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[インタビュー]「PSO2 ニュージェネシス」木村裕也シリーズプロデューサーに,2023年の振り返りと2024年の展開について聞く
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印刷2024/01/24 08:00

インタビュー

[インタビュー]「PSO2 ニュージェネシス」木村裕也シリーズプロデューサーに,2023年の振り返りと2024年の展開について聞く

 セガが開発・運営を行っているオンラインRPG「PSO2 ニュージェネシス」PC / PS4 / Switch ※以下,NGS)は,2023年12月から2.5周年を祝う“超・創世祭”を開催中だ。
 このイベントは,シリーズでは初となるハーフアニバーサリーを祝うイベントで,豪華アイテムがもらえたりエステが無料になったりするキャンペーン,新規&復帰プレイヤー向けの施策や改善が数多く実施されている。

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「PSO2 ニュージェネシス」
シリーズプロデューサーの木村裕也氏
 2023年の「NGS」は,大型アップデート「NGS Ver.2」で“クリエイティブスペース”“トゥーン表示”が追加されるなど,ゲーム内での遊びの幅が広がった。また高難度のクエスト配信や装備の追加なども行われ,コンテンツも充実してきたように思う。
 しかしクエストについては,難度や参加条件のバランス,アイテムのドロップ率に対し不満の声を聞くことも多く,必ずしも良い面ばかりではなかった印象だ。

 2023年12月に配信された公式番組「NGS ヘッドライン」では,シリーズプロデューサーである木村裕也氏が登場し,2023年の振り返りと,2024年のロードマップなどを含むメッセージビデオを公開した。その内容を踏まえ,さらに詳しく話を聞くため,木村氏へのインタビューを行った。


「PSO2 ニュージェネシス ver.2」公式サイト



クリエイティブスペースやルシエル探索など

2023年のアップデート内容を振り返る


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 まずは2023年の振り返りとして,2023年6月に実施した大型アップデート「NGS Ver.2」について聞かせてください。目玉であるクリエイティブスペースですが,プレイヤーの反響はどうでしたか。

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木村裕也氏(以下,木村氏):
 クラフト,ハウジング系コンテンツのクリエイティブスペースですが,カスタマイズの自由度が高いこともあり,とても好評です。決められたパーツを配置するだけでなく,パーツの回転や縮小,色の変更などもできるので,自分が思い描いたものを作りやすいようですね。

4Gamer:
 ほかのプレイヤーのクリエイティブスペースに行くと,こんな物まで作れるんだとびっくりします。

木村氏:
 SNSで力作を公開しているプレイヤーも多いですね。自由度の高さを意識して開発しましたが,それでもプレイヤーの発想力に驚かされているというか,我々の想像を超える素晴らしいものが作られていますから。いろいろな形で楽しんで頂けているので,とても嬉しいです。

4Gamer:
 新コンテンツは,実装からしばらく経つと遊ばなくなる人もいると思います。現在は,どれぐらいのプレイヤーが,クリエイティブスペースを継続的にプレイしているのでしょうか。

木村氏:
 直近の調べですと,1週間のアクティブユーザーで,1度でもスペースに入室しているプレイヤーは50%以上います。また,何かしらスペースの編集をされる方は,全体の20〜30%ほどいらっしゃいすね。

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4Gamer:
 不満点や,改善してほしい要望などは届いていますか。

木村氏:
 自由度が高い代わりに,操作性が悪かったり,操作自体がわかりづらかったりという意見があります。12月にも少し調整を入れましたが,今後も修正を行っていく予定です。

4Gamer:
 個人的には,シップが違うプレイヤーのクリエイティブスペースも見に行きたいです。

木村氏:
 それも要望としていただいていますが,サーバーの容量や仕組みの問題で実現が難しいんですよ。代わりと言うわけではないんですが,クリエイティブスペースコンテストで入賞した作品については,期間限定でオフィシャルスペースとして公開するので,こちらで達人たちが作り上げた部屋を見てもらえればと思います。

4Gamer:
 クリエイティブスペースには現在,緑豊かな「エアリオテーマ」と,砂漠のような「リテムテーマ」が用意されています。テーマを切り替えると現在の状態が初期化されてしまいますが,“島全体の設計図”のような形で,丸ごと保存しておくことはできないのでしょうか。

