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「Gears 5」レビュー。13年の歴史を持つ人気シューターに訪れた“変革”,そして順当な“進化”
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印刷2019/10/07 15:00

レビュー

「Gears 5」レビュー。13年の歴史を持つ人気シューターに訪れた“変革”,そして順当な“進化”

 日本マイクロソフトは2019年9月10日,「Gears 5」PC / Xbox One)をリリースした。タイトルから「of War」が無くなっているが,れっきとした「Gears of War」シリーズのナンバリング第5作である。

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 同シリーズは13年の歴史を持つが,シリーズものの弱点として「新規プレイヤーが手を出しづらい」ことが挙げられる。登場人物やストーリーが“前作ありき”になっていると,シリーズ作品を遊んでいない人には入りづらい。シリーズものが必ず背負うことになる重い荷物だが,それは「Gears 5」も例外ではない。

 とはいえ,「Gears 5」には一応の配慮がなされている。3年前にリリースされた前作「4」を軽く振り返り,内容を思い出したい人のために「前作までのあらすじ」という動画が用意されているのだ。また,「3」以前の内容も「前作までのあらすじ」の隣りにある「世界の状況」を見ることで,だいたい把握できるだろう。

「前作までのあらすじ」の内容は前作「4」のものであり,「前作まで」というより「前作の」が正しかったりする
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「世界の状況」は駆け足で「3」以前を振り返る内容だ。固有名詞が多く出てくるため,シリーズを遊んだことがない人が,この動画だけで「OK,把握した!」……というわけにはいかないだろう。久々にシリーズ復帰をする人向けか
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 実は,筆者が「Gears of War」シリーズをプレイしたのは第1作と第2作のみ。「3」以降はプレイしていない。しかし,筆者のようにブランクがある人,シリーズ作品を未プレイという人は多いのではないかと思うのだ。
 というのも,「Gears 5」はシリーズ作品では初めて,Steamにて配信されている。同シリーズはこれまで「Xboxのゲーム」というイメージが強かったが,「Gears 5」は幅広い層に届きやすくなったと言えるだろう。
 そこで臆することなく,「シリーズを追いきれていない人や未プレイの人でも楽しめるのか」という視点から「Gears 5」のレビューをお届けしてみたい。同シリーズをまったく知らない人という人も,この機会にぜひ一読してほしい。

「Gears 5」公式サイト



「5」の前に……

ちょっとだけ振り返ってみる「Gears of War」の世界


 今さら説明するのも気恥ずかしいが,「Gears of War」は人類とローカスト軍の大戦を描くTPSシリーズだ。ローカストとは惑星セラの地底から突如現れた謎の生命体で,ローカストによる地上侵攻を機に,人類は人類同士の戦争を中断して大戦争に突入せざるを得ない状況になった。

ローカストは爬虫類を想起させる見た目を持っているが,高い知性を備えており,人類の言葉も解する。個体によっては銃器を扱える者も存在している
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 そんな「Gears of War」シリーズの顔と言える人物が,初代から第3作までの主人公を務めたマーカス・フェニックスだ。

初代「Gears of War」より。目が合った瞬間に殺されそうな人物がマーカス。髭が濃く,顔の輪郭が綺麗な五角形を描いているのが,彼の親友であるドムだ
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こちらは「Gears 5」より。マーカスの髭がたっぷりになり,老齢ながらマッチョな体格は健在
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 かつての日本のゲームでは,スリムで優しそうな男性の主人公,ヒロイン,クール系,ムードメーカー,ヒロインとはタイプが異なる女性キャラ……といったあたりが固定メンバーで,マーカスのようなキャラクターは「仲間もしくはNPCとして登場するパワー系」という配役がスタンダードだったと思う。
 だが,「Gears of War」シリーズは違う。登場する男達は,全員もれなく筋肉隆々,むせ返るような男臭さ,押し寄せる髭と筋肉,顔面と首と上腕二頭筋の太さが同じというマッスルカーニバルだ。シリーズファンに「ヒロインは?」と聞くと,だいたい「ドム」と返ってくる。

