイエンドモデル比で数歩譲るものの,ローエンドとまではいえないくらい,といったところか。

横置き時における左側面(左)と右側面(右)。左側面にはセキュリティロック対応機構があるだけで,3.5mmミニピンのアナログヘッドセット接続端子やmicroSDXCカードスロット,USB mini-Bポート,音量調整ボタンおよび電源ボタンはすべて右に並んでいる。なお,P1801TはAndroidとWindowsを切り替えながら利用できる液晶一体型PC「TransAiO P1801」における“Android部”の単体販売版だったりするため,TransAiO P1801でのみ利用可能な「AndroidモードとWindowsモードを切り替えるときに使う青いボタン」も用意されている
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横置き時における上側面(左)と下側面(右)。下側面側にはTransAiO P1801として使うときの接続端子と固定用の穴が設けられているが,P1801-Tで使うことはない
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単体で見ると分からないかもしれないが,液晶パネルのサイズは18.4インチもある。「実際,どれくらい大きいの?」という話は後段で
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 そんなP1801-Tだが,コイツは1つだけ,明らかに“異常”なスペックを有している。それは,液晶パネルのサイズが18.4インチワイドだということだ。Androidタブレットの標準的なパネルサイズは7〜10インチなので,規格外に大きいことになる。
 ちなみにタブレット本体のサイズは,机の上に寝かせた状態で466(W)×294(D)×18(H)mm。「巨大」とまでは言わないが,この「板」がすんなり入るビジネスバッグは,なかなかない(※筆者の手持ちだと,ベラルーシ陸軍歩兵用の背嚢がベストフィットしたので大いに助かったが,日本でこれを入手するのはあまり容易ではない気がする。旧赤軍の背嚢とコンパチだと思うので,そちら系に詳しい人はぜひ)。

持ち運び用の取っ手に片手をかけられる
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 とはいえ朗報もある。重量はたったの2.5kgで,持ち運びはそこまでつらくないのだ。片手持ちはあまりお勧めできないが,標準で用意される取っ手を使いつつ,もう片方の手も使って両手で持つ分には十分な機動性があると述べていいだろう。 世界で最も普及した突撃銃である「AK-47」が,マガジンを装着しない状態でも約4kgあるのだから,2.5kg程度であれば長距離の移動にも難なく耐えるはずだ。
 より現実的な話をすれば,家の中を持って歩く程度であれば,この重量はほとんど問題にならないと思われる。

 なお筆者は諸般の事情で,このマシンを持って新宿→津田沼→有楽町と半日出歩くことになったのだが,重量面ではこれといった負担を感じることはなかった。
 「ガラスが張られた大型の板」ではあるので,クッション材で包んだとしても,ガラスが割れたりしないような配慮はどうしても必要で,精神的にはかなり疲れた。ただ,半日の移動を経ても,P1801-Tの表面に傷がついたり,静電容量方式のタッチセンサーがおかしくなったりということはもちろんなかったので,適切な梱包さえできるなら,相応の長距離移動もまず問題ないとは言える。自家用車があれば,運搬にあたっての困難はほぼゼロになるだろう。


実用性はあるが,Androidタブレットとしての利便性には疑問も


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 さて,P1801-Tを“普通の”Androidタブレットとして見たときの使い勝手だが,端的にいえば「至って普通」だ。
 Androidスマートフォンが登場した直後に触れて「ないわー」という結論に至り,iOSデバイスへ乗り換えた人は意外と多いのではないか――というか筆者がまさにその一人だ――と思われるが,Jelly Bean以降のAndroidは非常に使い勝手がよくなっている。なかでも,ファイルマネージャを使ったファイル管理などといった,PC的な作業を行うにあたっては,iOSデバイスよりも便利なケースが少なくない。
 前述のとおり,P1801-Tのスペック自体,決して高いものではないが,全体的な動作はとてもキビキビしている。

厳密なテストを行ったわけではないが,見る限り発色は良好。IPSパネルということもあり,かなり角度を付けた状態からでも画面は視認できる
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 ただ,これは「普通にAndroidタブレットして使う場合,P1801-Tにおける最大の特徴である『画面が大きいこと』のメリットをあまり感じられない」というのと同義でもある。