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木村氏:
 いまは,プレミアムコースを購入することで使用できる「プレミアムCスペース」か,専用チケットの購入で利用できる「レンタルCスペース」に保存しておく方法しかないですからね。
 部屋全体を記録することもできなくはないのですが,結局のところスペースを増やすのと変わらないくらいサーバー容量を使うので,難しいんですよ。

4Gamer:
 なるほど。ただ,プレミアムCスペースやレンタルCスペースを活用しても最大で4部屋というのは少ないような気がします。これからほかのリージョンのテーマも増えると思いますし,いろいろなデザインのスペースを作って取っておきたい人だと,少し足りないのかなと。

木村氏:
 1月31日に「クヴァリステーマ」が追加されるのに合わせて,レンタルCスペースなどの枠を増加予定です。今後も新テーマの追加がある際は,同時に枠を追加していくことを検討してます。

4Gamer:
 次は,戦闘コンテンツについてお伺いします。
 コアプレイヤー向けのコンテンツである「ダークファルス・ソウラス」や「ルシエル探索」ですが,参加のハードルが高いこともあり,プレイヤー間の対立も生まれてしまっているように感じます。

木村氏:
 これは「PSO2」の頃からある問題ですね。プレイヤーによっては,ほかのクエスト参加者に高い装備性能とプレイヤースキルを求めてしまうことがあるんですよね。時に“必須”とまで言い切る人もいて,言う側と言われる側で対立が生まれてしまうのです。

4Gamer:
 ローカルルールの押しつけと,それに対する反発ですよね。

木村氏:
 「NGS」には,キャラクターの強さを表す“戦闘力”があります。開発としては,各クエストに設定された戦闘力を超えているキャラクターであれば,参加するための準備ができているという考えです。

 自分より活躍しないプレイヤーに対して不満を持ってしまうのは,気持ち的には仕方がない部分はあると思います。ただ,直接本人に文句を言ったり,SNSで「こんな人がいた」と晒したりするのは,明らかに行為として間違っています。
 クエストに参加しているプレイヤーの戦闘力は,開発側が設定した条件に達しているわけで,我々開発側に意見を言っていただくのは仕方ないとしても,参加者に対して攻撃的に言うのはやめていただければと思います。みなさん同じアークスなので,アークス同士は仲良くしていただきたいというのが,私たちの願いです。

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4Gamer:
 高難度のクエストは,もう少し参加条件を上げたり下げたりすることは考えていないのでしょうか。

木村氏:
 参加条件は,ハードルを上げすぎるとライトユーザーが参加できず,下げすぎるとコアプレイヤーから不満も出るので,100点満点の正解はないんです。非常に難しいですね。
 なお,2023年の夏に実装した高難度クエストは,ハードルを上げすぎたことで参加や「NGS」のプレイ自体を諦めてしまった人もいるんです。ですので,戦闘力を上げやすい環境を作ろうと,10月頃から底上げの施策を行っています。

4Gamer:
 ほかの参加者の装備やクラスを見て,黙って抜けてしまう人も多いですよね。気がつくと「あれ,3人しかいない……」みたいなこともあって。そこはもう,どうしようもないんでしょうか。

木村氏:
 完全になくすのであれば,参加回数に制限を付けたり,破棄によるペナルティを導入すれば良いかもしれませんが,そうすると困ることも多いので難しいです。どちらの方がより多くの人にとっていいのか,という話になりますし。

4Gamer:
 最近は,武器の上限解放や強化などが厳しくなってきて,クエスト参加条件の戦闘力を達成しにくいという人もいると思います。特に,1クラスは装備を整えられるけど,2クラス以上となると厳しいですよね。

木村氏:
 2023年末に,各クラスがレベル65に達した方に適正な装備が渡される仕様を実装しました。+80まで強化済で特殊能力なども有用なものがセットされています。現在実装しているコンテンツに参加するのに十分な性能ですので,こちらを活用してもらえればなと思います。

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4Gamer:
 クエスト中に参加者が一定回数,戦闘不能になると失敗となるものがあります。こちらも,倒されてしまったプレイヤーが叩かれるなど,争いのもとになることもあると思うのですが。

木村氏:
 一部のエンドコンテンツですね。それらは“超高難度”と銘打っていることもあり,参加のための戦闘力や,クリアのハードルをあえて高めに設定してあります。
 こちらは,失敗しないでクリアするにはどうしたらいいのか,それを楽しむコンテンツでもあるんです。ルールを緩和すると楽しみが減ってしまうので,コンテンツ自体の存在意義がなくなってしまうんですよね。

