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「GeForce RTX 4090」の国内想定売価は約30万円から。価格も規模もモンスター級のGPUに
初報でも触れたとおり,「Ada Lovelace」(エイダ・ラブレス,NVIDAではAdaの略表記が多い,以下 Ada)アーキテクチャを採用するウルトラハイエンドなGPUであるGeForce RTX 4090は,TSMCの4nmプロセスで製造される「AD102」コアを採用する。
シェーダーコアである「CUDA Core」は,1万6384基を備えており,動作クロックは定格2.23GHz,最大2.52GHzに達するという。これは,GeForce RTX 30世代の最上位GPUであった「GeForce RTX 3090 Ti」と比べて,CUDA Core数は約1.5倍,動作クロックはそれぞれ約1.43倍,1.35倍も向上している。
なお,Adaアーキテクチャにおける最大CUDA Core数は1万8432基とのことなので,GeForce RTX 4090でさえフルスペック版ではない。逆に言うと,製品歩留まりが向上すれば,フルスペック版Adaを採用したさらなる上位モデルが登場する可能性もありそうだ。
この大規模なCUDA Coreに,第3世代のレイトレーシングユニットである「RT Core」と,第4世代に進化したAI演算向けユニット「Tensor Core」,高い画質を実現するビデオコーデック「AV1」のリアルタイムエンコードにも対応した内蔵ビデオエンコーダ「NV Encoders」を2基搭載するなど,すべての面で大きな進化を遂げた。
ちなみに,トランジスタ数は約760億個とのことで,GeForce RTX 3090 Tiの約2.7倍にまで増えている。まさに「Transistors is Power!」といったところか。
GPUに組み合わせるグラフィックスメモリは,GDDR6Xメモリで,容量は24GB,メモリインタフェースは384bitである。これだけならばGeForce RTX 3090 Tiと変わらないが,メモリバス帯域幅は明らかになっていないので,メモリの動作クロックを上げて性能を高めている可能性はある。
一方,GeForce RTX 4080は,冒頭でも触れたとおりグラフィックスメモリ容量12GBモデルと,16GBモデルの2種類をラインナップしているが,明らかになったスペック情報によると,これらのGPUはメモリ容量だけでなく,CUDA Core数も異なる。
12GBモデルのCUDA Core数は,7680基なのに対して,16GBモデルは9728基と,実に1.26倍も規模が大きいのだ。一方,動作クロックは,12GBモデルが定格2.31GHz,最大2.61GHzなのに対して,16GBモデルはそれぞれ2.21GHz,2.51GHzと100MHz分低い。
CUDA Core数の差は,動作クロックの差で相殺するということなのかもしれないが,これだけ回路規模に差があるのであれば,16GBモデルのクロックを上げたうえで,「GeForce RTX 4080 Ti」としてリリースすれば良かったのではないかという気がしなくもない。あるいは,GeForce RTX 4090とGeForce RTX 4080 16GBモデルの間を埋める製品を,別に企画しているのかもしれないが……。
いずれにせよ,下位モデルのGeForce RTX 4080 12GBでさえ,NVIDIAによる想定売価が16万4800円という代物なので,相応に予算を用意できる人でなければ手が出せない製品ではある。GeForce RTX 40シリーズの購入を検討している人は,しっかりと予算を用意しておいてほしい。
NVIDIAのGeForce RTX 40シリーズ製品情報ページ
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