 言うまでもなく,3Dゲームをプレイしたり,ビデオを再生したりすれば,映像の迫力が上がっているのは確認できる。また,地図やお絵かき系アプリであれば,画面が大きいメリットを直接的に享受できるだろう。
 だがここには,大きな問題がある。P1801-Tにはスタンドが付属しており,映像を楽しむ場合には,「AiO」(All-in-One)という名のとおり,液晶一体型PCのように机の上にセットして使えるのだが,この状態ではタッチパネルが使いにくいのだ。画面をスワイプしたり,アイコンを長押ししたりといったアクションを行うときは,タブレットなりスマートフォンなりをしっかり手でホールドできている状態でないと,操作にあたってなんとも言えない不安定感に襲われることとなる。

スタンドの角度は調整できるが,だからといってタッチ操作時の不安定感が完全にぬぐい去れるわけではない
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 もちろんこの問題は,P1801-Tを“普通の”タブレットよろしく両手で持って使えば解決する。だが,座って膝の上で使うならともかく,仰向けに寝転んで使うのは,さすがに危険だ。重量数百gレベルの一般的なタブレット端末ですら,仰向け状態での使用中にうっかり落として顔面にぶつけようものなら,ケガしたり,メガネが壊れたりする。18インチの液晶ディスプレイが落ちてきたら何をかいわんやであり,絶対にやるべきではない。

 結局,生活に密着した環境での使用が前提となるタブレットにあって,18.4インチという画面サイズは大きすぎるのだ。性能的には問題ないが,現実レイヤーでの取り回しの悪さは,タブレット端末というガジェットの存在価値そのものを毀損してしまう。
 第一,大画面で映像コンテンツのストリーム配信を楽しみたいなら,それこそ「Chromecast」など,今ならテレビに接続するその手のガジェットがいくらでもあるのだから。


「タブレット」という新しいメディア


 ……というのが,おそらく一般的なガジェット好きがP1801-Tを使ってみたときに持つ感想ではないかと思う。筆者も同感だからこそ,そう書いた。
 ただこれはあくまでも,「一般的なAndroid端末使用法の範囲において」という,かなり限定された視点からのものであると断言してしまおう。なぜならP1801-Tには,タブレット端末がいま密やかに開花させつつある「もうひとつの可能性」を大幅に拡張する,ドリームマシンとしての使い方があるからだ。

“普通に”使ってしまう限り,P1801Tは「巨大なスマホ」でしかない
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 前述のように,タブレットというものは基本的に,スマートフォンと同じく,ユーザーが手に持って使う前提になっている。最近は外部キーボードも一般化してきたが,原則的には「片手でホールドして,もう片手でタッチか,片手でホールドしつつタッチ」となるだろう。
 だがここには,「スマートフォン的な機能を持つ製品のうち,おおむね7インチかそれ以上のものをタブレットと呼ぶ」という,暗黙の大前提がある。

 スマートフォンであれば,「片手でホールド,片手でタッチ」「片手でホールドしつつタッチ」で問題ない。スマートフォンから得られる体験は,極めて個人的なものだからだ。何か面白い写真やビデオを見つけたときに,それを側にいる誰かに直接見せることはあっても,基本的には「自分で使って,自分だけが画面を見る」ガジェットである。

 しかしタブレット端末は,必ずしもこの使い方に限定されない。
 ある程度まで画面が広いタブレットなら,机の上に平たく置くことで,そのテーブルに座っている全員が同じ画面を簡単に共有できるようになる。コンテンツそのものはインターネット上にあったとしても,それを1台のタブレットに“下ろして”くることで,その場にいる全員がそのコンテンツを共有できるのだ。感覚的に言えば,まだテレビが日々の娯楽の王様だった時代,リビングに置かれたテレビを家族全員が見る,その構図に近い。付け加えるなら,この状態では,スタンドを使うときと比べ,タッチの操作感もぐっと安定する。
 スマートフォンが「個人がインターネットに接続する」ガジェットであるとすれば,タブレットは「大きなスマホ」として使うほかに,「空間を作る」能力を持っているのである。

画面に特定の名詞と無数のオブジェクトが表示され,名詞が示しているオブジェクトを探してタップするゲームの例となる「Little Things Forever」。Android版およびiOS版が用意されている
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 この典型的な例は,一部のゲームによく現れている。スマートフォンアプリには,「画面に特定の名詞と無数のオブジェクトが表示され,名詞が示しているオブジェクトを探してタップする」タイプのゲームが結構ある。画面いっぱいにタコやイカや箒や万年筆や時計といったアイテムが散りばめられているなか,「箒」と表示されたらそこから箒の絵を探してタップする,というシンプルなゲームだ(※ちなみにこのゲームパターンは,かつてFacebookでソーシャルゲームが大流行した頃,Zyngaを首位から蹴落としたことで知られる)。