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4Gamer:
 8月や9月に実装された戦闘コンテンツですが,目的である装備のドロップ率が低すぎるといった声もありました。

木村氏:
 たしかに,ドロップ率が低すぎたと思っています。クリア難度やプレイ時間に見合ったドロップ率ではなかったので,非常に反省しています。12月のアップデートでは,既存コンテンツも含めてドロップ率を見直し修正を行っているので,不満も解消されていくと思います。

4Gamer:
 過去に追加されたレア武器の「レリク」シリーズですが,実装当時は非常に低いドロップ率でした。こちらに対しては,それほど大きな不満の声も聞かれなかったと記憶していますが,今回の「テスア」シリーズは,これより低いのでしょうか。

木村氏:
 ドロップ率自体は同じぐらいなんですが,レリクのときとはプレイヤーの反応が大きく違いましたね。レリクに比べて,テスアを入手するためのコンテンツが難しかったのも問題だったと思っています。

4Gamer:
 現在のレアリティとしては最高の★10「フリューガルド」シリーズは,それらよりドロップ率を高くしたと聞きましたが。

木村氏:
 はい,かなり入手率を上げています。プレイヤーの装備率を毎日見ているのですが,こちらも上がってきていますね。ドロップしたものの半分ぐらいは装備されていて,残りの半分は強化に使われたり,マイショップに置かれています。

4Gamer:
 テスアの実装直後は,本当に存在しているのかと思うぐらい見かけませんでした。マイショップにもほとんど出品がなかったですし。

木村氏:
 はい,当時のドロップ率設定に誤りがあったと認識しています。少なくとも,8月の段階ではもっと緩和すべきだったなと。

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2.5周年イベント「超・創世祭」について


4Gamer:
 2023年12月から,2.5周年を記念した「超・創世祭」が開催されています。シリーズでは初めてのハーフアニバーサリーイベントということですが,実施の狙いはどういったものなんでしょうか。

木村氏:
 先に話した通り,8月からのアップデート内容に反省すべき点が多くありました。10月から11月にかけて修正や調整を行ってきたのですが,それでも足りないという部分を,ハーフアニバーサリーイベントとして補おうかなと思ったのです。

4Gamer:
 2023年の夏以降,不満を持ってプレイを辞めてしまった人にも戻ってきてもらうキャンペーンも実施していますよね。

木村氏:
 不満点を解消するための緩和や施策をしても,まずはプレイしてもらえないと意味がないですから。アイテムの配布や各種ブーストを行っていますので,まずはプレイを再開してもらい,そこから変更点を体感してもらいたいなと思っています。

4Gamer:
 「超・創世祭」は,1月の末で終了してしまいます。もう少し長く続けたりはしないんですか。

木村氏:
 一部のアイテムプレゼントやブーストは期間限定ですが,復帰・新規向けの施策については,終了期限を設けていません。クラスレベル65での装備配布や,5章までクリアすれば貰える250万メセタなどは,1月末以降も続けていきますので,「超・創世祭」の期間中にプレイできなくても安心してください。


バトル要素や新フィールドの追加など

2024年の「NGS」アップデートについて


4Gamer:
 12月に配信された「NGS ヘッドライン」では,2024年前半のロードマップも公開されました。
 新フィールドや新アクションシステムの追加など気になるものが多いですが,まずはストーリーについて聞かせてください。新キャラが出てくるような大きな展開はあるのでしょうか。

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木村氏:
 ネタバレになってしまうので,詳しくはお答えできないです(笑)。ただ,6章ではストーリークエスト的なものがなかったので,1月31日のアップデートではストーリークエストを出します

4Gamer:
 個人的に気になっているのは,「NGS」の世界についてです。5章では「ゼフェット」の登場などでいろいろと盛り上がってきたと思ったのですが,6章は人間ドラマ中心のストーリーだったので。

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木村氏:
 6章は,一度地固めに戻っているという感じですね。5章から続く世界がらみの物語は,もちろん放っておくわけにはいかないので,今後展開していきます。

4Gamer:
 飛んで行ったゼフェットのその後も気になりますからね。
 続いて,クラスについてお伺いします。あまり使われていない,いわゆる不人気なクラスや武器種がありますが,12月のアップデートで行ったバウンサーのリニューアルのように,今後大きくプレイ感が変わる変更は予定していますか。