「Gears 5」の主人公は女性になったが,行動を共にする仲間は全員筋肉マンだ
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 マーカス達は統一連合政府「Coalition of Ordered Governments」(COG)に所属する兵士なのだが,この筋肉っぷりに筆者は「コグじゃなくてコングの間違いじゃないの?」と思っている。

 前述のとおり,マーカスが主人公を務める「Gears of War」は第3作まで。「4」ではマーカスの息子・JD(ジェームス・ドミニク・フェニックス)が主人公となる。第3作と第4作の間に作中では25年もの月日が流れているのだ。

マーカスの息子・ジェームス。見た目は柔和なイケメンだが,体格は完全に親父譲り。「Gears 5」でも序盤のチャプターでは主役を務める
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 そして,「Gears 5」は初めて女性キャラクターのケイト・ディアスが主人公となる。前作「4」では,ジェームスと共に行動をしていた勇敢な戦士だ。

ケイトの祖母の物だというネックレスには,なぜかローカストの紋章が刻まれている。この謎がケイトを悩ませることになる
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 いかんせん,筆者は「4」をプレイしていないので詳しいことは分からないが,ケイトはたびたび謎の頭痛に悩まされており,その原因はローカストと関係があるようだ。「Gears 5」では,彼女が発症する頭痛の謎を追いつつ,眼前の脅威に立ち向かう。ケイトと仲間達の物語――というわけである。


カバーリングシューターの到達点

撃つことの爽快感と戦略性の完成形


 TPSでは,物陰に隠れて敵の攻撃を凌ぐ「カバーリング」という動作が馴染み深い。ただ敵を撃つのではなく,「いかに遮蔽物を利用して敵の銃撃から隠れ(カバーリング),敵のリロード中や攻撃の隙を突いて攻めるか」に重点を置いたシューター。「Gears of War」シリーズはその代表格であり,「カバーリングに特化したTPSである」と言っても過言ではない。

 「いやいや,どんなシューターでも何かしらの物陰に隠れながら撃つでしょう」と思われるかもしれない。しかし,違うのだ。シューターのなかには最低難度に下げれば,多少撃たれてもそのままゴリ押しできるものがある。その点,「Gears of War」シリーズは難度を下げたとしても,わずかな被弾が致命的になるほどカバーが重要なのだ。

敵の位置が把握できても,こちらが撃とうと身を出したときに被弾する可能性がある。そんなときは,手だけを出して撃つ「無照準射撃」,いわゆるブラインドショットが役に立つ
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 こう書くと「難しそう……」と感じるかもしれないが,そんなことはない。戦闘に入ると,必ずどこかに遮蔽物が用意されているし,被弾しても一定時間の経過によりダメージが回復する。ダメージが蓄積され,地面を這いずるダウン状態になっても,Aボタンを連打したり,仲間に助けてもらったりして復活できる。
 「Gears 5」は難しいどころか,かなり親切だと言える。実際,TPSの腕前は大したことのない筆者でも,数十分もリトライを強いられる場面はなく,本編をクリアすることができた。もちろん,難度は「初心者」にしていたが。
 オープニングで丁寧なチュートリアルがあるので,シューターを遊んだ経験がほとんどない初心者でも心配はいらない。

「ブートキャンプ」と称したチュートリアル。ゲーム開始時だけでなく,タイトル画面からいつでも選択可能だ
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デフォルトの難度は「中級者」だ。これは難しい,と思ったら迷わず「初心者」にしておこう
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 また,仲間と互いに助け合いながら戦うことも「カバーリング」と呼ぶ。瀕死状態の仲間がいれば,即座に走り寄って回復すべきだし,立場が逆であれば仲間が助けに来てくれる。背後から襲われる危険があるならば,仲間と背中合わせになって全方位に注意を張り巡らせることも必要だ。
 「Gears of War」シリーズは,キャンペーンもマルチプレイも「チームプレイ」を重要視しており,二重の意味で「カバーリングシューター」の王者に君臨しているというわけだ。