 この種のゲームは,スマートフォンでプレイしてもいいが,タブレットを使って複数人でプレイすると,より一層盛り上がる。そもそも画面が大きいほうが楽しいゲームであるうえ,一人で黙々と探すより,みんなでワイワイ探したほうが楽しいに決まっているのだ。

 この「みんなでワイワイ」できる場は,かつてコンソールゲームがそうだった。ファミコンやメガドライブといったゲーム機の時代,ソフトもハードも比較的高価だったため,子供達は「それを持っている友人の家に集まって遊ぶ」のが一般的だった。
 時代の変化とともにこの様式は変化し,PCではそれがインターネットと結びつくことで,「みんなでワイワイ」を成立させることに成功した。携帯ゲーム機ではモンスターハンターシリーズにおけるアドホック通信のような形で「みんなでワイワイ」を成立させ,欧米,とくに欧州では,Wii Fitが体重計を通じて実現している。
 タブレット端末は,この「みんなでワイワイ」を,もう一度,往年のファミコンやメガドライブの時代と同じ形で再構築できる能力を持っているのだ。しかも,昔よりもエレガントな形で。

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Kingdom Builder。iOS版もあるが,今回はもちろんAndroid版を用いる
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Kingdom Builderは基本的に,手番ごとに自分の植民村コマを3つずつマップ上に置いていくだけのゲームだ。ただ,置けるルールなどが凝っていて奥深く,繰り返し遊べる工夫も多い
 などといった概念論はさておき,実際に,本当にタブレットを使って「みんなでワイワイ」は可能なのか,実証実験をしてみることにした。
 今回使用したのは,2012年にドイツボードゲーム大賞を取った傑作ボードゲーム「Kingdom Builder」のAndroid移植版だ。Google Playにおける販売価格は599円(※2014年7月26日現在)となっている。

 ボードゲームは,「みんなでワイワイ」が大前提となるゲームだ。一方で,非常にしばしば「木のコマの味わいがよい」「コンピューターゲームにはないよさがある」という,いたって感覚的な評価を受けがちなゲームジャンルでもある。ではもし,スマートフォンは論外として,10インチ級タブレットの「狭い画面」ですらなく,実際のボードゲームとほぼ同じ面積を持つ画面の上でこれをプレイしたら,どれくらい楽しめるのだろう?
 というわけで,日本のゲームデザインの父である鈴木銀一郎先生,さまざまなエンターテイメントを影から日向から支えるシャチ氏,ライターで作家のAssault氏,そして不肖筆者の4人で,Kingdom Builderのテーブルを囲んでみることにした。

鈴木銀一郎先生とシャチ氏,Assault氏,筆者の4名でP1801-Tを囲んでKingdom Builderをプレイ
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 本記事はゲームのレビューではないので,ゲーム内容や展開について詳細は割愛するが,第1回戦はiPad版でKingdom Builderを遊び込んでいた筆者の勝利,第2回戦は鈴木銀一郎先生の圧勝となった。

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画像集#020のサムネイル/18.4インチ液晶搭載のASUS製大画面タブレット「Portable AiO P1801-T」で考える,「みんなでワイワイ」プレイするゲームの可能性
 プレイ後,面々に感想を聞いてみると,「実物で遊ぶのと遜色ない」「コマがどこに置けるのか,アプリ側が明示してくれるのがとても便利」「もうちょっとアンドゥが効いてくれるともっといいが,これはアプリの問題」という意見が得られた。
 鈴木先生も大いに納得のプレイ感覚だったようで,ゲーム終了後もしきりに褒めるとともに,「アプリとボードゲームで互いに市場を潰し合う関係にはならないだろう。むしろ,もともとボードゲームを買う習慣のある人は,アプリで遊んで気に入ればボードゲームを買うだろうし,元のボードゲームが好きならアプリも買って普段から練習したくなる」と,ビジネスモデルが互いに衝突しないであろう点を高く評価していた。

 念のため,筆者手持ちのiPad 2でもKingdom Builderを起動させてみたが,画面サイズの違いは歴然。集まったプレイヤーは全員が「遊ぶなら絶対にこっち」とP1801-Tを支持した。やはり大画面は正義なのだ。

P1801-TとiPad 2でKingdom Builderの画面を比較。大画面は正義である
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 なお,Kingdom Builderとは別に,Si-phonと国際通信社の中黒氏が協力して開発したミニサイズのウォーゲーム「ガザラの戦い」「空母決戦1942」をプレイしてみた。これらはもともとマップがハガキサイズ程度のミニゲームであるため,18.4インチは原作より大きなコンポーネントとなるが,プレイ感覚は良好。「コマを置く」「コマを動かす」という感覚は,タッチパネルとの相性が非常に良いことを,あらためて感じさせられた次第である。

