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筆者と本作の出会いは,2025年8月に韓国・釜山で開催されたインディーゲームイベント「BIC2025」に遡る。吉田修平氏が「絶対見るべき」「もしかしたら一番好きかもしれない」と熱烈におすすめしたのが本作だった。
[インタビュー]猫,潜水艦,そしてキリン。元SIE・吉田修平氏がBICで見た,韓国インディーの現在地。「もう2,3年したらドカンといくかも?」
釜山のBICで,元SIEの吉田修平氏がインディーブースを渡り歩いた。氏が一番好きだと語る「赤い玉を追う猫のゲーム」から,潜水艦同士の駆け引き,コミュ障のキリンまで,若手の独立気運と韓国インディーの現在地,そして2,3年で爆発するという兆しを語る。吉田氏の視線で確かめた現場レポートをお届けしよう。
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ならばと実際にブースへ足を運んでみたところ,なんともゆるくて味のある手描きのイラストと,気難しいネコに「ちょうどいい赤いボール」を渡したときの幸せそうな表情がたまらなくて,思わずニヤけて変な声が出てしまうほどだった。
筆者にとっても強く印象に残っていた作品だ。吉田氏は,各所でたびたび「これはいい」とお気に入りのタイトルとして紹介している。
チルくてほっこりするボール探しゲーム「私の赤いボールはどこだ」は,ネコの幸せそうな顔でニヤけが止まらない[BIC2025]
2025年8月15日から17日まで,韓国・釜山で開催中のインディーゲームイベント「BIC2025」の会場で,かなりゆるい雰囲気のポイント&クリックゲーム「私の赤いボールはどこだ」が出展されていた。赤いボールが好きなネコのために,ボールをどうにかして手に入れてあげるゲームだ。
そんな作品を大阪で見かけることになるとは。ブースへ立ち寄ると,筆者が取材したのは1年以上前だったにもかかわらず,開発者の方が顔を覚えてくれていたようで「あのときの!」と笑顔で迎えてくれた。
さらに,未公開のステージもぜひと,開発中の最新ビルドを遊ばせてくれたのだ。謎解き要素のある作品なので,多少ネタバレが出てしまうのはご了承いただきたい。
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本作のルールはいたってシンプル。どこか寂しげなネコのために,画面内のさまざまなオブジェクトを調べたり動かしたりして,大好きな「赤いボール」を探し出して渡してあげることだ。
ただし,このネコは非常にこだわりが強い。少し汚れていたり,凹んでいたり,サイズが小さかったり,微妙に色が違ったりするボールを渡しても,そっぽを向いて絶対に受け取ってくれない。
ネコが求めているのは,完璧な「正しい赤」のボールただ1つなのだ。
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前回のBIC試遊では,箱を開けたり,リンゴの木を揺らしたり,ウェットティッシュで磨いたり,ペンキで赤く塗ったり,スロットマシンを目押ししたりといった多彩なロジックが登場したが,今回触らせてもらった未公開ステージでは,ちょっとアクション要素があったり,よく観察して見極めていく謎解きがあったりと,幅がかなり広がっていた。
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画面のあちこちをクリックして試行錯誤し,ようやく見つけ出した「正しいボール」をネコに渡すと,ネコはふにゃふにゃとした全身で喜びを表現し,とろけるような至福の笑顔を見せてくれる。
この表情が本当にたまらない。何度見ても,あぁいいなってなる。
謎解きはもちろん,ゲームの背景にある物語もBICのときから大きく変わったようだ。
もともとは「ネコの親子(両親と子どもの3人家族)」を巡るストーリーとして構想されていたが,正式に開発を進めるなかで,なんと「姉妹の物語」へと全面的に作り直されたのだという。
今回のバージョンでは,パズルを解き進めるごとに,日記の断片を通して少しずつ姉妹の関係や過去が明かされていく。
すべてのステージを解き明かしたときに,物語の全貌がそろう仕掛けだ。記事ではお見せできないが,開発中のイラストも見せてくれて,かなり用意していそうだ。
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作り始めた当初は趣味のプロジェクトだったが,本格的に開発していくことになったとき,物語をどうするか改めて悩んだという。そして,自分が実際に経験したことをもとにしたほうがいいと考え,家族の物語から姉妹の物語へと変えたそうだ。
開発者自身が,現実でも「妹」なのだそうだ。
作中の出来事そのものは実話ではないが,幼いころに姉と喧嘩したり,仲直りしたりした日々の実感をベースにしているという。
姉が小さいころにつらい思いをしていた時期があったが,当時の自分は幼くて助けてあげることができなかった。それがずっと心残りになっていて,だからこそ,妹が姉を助けてあげるようなゲームを作りたかったのだという。
赤いボールを必死に探して渡してあげるゲームプレイそのものが,幼い妹がお姉ちゃんを「喜ばせたい」「力になりたい」と願った純粋な思いの形なのだ。
そう聞いてから改めて画面のネコを見つめると,ボールを受け取ったときのあの幸せそうな笑顔に,いっそうほっこりしてくる。
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実はBIC2025の出展後,本作は本業の都合などもあって一時期開発がストップしていて,2026年5月くらいから本格的に再開したという。
全60ステージを予定しており,現在はそのちょうど半分となる30ステージが完成。ストーリーの執筆作業はすでに完了しており,いまはアニメーションや演出面のブラッシュアップを進めているとのことだ。
ゲームは,2027年第1四半期のリリースを目指して制作が進められている。Steamでは体験版も配信中なので,この記事を読んだ人はとりあえず触ってみてほしい。この作品の良さは,触ってみて初めて心に残るものだと思うからだ。




















![画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / ボールを渡した瞬間の,ネコの幸せそうな顔がたまらない。「私の赤いボールはどこだ?」は親子の話から姉妹の物語へ[OIGS2026]](/games/937/G093713/20261011010/TN/007.jpg)



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![画像ギャラリー No.013のサムネイル画像 / ボールを渡した瞬間の,ネコの幸せそうな顔がたまらない。「私の赤いボールはどこだ?」は親子の話から姉妹の物語へ[OIGS2026]](/games/937/G093713/20261011010/TN/013.jpg)
![画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / ボールを渡した瞬間の,ネコの幸せそうな顔がたまらない。「私の赤いボールはどこだ?」は親子の話から姉妹の物語へ[OIGS2026]](/games/937/G093713/20261011010/TN/015.jpg)
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![画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / ボールを渡した瞬間の,ネコの幸せそうな顔がたまらない。「私の赤いボールはどこだ?」は親子の話から姉妹の物語へ[OIGS2026]](/games/937/G093713/20261011010/TN/018.jpg)