地面を這いずる状態になったら,Aボタンを連打することで復帰できる。仲間が来てくれれば即復帰だ。ただし,その状態で敵にトドメを刺されるとアウト
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 こうしたシューターとしての基本システムは初代から完成度が高く,続編を重ねても取り立てて目立った変化がなかった。だが,「Gears 5」ではドローン型ロボット「ジャック」が同行して,戦闘では敵を攻撃したり,指示を出したりすることができるようになった。

中央にいるのがドローン型ロボット「ジャック」。ビープ音で返事をする可愛いヤツだが,地味にメチャクチャ高性能で部隊のマスコット的存在だ
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 ジャックにフラッシュを撃たせ,敵がひるんだ隙に攻撃したり,周囲をスキャンして,どこに敵が隠れている場所を暴いたりと,かゆいところに手が届くサポートをこなしてくれる。

 ストーリーの進行に応じて,便利な機能が増えていくジャックには成長要素がある(ケイトやジェームスら兵士に成長要素はない)。各地に転がっているパーツを集めて,それを消費することで,新たな能力の獲得やアップグレードが可能だ。

アップグレードをリセットする「全員に敬意を」とは……原文が気になる
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 ジャックは戦闘以外のシーンでも活躍してくれる。ケイト達が入れない部屋に通気孔から侵入したり,遠くにある武器や弾薬を拾ってきたりと,影の主人公と言える存在だ。冗談抜きで,ジャックがいなかったら「Gears 5」は成立しないレベル。

ケイト達には手が届かない場所にある武器や弾薬も,ジャックに指示を出せば拾ってきてくれる
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ケイト達を一定時間,透明にする「クローク」により,赤外線セキュリティも難なく突破。これもジャックの機能だ
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 ゲームプレイのベースとなるシューター要素は,「完成されている」としか言いようがなく,オンラインマルチプレイの人気が高いのも頷ける。ボタン1つで遮蔽物に身を隠せるシンプルな操作性と,敵との距離を詰めるべく,いい具合に配置された遮蔽物へと少しずつ移動していく流れには,「Gears of War」シリーズならではの気持ち良さがある。

 「Gears 5」では,さらにジャックを使ったアクションを交えることで,戦略的な幅のあるバトルを実現している。完成されたシューターに,複雑になりすぎないギリギリの線で追加要素を盛り込んでいる感じだ。

夢中になると,ついつい忘れてしまうのがジャックへの指示。何もしなくても電撃を放って援護してくれる
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シリーズの新たなる挑戦

プチオープンワールドで広がる世界


 「Gears 5」の最も大きな変化と言えるのが,一部のシーンにおけるオープンワールド風の探索要素だ。序盤こそ従来のカバーリングシューターが続くが,やがて「スキフ」と呼ばれる乗り物を操作して,広大な世界を探索することになる。
 これまでのシリーズ作品がひたすら撃ち合いの連続で,またそれが同シリーズの象徴でもあったことを考えると,かなり挑戦的な試みだ。ただ,広いフィールドをウロウロさせられるのは,純粋なシューターを楽しみたい人にとって,あまり望んでいない要素だと感じるかもしれない。

どういう仕組みで前進しているのか,謎を秘めているスキフ。操作性は快適で,スキフに乗っている間はマップを呼び出せる
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 フィールドを探索するパートでは,仲間との会話が豊富だ。マップに表示された目的地へ移動しているときには作業感が漂いがちだが,会話に耳を傾けていると「なるほど,今はキャラクターの背景を掘り下げたり,物語の重要なキーアイテムをプレイヤーに理解させたりするための“静”のシーンなんだな」と思えてくる。
 しかし,突然,その場所が戦場になることもあるから,まったく油断ならない。「安心させておいて……ドーン!」を一度味わうと,いつ戦闘になるか,どこが戦場となるかが分からないため,緊張感が生まれる。まるでSFアクション映画の主人公になったかのようであり,確かな没入感へとつながっている。


