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印刷2023/09/22 00:52

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[TGS2023]インディーゲームコーナーの一角で落ち着いた雰囲気を放っているヨカゼの新作たちを紹介

 東京ゲームショウのインディーゲームコーナーは,多種多様なゲームの試遊台が密集したエリアになっている。そのため,かなり怖いホラーゲームの横にかわいい女の子を前面に押し出したゲームが並ぶ……といった“ごった煮”の雰囲気があるのだが,そこから少し離れた場所にスペースが設けられ,落ち着いた雰囲気を放っているのがヨカゼのタイトルたちだ。

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 ヨカゼはroom6によるインディーゲームレーベルで,「思わず世界に浸ってしまうような、情緒のある体験を持つゲームをリリースするためのレーベル」とされている。
 各タイトルの開発者やゲームジャンルが違っても,グラフィックスや音楽,テキストから,どこかやさしい,しっとりとした雰囲気が共通して感じられるのが特徴。言葉を変えると,まさにこれからの秋の夜長にプレイするのがぴったりのゲームとなっている。

 本稿では,ヨカゼが出展しているタイトルから,未発売のものを中心に紹介しよう。


「From_.」

PC / Nintendo Switch,2024年発売)

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 郵便屋となって,住民に手紙や荷物を届けるアドベンチャーゲーム。2017年にリリースされたスマホ向けタイトルを移植し,オリジナル版にあった「水の国」に加えて,「大地の国」「風の国」が登場し,世界はさらに広がる。

 荷物や手紙を届ける中で見えてくる住民同士の関係や,どうも自身についてきているらしい謎の存在についての物語が展開していく。青と黒の2色で描かれるドットグラフィックスや,ピアノのBGMも印象的な作品だ。

 今回プレイできたのは水の国だったが,PC/Nintendo Switch版で初登場するという夜のシーンを確認できた。もちろん画面はモノクロなので,空に浮かぶ月や星でそれと分かるのだが,BGMもギターに変わるという演出も施されている。

 なお,新しく登場する国のグラフィックスは,それぞれに合ったカラーと黒の2色で構成されるとのこと。スマホ版(iOS / Android)をプレイ済みの人でも,楽しみが多そうなタイトルだ。

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「Recolit」

PC / Nintendo Switch,2024年発売)

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 ある惑星に不時着した宇宙飛行士が,近くにある町を探索するアドベンチャーゲーム。
 日本のどこにでもありそうな町で,そこにいる人たち(と言っても,顔もよく見えない,ぼんやりとした存在)からは,過去に主人公の知り合いだったような雰囲気も感じられる。

 ゲームは,困っている住民を助けるとその住民が消え,代わりに街灯がついて探索可能なエリアが広がるといった感じで進んでいく。

 いわゆる“お使い”なのだが,今回のプレイでは「○○をしてほしい」といったように,具体的なお願いをされることは少なかった。先輩(主人公のことらしい)との会話が続かなくて困っている後輩に自販機で水を買ってあげたりといったような,気の利いた助けが必要になることが多く,そこが独特の魅力になっている。

 また,道に落ちているアイテムを手にしたときに表示される主人公の独白も,いい味を出している。

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「狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼」

PC / Nintendo Switch,発売日未定)

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 ある島に流れ着いた狐と蛙のコンビを主人公にしたアドベンチャーゲーム。写真を見れば分かるとおり,和の要素をベースにしつつも,自分たちが知っている和風ではない,どこか奇妙で不気味な島の雰囲気が特徴的だ。

 狐と蛙はひとまずこの島で一晩過ごし,翌日には出ようとするが,旅館への道中で般若のような面をかぶった「コトロ鬼」に遭遇し,本物の鬼ごっこが始まる。狐は狐火でコトロ鬼の目をくらまし,時間を稼ぐことができるが,掴まったらゲームオーバーだ。

 このように,コトロ鬼から逃げつつ島を探索して,脱出への道を探るのが本作の目的。怪しげな世界を逃げ回るのは,怖さとともに幻想的な雰囲気がある。レンズのボケを効果的に使った演出もあり,とにかく見ていて飽きないグラフィックスのタイトルだ。


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「果てのマキナ」

PC / Nintendo Switch,発売日未定)

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 主人公のマキナが,ブーメラン(型の剣)とワープを駆使して進む2Dアクションゲーム。と言ってもブーメランとワープは完全に別々の能力ではなく,ブーメランがある場所にワープできる仕掛けだ。投げてはワープ,を繰り返して,ジャンプでは届かない段差を越えたり,敵の攻撃をかわしつつ背後に回り込んだりといったアクションを行う。

 謎が多いストーリーも気になるところ。今回試遊できたデモでは,アップルパイを盗んだ犯人を追いかけていくのだが,その道中でマキナが犯人の過去に触れたり,ボス戦が終わった後に犯人がマキナを知っているような素振りを見せるとシーンが続いた。さらにその後,マキナが記憶喪失の状態で目覚めるなど,つながりそうでつながらず,新しい謎が増えていく展開になっている。

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「地下楼」

PC / Nintendo Switch,発売日未定)

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 記憶喪失の状態で目覚めた少年ヨカゼが,二段ジャンプや幽体離脱を駆使して地下の迷宮を進む2Dアクションゲーム。

 幽体は単なる分身ではなく,敵に取りついて操ることまでできる。これを利用して,扉を開けるボタンを押させたり,敵自身が放つ爆弾のようなものに被弾させたりと,探索でもバトルでも必須の能力だ。

 マップ探索型ではあるが,今回プレイした範囲では,フロアごとに攻略していくような構成になっており,長い距離を行ったり来たりはしなくてよさそうな印象を受けた。

 ぼんやりと青く光るステージの雰囲気は幻想的で,残響効果が加えられたBGMがその雰囲気をさらに強調している。拾ったアイテムの解説文からは,世界が崩壊しているかのような印象を受けるし,ヨカゼが地下で会ったアンドロイド「シグモ」の過去にも秘密がありそうで,こちらも思わせぶりな謎が多く提示される,ヨカゼらしいタイトルになっている。

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「ヨカゼ」公式サイト


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