ウォーゲームというと,「難しい」「面倒くさい」「プレイに長時間かかる」という負のイメージを持つ人が多いと思われるが,ガザラの戦いと空母決戦1942はルールが簡単で,短時間で決着し,しかも面白い。基本は2人プレイだが,AI対戦モードもある
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写真だと映り込みのほうが目に付くだろうが,実際には指紋もかなり目立つ。ゲーム中はあまり気にならないのが救いか
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ドラッグに難儀しているところ
 最後にP1801-Tでプレイヤー全員が気になった弱点を2つ挙げておくと,まず採用されているガラスの材質のせいか,とにかく指紋が目立ちやすいのだった。しかも,拭いても落ちにくい。
 もう1つは,画面上に指を滑らせるときの感覚に「ひっかかり」があり,スワイプやドラッグといった操作感が悪いことだ。タブレットである以上,画面に触れないと話が始まらないだけに,この操作性の悪さは気になった。

 これらの品質は,販売価格や重量に直接影響する部分でもあるので,根本的な対策は難しいかもしれない。5万5000円前後という実勢価格(※2014年7月26日現在)を考えれば,価格の範囲内でベストが尽くされているとは思うが,気になる人は少なくないとも思われるので,購入時には注意してほしい。
 フリーカットに対応した大型の液晶保護フィルムを貼るのが,少なくとも指紋に関してはおそらく最もよい対処法だ。平置きすると天井の照明が映り込みやすいので,反射防止系を選ぶのがいいだろう。


未来への道標として


 ボードゲームアプリは,あまたあるAndroidアプリにおいて(そしてiOSアプリにおいても)決してメジャーではない。また,「ボードゲームアプリを遊ぶと楽しいから,P1801-Tは素晴らしい」とまで言うのは,さすがにニッチすぎる需要に対する回答かもしれない。

 だが,「ボードゲームが好き」「でもボードゲームは保存するのにも場所をとるのが困る」という悩みを抱えている人にとって,P1801-Tがよい選択肢となり得るのも確かだ。ボードゲームを買うのと比べると,決して安い買い物ではないが,ある意味でボードゲーマーの夢が形になったマシンであり,またボードゲームアプリは元のボードゲームに比べて非常に安価なので,本数を揃えていけば「元を取る」のもそれほど難しくない。
 むしろ最大の問題は,有名どころのボードゲームの多くがアプリ化されているiOSに比べ,Androidは種類がかなり限定されていることのほうだろうか。

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 「リアルな空間で,デジタルコンテンツを共有する『場』を形成するガジェット」として,P1801-Tは未来志向を持ったデザイナーの注目をもっと集めてもいいと筆者は考える。
 何かと設備が大掛かりになりがちなその手の企画において,P1801-Tはアプリを数時間駆動させるだけなら完全にスタンドアロン,インターネット接続が必要な場合でもモバイルWi-Fiルーターとの組み合わせだけで利用できる。これは実際,かなり魅力的だ。

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 繰り返すが,P1801-Tを「これはすごい」「超便利」「買うしかない」と思えるのは,わりと限られた層であると思われる。ASUSだって,まさかこれがグローバルスタンダードな何かになると確信して開発してはいまい(して,ませんよね……?)。
 だが,P1801-Tには,アイデアレベルにおいて,コンピュータが持つ未来の姿の一例であるようにも思う。そう遠くない未来において,「そういえば昔はこんな形で,○○を無理矢理実現させようとしていたんだなあ」と懐かしく思い出す可能性だって,決して低くないだろう。現代の我々が,「そういえばユビキタスなんて言って無理してた時代もあったなあ」と,懐かしく思い出すように。
 その未来に続く道の,入り口を早めに潜りたいのであれば(あるいは潜る必要がある人は),ASUSの冒険に付き合ってみてもいいと思えた。

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ASUSのPortable AiO P1801-T製品情報ページ


■3分間ダイレクトマーケティング
 なお,スマートフォンやタブレットでプレイできるボードゲームアプリは,英語版が多いのだが,その遊び方やインタフェースを開発した本で「アプリでボドゲ」が発売されている。というか筆者が書いている。
 出版時期の都合もあり,最新タイトルはいくつか含まれていないものもあるが,それでも45タイトルをカバーしているので,興味のある人はチェックしてもらえれば幸いだ。というか,なにとぞよろしくお願いします。

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  • 関連タイトル:

    Android端末本体

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