木村氏:
 バウンサーのデュアルブレードに関しては,プレイヤーから多くの意見を頂いていたので,それをもとに大きなテコ入れを行いました。またバウンサーほど大きなものにはならない予定ですが,今後は数か月にひとつかふたつ,クラス調整をしていこうと考えています。

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4Gamer:
 バウンサーは,操作感や攻撃時のエフェクトなど,ずいぶん変わりましたよね。

木村氏:
 元のアクションに慣れているプレイヤーからは不満が出る可能性も高くて,どのくらい変更するかずいぶん悩んだんですよ。概ね好評のようで安心しています。

4Gamer:
 今後予定しているレンジャーとガンナー,ファイターのクラス拡張は,どのような内容になりますか。

木村氏:
 エフェクトの一新やバランス調整,新クラススキルの追加を予定しています。またライフルとランチャーは,フォトンアーツ(PA)の一部にチャージ段階を増やします。

4Gamer:
 12月に実装したばかりのテックアーツカスタマイズも拡張が予定されていますね。

木村氏:
 こちらは,対象となるPAを増やす予定です。

4Gamer:
 ちなみに新クラスの予定は……。

木村氏:
 新クラスについては,今のところお話できることはありません。
 ただ新クラス追加における問題として,既存クラスから乗り換えて利用いただけるプレイヤーが限られてしまう点があります。実装後の調整やアップデートも,既存のクラスもある中,数が増えるとその分,対応が分散してしまいますし……。

 そのため,現状は既存クラスの調整や全プレイヤーにとって新しい遊びが生まれるようなアクションを追加を優先したいなと思っています。

4Gamer:
 夏頃に予定している新アクションシステムのことですね。こちらは,リテムに追加された「アトラクティングソーサー」のようなものでしょうか。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [インタビュー]「PSO2 ニュージェネシス」木村裕也シリーズプロデューサーに,2023年の振り返りと2024年の展開について聞く

木村氏:
 「アトラクティングソーサー」のようなマップギミック的なものは,今後もフィールドの拡張に合わせて配信していきますが,それとは別のものです。
 新アクションシステムは,過去シリーズにあったSUVウェポンのように召喚して,「PSO2」のA.I.Sのように動けるというものになります。12月の「NGS ヘッドライン」でも少しお見せしてますね。

4Gamer:
 緊急クエストなどで使える「モバイルキャノン」のさらに強力なもの,という感じでしょうか。

木村氏:
 モバイルキャノンは武器の延長線上にある感じですが,こちらは兵器というか,もう少しアーマーチックなものになります。またA.I.Sと違って,プレイヤーによって少し兵装を変えることもできます。

4Gamer:
 クエストは,新しいタイプのものを実装する予定はありますか。

木村氏:
 春先に,これまでとはまた違ったタイプのパーティークエストを実装する予定です。通常難度のものと高難度版を用意するので,幅広いプレイヤーに楽しんでいただけると思います。

4Gamer:
 新たなデュエルクエストも追加されますが,こちらは今まで通り参加やクリアするために高い性能の装備を用意しないといけないのですか。

木村氏:
 次に配信されるPhase.4からは,若干仕様を調整する方針です。クエストに特別効果があるカプセルを同時に配信していく方針は変わりませんが,それが付いた装備でないとクリアが難しいという設計にはせず,すでに高性能な装備を持っていれば,それで十分クリアできるようにします。
 汎用での高性能な装備を持っていない場合,それをイチから準備するよりは,特別効果のあるカプセルを入手して,特化した装備を作る方が簡単になるように,デュエルクエストクリアのためのフォロー的なポジションで
特別効果のカプセルを配信していくようにしたいと考えています。

 また,別のクエストがほしいという意見もあるので,配信頻度を減らして別の高難度コンテンツを増やしていくという方針に変更しています。

4Gamer:
 6月〜7月には新フィールドが追加されますが,これはリテムやクヴァリスといったリージョンと同じぐらいの規模感なのでしょうか。

木村氏:
 広大なフィールドですが,リージョンのような仕様ではなく,アークス拠点のような非戦闘施設もないです。ただ,ルシエルほど小規模でもないですね。世界観の中にあるような,都市型のフィールドです。

