セガは本日(2020年8月4日),PlayStation 4用ソフト「
ぷよぷよeスポーツ」を用いた
脳活動実験を実施し,その結果を公開した。
今回の実験は,公立諏訪東京理科大学の
篠原菊紀教授の協力のもと,
「NIRS(ニルス)」という脳血流量の変化を調べる実験を活用し,大学生6名を対象に行われたものだ。
それによると,ゲームプレイ中に人間の日常生活や学習を支える重要な脳の部位である,脳の前頭前野と頭頂連合分野の活性化が見られたという。
また,1人でタイムアタックをプレイした場合と,2人で対戦プレイをした場合での脳活動の違いについて調査し,その結果,2人対戦ではさらに脳の活性化が観測できたとのこと。これは,対戦相手の様子や画面の状況を見てプレイする必要があるからと推測されるそうだ。
この結果を踏まえ,篠原教授は
「『ぷよぷよ』をプレイすると脳の活性化が見られるという結果から“子供の知育や高齢者の認知機能低下予防”にも役立つ可能性なども考えられる」とコメントしている。詳しい実験結果は,以下のリリース文で確認してほしい。
eスポーツシーンでも盛り上がりを見せる
国民的アクションパズルゲーム
『ぷよぷよ』で脳が活性化!?
『ぷよぷよeスポーツ』を用いた初の脳活動実験を実施
株式会社セガより展開中の『ぷよぷよ』シリーズは、第1作のリリースから29年間シリーズ展開している、アクションパズルゲームの王道タイトルです。2018年3月にはJeSU(日本eスポーツ連合)公認タイトルとしてプロ選手も誕生し、eスポーツ競技としても注目も集めています。
『ぷよぷよ』が長年多くのプレイヤーに愛され続ける理由や、プレイすることへの意義を科学的な観点から検証し、『ぷよぷよ』をプレイすることが脳にどのような影響を与えるのかを探るべく、『ぷよぷよeスポーツ』を用いた初の脳活動計測を実施しました。その結果、『ぷよぷよ』をプレイすることで、脳の活性化が見られたことをお知らせいたします。
<実験の様子>
1人プレイ「タイムアタック」時 |
2人対戦時 |
■『ぷよぷよ』をプレイすることで脳が活性化
今回の実験は、公立諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授の協力のもと、「NIRS(ニルス)」という脳血流量の変化を調べる実験を活用し、大学生6名を対象に実施しました。PlayStation 4用ソフト『ぷよぷよeスポーツ』を用いて、1人でタイムアタックをプレイした場合と、eスポーツを意識し、2人で対戦プレイをした場合の脳活動の違いについて調査しました。その結果、いずれも平常時より脳の活性化が見られました。
<『ぷよぷよeスポーツ』プレイ中の脳波>
●プレイ前平常時1人プレイ
●タイムアタック時
●2人対戦時
※赤い部分が脳が活性化している箇所
<実験結果及び篠原教授コメント>
『ぷよぷよ』をプレイすると脳の活性化が見られるという結果から、「子供の知育や高齢者の認知機能低下予防」にも役立つ可能性なども考えられる
今回の『ぷよぷよeスポーツ』の実験により、ゲームプレイ中、脳の前頭前野と頭頂連合分野という部分の活性化がみられました。
前頭前野はワーキングメモリーをつかさどり、頭頂連合分野はワーキングメモリーとして情報を短時間記憶し処理するための機能をつかさどる、人間の日常生活や学習を支える重要な脳の部位です。その部位に活性化が見られるという結果は、『ぷよぷよ』のゲームプレイが人間の脳にとって良い影響をもたらす可能性があると考えられます。
今回は大学生を対象とした実験を行いましたが、これまでの過去の実験結果も参考にすると、前頭前野の活性は年齢を問わないと考えられているので、今回の実験結果は子供や高齢者にフォーカスすると「子供の知育や高齢者の認知機能低下予防」にも役立つ可能性なども考えられます。
子供ではゲームをプレイする子の方が、前頭前野が厚いといった研究や、学業成績がよいといった研究、高齢者ではパズルゲームをプレイする人の方が認知機能が高いといった研究もあり、適度な『ぷよぷよ』のプレイは全年齢の脳の活動に役立つだろうと思われます。
2人対戦の方がより脳の活性化に繋がると推測
今回、『ぷよぷよeスポーツ』を1人プレイ(タイムアタック)の場合と2人対戦でのプレイの場合、2つの実験を行いましたが、2人対戦ではさらに脳の活性化が見られました。対戦相手の様子や画面の状況を見てプレイする必要があるからと推測されます。
対戦で相手を意識したり、勝利したい気持ちでプレイしたりすると、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌が増し、脳の線条体や側坐核(やる気や意欲の中核)の活動が高まることで、やる気アップにもつながります。対戦というコミュニケーションがあるゲームのプレイは脳の健康にとって良いことなのかもしれません。
<篠原菊紀教授プロフィール>
公立諏訪東京理科大学教授。健康教育、脳科学。「学習」「運動」「遊び」など日常的な脳活動を調べている。
著書・監修:
「マンガでわかる脳と心の科学」(池田書店)、「もっと!イキイキ脳トレドリル」(NHK出版)、「クイズ!脳ベルSHOW50日間脳活ドリル」(扶桑社ムック)、「「すぐにやる脳」に変わる37の習慣」(KADOKAWA)、「子どもが勉強好きになる子育て」(フォレスト出版)、他多数。