「300475」のクラウドファンディングがスタートに。ベトナムのデベロッパによるベトナム戦争をテーマにしたリアリティ重視の新作FPS

　ベトナムのハノイに本拠を置くHiker Gamesが，2023年内のリリースを予定しているPC向けの新作FPS「300475」のクラウドファンディングが始まっている。

「300475」公式サイト

　Hiker Gamesは，2009年に設立され，モバイルゲームを中心に12年を超える経験を持つスタジオだ。ベトナム独立戦争（第一次インドシナ戦争）を描いた「7554」を2012年にリリースした経験をもとに，数年前から開発を進めているのが「300475」だ。「ベトナム統一50周年」を迎える2023年のリリースを目指しており，アメリカの支援を受けた南ベトナムと，旧ソビエト連邦の支援を受けた北ベトナムが国家を二分し，1955年から1975年まで続いたベトナム戦争を，1人の兵士の視点で描くゲームになる。


　Hiker Gamesによれば，多くのベトナム人にとってベトナム戦争は，「大国アメリカを撤退させた戦い」であると同時に，国家を二分した内戦で多数の犠牲者が出たなど非常にセンシティブな側面もあるため，これまでゲーム化を考えるベトナムのメーカーはほとんどいなかったそうだ。同社は，この難しいテーマにあえて挑戦し，これまで培ってきたゲーム開発の経験を元に，ストーリーとリアリティを重視しながらも，ベトナム戦争を知らない国外のプレイヤーにも分かりやすい作品を作るという。


　公式サイトで行われているクラウドファンディングの目標金額は日本円にして約530万円で，開発のために使われるが，目標に到達しなかった場合，全額をバッカーに返却するとのこと。「Unreal Engine」を使ったリアルなグラフィックスと物語が気になるゲームだけに，クラウドファンディングキャンペーンの成功に期待したい。