 その一方,「せっかく探索できるのであれば,探索することのメリットをもっと用意するべき」とも思う。
 先ほど「オープンワールド風」と書いたが,探索可能な範囲は非常に限定的で,そこそこ広いが,それに見合った何かが用意されているわけではない。ジャックの強化用パーツのほかに,集めたところであまり意味がない収集品が点在しているだけだ。

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収集品のなかには世界観を補完するテキストもあるが,重要なものは少なく,ちょっと味気ない
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 ただ,探索パートがあることで,あらためて気づかされる形となったが,「Gears 5」の高いフレームレートと美麗な映像は特筆すべきものだ。30fpsだったXbox 360時代の印象が強い筆者にとって,激しい戦闘シーンでも美しい景色でも,常時60fpsを維持したままでカクつくことがないことは新鮮に映った。

思わず足を止めて景色を眺めたくなるシーンも多い。ここまで美しい世界を作り込むのであれば,フォトモードが欲しくなってくる
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人によっては,こっちがメイン!

ド安定のオンラインマルチプレイ


 冒頭に触れたとおり,「Gears 5」にはシリーズ初のSteam版が登場し,Xbox One版やWindows 10版とのクロスプレイを実現している。これにより,オンラインマルチプレイのマッチング対象が広がっているはずだ。

単純に対戦を楽しみたいときは「クイックプレイ」がおすすめ。必要なメンバーが揃うまで待つのではなく,プレイ中のグループに途中参加するので,待ち時間が少なくて済む
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もちろん操作方法はキャンペーンと変わりなく,チームプレイなので初心者もそこまで身構える必要はない。キャンペーンとの違いは,背後から回り込んでくる相手が多いことだろうか……
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 シューターのマルチプレイと言えば,「対戦」をイメージする人が多いだろう。しかし,わざわざ他人と争うことを好まない――「なぜ人は争うのか?」という人も安心だ。「Gears 5」は協力プレイも充実している。筆者は協力プレイの新要素「ESCAPE」が非常に楽しかった。

 「ESCAPE」はその名のとおり,「脱出」を目的としている。対戦は固定のマップにおいて,どのように立ち回るかという戦略性が求められるが,「ESCAPE」では目的地に向かって走りながら敵を倒していくことになる。つまり,戦場は常に移り変わっていく。

初期装備は貧弱なので,武器と弾薬は現地調達をしながら,仲間と共に出口を目指していく
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 アクション映画の緊迫したシーンで,「Move! Move!」「Go! Go! Go! Go!」といった号令と共に主人公達が息を切らせて走るシーンを見たことがあるだろう。「ESCAPE」には,まさにそんなアクション映画を自らが演じているかのような緊迫感がある。

セーフルームでは武器や弾薬の補充,しばしの休憩が可能だ
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ゴール直前,ゆっくりと閉まっていくドア。その隙間から飛び出しそうな敵。最後の最後でやられてたまるか,と銃を乱射する仲間。アクション映画のクライマックスシーンのようで,とにかくアツい!
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おそらくスコアを少しでも伸ばすためだろう。仲間の1人が閉まりゆくドアの隙間に張り付くようにして,銃を撃ち続けていた。「何もそこまでせんでも……」と,ちょっと笑ってしまった
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「ESCAPE」にはスキルシステムも存在する。マッチ後に経験値とスキルカードが得られ,同じカードを複数消費することでアップグレード可能……なのだが,最初はちょっと分かりづらい
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 「ESCAPE」にはマップエディターが実装されているため,プレイヤーが地形や敵の配置,ドロップアイテムを指定して,オリジナルマップを作成できる。