4Gamer:
 どこかのリージョンに含まれるのでしょうか。

木村氏:
 含まれないです。こちらも「NGS ヘッドライン」で少しお見せしましたが,ストーリーに絡んでいるので,世界観に紐づいた何かだと察した方もいるかもしれないですね。

4Gamer:
 クリエイティブスペースはクヴァリステーマが入りますが,ほかに追加される要素はありますか。

木村氏:
 クヴァリスのテーマは,1月31日にクヴァリスハイランクセクションが追加されるタイミングで入ります。また,今後も新たなビルドパーツを随時配信していきます。
 要望の多い和風のテーマのパーツも夏頃に入れる予定ですが,プレイヤーが工夫をして和風っぽいものをたくさん作っているので,あえて僕らが作って入れる必要があるのかと……。首を傾げながら開発を進めていますね(笑)。

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4Gamer:
 神社や田舎町など,和風の建築物をよく見かけますからね。

木村氏:
 そうなんですよ。スタッフに,日本建築のルールや木組みのやり方などを学生時代に専門的に学んだことがある人がいるんですが,SNSの投稿などを見て「これ,ちゃんと実際の和風建築様式のやり方で組んでますよ」ということもあったりしてびっくりしています。

4Gamer:
 デザインに凝っている人だと,使えるパーツの数(容量)が足りない人もいそうです。

木村氏:
 そこもやっぱり,サーバー容量の問題でどうしても拡張が厳しいですね。

4Gamer:
 クリエイティブスペースは,NGSオフィシャルVTuberのポポナさんが動画配信をしていました。そういえば,ポポナさんの立ち位置って,ずいぶん変わりましたよね。

木村氏:
 2023年の夏から,セガの公認VTuberにもなってますよ。セガのほかのゲームを遊んだり,いろいろな取り組みに参加したりと頑張ってくれています。
 ファンタシースターシリーズをきっかけに生まれたVTuberなので,いろいろと活躍してほしいと思っています。みなさんもぜひ応援してください。

4Gamer:
 ポポナさんのイベントもあった富士急コラボは,かなり反響があったように見えましたが。

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木村氏:
 寒い時期なので,タイミングとしてはどうかなと思ったんですが,思った以上に好評でした。ポポナのイベントは会場やバスツアーなどもほぼ満員ということで,非常にたくさんの人に楽しんでいただけているのかなと思っています。
 ただコラボチケットの準備が悪く,さらに想定以上に売れたので供給が間に合わないことがありました。こちらは,ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

4Gamer:
 そういえば,「PSO2es」のほうは新たな展開とかないのでしょうか。

木村氏:
 「PSO2es」は,今でも熱心に遊んでくれているプレイヤーがいますし,スクラッチ用のサブツールとして利用している人も多いんですよね。
 今年の4月に10周年を迎えるので,記念チップを出したり,「NGS」側でもフューチャーしたものをやりたいねという話は出ています。


2024年の展開方針まとめと

木村Pからアークスへのメッセージ


4Gamer:
 2024年の展開ですが,全体の方針について教えてください。

木村氏:
 先ほどの話と被るのですが,各クラスの拡張やリニューアルについては,順番に適宜実施していきます。バトル要素についても,新アクションの追加で,新しい遊びを体験していただきたいと思っています。
 2023年の春頃から,1週間から2週間に1つは新しい期間限定クエストを配信していますが,これについては今後もずっと続けていきたいと思っていて,開発側もそれを作れる体制になっています。
 新しいタイプのものも入れて,過去のリバイバル版も混ぜながら,何かしら毎週新しいクエストがあって,飽きさせないようなアップデートをしていきたいですね。

4Gamer:
 ゲーム内やアップデートの方針として,大きな変更などはないのでしょうか。

木村氏:
 根本的に何かを大きく変えるわけではないのですが,すべてのプレイヤーにとって,より遊びやすい「NGS」を目指して行きたいというのが2024年の抱負です。
 2023年末に実施したクラスレベル65の装備配布などもそのひとつですね。実施前は,高性能の装備を手間なく入手できてしまうので,頑張って装備を強化していた方の中には不満に思う人もいると思いました。しかし,今までついていけなくて,離脱してしまっていたプレイヤーの継続率が上がることが,最終的にはコアなプレイヤーを含め,全体にとってよい結果になると思い,ある程度リスクも覚悟のうえで決断しました。

4Gamer:
 メインではないクラスをプレイするときなど,かなり助かってます。レベルキャップの開放に備えて,いまのうちに全クラスをレベル80にしておこうかなと頑張っています。