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ひたすらロケットランチャーを拾いまくれるマップもいいな……と夢が膨らむ
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 従来のシリーズ作品に収録されていた豊富なゲームモードも健在だ。シリーズファンにはおなじみの「HORDE」は,50ウェーブにおよぶ敵の波状攻撃に対し,仲間と協力して最後まで凌ぎ切ればクリアとなる。当然,それなりに長時間続けてプレイすることになるため,相変わらずハードルは高い。

年々,体力の衰えを実感しつつある身なので,10ウェーブを過ぎた時点で早くも疲れが……
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 時代の移り変わりと共に,こうした拘束時間の長いコンテンツは厳しくなっていると感じる。対戦や「ESCAPE」に比べて,参加者が少なく思えたのだ。個人的にも「ESCAPE」のようなコンテンツの進化に期待したい。


課題はあるものの

極上の映像で魅せる最高のシューター体験


 「Gears 5」の映像のクオリティは極めて高い。それにもかかわらず,ほぼシームレスで展開される読み込み時間の少なさや,どんなに激しい戦闘シーンでも処理の重さを感じさせない点は圧巻の一言だ。
 だが,シューターとしては文句のつけようがない完成度を誇る一方,ストーリーがダイレクトにつながっている続編なので,どうしても新規プレイヤーには決して低くない壁が立ちはだかっている。そのため,「未経験者でも大丈夫」とは言えない。
 前述のとおり,本作から導入されたオープンワールド風の探索要素にも改良の余地があると思う。

スキフによる移動パートでは,アクション映画も顔負けのシーンも。こういうシーンは確かに楽しいが,ファストトラベル機能は欲しかったな……
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 なお,「Gears 5」では3か月ごとに大型アップデートの実施が予定されている。今はまだ興味を引かれない人も,さらに進化するということを頭の片隅に置いておいてほしい。

「ESCAPE」に実装されているマップエディターだが,将来的には「HORDE」にも対応する予定があるようだ
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 実際にやってみないと分からない感覚というものがある。
 遮蔽物に隠れて,顔を出しての繰り返しで敵を徐々に削っていき,やっと1匹倒した! その瞬間,まさにベストのタイミングで「1匹倒したわ!」と言ってくれるケイト。撃ち合いの最中,「右から新手だ!」と仲間が叫ぶものの,それを聞いて思わず「クソッ! 分かってるが,先にこっちの敵をやらねぇとヤベェ……」と考える。まるで「参加できるアクション映画」とでも言うべき臨場感だ。

 キャンペーンをクリアしたとき,過酷な戦いに勝った達成感より,「ああ,終わっちまった……」という寂しさが上回った。筋肉マンだらけの仲間達は暑苦しいが,何より頼もしく,熱い。
 終盤にはプレイヤーに究極の選択が課せられ,衝撃的な展開が待っている。「Gears 5」が残す余韻は大きく,次回作に向けて未プレイのシリーズ作品を復習しておきたくなった。これを機に,Xbox 360向けの旧トリロジー3作品とスピンオフ作品「Gears of War Judgment」のリマスター版が登場してくれれば,とても嬉しいのだが……(※)

※第1作のリマスター版「Gears of War: Ultimate Edition」は日本未発売。なお,上記4作品はいずれもXbox Oneの後方互換に対応しているため,パッケージ版またはダウンロード版を所有していれば,Xbox Oneで遊ぶことができる。

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 「Gears of War」とは“戦争の歯車”,つまり1人の兵士を意味している。「Gears 5」という作品において,それを継続的に支えていくプレイヤー一人ひとりが,まさに“Gears”なのだろう。
 キャンペーンをクリア後,寂しさで空いた穴を埋めるべく,世のGears達はオンラインマルチプレイの戦場へと足を踏み出すのだろう。そう,我々の戦いはまだ終わらない……。

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