木村氏:
 配布した後,もっと多くのネガティブな声が寄せられるかなと思ったのですが,意外と納得している方が多くて驚いています。ほかのクラスを触りやすくなった,新しいキャラを作ってみようといった声もいただいたので,結果的にはやってよかったなと思っています。

4Gamer:
 装備ですが,最高レアの武器はレアドロップで入手するという方針は今後もこのままなんでしょうか。

木村氏:
 素材を集めて作成する「カイゼラム」シリーズのような武器も出していこうと考えています。時間をかければ,確実に入手できるようなものですね。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [インタビュー]「PSO2 ニュージェネシス」木村裕也シリーズプロデューサーに,2023年の振り返りと2024年の展開について聞く

4Gamer:
 装備の強化などに必要なメセタは,「リテム・エルノザ」でエネミーを倒し続けて稼ぐ方法が定番となっています。こちらを調整する予定はありますか。

木村氏:
 今のところ対応の予定はないですね。

4Gamer:
 それ自体は特に問題視はしていないと。

木村氏:
 問題視してないわけではないですが,対応としては,ほかの戦闘セクションの効率を上げる方針で考えています。慣れているからエルノザに行くという人も多いと思いますし,楽しんでいる人がいるのであれば,そこに手を入れるのはよくないかなと。少なくとも,エルノザの効率を下方修正することはないです。

4Gamer:
 ロードマップを見ると,コラボACスクラッチがかなり高頻度で入っています。新規だけでなく,過去のコラボACスクラッチを復刻する予定はないのでしょうか。

木村氏:
 かなり間が空いたものもあるので,リバイバルするものがあってもいいかなと思っています。ただ版元さんの意向もあるので,必ず実施できるといったわけではないですね。検討しているといった段階です。

4Gamer:
 コラボが高頻度で入っていることで,そのほかのコンテンツ開発のペースに影響は出ないのでしょうか。

木村氏:
 影響はないですね。コラボがなかったとしても,ACスクラッチはもともと定期的にやっていくものなので,それによってほかのコンテンツなどの開発ペースに影響が出ることはないんです。
 「PSO2」のときのように,コラボクエストやコラボエネミーを出すとなると少し影響があると思いますが,現状「NGS」のコラボはACスクラッチがメインですから。

4Gamer:
 ACスクラッチですが,個人的に私服らしい衣装がもっとほしいです。EDWINコラボで実装された,ジャケットのような自然なアウターが増えないかなと思っていて。

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木村氏:
 私服系は結構増やしてると思うんですけど,もっとですか(笑)。夏にTシャツのような衣装を出したり,カジュアルなものを入れているので,むしろ多すぎたかなと感じています。もっと世界観に則したものや,SFっぽいものがほしいという意見も頂いていますし。

4Gamer:
 衣装の好みは,みんなバラバラですからねえ。

木村氏:
 2023年のACスクラッチで,私服の割合は増えていると思います。ただ今後は,私服も和服もSFもバランスよく出していこうと思っています。

4Gamer:
 では最後に,アークスの皆さんへメッセージをお願いします。

木村氏:
 2023年も「NGS」をプレイしていただきありがとうございました。同年の大きなトピックとしては,2月の「ダークファルス・エイジス」や4月の新クラス「スレイヤー」の追加がありました。スレイヤーの実装によって「PSO2」にあったすべての武器種が使えるようになり,ダークファルス・エイジスを含むストーリー5章の配信で,世界のより深いところが見えてきたかと思います。

 また,これまではバトル要素が中心の「NGS」でしたが,6月の「NGS ver.2」では,クリエイティブスペースなどの非戦闘コンテンツを充実させることができました。またトゥーン表示も多くのプレイヤーが活用しているようで,実装してよかったです。

 しかし8月以降のコンテンツについては,ルシエル探索もダークファルス・ソウラスも,遊びごたえとしてはよかったのもの,バランス面の問題があったと感じています。こちらの反省点を,今後の開発と運営に活かしていこうと思っています。

 今後,既存プレイヤーはもちろん,新規・復帰のプレイヤーも楽しんでいただける「NGS」を目指していきます。「超・創世祭」も1月末まで続きますので,ぜひお友達をお誘い合わせのうえ,みなで楽しく遊んでください。2024年も「NGS」をよろしくお願いします。

4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。

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